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チョップリン
写真左から小林幸太郎、西野恭之介。平成18年「第36回NHK上方漫才コンテスト」最優秀賞。関西を代表するコントマスターは小学校からの同級生。そのシュールな世界観は、クロウトからの支持も高い。
西野ブログ
『チョップリン西野恭之介 タバコとアイスコーヒー』
いつのまにか再開してます!
小林ブログ
『松竹芸能チョップリン小林のコムデギャルソンや阪神大好き』
『松竹芸能チョップリン小林の告知します。野球』
第1回『仕事』
第2回『愛について』
第3回『喫茶店』
第4回『金銭感覚』
第5回『人間関係…?』
第6回『理解できない』
第7回『クリスマス』
第8回『幸せについて』
第9回『モテを考える』
第10回『凹劇場、総括』
第11回『2011年』
第12回『新生活』
第13回『劇場』
―― 森さんはどうだったんですか?
森「僕はまだ田中に比べるとやりやすかったですけど、最初はウケが悪い部分がありましたね。まあ…、エピソードは特にはないですけど」
西野「ないんか~。2年やってきたやん。何やねん…」
―― 思い出に残っていることはないですか?
小林「1回目ぐらい、終わって森と飲みに行って、その時からちょっと、森のことが怖くなった」
西野「え? 何? どうしたん? 今も?」
小林「今はそこまでじゃないけど、まだちょっと怖いな」
西野「何でなん?」
小林「結構飲んでさ、『森、結構飲むな~』と思ってて。で、神戸まで電車で一緒に帰ったんやけど、もう遅かったしガラガラやってん。ほんだら、ガラガラやからって森が靴脱ぎ出して、四人掛けやったから向かいの椅子に足乗っけて。もうふんぞり返って座っててん」
森「覚えてないです。全然覚えてないです」
小林「これ、俺がいなくなったとき、そのことで注意されたら、コイツ歯向かって行きよんでって思った」
田中「その時は本当に止めてくださいね。森は酒癖悪いです」
西野「ああ…。昨日もね、森と酒飲みに行って、その後、『コーヒー飲みに行かへん?』って言ったら、『ああ…(軽く舌打ち)。どっちでもいいっスよ』って、なんかちょっと違うねん。わかる?」
小林「わかるわかる」
西野「なんかコイツ、刺し違える感じの空気出してきよんねん」
小林「俺、わかってん。森のこれ以上はヤバいなっていうタイミング。森がメガネをはずして、かけ直した時に目が開いてたらまだ大丈夫。でも目をつぶったままにしてたらヤバい」
西野「その時ヤバい? キテる?」
小林「キテる」
西野「それもう、泥酔やん。そのままもう寝るやろ」
小林「そっからまた飲むねん」
森「昨日も結構、酔うてました」
西野「酔うてたで。俺、言わへんかったけど、俺との接し方が、ちょっと大きくなっててん」
森「なってました。押さえたつもりでしたけど、正直、ちょっと出てくる部分は…」
西野「出てきてんねん。結局、喫茶店でコーヒー飲んでてんけど、『あれ、どうかな?』って話しかけても、森はずーっと携帯見てんねん。今までは俺が話しかけたら、『はいはい』って顔を上げて、目を見て返事してくれててんけど、昨日は携帯見たまま、顔をも上げずに生返事。『そうっすね~』って感じ」
田中「ヤバいですね」
西野「ほんで帰り際もすごかった」
森「何すか」
西野「普通はお疲れさまでしたって言って、先輩をちょっと見送ってから行くやん。森はちゃうねん。すぐさま向き変えて行ってしもうたからな」
小林「森が家で一人で飲んでる動画とかあったら、俺、2時間くらい飲めるかもしれん」
西野「それをアテにってこと?」
小林「そうそう。一人で飲んでる姿にいい味が出てるんですよね。俺も飲みたくなるような」
西野「なら一緒に飲めよ」
田中「何で1回、ビデオを介すんですか」
小林「なんか内容のない映画を観ているような感じがする」
西野「そんなええもんちゃうやろ。動物園の中の森という檻の中を観てるだけやろ」
小林「何やろな、あのよさは。田中と西野があんまり飲まへんからな」
西野「田中は飲まへんけど、よ~しゃべるよな。友達と普通にコーヒー飲んでるときに、たまたま近所にいるからっていうことで田中を呼んだら、二人の間にすっと入って、一番しゃべっているのが田中。ま~、よ~しゃべる。僕の友達と初対面なのに、『あ~、どうも~! 初めまして~、トライアングル田中です~。いや~、髪の毛切ってきたんですけど、ちょっと長澤まさみみたいになりましたわ~』言うて田中のペースに巻き込んで行くんですよ。それで僕の友達も『ほんまやね』~みたいな感じで返してて、そっからもうぶわ~~~っとしゃべり出す。俺は田中が来るのを待ってたんか?って思うような」
森「遅れてきた人になってるんや」
田中「それはやっぱり、『こいつが来て会話が弾まんくなった、おもろないな』って思われるのが嫌ですし。僕、あの時は車で向かったんですけど、運転しながらトークの内容を決めてましたもん」
西野「その辺は森とちゃうよな」
森「そうですね。僕はもう、できるだけ黙っておこうって思いますから」
西野「えー、俺、酒飲まへんけど、森と一緒の時はそこを注意しとかなあかんな。メガネをかけ直したとき、目を開けてるか閉じてるか」
田中「そうやってチョップリンさんから森のことを聞くと、ちょっと視野を広げてもらえるような感じがしますね。普段、飲まないんで、森がどんな感じか知らないですし」
西野「あと、唯一、『凹劇場』のDVDをちゃんと見返して、『あそこはああでしたね』っていう反省点を持ち込んでくれるのは森だけやってん」
―― それはすばらしいですね。
森「いやっ、まあ…、普通のことちゃうかな…」
西野「ハハハ(笑)、俺が怒られたわ!」
森「そうなんです。全部の回のDVDを持ってますけど、誰一人持ってないですし、誰一人1回も、見てないです」
―― そのことに関して正直、どう思われてるんですか?
森「Ustreamで『凹Stream』という番組を始めたとき、初回は最新の『凹劇場』を振り返ったんです。でも、公演から日が経ってたんで誰も覚えてなくて。で、僕、たまたまDVDを見ていたんで何とか回せて。それで『あ、これは見とかなあかんな』って途中から意識し始めましたね。その辺は本当にだらしないと思います」
田中「森は大学受かってるもん、やっぱり。結果出てるやん」
西野「関大」
小林「そういうことちゃう? いい大学に受かっている人は予習復習、ちゃんとやるねんな。かしこい」
田中「ただ、これも途中でやめますよ。大学も途中でやめてますから」
―― どのくらい予習復習、されてたんですか?
森「最初の方は見なかったりしてたんですけど、最後の方はちゃんと…見てましたね」
西野「それね、違うんですよ。森がね、そういうふうにちゃんとやっているというのはやめましょう!」
森「やめましょうって、方向転換するんですか」
西野「それは違う。森もそんなこと普段はしないですよ。ただ会社と家が近いからですよ。DVDを取りに行きやすいんですよ」
田中「ああ~、確かにそれはそうですね」
西野「暇やからDVDでも見ようってなって、見るんやったら『凹劇場』でも見よかっていう、そういうノリですよ」
田中「そうですわ、よう考えたら立地でした」
西野「一人だけかしこいとかやめとこう。そやろ? 会社と家が近かったらフラッと行けるやん。DVD焼いてくれって電話して、すぐ取りに行けんねんから」
田中「そうですね。頻繁にそうなったのも大阪に越してからですもん」
西野「そうそうそう」
森「考えてみたらそうですね」
西野「フットワークが異常に軽いんですよ」
田中「しかも自転車買ってからじゃないですか?」
西野「そう。自転車買ってからDVDを見るようになりました。自転車が好きなんですよ。予習復習が好きなんとちゃう。自転車でちょっと出かける。そのために理由がほしい。そうだ、DVD。それだけ」
森「さっきまでの評価がただの自転車好きになりましたね…。こんなに変わるもんなんですね…」
―― 実際に、森さんが予習復習したことで次の舞台に反映されることはあったんですか?
西野「僕は意見を聞いてましたね。的確なんでね。『ああ、なるほどな』っていう点しか言ってこないんでね」
―― お話を聞いていると、最初はチョップリンさんの舞台に出ているという感覚だったけど、段々と自分たちのイベントという意識が芽生えたんじゃないですか。
田中「そうですね。チョップリンさんとイベントをやらせていただいて、『チョップリンと、ほかは誰でもええやんか』って思われるのが一番イヤやったので、何とかそうならんようにと思ってましたね」
西野「まあ、言うても、トライアングルどうのこうのではなく、19回やって、東京でもやるということでね。『凹劇場』を東京でやりたいという気持ちがあったんで、それが叶ったのでもう当分、大阪ではいいです!」
森「それ…昨日のお酒が原因ですか?」
西野「そうですね。ちょっと怖いんでね。飲ますもんやない」
―― では、今度の10月22日はどういった形になるんですか?
西野「大阪でやってきたことと同じです。その中でも特にいいものを持っていこうと。ほんま、悩んだな。どれをやろうかって。まだちょっと悩んでいるんですけどね」
―― 大喜利も、何パターンも考えてましたよね。その中で楽しかったのは?
西野「僕が楽しかったのは『抜き喜利』ですね。与えられた素材の中から言葉を抜いて答えるという」
―― 本番でやってみて思っていたより手ごたえを感じた大喜利はありましたか?
田中「僕は『シックスセンス大喜利』ですね。お題もわからず答えだけを言うって、大喜利として成り立つのかっていうところも含めて革新的でしたね」
西野「『シックスセンス大喜利』はね、言うたら携帯電話の予測変換みたいなもので、一つのキーワードをきっかけに芋づる式に言葉を出していくんですけど、わりと活躍した森はやっぱり、語彙量が一番多かったですね。そこは大学出ですよ。残る2人のワード量とは比べ物になりませんでしたね」
田中「語群がないんですよ。もう全然」
西野「そして小林は抜きん出て無口になる」
小林「森が言ったことがウケるやろ。それに近い言葉を探しに行くやろ。でもそれは違うんじゃないかって思うやん。そしたらな…」
西野「お前のシックスセンスがな、ちょっと待てよと」
小林「全く逆の方向でウケる答えを言いたくなるし、そんなん考えたらもう…」
田中「『シックスセンス大喜利』はめっちゃ考えないとダメなんですよね、実は。シックスセンス違いますからね。最初に出たワードでどんどん違ってきますもん」
―― 本当にいろんなことをされましたよね。
西野「ライブの王道ともいえるコーナーと、もう一つは変な企画。それとネタとっていう、そういうライブができたのでよかったですね」
小林「うん」
―― 『凹劇場』、東京を含めて20回になりますが、東京では集大成的なものになるんですか?
西野「いや、東京では始まりとしておきましょう。大阪では…どうやろ(笑)」
森「僕らは本当に、打ち合わせだけでもやりたい」
田中「ライブという形にならなくても」
西野「なんでやねん、もうええやろ」
―― では最後に、『ぴあ関西版WEB』は関西発信のサイトではあるんですが、東京のファンの方へ一言、コメントをいただけますでしょうか。
西野「はい。東京では単独で何回かやらせてもらっているんですけど、コントばっかりなんで。企画したり、トークしたりっていうのは東京のお客さんからしたら珍しいと思うので、そこをぜひ見てください」
小林「見どころは大喜利ですね」
西野「ちょっと変わった大喜利がいくつかあるので、何をやるか楽しみにしていただければ」
森「僕らトライアングルは東京でやること自体がないので、大阪の『凹劇場』の1回目じゃない感じで…」
小林「いつもどおりやったら絶対にできるよ!」
西野「俺は違うと思う。やっぱりこの2組を初めて見る人が多くなるから、それをわかった上でやった方がいいと思うよ」
小林「うん!」
西野「…どっちやねん」
森「何なんですか、今の。戦うのやめたんですか」
西野「無抵抗主義やん」
森「まあ、大阪の経験を生かして、東京のお客さんに楽しんでいただければと思ってます」
西野「結局、うんって」
小林「いやまあな、俺は関係ない。俺はどこでやろうと…」
西野「どこに行ってもお前はオモロイし、どこ行ってもウケる。ただ、さっき出てたライブ、エンディングで立ったまま寝んといてくれるかな」
森「ええ? 何の域なんですか、それ」
小林「いや、ちょうど代走みつくにさんが前にいてはって、誰にも見えへんかったから…」
西野「お前の角度からは見えんやろうけど、横からのお客さんには見えてるから。まあ、面白かったよ、寝てる小林は。寝たらあかんって目を開けようとするんやけど、だんだん閉じてくるっていう、戦ってる小林はおもしろかった。エンディングになってから急にウトウト来たんやろうな」
森「ハハハ(笑)、ライブの前にウーロンハイ1杯、飲んでましたからね!」
西野「…ああ!? 酒? ほほぅ。酒を入れてから舞台に立ったと知ったら俺は、後でもうむちゃくちゃ怒るよ」
小林「うん。それははっきり言うで。……トライアングルが見たことのない西野が出るから」
田中「え?」
西野「この取材が終わって、誰もいなくなったら怒る」
田中「竹原さんみたいな感じですか」
西野「誰がガチンコバトルやねん。竹刀なんか持たんわ」
田中「広島の粗大ゴミみたいになるんですか」
西野「ならへんわ。でも酒飲んで舞台に立つっていうのは違うからね。うん。それはナメとるよね」
田中「…はい」
西野「むちゃくちゃ怒りますね、それは」
小林「それで、見たことのない俺を見ると」
田中「マジですか!? イヤやな~、それ」
西野「それやったら先輩のライブでやらんかいって思うんですよ。後輩しかおらへんから、それでウイェェェって飲むんですよ」
小林「いや、おったよ」
西野「みつくにさんやろ? みつくにさんは怖くないやん。知ってるし。先輩のネタライブのときに酒飲んで行け。そしたら俺は今日のことは許す」
小林「あ、いや、そんなん…。もっと上の人がおるとき…」
森「僕がいらんことを…」
―― あ、あの、田中さん! 田中さんのコメントがまだでしたから!
田中「あ、はい、あの、僕は…」
―― 声が小さくなってますよ!
田中「はい、そうですね…」
西野「またウーロンハイ飲んで…。僕も当分、怒らんとこって思ってたんですよ。それはもう、コンビと言えども自分自身の問題…」
田中「ちょっと1回、止めましょうか」
西野「でもコンビやしな。誰が言うんかっていったら俺しかおらんしっていうのがあるからな…。お前そんなんやってる場合じゃないぞっていうな」
田中「そうスねぇ…はい…」
小林「でも酒飲んで舞台に出るのは、ありっちゃありやしな」
西野「ありっちゃありやけど、その美学みたいなもんをお前が求めているのかと。求めてるんやったらまだええけど、そうやないやろ。ウーロンハイを飲みたかっただけやろ?」
小林「そうそう」
田中「軽い(笑)」
西野「そうやろ。意地になって飲むとかないやろ」
小林「串カツ食べたからな…」
西野「まあ、22日の東京のライブで小林が飲んでくるかどうかも楽しみにしていただければ。体の一部がウーロンハイ的な色になってるか、どうか。ですよね」
小林「最近コンビニとかでペットボトルに入ったウーロンハイが売られてて。お茶みたいやねん。それ見て嬉しかったわ~」
西野「バレへんから?」
小林「うん」
西野「匂いでバレるんちゃうん?」
小林「いや、ウーロンハイもウーロン茶やから」
西野「名前が違うやん。その時点でちゃうやん。で、嬉しかったって喜んでるやん。ウーロン茶ちゃうやん」
小林「違う」
森「訂正が早い」
西野「ひょっとしたら東京でのライブは小林がベロベロで出てくるかもしれませんけど、まあそこもお楽しみに」
田中「はい! そうですね! とにかくもう、気持ちよく帰りたいです。こういうこともないように。お客さんに喜んでもらって、終わったらシュッと、いつものように」
西野「じゃ最後、オススメの商品は?」
田中「美容ですか?」
西野「何でもいいよ。お前の女子力、見せてくれ。最後、それで〆よう」
田中「あの、これ、ずっと言ってるんですけど、化粧品冷蔵庫というものがありまして、これは化粧品は生ものだという観点から17℃で保管して、化粧品の鮮度を保つという冷蔵庫なんですけど、今、めちゃくちゃバカ売れしてます!」
最初は和気藹々と始まったチョップリン×トライアングルのコンビ対談ですが、最後は不穏な空気になりして…。取材を追え、会社を後にした私の耳に西野さんの怒号が聞こえたことは言うまでもありません。終わり。
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