ホーム > 怒髪天 増子直純のナニワ珍遊道
どはつてん
’84年に札幌で結成。増子直純(vo/通称兄ィ)を中心に上原子友康(g/通称 王子)、清水泰而(b/通称シミさん)、坂詰克彦(ds/通称坂さん)の4人組で活動中。オトコくさくも人情味溢れる独特の音世界に支えられた圧巻のライブアクトで人気急上昇中のロックバンド。
オフィシャルサイト http://dohatsuten.jp/
Single『オトナノススメ』
発売中
インペリアルレコード
初回生産限定盤<CD+DVD>
3000円
TECI-193
通常盤<CD>
1000円
TECI-194
<CD収録曲>
1.オトナノススメ
2.武蔵野流星号
赤坂BLITZのライブ映像と、今回はなんとツアー移動や楽屋裏までマル秘密着大公開!? 超濃厚なライブ映像&大爆笑必至な珍道中、全80分抱腹絶倒大満足間違いなし!
<DVD収録曲>
1.GREAT NUMBER
2.労働 CALLING
3.マン・イズ・ヘヴィ
4.うたのうた
5.サムライブルー
6.全人類肯定曲
7.NO MUSIC, NO LIFE.
8.セバ・ナ・セバーナ
9.よりみち
10.酒燃料爆進曲
来年1月27日(水)に、早くもニューシングル『ド真ん中節』のリリースが決定!! 続報を待たれよ!
初回生産限定盤CD+DVD 1890円/TECI-208
通常盤CDのみ 1000円/TECI-209
『FM802 STILL20 ROCK FESTIVAL
「RADIO CRAZY」』
11月28日(土)一般発売
▼12月29日(火)・30日(水) 12:00
インテックス大阪
1日券7800円(オールスタンディング/Pコード338-405)
2日券14500円(オールスタンディング/Pコード:782-432)
FM802リスナーセンター■06(6354)8020
RADIO CRAZY公演事務局■06(7732)8787
1日券の詳細はコチラ
2日券の詳細はコチラ
2010年 ワンマンツアーの開催も決定!
関西は以下4公演の予定ですぞ。
5月9日(日) KYOTO MUSE
5月11日(火) 神戸STAR CLUB
6月4日(金) 滋賀U★STONE
6月5日(土) 大阪BIGCAT
ちなみに発売中のぴあ関西版では、大阪公演の超最速先行予約を実施中! こちらも要チェックです。
女性自身WEB連載 増子直純の「男子たるもの」
http://blog.jisin.jp/dht/
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現在発売中の『ぴあ関西版』で、5ページに渡る怒髪天特集(※1)を展開しているわけですが、そこでは伝えきれなかったことを“ナニワ珍遊道”にてご紹介! WEBがあってよかった! ということで、その第1弾となる今回は、こちらもリリースされたばっかりの怒髪天ニューシングル『オトナノススメ』について、メンバー全員集合インタビューです!
--11/4に新曲『オトナノススメ』がリリースされました。こちらのコンセプトや制作秘話を聞かせてください。
増子「怒髪天はもともと、パンクバンドから始めて。“Don't trust over 30”(※2)、大人を信じるなっていうパンクの常套句があって、俺らも昔はそう思ってて。でもいつの間にか大人になってて、あれ? ちょっと待てよと。自分が思ってたのとぜんぜん違うなと。大人っていう概念自体、ああいう大人になりたくねぇなっていう人がもう、周りにいないし、全然。何に対して反抗してたのかもわからないっていうか。東京に出てきたときの感覚に近いというかね。東京が何ぼのもんじゃい!みたいなね。ただの街だったっていう。何ぼでもなかった。別に俺の敵でもなかったっていうかさ。大人なんてクソくらえっていう、そういうスタイルに憧れてたけど、実際大人になってみた今、本当に、そういう、いわゆる“立派な大人っぽい大人”って周りに一人もいないよね。見たこともない。同い年でもそうだし、上の人でもそうだし。職業柄そうかもしれないけど。ルックスは立派な大人であるけれども、意外とみんな、中身は全然、思ったような大人じゃないよね。結局は、大人・子供関係なしに、それぞれがただ成長していくだけ、ハードが年を重ねていくだけであって、中身は基本変わらないし。“30過ぎたらしっかりする”とかもないし。何にもないよ。……坂さんは、何もないし聞いてもいない(笑)。
--では、“大人”についてお伺いしていきます。“自分って大人だな~”と思う、そういう自覚とかありますか?
増子「そりゃもう、みんないい大人でしょ(笑)。“俺、子供だよ!”って言う方がおかしい」
--ああ、すみません、大人らしく振舞うっていう感じで…。
増子「冠婚葬祭の時くらいじゃない? そのときぐらいだよね。あと、親戚とか友達の子供に対してとか。…そんなこともないな」
シミ「俺も別に考えたことないなぁ」。
増子「“大人”になりたくないとも思わないしね。若い世代の中には、大人になるのは怖いなって思ってるヤツもいると思うし、俺らも思ってたけど、全然そんなことないよね。だから、若い世代のヤツらにも何の構えもいらんし、ビビる必要ねえぞって教えてやりたいし、俺らと同い年ぐらいの人で、毎日つまんねぇって言う人には、それは大人の自由さを忘れてんじゃねえか?って伝えたい。友康は大人だなと思う瞬間あんの?」
友康「大人だなと思う瞬間? …何だろう」
シミ「寝る前のワインとチーズでしょ」
増子「それは絵に描いたような大人だね」
友康「ハハハ。最近、それがないと夜に眠れなくなっちゃって」
増子「ガウン着てね」
友康「安いチーズとワインだけどね。ガウンも着てないし、グラスも揺らしてないよ」
増子「やってたら怖いよ(笑)」
友康「でも、それも別に大人だなと思ってやってるわけじゃないし…」
増子「はたから見たら“大人”だよ」
友康「自分で生活して…。部屋を借りたりとか、そういうことをしてると大人っていうか…大人ではないな? 独立してんなっていうか」
--自立しているという感じはありますよね。
増子「子供には部屋を貸してくんないからね」
--では、皆さんが若かりしころ抱いていた大人の概念はどんなものでしたか?
増子「仕事をしっかりして、泣き言を言わないで、辛い立場でも仕事に行くことを嫌がらない。我慢強いというか、頼れる感じで渋いというかね」
友康「何とか我慢して」
増子「我慢が我慢に見えない。あと、あんまり笑うとかでもなく。そういうイメージだった。ね、坂さん」
坂詰「そうっスね」
増子「出た! これ、悪い大人の例だから。何でもそうっスねと受け流す悪い大人。こういう大人にはなりたくない(笑)」
シミ「坂様は生きる標本です」
増子「メンバーの中でいうと、坂さんが一番大人だよ。だって成人病だもん。“成人”がついちゃってんもん。今はもう生活習慣病って言うけどね」
坂詰「大人といえば“酒、煙草、麻雀”ですね!」
シミ「全部、ダメじゃん」 増子「麻雀がギリかな。でも負けても払う金がないよね」 --坂さんはそれに、ほとんど当てはまりませんね。 増子「タバコもやめたし、酒も飲めなくなっちゃったし」 坂詰「麻雀もやる機会がない」 増子「機会がないんじゃなくて、それは自分のやる気の問題だよ」 坂詰「そういうわけで、若返ってます!」 --これまで、素敵だなと思われる大人に出会ったことはありますか? 増子「それはね、いっぱいいるよ。石橋凌さん(※3)もね、カッコイイ! 昔から俺の中で大人のイメージだから。すごくおちゃめな人だとも思うし。やっぱりそういう感じじゃない?」 シミ「俺が3人に会ったときは、みんな大人だなと思ったよ」 |
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増子「20年前の話じゃない、それ」
友康「シーナ&ザ・ロケッツ(※4)とライブやったとき、鮎川(誠)さん(※4)はかっこよかったな。絶対に出せない、あの雰囲気。大人っていうのもあるけど、余裕というか、経験値が違うというか」
増子「細かいことをまるで気にしない感じ」
友康「何があってもビックリしたりしないんだろうな」
--なるほど。では、大人は楽しい!と思う瞬間ってありますか?
坂詰「大人は楽しい瞬間…? そうですね…」
増子「ない?」
坂詰「辛い…」
増子「毎日が辛い(笑)」
坂詰「人生はやっぱり厳しいですからね。でも、大人になってすごい…よかったなっていうのは、……あるかな?」
増子「思い出してよ」
坂詰「現実的な話ですけど、ある程度稼いで、子供の時には考えられないようなものを手に入れるとか、そういうのは大人のなせる技だと」
--ちなみに、何か買われたんですか?
坂詰「時計です」
--今はしてないんですか?
坂詰「これはG-SHOCKです」
増子「と言いつつ、今つけているのはG-SHOCK」
坂詰「そのとき買ったのは、これの30本分ぐらいのものを買いました。現金で」
増子「あれじゃないの、先物買い(※5)。あれはもう完全に大人だよ」
坂詰「それ、おっしゃいますけど、それはありますね」
増子「“おっしゃいますけど”って。また距離感があるよ」
友康「今日は朝から結構、距離感があるから。ぎくしゃくしてる(笑)」
増子「1日、会ってないからね。実家に帰って、久々に猫を“よしよし”ってやろうとしたら逃げられたみたいな感じ(笑)」
坂詰「商品で遊んだっていうのは…」
増子「なかなかできる経験じゃないからね。先物取引ね。しかも、ちょっと儲かったから」
坂詰「ちょ! これ、ちょっとボカしといて!」
シミ「隠したがりだよね」
増子「坂さん、いつもボカしといてって言うけど、もうとっくにいろんなところに出てるよ。しかも当初、儲かったことを言わなかったし」
坂詰「まあ、儲かったって言っても、結局、ほとんど使ってなくなりましたしね」
増子「話が違うよ。儲かったって喜んでたじゃん」
坂詰「ビギナーズラックですよ、ドーン!と」
--お幾らぐらい…?
坂詰「今している時計が50本、買えるくらい」
増子「50万ぐらいかな?」
坂詰「そのときは(先物取引は)簡単だと思って…」
増子「そうやってはまっていく、典型的なダメな大人だからね」
坂詰「(成果にも)浮き沈みがありましたし、これはちょっと“大人”だなと思いましたね」
増子「坂さんが潮目を読んでいくとか、一番向いてないことだからね。雰囲気とか空気とかさ、流れを読むの無理でしょ。セットリストの流れも読まないで、全然違う曲に入ったりするし」 坂詰「……お厳しい!!」 --まあ、先物取引で酸いも甘いも経験した感じですね。 坂詰「まとめ上手!!」 増子「何で持ち上げてんの!?(笑)」 坂詰「凝縮されたものを味わったって感じですね」 --そのとき、学んだことは何ですか? 坂詰「それはやっぱり、何事も慎重に」 増子「坂さん、何かあれだね。消費者金融のCMみたいだね。“何事も慎重に!”」 |
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坂詰「そうですね。バランスを考えて!」 --では、シミさん、お願いします。 シミ「さっきも言ったけど、中身は変わってないんだけど、お酒が飲めるようになったり…」 増子「そりゃシミにとってでかいよ」 シミ「遊べるところが増えた。子供の頃には行けなかったようなところに行けたり、楽しいことがいっぱいあるよね。子供のときとは行動範囲が違うから」 増子「バイクの免許もね。そういう限定が解除されるもんね」 シミ「そうそう。すべての限定が解除されるから」 --では、増子さん。 |
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増子「大人になってよかったなっていうのは、おもちゃを大人買いできること。3万くらいのものとか、子供は無理でしょ。例えば新しいハードでも、“よっしゃー! X-BOX(※6)買ったろうかな!”とか思っても、子供だったらお年玉とか、だいぶ貯めなきゃ買えないじゃない。それが買えるからね。そういうのはやっぱり大人になってよかったなって思うな。自分が働いた分、お金がもらえるっていうのも面白いよね。なんていうの、ゲーム感覚じゃないけど、働けば働くだけもらえる。そういう仕組みが面白いよね。子供はやっぱり親に生活が守られてるじゃない。でも、大人ってサバイバルに近いよね。やりようによってはいかようにもなる。会社が嫌だったら辞めていいんだから。すごくない? そうしても自分が困るだけだし。困ったとしても、“つまんないから辞めるわ”って辞めていいんだよ。すごいよね。どんな道でも歩いていける。法に触れなきゃね。これはすごいなって思うし、俺、やっぱ思うけど、どんどん年を重ねていって、それこそ人生を背負っていく中で、別れたり、出会ったりする。そんな、自分の人生をぶんぶんぶんぶん振り回していくことで得られる快感っていうかさ。やけっぱち感とか、将来のことを考えないとか、そういう問題じゃなくて。一日一日を楽しんで生活していく。それが生きていることなんだなとだんだん実感してくるよね。来年の夏休み、楽しみだなって思わないもん。子供のころは思ってたけどね。来年の夏休みもまた、海に行きたいなとか。それより、今日一日、楽しもう。考えられるのは明日、あさってまでぐらいだね。そういうのはある。生きている感があるよね。大人になればなるほど感じるね。辛いともあるけど。現実感というか、生きていることを実感するのは大人ならではだと思う。くわ~~~、シビれるなぁ!ってこともあるし……。友康は?」
友康「車に乗れるようになったのがうれしかったかな、大人になって。今は(車を)持ってないけど。子供の時って自転車だったから、自転車と比べたら行動範囲が広がるというか、自分が決めたところに、どんなところでも行けて。あと、何を食べてもいいし、何を飲んでもいい。いつ寝てもよかったり。ただ、自由な分だけリスクを背負うじゃない。おかしなものを食べたら病気になるから…(と、目線の先には坂さんが)」
増子「度が過ぎたらこうなる」
友康「そういうことを、やっと最近考えるようになったから。食べ物とかね」
増子「面白いよね。ほんと、RPGに近い。自分を育てるっていうかさ。そういえば、友康って一番大人だったもんね。ずっと外車に乗ってて。坂さんは何回もはねられて(笑)」
友康「とにかく車に乗りたくて、18になってすぐ免許取って。今はチャリンコだから、逆に行動範囲が狭まってるけど(笑)」
増子「体にはいいよね」
友康「健康的だけどね。車もいいですよ」
--車の免許が取れるとか、二十歳になってタバコもお酒も解禁とか、そういう解放感はありますよね。
増子「ほんと、意味がわかんなかったよ。例えば、タバコが二十歳になってOKとか。誕生日から吸っていいわけでしょ。何が変わったっていうの? 俺の中では何も変わってないよっていうのがあるんだけど、社会的なシステムが解除されるっていうかさ。冒険で言ったら、レベルアップされるとシステムが解除されて、使える武器が増えるっていうかさ。それに近いものがあるよね。ほんと、不条理だなと思ったこともあったけどね。だからほんと、自由を与えられるっていうか。それこそ生きるも死ぬも自由。全権、自分だから。今、つまんねぇなって思ってる人なんかは、自分で全部、その選択ができたにも関わらず、自分で選んでそっちに行っちゃってるからね。だったらやめればいい。もう1回、振り出しに戻ってさ、違うところから面白く、楽しく生きれる方にシフトしていけばいいと思うんだよね。全部、自分の責任だから。大概は。ね!」
坂詰「そうスね。……さすが!」
増子「大人の対応が来たね、これ。秘技・オウム返し(※7)が来たね!」
--別の意味で坂さんは大人ですね。
増子「もう、おじいさんだよ。だって、項目を挙げていったらすごいよ。先物取引やって、痛風になって。大人っていう以外にないよね。車も2台、廃車にしてるしね。めっちゃすごいね。で、老眼でしょ」
坂詰「まあ、老眼まではわかんないですけど。でも、いろいろちょっと……ガタがきてますね」
増子「マイナス面ばっかだよ」
坂詰「そういうのもあるかもしれないですけど、それをあまり感じないように生きるのが…」
増子「坂さん、今の方が健康だもんね」
坂詰「昔より、ちょっといいかもしれませんね。健康状態的には」
増子「そんなもん? そんなもんしか変わんないの?」
シミ「階段上っても、はぁはぁ言わないし」
増子「変態がついてきちゃったかと思うよね」
シミ「後ろでずっと、はぁはぁ言ってるんだもん(笑)」 坂詰「あの状況がずっと続いてたら今、危なかったかもしれませんね」 増子「今のほうが絶対、体調いいよ、坂さん」 坂詰「今はいい。まあ、発作が出てよかったなと」 増子「前向きだな、オイ。発作が出てよかったな!って。それ、フラカンと逆だよね。生きててよかった(※8)の逆(笑)」 シミ「“発作が出てよかった~♪”(笑)」 坂詰「実感しました」 --戒めというか、警告というか…。 坂詰「そう、警告してくれたのかな。……誰かが」 増子「誰かじゃないよ! 自分だよ!」 |
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坂詰「自然治癒力のひとつかもしれませんね」
増子「自然治癒力を上回ったんだよ!」
シミ「発症したんだよ! 治してない!」
増子「治してないよ! 坂さん、骨折もしてるし、病気もしてるからね。病気、怪我と、一番やってるからね。もう、惨憺たるもんだよ。もう最終的にサイボーグですから」
坂詰「怪我…、病気…」
--ここで話を戻して…。『オトナノススメ』ですが、最初に曲が出来たんですよね?
友康「うん、今回はすごいメロディ寄りだ思うんですよ。ここ最近ビートとか、リフとか、曲を作る方向としてそういうのが面白いなって思ってやってたんだけども、今回はまあ、“こういうのを作ろう”と思って作ったわけじゃないんだけど、流れ的にそういう時を経て、またメロディアスなものをやりたくなったっていうか。昔の歌謡曲じゃないけど、ああいう感じの展開って大好きだし。今、ライブもガンガンやってて、バンドがすごく太くなってきたことを経て、またメロディアスなものをやるっていうのがよくなってきて。もちろん、作っているときはどんな歌詞が来るのかわからないし、他の曲もそうなんだけど、“こういう歌詞を書いて”っていうのは言わないんだけど、歌詞が上がってきたときにホント、一段とパワーアップして見えたっていうか。例えば、最初のコーラスは“ラララ~”って歌うくらいで伝えるんだけど、もう“バンバン”の感じもバッチリだし、“オトナは最高”とか、ああいう部分でのメロディのおさまり具合とか、歌詞によって曲がデカくなりましたね」
シミ「最初、何だっけ?(笑)」 増子「最初、“それゆけオッサン!”だったんだよね(笑)。すごくいいと思ったんだけど、自虐的かなって(笑)」 友康「サビ、みんなでコーラスしたい場所だったから、俺、“オッサン”ってライブで言うのかな?って思ったらちょっと…言いたくないなって(笑)」 増子「ワハハハハ! まあ、大人ぐらいにしとこうってな。あと、“強いぞ!オッサン”とね」 友康「まあ、ライブとかお客さんの画が見えるっていう」 --盛り上がる感じがわかりますよね。早くライブで聴きたいですね。 増子「これはしばらくとっておこうかなと(笑)。リリースしてちょっとするまではね。『武蔵野流星号』があるから、アレを先にやってるから。アレをしばらくやって。『武蔵野流星号』も相当、いい曲だから。すごく組みやすい曲調だからね。ね! 坂さん!」 |
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坂詰「今回の新曲は……、ツッコミどころが……」
増子「何でツッコミどころがあるの?」
坂詰「……」
増子「……何やってんの?」
坂詰「うーん……、ツボ押し」
増子「何でインタビュー中にツボを押してんの!?」
坂詰「いやいや…」
増子「レコーディング中にさ…、レコーディング中に……、聞いてる??? 坂さん!!!」
シミ「レコーディング中にあったこと」
坂詰「えーっとね、いっつも大変なんですけど、レコーディングは。今回も、緊張した、張り詰めた空気とか、そういうのがちょっと…」
増子「どういう部分が苦労したなとか。そういうのはない?」
坂詰「うーん。いつもどおりですね。本当に…」
増子「忘れちゃった?」
……坂詰、小さく頷く。
増子「“うん”だって(笑)。その場では苦しかったけど、もう忘れちゃったってことらしい」
--人間、忘れることも大事ですからね。
増子「すぐ忘れちゃう!」
シミ「忘れたくなくても、忘れちゃうからね」
坂詰「最近、ちょっといろいろ許容量が…」
増子「今回、すごくアッパーな曲ができて。ライブで使える曲だしね。サウンド的にもいろいろやってるからね」
友康「一番アッパーな曲をやりたかったから。そしたら、ものすごくアッパーな曲になっちゃった(笑)」
増子「友康が(曲を)作ってきて、最初に聞いたときはどうなるかと。俺らの頭の中に完成予想図がほとんどない状態で、時間的に余裕があるわけじゃないから、なだれ込むようにどーっと作業していって。最終的に出来上がるちょっと手前ぐらい、大体のパーツが揃った段階で、こういうのか!っていう喜びがあるっていうかね。いろいろ合わさることによって、相乗効果みたいな、化学反応じゃないけど、よりミラクルが起こるから、だからバンドは面白いんだよね。ね、坂さん」
坂詰「そうなんですよ。…ケミストリー。……大丈夫ですか?」
増子「大丈夫ですかじゃないよ(笑)」
--4人いれば、4つの個性がありますもんね。
増子「そう。スキル的な面もそうだけど、センス的なものあって。もちろん、俺が思う以上のものをやってくれるから、それぞれ。それを友康がバランスとっていってくれて。あまりにも出てるものはもう少し抑えたりとか、違うところを伸ばしたりとか、そのバランスをミックスして。アレンジとか、それぞれのフレーズとかもね。それがだんだん整合性取れてくると、ひとつの形になって。完成形になって。すごく面白いよね。わざと何かを突出させることもあるし。今回何しろ、ラジオとかでかかったときに、一発でスパッとくるようなものにしたからね。何て言うの、昔ながらのシングルっぽい感じ、シングルカットです!っていう、そういうのがいいよね」
友康「昔から“A面・B面”っていう頭があるから……。(サザンオールスターズの)『勝手にシンドバット』のような…」
増子「そうだね」
--今回、BEAT CRUSADERS(※9)の皆さんもコーラスに参加されてますね。
増子「たまたま(隣のスタジオ)にいたの。向こうもちょうどコーラス録りで来てて。で、「コーラスやってほしいんですけど」ってビークルが言うから、“いいよ! 俺らもやるから、じゃあお互いに”ってなって。お互いやりっこして。いいよね、そういうの。ミュージシャン的っていうか(笑)。面白いよね。仲がいいバンドとね、たまたま一緒になって何かできるっていうのは、すごい、素晴らしいことだね! 楽しいよね!」
(取材・文 岩本和子/撮影 渡邉一生(SLOT))
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