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学生時代の思い出は涙なしには語れない!?
チョップリンが語る悲喜こもごものモテ遍歴

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PROFILE

チョップリン

チョップリン
写真左から小林幸太郎、西野恭之介。平成18年「第36回NHK上方漫才コンテスト」最優秀賞。関西を代表するコントマスターは小学校からの同級生。そのシュールな世界観は、クロウトからの支持も高い。

西野ブログ
『チョップリン西野恭之介 タバコとアイスコーヒー』

いつのまにか再開してます!
小林ブログ
『松竹芸能チョップリン小林のコムデギャルソンや阪神大好き』
『松竹芸能チョップリン小林の告知します。野球』

『チョップリンの話』一覧

第1回『仕事』
第2回『愛について』
第3回『喫茶店』
第4回『金銭感覚』
第5回『人間関係…?』
第6回『理解できない』
第7回『クリスマス』
第8回『幸せについて』
第9回『モテを考える』
第10回『凹劇場、総括』
第11回『2011年』
第12回『新生活』
第13回『劇場

お待たせいたしました。@ぴあ関西改メ「ぴあ関西版WEB」の好評連載『チョップリンの話』、やっと更新いたしました。第9回目はテーマを「モテ」で設定し、お届けします。おふたりのモテ遍歴や青春時代の思い出など、根掘り葉掘り聞いてきました!

 

―― しばらくぶりです。この間、「@ぴあ関西」という名前を改め「ぴあ関西版WEB」ともなりまして、リニューアルもいたしておりました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。今回のテーマは「モテ」にしたのですが、まず、モテる男と女の条件とは何だと思いますか?

西野「年代によって分かれません? モテる人って。若いときと、25過ぎてからと、30と40と。モテ方の質が。高校とか、その辺は見た目とかでしょう」

小林「高校はそうやな」

西野「小学校は運動神経がいいとか、目立つ子」

小林「面白いとか」

西野「そうそう、面白いとか。そんなんがモテてて。中学2、3年になったら女の子が“こいつ、アホやぞ”って見破ってきて、そいつらは離脱していき、モテ条件が男前に切り替わってくる。中2、中3くらいで」

小林「俺らの年代はそうやったな。今の子らはわからんけど」

西野「今の子はわからんな。で、中学2、3年で男前のヤツがモテだして、高校でさらにそいつら色気付いて、そいつらの時代が来ると」

―― 中には中学のとき男前だったけど、高校卒業したくらいに「あれ?」ってなる人はいませんか? 女の子もそうですけど。

西野「そうですね。やっぱ男前でもオッサン化してくるヤツが出てくるんで。結局、ダサいかダサくないかで分かれてくるんですよ。そこからまたモテの分かれ道が来て、仕事を始めてからも変わってきますよね」

―― 仕事のできる男はモテる?

西野「仕事できるヤツ、優しい人とかですかね」

―― 「30代でこの条件が備わっていたらモテる」という、その条件を羅列してもらっていいですか。

西野「仕事、お金、あと余裕」

小林「レオン」

西野「レオンはモテへんよ」

―― レオンって雑誌ですか。

小林「ヘッヘッヘ」

西野「古いよ」

小林「チョイ悪」

西野「古いわ、それ。俺は賛同できへんわ」

―― 今で言うと誰なんでしょうね?

西野「今で言ったら、リリー・フランキーさんなんかはやっぱり…。才能に惚れてるっていう感じでしょう、女の人って。あと雰囲気とかね。雰囲気も大事なんじゃないですかね。リリー・フランキーさんは独特の雰囲気がありますよね」

―― かっこいい雰囲気ありますね。

西野「全部そうじゃないですか、最近の人は。“雰囲気がある”という感じ。瑛太さんもそうだし…」

小林「(ささやくような声で)生島ヒロシ…」

西野「い、生島ヒロシさんは、髪の毛立ててるイメージしかないけどな。(桂)文珍師匠と同じ髪型。生島ヒロシさんはモテてるイメージないけどなぁ」

小林「スタイルは変えてないよな」

―― ブレてないってことですか。

小林「たまにCMで見るけど、生島さん、ブレてないよな…って思うもんな」

西野「ブレてる、ブレてないじゃないから。モテる話」

小林「そこがモテそうやなと」

―― では、モテたいという衝動に駆られて何かしたことはありますか?

西野「何かやるっていうのは、僕はあんまりないかもしれへんなぁ。小林に関しては、女好きの前に自分好きっていうのがあるんですよね。そら女性も、だらっとした体よりかはええ体の方がいいという人が多いと思いますけど、小林が体を鍛えるのは、それが原動力じゃなくて、自分でやっておきたいんでしょうね」

―― 自分がまずあって…。

西野「聞いた話によると、小林のFacebookはだいぶ荒れてるらしいですよ」

小林「ヘッヘッヘ。誰が言うててん」

―― 荒れるとはどういう状態なんですか?

西野「小林はひそかにFacebookをやっているらしくて、後輩にもやってる人がおって。“小林さんがFacebookにおった”と。で、友達になっているヤツが全員、イケイケの女やと。小林のFacebookは結構、やんちゃなメンバーがそろってるらしいですよ。アイコンを自分の顔にしていている女の子がいっぱいいるんですって」

小林「Facebookやからな」

西野「それで顔を見た小林が、友達申請をするんでしょうね。普通、逆やと思うんですよ。申請される側じゃないですか。僕らみたいなもんでも」

―― 舞台に立たれる方ですからね。

西野「一応、僕らみたいなもんでも、申請されるのを待つというところがあるじゃないですか。ちゃいますよ、小林のFacebookに関しては。ガンガン行きますよ。チョイ悪ですよ」

―― 積極的ですね、小林さん。いいツールですか?

小林「まあ、図鑑ですよね(笑)」

―― 美人図鑑みたいなもんですか?

小林「そうですね。コレクションですかね。結構海外の人が多いんですよ。中国、台湾、アメリカ…」

西野「アメリカ人の友達もおるってこと?」

小林「外国の人はいっぱいおるよ」

西野「お互い申請し合って」

―― 交流はあるんですか?

小林「まったくないです」

―― 美人のアイコンを収集するのみ?

小林「そうです」

―― 一番のお気に入りの方はいるんですか?

西野「そらいるでしょう」

小林「結構、いっぱいいますね」

西野「その友達の数っていうのはどのくらいなん?」

小林「100弱…」

西野「いっぱいおるやん!」

小林「でも、普通の連れもおるから…。申請した友達は7、80人ちゃう?」

西野「女性と男性の割合は100人でいうたら、どのくらいなん?」

小林「100人で8:2…。9:1か」

西野「9:1で、9が女子?」

小林「う~ん。でも、一番最初に友達になったのはハマコー(浜田幸一)さんやから」

西野「ハマコーさん? お前が申請出したん?」

小林「俺が出した。俺の連れがハマコーさんとFacebook上で知り合いになってたから、とりあえず政治家とつながっとこうかなって。政治家に美女は群がってくるやろ(笑)」

―― 金と権力ですか。

小林「へへへ」

西野「ハマコーさんに群がるのって、喧嘩を止めるほかの政治家っていうイメージしかないなぁ」

―― SNSもモテ兵器の一つですよね。

西野「ネットで会うというのは、僕らより下の世代は当たり前なんでしょうね。抵抗感とかもないんでしょうね」

小林「ないやろ。コミュニケーションの取り方がもう、ちゃうやろ」

―― おふたりは何もしなくてもモテそうですよね。

西野「モテないですよ」

―― 本当ですか。スポーツもできるし…。

西野「スポーツはできますよ。僕はスポーツが大好きで、テニスもバスケもします。あの…ギャルを呼びたいですね。女の子たちを。で、テニスの試合とかを見といてほしいです。そしたら“西野さん、爽やかっ!”ってなるかもしれない」

―― 実際はどうなんですか?

西野「実際は、ダブルスで、組んでるふたりで試合に出て。試合ですから、いろんなダブルスチームが来るんですけど、中には女友達を連れてくるヤツがおって“キャーッ”て聞こえてくるんですよ。……“そんなヤツには絶対負けへんど!”と。“ナイスショットー!”とか女の子が言うてるんですよ。僕はそういうのをぶちかましたろうと思う方です」

―― でも女の子に囲まれたい?

西野「1回、そういうことをしてみたいですね」

―― イベントではしないんですか?

西野「イベントはイベントで考えてるんですけど、完全にプライベートで(笑)。“ナイスショットー!”とか、黄色い声援をもらいたいですね」

―― 小林さんも学生時代、モテそうですが。

小林「モテませんよ。角刈りでしたしね」

西野「角刈りじゃないよ。勝俣さんと同じ髪型。だから角刈りじゃないです。勝俣さんです」

小林「生島さん…」

西野「生島さんとはちょっと違うな。今日は生島さんという言葉ががよう出てくるな」

小林「最近ようテレビで見るんですよ。あ~、生島さん、変わってへんなぁ。ブレへんなぁって、そのたびに思うんですよ」

―― 学生時代のモテエピソードはありますか?

西野「学生時代はモテてましたね」

小林「下の学年の子からな」

―― 同級生からは?

西野「同級生はモテんかったですね。後輩からはモテてました」

小林「同級生はもう、西野の根性が悪いのをわかってるから全然、相手にせえへん。下の子らはあんまり接点がないんで」

―― 根性、悪かったんですか。

小林「根性悪かったですね」

―― 女の子に嫌われるというのは結構なものじゃないですか。

西野「僕、男女関係なかったんですよ、昔。相当ひどいことを言うてたんで…」

小林「言ってた言ってた」

西野「分け隔てなく。そら嫌われまくってましたよね、同級生の女子には」

―― 「西野くんって何なん、あれ!?」って感じだったんですか。

西野「“西野くん”なんて言われたことなかったですよ。あいつとか、西野とかですね」

―― 途中で分け隔てなくやったらダメだと気がついたんですか。

西野「高校が男子校やったんですよ。その3年間、ほとんど女としゃべってないんですよ。バイトに行っても、女の子がバイト先にいて、シフトが一緒でも、まったくしゃべらへんのですよ」

小林「あの3年はやっぱり違うな」

西野「コンパとかして遊んでるヤツもいたんですけど、僕らは一切なかったんで。な?」

小林「うん」

西野「高校のときに1回だけコンパしたことがあるんですよ。僕と小林の共通の友達に彼女ができて、その友達とコンパしようってなって。で、19時からスタートして21時には帰ってましたからね」

―― 2時間。何したんですか?

西野「飯食って…。僕はおごるもんやと思ってたんですけど、小林がいち早く、もう暗算でパーン計算して、“一人1000何ぼな”言うて。まあ、女の子も“は~い”みたいな感じでお金出してて、そこをパツーン仕切ってましたね。で、ボーリングに行って、1ゲームして帰ったんですよ。そのときも何をしゃべったんやろうって」

―― じゃあ、女子との接点のない高校3年間を過ごされて。

西野「それでだいぶん変わりましたね。女の人と何しゃべったらええんやろうとか思うようになって。中学校の同級生で、共学の高校に進学したヤツらと帰宅途中で出会ったとき、グループ交際みたいなんで男女仲良く歩いて帰ってる姿を見たら、“あいつらどうしてんねやろ…え?付き合ってんの?”って、すぐ付き合ってんの?って思ってましたね。ただ単に仲のいい友達かもしれんのに。もう、じゃれてるっていうことも考えられなかったですね。そのくらい男子まみれやったからなぁ」

小林「うん」

―― 結構、純朴青年ですね。

西野「やと思いますよ」

小林「そうならざるを得ない。下を向くしかない」

―― 下を向く?

小林「地面しか見てない」

―― 高校時代に?

小林「高校時代って聞くと地面を思い浮かべるくらい、女の子の顔とかよう見られんで地面を見てたんです。その印象しかないですね」

西野「あの多感な時期に女の人がおらへん状況におったら、歪むヤツもおるんちゃいますかね。男子校ですからね、女の子を紹介するとか、コンパしようとかって積極的に言うてくるヤツが周りにおらんかったら、徹底的に男子ですよね」

―― ご家族に女性は?

西野「母親だけですね」

小林「僕も一人っ子なので、母親だけですね」

西野「だからほんま、女って得たいの知れないもんやっていうのがありましたね」

―― 高校3年間で女の人もだいぶん変わりますもんね。3年間、遮断されていて、高校を卒業して世に出たとき、女の人というものが違う生き物になっていたという印象もあったんじゃないですか。

西野「違いましたね。どう接したらええんか、さらにわからへんかった。18、19歳くらいで、バイトで同い年くらいの姉ちゃんと一緒に働くじゃないですか。ほなら、何しゃべってええんかわからへん。でも、その心理も悟られたくないから……、また地面を見ますよね」

―― またそうなる。

西野「はい。そして、バイト先で一緒やった女の子には“何なん、あいつ”って思われるんですよね。下向いてて、全然しゃべって来うへんし。客がおらんときはボーっとタバコ吸うてるだけやし」

―― 挨拶はするんですか?

西野「挨拶も“オ…オザス”みたいな、おはようございますも言えなかったんですよ」

―― 喫茶店のママとは?

西野「ママとはめっちゃしゃべるんですよ。おばさんキラーなんで、僕(笑)。僕はおばさんのことを異性として見てないからしゃべれるんです。だからオッサン、おばさんは友達みたいな感じでした。おばさんにはちょっかいかけたり、アホなことも言えるんですけど、若い女の人になったら“どうしよう”ってうろたえるんですよ」

―― リハビリには時間はかかりました?

小林「俺ら共学やったら、もうちょっとポップなネタをやってましたねぇ。ヒヒヒ(笑)」

西野「それはあるんじゃないですかね。根底みたいなところへの影響はあると思いますね。まあ、でも、小林がボケなんで、それはやっぱ、より暗くしてますよ、コイツが。僕も暗いですけどねぇ…。僕も暗いですね…いや、まあ、両方暗いですね。両方暗い」

小林「僕らが行ってた高校は、周りは山しかない田舎に大きな専用グラウンドがあって。そこに高校の生徒全員、1500人ぐらいが集まって、クリーム色のジャージを着せられて、一人ずつゼッケンつけらされて、運動会みたいなことをしたんですよ。あれはちょっと、囚人に近いものがあったな」

西野「確かにあったな」

小林「田舎やし、何の楽しみもない。まだ女子がおったら楽しいじゃないですか。見渡す限り男子でな」

西野「あれはな、あの運動会はきつかったな。囚人運動会。ハードル競技で、ハードルをバーっと飛んで行くじゃないですか。それを見ていたら、脱獄犯に見えてくるというか(笑)。“脱獄しとんで、アイツら”っていう。捕まらんようにハードル越えて脱獄を図るという、その後ろ姿しか思い出すものがないですね。学年対抗、クラス対抗、次は100メートル走や、次はリレーやってやるんですけど、結局黄色い声援がないから…」

小林「がんばろうと思わないですよね」

西野「モチベーションが極めて低い囚人たちですよ。先生に番号で呼ばれたりするんですから。“おい!何番!”言うて。番号で呼ぶなよって」

―― すごい世界ですね。その後輩にモテていたのは中学時代ですか?

西野「中学時代ですね。ただ、僕は、囚人の授業が終わってからテニススクールに通っていて。そこには女の子もおって、その中の子に何人か告白されたりとかはしましたね」

―― それはどうしたんですか? 断ったんですか。

西野「はい。もう、何しゃべってええかわからへんっていう症状に陥ってますから。恐怖なんですよ、女の人が」

―― 中学生までは分け隔てなくちょっかい出していたのに。

西野「そうやってましたけど、高校に入ってからパタッとなくなって、いつしか恐怖になりましたね。何をしゃべってええんかわからへんっていう。でもそれもバレたくないから、告白をされてもぶち切れの顔をして、“は!? いや、ええし…”とか言って。裏を返せばただ、ビビってたんですよ。どうしてええんかわからへんで」

―― 女の子からしたら、ちょっと怖い存在ですね。

西野「そうですね。何を考えてるかわからへんかったんじゃないですかね」

―― 小林さんは、そういう囚人時代に何かありましたか?

小林「僕はなかったですねぇ」

西野「小林はこうと決めたら、それをやりきろうとするパワーがすごいあるんで、昔から。これは中学校のときの話ですけど、僕、バスケ部で、放課後に敵チームのビデオを視聴覚室で見ることがあって。それを見るために、教室のカーテン閉めようと窓のところ行ったんですよ。そしたら3年1組の教室に小林が入ろうとしてるんですよ。誰もおらん教室に。その後から、小林が好きやった女の子が、別の女の子に呼ばれて3年1組の教室に入っていくんです。“うわわわわ小林!! え~!!!”ってなって、ずっと見てたら、呼び出した女の子がすぐに教室から出ていって、帰っていったんです。小林は出てこないんですよ。……完全に振られてるやんけ!!!ってなりまして。で、ちょっとしてから、小林がうつむいて、地面見ながら野球部の方にバーっと走って行きました。振られたみたいですけど、そんな小林に積極的ですごいな!って思いましたね」

―― こうと決めて、積極的に動かれるんですね。

西野「はい。これは高校在学中か卒業後か忘れましたけど、小林がバイト先の1つ年上の姉ちゃんを好きになって、何とかデートして。ハーバーランドかどっかで6回くらいキスを迫って、ようやくキスできたっていう。すごい勇気やなぁって思いますよね。なかなかそこまで行けないでしょう。僕は逆に、その人のことが好きじゃないんとちゃうかと思って。ほんまはその子のことが好きじゃないから、どうでもええからそんだけできるんちゃうかなって思うくらい。6回断られても、まだ行くかっていう」

小林「その人、Facebookで探したけど見つからんかったわ」

―― 小林さんはあっさりしてそうに見えるので、6回の粘りには驚きますね。

西野「すごい粘りですよ。舞の海ですよ。小兵力士ですけど、むちゃくちゃ粘って、トリッキーみたいなこともして」

―― あの手この手で。

西野「いろんな技を見せて、こう!と決めたらガッとやるっていう」

 

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