ホーム > 落研家:さとうしんいちの『2013 落語ライブ見聞録@関西』

立川談春
(C) 大西二士男

その他のオススメ落語公演

『三枝改メ六代桂文枝襲名披露公演』
2月1日(土)一般発売
 Pコード:432-807
▼3月2日(日) 14:00
兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
A席-6000円 B席-4000円
[出演]桂文枝/他
※未就学児童は入場不可。
[問]芸術文化センターチケットオフィス
■0798-68-0255
チケット情報はこちら

 

『三三三九四七
 ~柳家三三ありがとう!四十七都道府県~』
発売中 Pコード:560-834
▼3月9日(日) 13:00
大阪能楽会館
指定席-3500円
▼3月22日(土) 15:00
奈良市音声館
指定席-3500円
▼3月30日(日) 13:00
大江能楽堂
椅子席-3500円(指定) 座布団席-3500円(指定)
[出演]柳家三三
※未就学児童は入場不可。

2月23日(日)一般発売 Pコード:560-834
▼5月25日(日) 13:00
和歌山市民会館 市民ホール
▼6月14日(土) 13:00
大津市民会館 小ホール
▼7月13日(日) 14:00
酒蔵通り煉瓦館 ホール
指定席-3500円
[出演]柳家三三
※未就学児童は入場不可。

[問]キョードーインフォメーション
■06-7732-8888
チケット情報はこちら

 

『桂米朝一門会』
発売中 Pコード:433-105
▼2014年3月15日(土) 14:00
神戸文化ホール 中ホール
一階席-4000円(指定) 二階席-3500円(指定)
[出演]桂ざこば/桂南光/桂雀三郎/桂文之助/
桂宗助/桂ひろば
※未就学児童は入場不可。
[問]神戸文化ホールプレイガイド
■078-351-3349
チケット情報はこちら

 

『平成紅梅亭 東西特選落語会』
発売中 Pコード:433-331
〈江戸 夕の部〉
▼3月20日(木) 18:00

[出演]桂歌丸/三遊亭円楽/柳家花緑/
柳家喬太郎/他
〈上方 昼の部〉
▼3月21日(金・祝) 12:00

[出演]桂文枝/桂南光/笑福亭三喬/桂吉弥/他
〈上方 夕の部〉
▼3月21日(金・祝) 17:00

[出演]桂ざこば/桂小春団治/桂米團治/
月亭八光/他

森ノ宮ピロティホール

全席指定-5500円
東西セット券(夕・昼セット)-10000円
(引換券、3/20夕の部+3/21昼の部)
東西セット券(夕・夕セット)-10000円
(引換券、3/20夕の部+3/21夕の部)

※未就学児童は入場不可。出演者は変更になる場合があります。公演当日、番組収録の為会場内にカメラが設置されます。予めご了承ください。
※東西セット券(夕・昼セット引換券、夕・夕セット引換券)は1/31(金)まで販売。予定枚数に達し次第終了となります。
[問]キョードーインフォメーション
■06-7732-8888
チケット情報はこちら

『落語ライブ見聞録@関西』一覧

【其の一】立川談春独演会
【其の二】志の輔・談春 祝祭落語会
【其の三】桂雀々 必死のパッチ 5番勝負
【其の四】立川談春独演会「デリバリー談春」
【其の五】志の輔らくご in 森ノ宮 2013
【其の六】米朝一門会
【其の七】ぴあ寄席 ~あきんど落語編~
【其の八】立川談春独演会
【其の九】三枝改メ六代桂文枝襲名披露公演
【其の十】ぴあ寄席 ~湯けむり落語編~
【其の十一】立川談春 三十周年記念落語会
『もとのその一』(大阪)

【其の十二】立川談春 三十周年記念落語会
『もとのその一』(神戸)

【其の十三】ゆうちょ 笑福亭鶴瓶落語会
【其の十四】志の輔らくご in 森ノ宮 2014
【其の十五】立川談春 三十周年記念落語会「もとのその一」『百年目』の会
【其の十六】志の輔らくご in 森ノ宮 2015
【其の十七】桂文太 ぷれみあむ落語会 in NGK
【其の十八】笑福亭鶴笑の夏休みファミリー劇場~笑福亭鶴笑のパペット落語~
【其の十九】夢の三競演2015~三枚看板・大看板・金看板~
【其の二十】よしもと落語 若手まつり

『2012年 立川談春見聞録』一覧

【1】4月公演見聞録『慶安太平記』
【2】5月公演見聞録『百川』『文違い』
【3】6月公演見聞録『岸流島』『品川心中』
【4】7月公演見聞録『包丁』『紺屋高尾』
【5】8月公演見聞録『かぼちゃ屋』『小猿七之助』『景清』
【6】9月公演見聞録『おしくら』『五貫裁き』
【7】10月公演見聞録『九州吹き戻し』『厩火事』
【8】11月公演見聞録『白井権八』『三軒長屋』
【9】12月公演見聞録『冨久』『六尺棒』
【10】最終回 森ノ宮ピロティホール3周年記念祭 特別公演見聞録『芝浜』

立川談春独演会

 

年末に向かう忙しい時期に、えらい独演会をやってくれたもんです。
あまりにも、内容が濃すぎて、
何から書いたらいいのか……
どう書いたらいいのか……
と逡巡しているうちに年を越してしまいました。すみません。

みなさま、あけましておめでとうございます。

紺の高座にグレーの座布団、上品な鳥の子屏風。
黒紋付姿の談春さんが現れて、開口一番、「いきなり落語します。」
と、言いつつも、軽いマクラから前の日にやった『こんにゃく問答』のあらすじを語り、
今日は違う話をしますねと『桑名船』に。
いろんな人が乗り合う船が止まったのは、
その海に住むフカ(サメ)が、船に乗っている客の一人を魅入れたからという。
乗客の持ち物を順に流していくと、魅入られたのが売れない講釈師だと分かる。
死ぬ前に一度だけ講釈を語らせて欲しい、と言って、
語り始めたのは、いままでの修行の集大成、
いろんな講釈のいいとこ取りをした“統合講釈”。
いや、もう、『忠臣蔵』あり『清水の次郎長』あり『たらちね』ありの、
ごちゃまぜ、むちゃくちゃ講釈を、扇をパンパンパンパン叩きまくっての大熱演。
立て板に水どころか、那智の滝もびっくりの流れる言葉たち。つまりは、流石。
それは、すなわち、談春さんの口ゆすぎ。

オチを言って、お辞儀をして、顔を上げて…

実は、ここからがメインイベント(その1)。
『中村勘三郎追悼公演顛末記』という、ひとつのネタと言ってもいいほどの、
深く、あったかく、とびっきりはちゃめちゃで、ジーンとくる人情噺。

2012年12月5日、57歳の若さで亡くなった十八代目中村勘三郎さん。
談春さんの著書『赤めだか』を勘三郎さんがいたく気に入り親交が始まった二人ですが、
その後、この二人と、兄弟子の志の輔さん、さだまさしさんの4人で
ゴルフをする機会があり、それはそれはたいそう楽しく盛り上がったそうです。

2013年11月14日。長野県、まつもと市民芸術館。
勘三郎さんの一周忌を前に、勘三郎さんが最後に立った舞台で、
と思い立った談春さんが、さださんと志の輔さんに声をかけ、実現した追悼公演。
談春さん自らが陣頭指揮を取り、スケジュールやプログラムの企画や制作を担当。
必死で調整に調整を重ねて迎えた当日、
「来たでぇ~」と、突如姿を現したのは、声をかけていない笑福亭鶴瓶さん。
細かな分刻みのスケジュール表は紙くずとなり、自身の『三軒長屋』も諦め、
ある種の開き直りのうちに開演。
さぁ、そこからは、まるでその場にいるかのようなライブ感たっぷりの実況中継。
神の域に到達しそうな鶴瓶さんのネタ『青木先生』の凄まじさや、
さだまさしさんの爆笑トークに鶴瓶さんの乱入。
勘三郎さんの暴露話を言いたい放題の鶴瓶さんに、
ちょっと言いすぎじゃないかと突っ込むと、「言われたくなかったら、はよ死ぬな。」
言った鶴瓶さんも素敵なら、このエピソードをはさみこむ談春さんもカッコよすぎる。
続いては歌手としてのさだまさしさん。2曲でいいと言ったのに4曲披露。
『精霊流し』の歌詞に重ねられる勘三郎さんの人生と、場内のすすり泣き。
当初予定の全体上演時間を超えて、なお、出番を待つ志の輔さんがひと言、
「オレ、この後に演るの?」
ところが、幕が開いてしまえば、
勘三郎さんを偲ぶのに相応しいネタ、忠臣蔵五段目をモチーフにした『中村仲蔵』。
普段は60分のネタを語りに語った80分。

この、談春さんの話を聞いているだけでのどが乾いてくるのに、
実際のまつもとの夜を体験した人のうち、
きっと二人ぐらいはミイラになっていたことでしょう(?)

談春さん、最後にポツリと「今日は、この噺がしたかった。」

人を好きであること、好きであったことを伝える手段として、
その人を精一杯に想いながら、自分の出来ることを一所懸命にする。
この、誰にでも出来るシンプルなことが、これほど心に沁みいるのかと、
心臓の下の方がぽかぽかとしてきました。

さて、中入りをはさんでは、お待ちかねのメインイベント(その2)。
『芝浜』。
2013年1月23日、前年の12カ月連続独演会のお礼公演として語られた、
立川流の真骨頂。
あらすじと、その際のレポートはこちらから。

違っていました。
はっきりと、違う『芝浜』でした。

1月は、談春さんが喋っているはずの勝五郎とおかみさんに命が宿り、
もう、何を話しだすか分からない、談志家元直伝の『芝浜』でしたが、
この日は、確かに、明らかに“名人”立川談春が見事に演じきっている、
そんな印象で、しかも、圧倒的にこちらの方が迫力があるんです。

勝五郎のおかみさんへの想いが純粋で、骨太で、おちゃめで。
だから、信じた。だから、怒った。だから、許した。
許し方が分からなかったけど、許した。
そんな、男としての複雑さが見事に刺さってきて、泣けました。
本当に、泣けました。
実は、1月は泣けませんでした。
もしかしたら、1月はおかみさんの方に思い入れしやすく、
12月は勝五郎に思い入れしやすかったからなのか、
うーん、理屈では分かりません。
ひとつ、確実なことは、落語は“生もの”ってことでしょうか。

さて、この日の公演、以上でおしまいかと思いきや、
もうひとつのサプライズ。つまりはさらなるメインイベント(その3)。

2014年芸歴30周記念全国ツアーの発表です!

勘三郎さんが、常に口にしていた言葉、
「ボクはね、大阪で売ってもらった役者なんだよ。」
2012年1月から始めた月一独演会から丸2年、自分もそんな気がするという談春さん、
集まったすべてのお客さんにとって嬉しい言葉の後、
そのツアーのスタートを、

大阪、フェスティバルホールで5月31日(土)・6月1日(日)に!

客席からの「おーーーー!」の歓声に、
すかさず「チケット買って」
2700人のキャパシティ×2日間で5400人。
もはや、寄席や独演会と呼べるもんではないですわな。
さらに、サプライズな告白、

この会では、今まで封印してきた“上方ネタ”をやる!

「おーーーー!」

2013年の大晦日、さだまさしさんが年越しカウントダウンライブをやった、
ちょうど半年後のフェスティバルホールで、
談春さんがかけるのは『らくだ』か『たちきり』か『除夜の雪』か。
談春落語が、関西での第二ステージへ突入します!

さらに、ちょいちょい、尼崎や住之江にも突入しているみたいですね。
2013年12月の「賞金王決定戦」の舟券は、当てはったのでしょうか。

ワタクシは外しましたが。ふんっ

 

★立川談春 フェスティバルホール公演のチケット発売情報はこちら

『談春 大阪二夜 立川談春30周年記念独演会inフェスティバルホール』

4月5日(土)一般発売 Pコード:434-474

▼5月31日(土) 15:00/6月1日(日) 15:00
フェスティバルホール
S席-4860円 A席-3240円
[5/31]立川談春(「らくだ」「除夜の雪」)
[6/1]立川談春(「たちきり」他)
※発売初日は店頭での直接販売および特別電話[TEL]0570(02)9580(10:00~18:00)、通常電話[TEL]0570(02)9999にて予約受付。
※未就学児童は入場不可。
[問]キョードーインフォメーション■06-7732-8888

チケット発売情報は随時更新中!

 

(2013年1月22日更新)