ホーム > 怒髪天 増子直純のナニワ珍遊道

写真で見る怒髪天、その名も『怒髪展』が行われたタワーレコードNU茶屋町店に増子直純が参上!
今回はタワーレコード NU茶屋町店のスタッフの方々ともに繰り広げるナニワ珍遊道です!

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Profile

怒髪天

どはつてん
’84年に札幌で結成。増子直純(vo/通称兄ィ)を中心に上原子友康(g/通称 王子)、清水泰而(b/通称シミさん)、坂詰克彦(ds/通称坂さん)の4人組で活動中。オトコくさくも人情味溢れる独特の音世界に支えられた圧巻のライブアクトで人気急上昇中のロックバンド。

オフィシャルサイト http://dohatsuten.jp/

Release

待ちに待った1年ぶりの大作到来!
オトナマイト・ダンディー
Album『オトナマイト・ダンディー』
発売中
インペリアルレコード
2800円
TECI-1277

Live

『オトナマイト・ダンディー・ツアー 2010
"NEO ダンディズム"』
発売中
Pコード:346-196
▼5月9日(日) 18:00 KYOTO MUSE
▼5月11日(火) 19:00 STARCLUB
▼6月4日(金) 19:00 U★STONE
▼6月5日(土) 19:00 BIGCAT
オールスタンディング3500円
※6歳以上は有料。
夢番地■06(6341)3525

チケットの詳細はコチラ

Link

怒髪天のニューアルバム『オトナマイト・ダンディー』のリリースを記念して、タワーレコード・NU茶屋町店で行われた『怒髪展』。ライブ写真を中心に、我らが『ナニワ珍遊道』での写真も飾られ(恐縮です!!)、増子兄ィはもとより怒髪天のあらゆる表情、シーンを楽しめる内容でありました。

今号は、『怒髪展』開催期間中の某日、視察のため(?)訪れた増子兄ィに『怒髪展』の感想など聞いてきました! そして今回は、タワーレコードのスタッフの皆さんも同席。『怒髪展』裏話などもお届けします。

 

--@ぴあ関西です。今日はよろしくお願いします。まず、こういったパネル展は、怒髪天では初めてですよね?

タワーレコード浦野さん(以下浦野)「初めてですね。イベントはありましたけど」

増子「普通、パネルの方が先だよね」

--増子さん、怒髪展を見られてどうでした?

増子「いや~、おもしろいね! 1枚、イラっと来たのがあったけど(注:坂さんの“男前”写真)。あれ、腹立つね!」

--あの写真は、かっこよかったです。

増子「(『オトナマイト・ダンディー』販促の写真を見ながら)これだって目を細めてるだけだから。……この坂さん、石か何かで出来てるんじゃないの?(笑) 石で出来てるよ!」

--坂さんのキャラを知らない人からすると…

増子「渋く感じる? それは……ないね! ほら、渋谷のタワーレコードでインストアのトークイベントだったんだけど、坂さん、一人だけぼんやりして目をショボショボさせちゃって、話を聞いていない。順番で聞かれるってわかってるのに、“へ!?”って。やばいよ、アイツ。始まって10分も経たないうちだよ!? 最初から興味ないから。何とかその場をやり過ごそうという気持ちしかない、坂さんには」


たくさんのご来場、誠にありがとうございます!

--(笑)。話は怒髪天に戻しまして、ずばり、現在の大阪の好状況をどう受け止められますか?

増子「そうだね、ありがたいね。それこそタワーレコードもそうだし、FM802もそうだし、そうやって応援してくれる人が増えるのはうれしいよね。これは本当、金を払ってできるもんじゃないからね。結局、気持ちだからね。いいなって思ってもらわないとやってもらえないからね、本当に。それはやっぱり単純にうれしい。いつも言ってるけど、大阪は東京より先にお客さんが着いてくれた土地だから。札幌の次だからね。それはもう、思い入れもあるし、うれしいよ」

--大阪って、音楽もそうですけど、MCが面白いかどうかっていうことも判断基準になると聞きます。それで言うと笑いのツボも合ってるのかな?って思いますね。

増子「昔さ、なぜか地方に行ったらね、“from 大阪”って書かれちゃうことがあったよ。どっからよ!?って。住んだこともねぇ(笑)。ビックリしたよ。どの情報!?って(笑)。誰も大阪出身なんていないよっていう。でも、憂歌団が好きだったから、ああいうライブのやり取りを見てわかってたから。客席と掛け合いがあるっていう、ライブを一緒に作る雰囲気になりやすい街だよね。それがうれしいよね。やってて楽しい。たまにあるからね。反応が超薄くて、“あれ? 俺、何かやっちゃったかな!?”っていうような土地。だけどライブが終わったらみんな、物販並んでくれてたりとかね。好きだったら先に言えよ!って(笑)」

浦野「それは、わかんないですよね(笑)」

増子「わかんないよ。初めて行く土地とかさ。みんな遠巻きになっちゃってて。“今日はダメかな、やっちゃったな”って思ってたら、帰りに待っててくれてたりして。“今、今日のピークですよ!”っていうときは遠巻きで、終わった後に来る(笑)。大阪はそういうのがないからね。でも、シビアでもあるけどね。ライブがよくなかったら次には来ないから。ちゃんと批評性に溢れてるというか、流行に流されるとかじゃなくて、自分がいいと思ったら来る。だからこそ新しいものが生まれると思うんだよね。自分の考えで動いているというかね。ここ何年も、面白い新人バンドは大阪ばっかりだからね。ホント、大阪から出てくるムーブメントってデカイよね。昔で言ったらブルースもそうだし、メタルもそうだし、パンクもそうだし。あとゼロ世代とか、新しいものもみんなやっぱり大阪だよね」

--なるほど! 僭越ながら大阪を代表して、ありがとうございます。さて、来る4月21日に…。

増子「『THIS IS IT』的なものをね! ちょっとした茶番をね(笑)。随分金かかった茶番だけど」

--大人の遊びですね。

増子「そうだね。ダンスもちょっとね…って、できんのか!? できないと思うけど(笑)。ただリハーサルやるだけじゃ面白くないから、何かしらこう、ちょっとした茶番をね、繰り広げつつ。面白いと思うよ? そういうバカらしいの、いいよね! ライブハウスもこんなことでよく貸してくれたなと。なかなかリハを見る機会もないじゃない」

--贅沢ですね。

増子「ホントにね。何考えてんだって」

--増子さんの衣装や髪型もリハ仕様なんですか?

増子「そうだね、それも考えていこうと思ってるよ。リハのときはリハの格好で。いろいろやらなくちゃいけないからね! ただただやってるだけじゃ面白くないから!」

--仕込みがいっぱいですね。

増子「多少は仕込んどかないとね。音楽やるだけじゃダメなんだよね。これ、誰が考えたんだ!って話だよね、本当。何の仕事かわかんないよね」

--ネタも考えないとダメですしね。

増子「インストアライブをやった方がよっぽど楽じゃん。でも、何だかわからないけど、面白い方がいいからね、単純に。そら手間かかるよね。ライブはライブで観ればいいじゃん。ライブ以外のもうちょっとあほらしいところ、お楽しみ的なところをね、楽しんでもらって」


NU茶屋町店の正義の味方!

--そういう機会があるっていうのはいいですね。

増子「そうだね。そういうことができるようになるっていうのは、やっぱりうれしいよね。金かけた冗談じゃないけど、そういうのはやっぱりいいよな!」

--初めて怒髪天のライブで来られる方とか、どういう印象を持たれるのか気になりますね。

増子「願わくば。少なくともライブは1回くらい、観ててほしいよね(笑)。あ~、演劇的な~みたいに思われるのもね(笑)。まあ、オマケだからね。ただ、リハをやって、こういう流れでやってますっていうのもね、社会見学じゃないんだから。そこら辺はちょっと見ごたえあるものを、アホらしくやろうかなと」

--坂さんがめちゃめちゃ怒られるとか、そういうことは?

増子「あるかもしれないね! むしろ坂さんの裏の顔が見られるかもしれない! 本来のバンド内の力関係はもしかしたら違うかもしれない!(笑) そういうところが観られるかもしれない! そこはお楽しみだね」

--実は影で仕切っているのが…。

増子「いや~、あるかもよ。全部、台本書いてる。そういうこともあるかもしれない!」

--台本を覚えるのが大変ですね。

増子「そうだね。ただ、台本を覚えてたら、いつもあんなに噛むことないだろうしね。あんなに茫洋とした発言は出ないよ。なんの掴みどころもない感じにはならない。順序立てて考えられる頭があったらね。坂さんは何にも考えてないからな…」

--今の増子さんの発言すらも坂さんは右から左へ。

増子「だって注意されてることを冗談だと思ってんだもん。もう具合悪くなっちゃう。それくらい何も考えてない」

--案外、生きていくための戦略かもしれないですよ。1回ボケかましとくっていう。

増子「いや、突っ込まれて自分でビックリしてるからね。すごいよ? 違うボケも入ってきてるから、ほんと! 目、ショボショボだもん。す~ごいんだから! 俺ら、健康だけは気をつけてるんだけど、一人だけ急速に老朽化しているからね。同じ年なのに。シミは2つ下だけど、あとはみんな同じ年だからね。言ったら斉藤和義くんもスガくんも、トータスも、エレカシの宮本も、みんな一緒だから。一人だけなんかジジイ度がアップしてる。シワシワ度がアップしてるよ」

浦野「(笑)。次のアルバムのジャケット、坂さんの笑い顔とか泣き顔とか、いっぱい種類を作るって言うのはどうですか?」

増子「(坂さん)だけを? 売れない! 『マン・イズ・ヘヴィ』のジャケットは俺が頭抱えてうつむいてる写真なんだけど、最初は坂さんにやってほしかったの。坂さんが渋くうつむいている感じにしようっていう俺のアイディアだったの。そしたらさ、前にいた事務所の社長からNGが出て。それじゃ、売れないって。無理だ! 逆効果だ!って言われて、結局俺に差し替えられた(笑)。」

--あの頃はふくよかでしたよね。

増子「パンパンだよ! 相撲取りだもん。顔、パンパンだから。へヴィ過ぎる」

--ちょっと意味が変わってきますね。

増子「“男は重いよ”になる! 首がゴロンと落ちそうなくらいパンパンだから」

--今は一転…。

増子「枯れ木だよ。干物でもある。……って、いっつも思うんだけど、結局いっつも坂さんの話してんだよね(笑)。」


店頭用POPにサインを書き書き。

--(苦笑)そうですね~。そういう引力があるんでしょうね。

増子「もうヤになっちゃうんだけど。目の前にあるものを全部食わないと気がすまない人だし。坂さんと回転寿司に行って、大変だったんだから! どんどん、あればあるほど食うんだから。通風になって、飯を控えてダイエットして、痩せて。まあ、たまには寿司でも食おうよって舞鶴でフェリーに乗る前に行ったのよ。でも回転寿司しか開いてなかったから、“まあ、ちょっとだけ”とか言ってたんだけど。そしたらさ、20何皿くらい食ってたよ。もうね、頭がおかしくなっちゃって、流れてくるやつをずっと見てて、背後に流れたものを勢いよく振り返って、手を伸ばして取ってたからね。“ああ! ああ~!!”とか言いながら。もう恥ずかしいわ」

--“回転”してますしね、パニックになりますよね。

増子「大パニックだよ! 毎回、ビックリすることするからね。ええ~!?っていう。もうひどいもんね。ホテルでさ、布団に入ったままおにぎり食ったり。無法者なんだよね。北海道からフェリーに乗ったときもさ、船の中で食うからって丸ごと一本焼いたようなでっかいニシンを買ってきてさ、フェリーのベッドの中でバチャーって広げて食らいついてたよ。ニシンだよ!? 木彫りの熊じゃないんだからさ~。“すげ~な~、焼き魚買ってきたよ~”って言ってたら、“食べる?”って。食うわけね~だろ! ビックリしたわ! あんなでっけえ焼き魚、買ってくるヤツいねーよ! 家じゃないんだから。すごい、豪快すぎる。……坂さんの話をしてもしょうがない!(ここまでインタビュー時間の半分以上が経過)

--タワーレコードさんに怒髪天の盛り上がりを聞きたいですね。ご本人を前にして、いかがでしょうか?

浦野「やっぱり、エレベーターを降りて、入ってきてすぐのところにあって」

増子「一等地だね!」

増子「知らない人でも何だろう?って感じで怒髪展を見てて。いろんな年齢層の人が観られるっていうのは大きいですね。こんなこと言ったら失礼なんですけど、アルバム発売初日が予想以上に…」

増子「来た!?」

浦野「来たんですよ!」

増子「嵐じゃなくて? (ストレイ)テナーじゃなくて?」 

浦野「そうなんですよ、テナーを超えたんですよ」

増子「おお! そうか! すごいな~! そこ、でっかく書いとこうか(笑)。なんと! ヌー茶屋町店では!」

浦野「嵐の次でした!!」

増子「でっかく書いとこう!」

浦野「でも、危なかったんですよ。アルバムがなくなりそうになって」

増子「あら~! 危なかったね!!」

浦野「必死こいて集めて取り寄せて」

増子「いや~、よかった。ありがたいね」

浦野「それくらい勢いがすごいよかったです」

増子「アレだよね、等身大看板も友康ってところがいいね」

浦野「たまに間違えるんですよ、店員と。“あ、おるな、ああ、パネルやった”って! ちょっと安心なんですよね、人がいてる感じで」

増子「ああ、そうかそうか。あれ、インフォメーションコーナーの中に立ってればいいんじゃない?」

浦野「お店が終わったら、みんなと一緒に終礼に参加してるんですよ」

増子「終礼出てんの!?(笑)。すばらしいね! だって普通のポーズだもんね」

浦野「店に届いたとき、大丈夫か~!?って(笑)」

増子「普通すぎるから」

浦野「はい、普通すぎて」


こう見ると去年の大阪に来た割合はすごく多い!

--でも、その普通さがお店になじんで。

浦野「はい。なじんでますね」

増子「万引き防止になんじゃない?」

浦野「案山子…」

増子「案山子だよね(笑)」

浦野「各コーナーごとにメンバー全員のパネルを立てておくのもいいかもですね!」

--パネル全員集合も見てみたいですね。

増子「渋谷のタワーで、4人のパネル全員集合したところにメンバー行って、写真撮ったんだよ。だから8人で。8“人”じゃないけどね。EXILE状態の倍になっちゃったよ(笑)。まあ、EXILEも頭刈り込んでる人とマキダイしか知らない。マキダイもこないだ覚えたところだよ」

--有名なところではHIROさんがいらっしゃいますが。

増子「HIRO…。ヒロって言ったら俺の中では安田大サーカスだから! 俺の中ではね。あれぐらいインパクトがないと覚えられない! 話し戻すけどさ、ああいうふうに写真展を展開してくれてさ、観に来てくれるのもうれしいじゃない。飾ったはいいけどなんかさっぱりでしたっていう状況になったらね、心苦しいわ。変に張り切らさせちゃったかなみたいになるじゃん。でも、ちゃんとなってるのはうれしいな」

浦野「イベントとかはやっていただいたんですけど、見せる側でやりたかったなっていう部分があったんで」

増子「あれはいいよ。あんなのないよ。4面だからね。ありがたいね、本当に。今回も面白いアルバムができたから」

浦野「本当、じっくり聴ける流れでいいですね」

増子「アルバムって、常に次に次に行くもんだから、俺の中で“サーチ・アンド・デス”なんだよね。次にやることを探して、捕まえて、できたアルバム。そして、その次で壊す。捕まえて壊す。今回はサーチの部分。新しいものを捕まえて、次により広がるっていうものの元になるものだと思うから、絶対面白い」

--なるほど。

増子「誰でも、最初に出会ったアルバムがその人の中でベストアルバムになるんだよね。それを超えることは一生ない。どんないいものを作っても。それは俺自身が、リスナーとして好きなアーティストがそうだから。やっぱり最初に聴いてたアルバムが好きだったりして、その影を追うのはよくわかる。だけど、俺らはそこに執着してもしょうがないからね。どんどん新しいものをやってかないと。新メニューをどんだけ出せるかっていうのは、その店の勝負だから。今回かなりシェフのオススメを出したからね」

--ああ、シェフのオススメですね。

増子「俺らがラーメン屋だとして、26年やってきて。最高のラーメンだっていうものを何年も出し続けてきて、ここ何年かでやっと行列ができるようになった。その行列には手を合わせたいくらいありがたい、この行列をなくしたくないなと思うのは、これは人情。じゃあ次はどうするかっていうと、考えは浅いけどさ、店の中にアンケートボックスを置く。で、食べた人にどういう味が好きですか、どういうふうにしてほしいですかと聞くわけ。そのアンケートを読んで、みんなで考えて、“じゃあ、次はこういうのを作ろう”とか、“みんなこういうものを求めているんだからこういうふうにしよう”ってやっていくと、結局元の味がなくなっちゃう。全然違う味になる。だから常に、自分がうまいと思っているものだけを出し続けなければいけないし、新メニューは俺らが考えなきゃいけない。時代にあったオーダーに応えるのではなく、常に自分がうまいと思うものを出し続けていくのが店の暖簾にかけることじゃないのかな。それが一番やることだと思ってる」


ひたすら食べてばかり…

--流行り廃りに関係なく。

増子「“コレが流行ってるからやってみよう”とか、“今は流行ってるから、じゃあ、つけ麺出しますか!?”っていうのはよくない。うちは醤油で勝負だっていうなら、醤油で勝負だよ。“醤油カレーラーメン”とか、自分でうまいと思うなら出す。それが評判になって看板になることもあるわけで。今回のアルバムなんかでも、いろんなことやってるから絶対面白いからね。なかなかやんないよ、こんなに。やりたい時期にやりたいことをやらないと意味ないじゃない。もう1回、名刺を配り直す的なものが出るんじゃないかとみんな思うだろうし、戦略的にいくとそうだけど、でもそれはやっぱ足踏みなんだよね、俺の中では。それは過去のものを聴けばわかるから。次にどう行くか。今回はチャレンジだから。俺らが次に進んでいくための。そういうアルバムって面白いと思うんだよね。これ1枚しか買わないっていうんだったら、それはどうかしらないけど、長く付き合ってくれるつもりなら、絶対、ここからあのアルバムに繋がったんだなって絶対思うから」

--ああ、そういう足取りが見えるってことですね。

増子「そうそう。もう次に進んでんだなってわかるじゃん。同じようなテイストのヤツ、何枚も出してもしょうがないでしょ。それで成長していったバンドも知らないし」

--そこに根本というか…。

増子「元々、いろんな種類の音楽を吸収してできた音だから。元々ね。まあ、その根本にまた立ち返ってる。何回もその時期が来るから。今までで一番、作ってて面白かったもんな。いわゆるその、ぽっと聴きのキャッチーさではなく、1曲1曲の完成度がすっごい高い。あらゆるバランスを考えて作ったから。すごいよくできた曲。1曲ずつの完成度にのみ集中して作ったから、すごい面白いものができた。今までは似顔絵を描きやすいバンドだと思う。でも、今回は割りと2枚目っぽい感じ。だから似顔絵を描きにくいと思う。だけど非常によく出来た顔なんだよね。アルバムはね」

--精密なデッサンみたいな感じですかね?

増子「いい男とか、きれいな女優さんとか、似顔絵描きづらいじゃない。特徴がないから。そんなふうに、すごい整合性あるというか、きちんとそろった楽曲なんだよね、1曲1曲は。合わせると大変なことになってるけど。そこはシングルが入っての流れだからね」

--またライブも楽しみになりますね。

増子「もちろんだよ! 特にこの人(と目線の先には坂さん)には、がんばってもらって。こないだもビックリしたよ。素人が来たかと思った! 1月のシェルターが終わってから1ヶ月くらい空いたんだけど、ドラム叩いてないから忘れちゃってるんだよ。感覚を。速くって言ったらバカみたいに速くて、遅くって言ったらバカみたいに遅い。1ヶ月間、何もしてなかったからね。ビックリした! ある意味プロだよ。すべてのメモリ、消去して来てんだもん(笑)」

--おっと、坂さんの話は危険なので……タワーレコードさんとも、こうして関係性があり…。

増子「本当に、ありがたいことだよね。これから恩返ししていかなくちゃね。まずは嵐を抜くことからだな! こうやって展開してよかったなって思ってくれるように頑張らないとならんなって思うよ」

--今回のように実際お顔を合わせてお話しする機会もあって。

増子「そうだね。ヌー茶屋町店はステージもあって、何回もイベントやらせてもらって、やりやすい。イベント係のお姉さんもすごいツンデレで(笑)。最初は心が折れそうになるんだけど、すごい優しいんだよね(笑)。怒られるとちょっと怖い感じ。だけどすごく優しい(笑)」

浦野「ハハハ。伝えておきます」

増子「でも本当、(店に)来たらさ、顔が見える店っていうのはいいじゃない。何だって優先したくなる。やっぱりいいよね。まあ、今後ともヨロシク! いずれこれ、立て看板じゃなくて、本物の坂さんを1日、2日置いておくっていうのもいいだろうね!」


取材にご協力いただきました、タワーレコードNU茶屋町店スタッフの浦野光広さん(写真左)、YSGさん(写真右から2人目)、北島美恵子さん(写真右)、本当にありがとうございました!

 

(取材・文 岩本和子)


 

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