ホーム > ガンバ大阪×ぴあ WEB連載『ガンぴあ SEASONⅣ』
加地亮(かじ・あきら)●’80年、兵庫県出身。ポジションDF/背番号21。’98年セレッソ大阪でJリーグデビューを飾り、大分トリニータ~FC東京を経て’06年にガンバ大阪へ。右サイドを疾走する豊富な運動量、精度の高いクロスで得点チャンスを作りだす。「加地さんがいるのと、いないのとでは大きく違う」(倉田選手談)と言われるほど、攻守で頼れる元日本代表のナイスガイ。
ガンバ大阪・オフィシャルサイト
http://www.gamba-osaka.net/
ガンバ大阪応援番組
『ガンバTV~青と黒~』
毎週月曜・深夜1:35~ MBSにて放送中
※放送時間は変更の場合あり
【ガンバ大阪 ホームゲーム】
Pコード592-080 発売中
『J1リーグ戦』
▼10月27日(土)14:00
〈vs サンフレッチェ広島〉
▼11月24日(土)14:30
〈vs FC東京〉 ※ホーム最終戦
BOX-S席-5000円 SS席-3500円
SM席(自由席)・大人-3000円
小・中学生-1500円/ほか
万博記念競技場
ガンバ大阪[TEL]06-6875-7744
チケット購入はコチラ
※チケットぴあの店頭および、サークルK・サンクス、セブン-イレブンでも購入できます。
【ガンバ大阪 アウェイゲーム】
『J1リーグ戦』
▼11月7日(水)19:00
<vs 柏レイソル>
日立柏サッカー場
▼11月17日(土)17:00
〈vs 清水エスパルス〉
アウトソーシングスタジアム日本平
▼12月1日(土)15:30
〈vs ジュビロ磐田〉※Jリーグ最終戦
ヤマハスタジアム
※チケットの発売情報についてはコチラでご確認ください。
第1回(3月9日更新)はコチラ
第2回(3月30日更新)はコチラ
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前回更新時から第28節の仙台戦、第29節の川崎戦をアウェイで戦ったガンバ。仙台戦は2-1で勝点を得ることはできませんでしたが、川崎戦では家長選手に2ゴール、そして藤春選手に今季初ゴールが飛び出し、2-3で勝利!! 貴重な勝点3を手に入れました。また、残留争いのライバルである大宮と新潟が直接対決で引き分けたため、順位を16位へと上げ、15位の大宮とは勝点1ポイント差に迫っています。
残り5節。ここまで身体を張ってくれた佐藤選手の負傷離脱というバッドニュースがありましたが、チーム一丸となってこの危機を乗り越えてくれると信じましょう!!
そんな負けられない戦いが続く中、3シーズンぶりに加地選手に登場して頂きました!!
いつもはプライベート編からですが、今回はサッカー編からお届けしたいと思います。
――『ガンぴあ』には久しぶりの登場となります。前回登場時のものを読みなおしたときに、サッカーを始めたきっかけを訊いてなかったので教えて頂いてもいいですか?
「友達がサッカー部に入るから…っていうので入ったんです」
――それは小学生の時?
「小1ですね」
――小学校にサッカー部があったんですか??
「あったんですよ。で、市役所の役員の人が17時に仕事が終わってから、毎日欠かさずに教えに来てくれていたんですよ。鬼監督でした」
――小学校で鬼監督っていうのは珍しい気が……
「昔ですからね。兵庫県でも名物監督でしたし、すごいスパルタでしたよ」
――そうなんですね。ちなみにサッカーを始めた時のポジションはどこだったんですか?
「FWですね。そこから小、中、高とかけて、徐々に後ろに下がってきた感じです(笑)」
――ああ…(笑)。そのことに関しては、個人的にはどう感じていたんですか?
「前にいけばいくほど上手い人がいっぱいいて、このポジションじゃ自分は戦えないから後ろに下がっていったみたいな(笑)。けっこう多いですよ、DFの人は。前をやって後ろに下がっていくっていう」
――そういえば、岩下選手も昔FWだったって言っていました。
「多分、ガンバにいるDF陣は、だいたい小学校の時はFWですね。最初からDFってなかなかいないと思う」
――ああ、みなさん攻撃的ですもんね(笑)。さて、加地さんはプロになって今季で15年目になりましたが…
「もう15年経ったんですねぇ。いつもフレッシュな感覚でいるようにはしているので、自分としては最近始めたばっかりのような感覚ではいるんですけどね」
――なるほど。まぁ、毎年同じシーズンっていうのはありませんしね…
「色んなシーズンがありますからねぇ。良いシーズンもあれば、今年みたいなシーズンもあるし。個人的にもケガが多いシーズンでしたし…」
――今シーズンがキャリアの中で一番しんどいですか?
「そうですね。チームとしてもそうですし、その中で自分もケガをしちゃったから余計にしんどいです」
――本当に開幕前はこんな状況になるとは思わず…。でも、加地さんは『どうかな~?』って仰ってはいましたけど…
「始まってみないと分からないな~って思っていたら、予想以上の展開が待っていました……(苦笑)。いや~、言い方は悪いですけど、良い経験はしていると思います。この試練を跳ね返せるだけのメンタルとチーム力が試されていると思います」
――去年とは全く状況が違いますもんね。昨シーズンは優勝争いに絡んでいましたし。
「最終節までもつれこんでいましたよね。最終的には3位でしたけど。いまは(下位)3位争いをしていますけど、去年のように3位に留まらないようにしないと」
――そうですね! 下から3位では大変なことになりますから!
「上の3位と下の3位では全然違いますからね(苦笑)」
――本当に(苦笑)。今季はなかなか安定しない、勝ちきれないガンバですが、この要因はどこにあると加地さんは考えていますか?
「去年も波はあったんですけど、強い時は悪いなりにも勝てるんですよ。それが今年は悪いときっちり負けてしまうんです。勝利を引き寄せられない。それが何かって言ったら、分からない。それがサッカーです。要因が分かったら、多分、どのチームも強いです」
――なるほど。
「でも、本当にちょっとしたことでしょうねぇ。シュートブロックに入るとか、失点しないようにみんなでディフェンスして、相手をマークして…とか。それが悪いとシュートを打たれて入っちゃったり。良い時は少しマークが緩くてシュートを打たれても入らなくて、逆にこっちがすごいシュートを決めて勝っちゃうとかありますし。でも、最終的にはメンタルだと思います。気持ちに余裕のあるチームは勝てますし、切羽詰まっているチームは負けます。最終的にこの順位にいるチームが切羽詰まっちゃうと、もう取り返しがつかないから、いかにこの順位でリラックスして戦えるか。すごい難しいんですけどね。楽しんで、自分たちのサッカーを強気でやれるのかっていうのが一番重要ですね。これからばんばんプレッシャーがかかってきますし」
――確かにこれからのプレッシャーはもっと強くなると思います。
「勝つとかじゃなくて、楽しませるとか、自分たちが楽しいって思えるサッカーが出来れば、結果もついてくると思います。厳しさ、激しさも必要ですけど、切羽詰まって急いじゃうと良いことがないので。それだけは気をつけたいですね」
――ちなみに加地さんはこの現状を前向きに捉えていますか?
「ケガも治っているし、サッカーできるし、言うことないですよ。まだあと残り5試合もあるし、どう転ぶか分からないので、ナンボでもやりようはありますからね」
――おおっ、さすが経験豊富な加地さんです。加地さんのように、様々なことを経験している選手はメンタルのコントロールを出来ると思うのですが、若い選手はやはり焦りが出てくる部分もあると思います。何かアドバイスされたりはしているのですか?
「いや、とくにはないです。言っても試合になったらそれどころじゃないですもん。リラックスって思っていても、試合になると分からなくなる。それはプレッシャーだったり、緊張だったりの場数を経験しないと分からないと思います」
――場数を経験すればコントロールできるとして、プレッシャーを跳ね返すだけのメンタルの強さを手にするためにはどうすればいいでしょう?
「多分、自分のやるべきことをしっかり整理して1日、1日を過ごすって言うのが、一番メンタルが強いと思う。いまは、“勝たないといけない”“勝点3が必要”“この順位”…とか、色んな状況がプレッシャーになっていると思うんですよ。そうじゃなくて、“今日はこれをやります”“試合のときにはこういうプレーをしよう”とか、そこを突き詰めていくだけやと思うんですよ。その先に、勝点3とかの結果があるだけで。自分のやるべきことをどれだけ追求できるかっていうことだけで、ライバルは他人じゃないんですよ。自分のやるべきことをやって、いかにそこを高めていけるかが大事じゃないかなと。例えば、ライバルがすごいプレーをしているけど、オレはプレースタイルが違うから出来ない。それなのに真似をしてやろうとすると余計に空回っちゃって、自分のスタイルも出せずにミスも連続して…っていうプレッシャーにもなってくる。とりあえず、周りに惑わされずに自分をしっかりもって、自分を見つめて毎日を過ごすことが一番の…周りのプレッシャーから解放されるじゃないですけど、解決策じゃないかなと」
――自分を見つめて日々を過ごす。これは簡単なようで…
「難しいですよね~(苦笑)。いや~……ムズイっす」
――ですよね(苦笑)。これも日々の訓練なのでしょう。さて、試合はというと残り少なくなり、控えているのは上位陣との対戦です。
「そっちのがいいです。上位陣のがやりやすいと思います」
――引いて守るっていうよりは、攻めに出て来てくれるからですか?
「それもありますし、向こうも優勝のプレッシャーがあるでしょうから。……こっちもこっちであるけど(苦笑)。でも、良い戦いになると思います」
――負けられないっていう点では同じだとは思うのですが、優勝争いしているときと、いまのプレッシャーは全然違うものですか?
「全然違いますね。これでJ2に落ちるのと、J1で2位で終われるのとではかなりの差やと思います」
――確かに天国と地獄ほどの差があります。
「でも、最悪J2に落ちたとしてもサッカーが終わるわけではないので、それくらい開き直った気持ちでいられるか。その時は苦しいですけど、やることをやって負けたらしょうがないって割り切るしかない。また次に進んで…ってサッカーはそれの繰り返しなので、とりあえず悔いの残らないように。当たり前ですけど、練習だったり、試合中のプレーだったりを全力でやって。結果はやってみないと分からないですけど、自分たちの、ガンバのスタイルで全力で戦うだけです。…勝つのがベストですけどね」
――ガチガチに硬くなっても、ガンバらしい、良いサッカーはできませんしね。
では、残り試合に向けての意気込みをお願いします。
「1戦、1戦、勝ちを拾うために全力でやることだけを考えて、これから残りを戦っていきたいと思います。サポーターの方にも心配ばかりかけていますけど、1試合でも早くホッとできる順位に上がれるように頑張りますので、応援よろしくお願い致します! 天皇杯もね、やっぱりタイトルを獲らないと面白くないですから」
加地選手の前編はいかがだったでしょうか? メンタル論については、日常でも使えると思うのでメンタルが弱いんだよな…ってお悩みの方は参考にしてみてください。
プライベート編は次回お届けします!
(取材・文 金子裕希)
(10月26日更新)