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「ルーツ受け継ぎつつ、自分なりの答えを出していく」
中田裕二の逆襲たる最新作『LIBERTY』解剖計画【後編】
時代を超えて生まれる歌、世代を超えて生きる歌――
初ホールツアー開幕に捧ぐ撮り下ろしインタビュー&動画コメント

 理想を追い求めるのは、この世を生きる上で綺麗事なのか? 自分を信じ続けるのは、叶うことのない絵空事なのか? そして人はいつか、ゆるやかな時の流れを理由に、その確かな想いからそっと目を逸らす――。だが、この男はどうだろう? 最新アルバム『LIBERTY』を再生するや飛び込んでくる、ロック、ニューウェイブ、ヴィンテージ・ソウル、ファンク、レゲエ、ラテン、ボサノヴァ…海外の機運を敏感に嗅ぎ取りながら、80sオマージュ溢れる自らのルーツとキャリアとのジャストな関係を築き上げた、徹底的にハイブリッドでハイクオリティな楽曲群は、前作『BACK TO MELLOW』(‘14)がもたらした予感を礎に、歌手・中田裕二の消えない情熱と妥協なき理想郷を描いている。そこで、今作のリリースに伴い前後編フルボリュームで贈るスペシャルな撮り下ろしインタビュー【前編】は、先行配信されたEP『STONEFLOWER』を軸に、中田裕二のシーンとの独自の距離感とスタンスを語ってもらった一方、思い信じ続ける、まるで音楽少年のようなきらめきに思わず笑みがこぼれるインタビューとなったが、今回の【後編】では、彼が『LIBERTY』に込めた意思と意図、椿屋四重奏~ソロの15年を経たからこその決意と、初のホールツアーについて語ってもらった。リリースツアー開幕を前に、中田裕二の現在地を紐解くインタビュー。

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自分のモード的にも
“80年代後半~90年代頭ぐらいのエレピの音色が作り出す景色”
みたいなイメージが、結構ハッキリと見えてた
 
 
――前作『BACK TO MELLOW』(‘14)は、AORのロマンティックな部分を際立せた試みだったけど、それを踏まえての『LIBERTY』では、どういう方向に振っていこうと?
 
「『BACK TO MELLOW』はいい意味でバランスが取れてるんですけど、同時に表現し切れなかった部分も結構あったんで、『LIBERTY』はもうちょっと曲ごとに振り切ったアレンジとか、本当に好きなサウンドに仕上げたりとか、ちょっと遠慮なく、躊躇なくやってみようかなって。これは『BACK TO MELLOW』を作ったときから思ってましたね。もちろん延長線上にあるアルバムなんですけど、もうちょっと突き詰められるところもあった気がしてたんで」
 
――逆に『BACK TO MELLOW』のリアクションで、ギアを踏んでいいんだなとハンコをもらったとも言える。
 
「そうですね。あのアルバムの評判はすごくよかったから、やっぱり自信も付いたんで。『LIBERTY』の制作に入れたのは昨夏のツアーが終わってからなんですけど、1ヵ月半ぐらいはそれに集中する時間ももらえたので、ギュウギュウで作りましたよ(笑)。でも、作る上でのモヤモヤはなかったですね。自分のモード的にも、“80年代後半~90年代頭ぐらいのエレピ(=エレクトリックピアノ)の音色が作り出す景色”みたいなイメージが、結構ハッキリと見えてたんで。そこに、ちょっとチャラい感じの“いい男・いい女”風な歌詞というか、やっぱりあの時代のサウンドはそういう男女を想定してアレンジもしてるから、合うんですよね。説得力が出る。だから、逆に自分もそこを表現するためには、そのサウンド感は絶対に必要かなって。結構好きな質感だったりもするし」
 
――あの時代は音色的にも独特の特徴があるし、やっぱりいい時代だったもんね。実験的でもあり、でもちゃんとポップで。おもしろい音楽がいっぱいあった。
 
「そうなんですよ。しかもチャラい風だけど歌の内容が実は深かったり、大衆性もしっかりあるし。多分80年代にポップスもロックも1回完成しちゃったから、90年代のグランジ以降でまた崩していくみたいな流れになったと思うんですよね。今って80年代っぽい音作りをしてる子たちも多いけど、いい男・いい女は出てこないから(笑)。でも、あの歌詞にあのDX7(=YAMAHAのシンセサイザーの名機)の音だったから合うようなところもあるから、ただサウンドの流行だけ取り入れてもね。俺が伝えたいのはその精神性なんで。俺はそれを1stから始めてるし、『LIBERTY』が後ノリみたいに言われるかもしれないと思うと、もうホントにイヤ!(笑) まぁ聴いたら歌がクドイから、そんな風には感じないと思いますけどね(笑)」
 
――ちなみに、今回のタイトルの『LIBERTY』はどこから?
 
「アルバムの曲を並べたときに、すごく“自由”を手に入れた感じがあって。でも、それは=手放しのフリーダムじゃなくて、いろいろ紆余曲折があって、いろいろ経験して、積み重ねてやっと勝ち取れた自由で。『LIBERTY』=“制約の中から勝ち取る自由”みたいな意味があるんで、これかなと」
 
――なるほど。俺はかつて一世を風靡したソニーのコンポの名前からかと(笑)。
 
スタッフ「中田くんがまだ小っちゃい頃、レベッカが“てっぺんリバティ”っていうソニーのシステムコンポのCMに出ててね。世代的には『LIBERTY』って聞くとそれしか思い浮かばないぐらい(笑)」
 
――結構あの頃のソニーのCMでかかってる曲が洋邦問わずよくて、あのフレーバーに対するオマージュなのかと思ったりもしたんやけど…違うと(笑)。
 
「アハハハハ!(笑) 本当にパッとイメージで付けましたね。今回は分かりやすいタイトルがいいなと思って」

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前作以上に明確に音像が頭の中にあったんですごく楽しかったし
だからこそ音決めに結構時間を費やしましたね
 
 
――今作は1曲目の『WOMAN』からね、もう明らさまにそれな感じがすごいよね(笑)。
 
「アハハハハ!(笑) 俺はピーター・ガブリエルみたいなイメージで作ったんですけど、奥野(真哉)さんはそこにプリンスを感じたらしくて、ちょっとエフェクティブなシンセをいっぱい重ねて。それが合体したみたいな曲ですね」
 
――すごくオリエンタルでアーバンな曲で、ちゃんと中田くんの節回しみたいなものもある。それこそコンポのCMに使えるわ(笑)。今作では奥野さんが割とガッツリな体制と思っていいのかな?
 
「一応、共同プロデューサーの位置にはいますから。いろいろ相談しながらやりましたし」
 
――今の感じだとそうでもなさそうやね(笑)。
 
「アハハハハ!(笑) 曲によってガッツリやってもらったものと、プレイヤーに徹してもらったものと。あの人はホント忙しいから! 結局、時間がなくなっちゃって、こっちが先に進めちゃったパターンも結構多い(笑)」
 
――『KILL YOUR SMILE』(M-2)はシンセベース?
 
「そう! これは奥野さんに“絶対にシンベを弾いてください”って頼んで、俺がドラムとか基本のシンセのパターンを打ち込んで。今回のレコーディングは前作以上に明確に音像が頭の中にあったんですごく楽しかったし、だからこそ音決めには結構時間を費やしましたね。当時の音を聴いて研究して、“なるほど、ポコポコって音が入ってるな”とか(笑)。あと、今回は音質もめちゃいいんですよね。そこにはかなりこだわったんで」
 
――確かに聴いててすごくクリアな感じがした。そこも含めて、あの時代のね。
 
「うん。あの“ピカッ! パキッ!”っとした感じを出したかったんですよね」
 
――中田くんはスピリットを受け継ぐ人だけど、今作はそういう制作上の音楽的な楽しみも多い感じがしますね。あと、『リボルバー』(M-5)はそれこそライブでもやってたけど、強烈グルーヴィーで。
 
「これはもう、演奏が上手くないと絶対に再現出来ない(笑)」
 
――じゃあこのベースは誰が弾いてるのかな?って思ったら。
 
「俺(笑)」
 
――結局お前かよ!シリーズ再び(笑)。

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そっかぁ~それは問題ですね(笑)
 
 
――あとは常々言ってるけど、ストリングスがもう完全に曲のスパイスとか彩りではないレベルで。
 
「そうですね。本当に主役っぽい感じで弦を使ったり、弦を入れる前提でアレンジもしたんで。『とまどい』(M-6)とかも、弦のある/なしじゃだいぶ変わる。何となくスケールを壮大にするための添え物のストリングスも多いじゃないですか? じゃなくて、その曲の一部としてしっかりとストリングスが組み込まれてる状態は、前にも増してひどくなりました(笑)。『STONEFLOWER』(M-11)とかも、やっぱり弦にすごくインパクトあるから」
 
――参加メンバーのギタリスト、田中“TAK”拓也さんは何つながりで?
 
「TAKさんは『SONG COMPOSITE』(‘14)で結構弾いてくれてたんですけど、すごく気さくな方で話も合うから、今回もまたお願いしてみようかなぁと。『LIBERTY』は自分で弾いてない曲も結構あって。ベースも4曲ぐらいはお任せして弾いてもらってるし、その辺の躊躇もなくなってきてますね」
 
――今作は、資料にも“よりポップに響かせることに注力した”と書いてたけど、その意識はあった?
 
「うん。自分的にはすごくポップ(笑)」
 
――でも、世間が求めるポップはヘンな話、もっともっともっと、分かりやすいというか。個人的には『BACK TO MELLOW』よりマニアックで、クオリティは上がったけど大衆性という意味では後退したのかなと思ったけどね。
 
「えぇ~! ホント!?(笑) そっかぁ~それは問題ですね(笑)」
 
(一同爆笑)
 
「俺、全然『LIBERTY』の方がポップだと思ってた。歌メロとかも、結構ストレートに作ったつもりだったんですけどね。マジかぁ~(笑)」
 
――『BACK TO MELLOW』とは歌謡とAORの配分が逆転したというか、このアルバムはむしろ音楽好きに評価されるアルバムな気がしました。それはそれで全然悪いことじゃないんだけどね~(笑)。とは言え、リード曲の『朝焼けの彼方に』(M-9)とかは、自分の武器としっかり向き合って作られてる感じがしましたよ。
 
「うんうん。ありがとうございます。この曲はもう、全然“てらい”がないもんね。一応、俺も1回アレンジしてみたんだけど、結局、スタジオでみんなでセッションする形で作ったんで。バラードのアレンジがやっぱり一番難しいですよね。凝り過ぎちゃうと伝わらなくなっちゃう。だから、この曲では余計なことをしたくなかったというか、弦とかも要らないかなって。歌だけでもう“鳴ってる”から」
 
――こういう曲こそ、中田裕二のいいところが、いい配分で出てる。『とまどい』とか『朝焼けの彼方に』は、『BACK TO MELLOW』の匂いを継承しつつ、歌謡感の方が強く出た曲よね。
 
「もう思いっ切りそうですね。『とまどい』とかも完全に、“ボッサ歌謡”(笑)」
 
――『とまどい』っていう“いかにも”なタイトルも含めてね(笑)。

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10年20年経ったときに、“別に時代は関係なかったんだな。
今聴いてもやっぱりいい曲だ”って言われたい
 
 
――今作で音楽的な欲求は結構満たされたんじゃない?
 
「いや、完成度は高いとは思うんですけど、まだまだ全然やりたいことが。もう次も作ってるもん(笑)」
 
――マジで!?(笑) 早いなぁ。
 
「フフフフ(笑)。頭で鳴ってる音をちゃんと形にできる環境はありがたいですけどね」
 
――でも、中田くんの場合は、ソロとは言えど結局のところの着地点は、1人でDTM(=デスクトップ・ミュージック)で完遂、じゃないもんね。
 
「うん。そもそも『LIBERTY』も、聴いてていろんな人間が見えるアルバムにしたかったんですよね。パッと聴いたときに“これはもう人間の匂いが全然しねぇな”っていう曲が今は多いから。俺も最初の方は結構自分で弾いちゃってたけど(笑)、もう何か飽きちゃって。自分の範疇で終わっちゃうのはやっぱりおもしろくないんですよね。プレイにはその人その人の人生観とか、曲に対して持ってるイメージが出るんで、1曲の中にそういういろんな人生が加えられていく=曲自体がすごく濃くなる。昔の曲って、やっぱりそのよさもあるじゃないですか」
 
――そして、それが世に出たら、そこに新しく聴く人の人生も加わってくる。
 
「うんうん。あとは、80年代の頃の使われてたリズムマシーンって独特のズレがあるみたいで、今みたいに精密じゃないからちょっとした電圧とかでも変わったり、何かヨレるんですって。だから、あの時代の打ち込みの音ってちょっと人間臭いんですよね。そういう実験的なところと、人間臭い部分が調和してる」
 
――インタビュー前編でも、他人がすでにやってるか否かに対する執着について散々話したけど(笑)、でもそれって音楽に関わらず、中田くんの“生き方”そのものな感じもするね。
 
「そうですね。何かね、時代とか流行に流されちゃうのが多分怖いんです。ずーっと移り変わっていくから、定点みたいなものが打てないままに進んでいくんで…やっぱり自分の旗を立てたいって、思ってるのかもしれない。だから、時代とか流行には敢えてハメないようにしてる気はします。10年20年経ったときに、“別に時代は関係なかったんだな。今聴いてもやっぱりいい曲だ”って言われたいし、実際そういう曲が好きなんですよね」

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15年音楽をやってこなかったら、やっぱり出てこないですよ
 
 
――今回のアルバム作り終えて、自分の思うところはありましたか?
 
「何回聴いても疲れない、クオリティの高いアルバムが作れた手応えは、これが初めてと思うぐらい、出来た後にはすごくありましたね。今までと比べても…まぁ俺、過去に出した作品全部に基本的には納得がいってないんで(笑)」
 
――もはやそれは“ミュージシャンあるある”(笑)。作り手の性やね。
 
「そうそう。納得したらそこで終わっちゃうと思うんですよ。今回も別にそれがないわけではないんだけど、結構スッキリした感じがあるんですよ。今までは全部自分で完結しようとしてたところがあったが故に、やっぱりね、いろいろ悔いが残るというか。人に任せることが躊躇なく出来るようになってきたのは、結構大きいかな。だからこそ生まれる音もあるんで。頼れるプレイヤーとたくさん出会えたし、自分の伝えたイメージをしっかり受け止めて、ちゃんとプレイに活かしてくれる人がいるからこそ作れるのもあるんですよ。“この人に頼むの不安だな…”っていう感じだったら、やっぱり自分でいっぱい弾いちゃうと思うし(笑)」
 
――逆に“この人に頼んだ方が”って。
 
「そうそう。ソウルとファンクに関して造詣が深いなと思うような人には、ニュアンスだけ伝えて任せた方がその感じが出るし。そういう上手い方々の上に自分の音を重ねるとき、そこで明らかにレベルの差があったらガタガタになっちゃうんで俺も練習しますけどね、ベースにしろギターにしろ」
 
――歌い手としての自分はどう?
 
「よりソウルフルに、エモーショナルに、バラードも今までのアルバムで“ちょっと泣きが足りないなぁ”と思ったところは結構意識したし。今は海外でもソウルフルに歌う方が主流ですからね。向こうはルーツミュージックにちゃんとリスペクトがあるし、それが故の80年代回帰だったり、ちゃんとね、脈々とつながってるんですよ。それはミュージシャンとして羨ましいなと思うし、自分もそうでありたい。今はさかのぼらないからね、ミュージシャンも、リスナーも。あと、例えばこのアルバムもそうだし、『朝焼けの彼方に』みたいなバラードもそうだけど、15年音楽をやってこなかったら、やっぱり出てこないですよ。だから時間を掛けることの大切さもあると思うんですよね。今はすぐに結果出そうとし過ぎるから…まぁ俺もバンドをやってたときはあっという間に売れちゃうと思ってたけど(笑)。だから準備をね、しっかりと。もうアリとキリギリスのアリみたいな感じですよ(笑)」
 
――どの曲をどのタイミングで取り上げられても、恥ずかしくないものにしておかないと。
 
「そして、それには多分、まんま歌謡曲をやってるだけではダメだと思ってて。やっぱり進化はさせたいし、自分の世代ならではの視点で書かなきゃいけない。ただの古臭い歌みたいにならないようにね。非現実的な歌詞ばっかり書いてるように見えて(笑)、結構今のことを歌ってたりするんでね。やっぱり受け継ぐだけじゃなくて、自分なりにアップデートさせていかなきゃいけないなって。『LIBERTY』ではそれが出来たかなって思ってるんですけどね」
 
――あとは、世間との着地点にどこで巡り会うのか(笑)。その幸福なタイミングのためにも、しっかりいい音楽を。
 
「作り続けると」
 
――ただ売れるんじゃなくて自分のやり方で売れないと、結局、音楽人生の寿命は短くなっちゃうし、楽しい人生にはならないというか。自分がこうと思うものを提示して、それが人を喜ばせるものであった方がやっぱりね、絶対に幸せだから。追求したいですよね、その理想を。
 
「うんうん。したいですね」

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去年はいい変化がたくさん生まれた年だったんで
それを今年はしっかり花咲かせていきたい
 
 
――そして! 遂に今回のリリースツアーはホールツアーとなりましたが。
 
「はい! 初の、ですね。バンド時代にもなかったから、新たなチャレンジです」
 
――もう2時間3時間のスタンディングライブは。
 
「卒業したいですね。っていうかお客さんもつらいだろうしね。俺ももう観に行けないですからね、スタンディングのライブって。曲のスケール感もホール向けに作っちゃってるから、絶対に合うと思うんだよな~(笑)。大阪でホールでワンマンやるのも初めてですから! 念願の、ですよ」
 
――ツアーに向けては何かある? 今のモードにおいてのライブについて。
 
「すごくライブ映えするアルバムだから理想的な形でやれると思うし、ずーっとホールを廻りたかったんで、俺自身のテンションも結構高いんじゃないかな(笑)。すっごく楽しんでやりたいと思ってるんで、間違いなくいいツアーになると思ってるんです。新曲もバンバン書いてるし、次に次に進もうとする感じも出せると思います」
 
――あと、ツアーファイナルの東京・中野サンプラザは。
 
「椿屋の最後のツアーでやって以来ですよね」
 
――そういう意味では、戻ってこれたというか、改めて挑戦出来るようになったというか。
 
「まぁ、因縁のね(笑)。ただ、あのとき果たして椿屋がホールに見合った演奏が出来ていたかと言うと、ロックバンドとしての勢いに乗っかった感じもあると思うんですよね。俺があの時点でホール仕様になってたかと言うとそうではなくて、“ホールでやらせてもらいました”みたいな(笑)」
 
――バンドのストーリーとして、そこに立たせてもらったと。
 
「うんうん。だけど今回はもう、ちゃんとそこにふさわしい形になって、その上で立てると思ってるんで。そこが感覚的な違いというか」
 
――それでは最後に、今年の展望を語ってください。
 
「去年はテレビに出させてもらったり、いい変化がたくさん生まれた年だったんで、それを今年はしっかり花咲かせていきたいですね。ソロ5周年というのもあるんで、リリースもあんまり空けずに、全力疾走したい。今ようやく流れが出来つつあるから、それを止めないようにしっかり進みたいと思ってます!」
 
――その旅のお供になる、いいパンフも出来ましたからね(笑)。それじゃツアーで!
 
「ありがとうございました~!」
 
 
Text by 奥“ボウイ”昌史
Photo by 渡邉一生(SLOT PHOTOGRAPHIC)
撮影協力:Shangri-La

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(2016年2月24日更新)


Check

Movie Comment

『LIBERTY』&ツアー話を某楽屋から
 中田裕二からの動画コメント!

Release

80sオマージュに留まらない己の表現
を徹底的に磨き上げた5thアルバム!

Album
『LIBERTY』
発売中 3000円
Imperial Records
TECI-1472

<収録曲>
01. WOMAN
02. KILL YOUR SMILE
03. en nui
04. SO SO GOOD
05. リボルバー
06. とまどい
07. MUSK
08. ヴィーナス
09. 朝焼けの彼方に
10. 月の恋人たち
11. STONEFLOWER

Tour Book

今回も濃厚、特盛りの内容!(笑)
『TOUR 16 “LIBERTY”』にて発売へ

Book
『歌謡サスペンス劇場』
2月25日(木)発売
3000円 A5全64P
※特製ミニバッグ付

<掲載内容>
・巻頭グラビア『追う男』
・ナカダ・ベストテン
・中田裕二とその周辺、タレコミノート
・『LIBERTY』全曲解説
・中田裕二解体新書 其のニ“愛用品編”
 etc...
詳細はコチラから!
 

Profile

なかだ・ゆうじ…’81年生まれ、熊本県出身。 ’00年、仙台にて椿屋四重奏を結成。フロントマン及びソングライターとしてキャリアをスタート、’07年のメジャーデビューを経て、『紫陽花』『恋わずらい』『いばらのみち』に代表される、ロックバンドの枠に捉われないスケール感と個性溢れる楽曲で人気を集めるも、’11 年に突然の解散。3.11東日本大震災の被災地/被災者に向け作られた『ひかりのまち』を震災直後に配信(収益は全て義援金として寄付)したのを機にソロへ。同年11月に1stアルバム『école de romantisme』をリリース以降は、’12年に2ndアルバム『MY LITTLE IMPERIAL』、’13年には3rdアルバム『アンビヴァレンスの功罪』を発表。’14年6月には、カバー曲をレパートリーの中心に歌に特化したアコースティック・ライブプロジェクト『SONG COMPOSITE』を音源化したカバーアルバム『SONG COMPOSITE』を発表、配信限定EP『薄紅』を経て、11月には4thアルバム『BACK TO MELLOW』をリリース。そして、’15年6月には4th DVD『TOUR 15 BITTER SWEET 赤坂、春の宵』を、8月には配信EP『STONEFLOWER』を、11月25日には5thアルバム『LIBERTY』をリリースした。確かな歌唱力に裏打ちされた艶のある歌声と、幼少時に強く影響を受けた70~80年代の歌謡曲/ニューミュージックのエッセンスを色濃く反映したメロディを核に、あらゆるジャンルを貪欲に吸収した一筋縄ではいかないサウンドメイクと、様々な情景描写や人生の機微をテーマとした詞作によるソングライティングへの評価は高く、Superflyの最新作『WHITE』への楽曲提供も話題に。

中田裕二 オフィシャルサイト
http://yujinakada.com/

Live

キャリア初のホールツアーが遂に開幕
大阪公演はサンケイホールブリーゼ!

 
『中田裕二 TOUR 16 “LIBERTY”』

【愛知公演】
チケット発売中 Pコード282-167
▼2月25日(木)19:00
名古屋市青少年文化センター
アートピアホール
全席指定6300円
サンデーフォークプロモーション■052(320)9100
※中学生以下は、コンサート当日入場時に窓口にて身分証提示で2000円キャッシュバック。対象の方は必ず中田裕二オフィシャルサイトにて年齢制限・注意事項をご確認ください。
3歳以上有料。3歳未満は入場不可。
 

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード280-069
▼2月27日(土)18:00
サンケイホールブリーゼ
全席指定6300円
夢番地■06(6341)3525
※3歳未満は入場不可。3歳以上は有料。
公演当日開場時間1時間前より、中学生以下の方は年齢のわかる身分証明書提示で2000円返金。

チケットの購入はコチラ!
チケット情報はこちら

 
【神奈川公演】
チケット発売中 Pコード282-096
▼2月28日(日)17:30
関内ホール 大ホール
全席指定6300円
KMミュージック■045(201)9999
※3歳未満は入場不可。3歳以上はチケット
必要。中学生以下は当日会場にて2000円返金。
要身分証明書。

【宮城公演】
チケット発売中 Pコード280-599
▼3月3日(木)19:00
イズミティ21 小ホール
全席指定5800円
G・I・P■022(222)9999
※3歳未満は入場不可。3歳以上はチケット
必要。中学生以下は当日会場にて2000円返金。
要身分証明書。

【北海道公演】
チケット発売中 Pコード280-038
▼3月5日(土)18:00
道新ホール
全席指定5800円
マウントアライブ■011(623)5555
※中学生以下は当日会場にて2000円返金。
要身分証明書。※3歳未満は入場不可。
3歳以上はチケット必要。

【福岡公演】
チケット発売中 Pコード280-207
▼3月12日(土)17:30
都久志会館
全席指定5800円
注釈付指定席5800円
BEA■092(712)4221
※注釈付指定席はステージの全体および一部演出が見えにくい場合がございます。予めご了承ください。※中学生以下の方は、公演当日入場時に窓口にて身分証提示(コピー不可)で2000円キャッシュバックいたします。入場後の受付不可。中学生は学生証、小学生以下は
身分証をご持参ください。※3歳未満入場不可・3歳以上チケット必要。


【東京公演】
チケット発売中 Pコード281-227
▼4月17日(日)17:00
中野サンプラザ
全席指定6300円
ソーゴー東京■03(3405)9999
※3歳未満は入場不可。3歳以上はチケット
必要。中学生以下は当日会場にて2000円返金。
要身分証明書。

Interview & Report History

『LIBERTY』解剖計画
【前編】も公開中!

消えない情熱とシーンへの苛立ち
すらも自由への序章にした
『STONEFLOWER』
撮り下ろしインタビュー!

特設ページはコチラ!

中田裕二、ビルボードライブ大阪に初登場!
自身のプレ・バースデーに行われた
記念すべき一夜、サプライズに新曲もありの
2ndステージを完全再現レポート('15年)
特設ページはコチラ!


「椿屋四重奏で出来なかったことが
 ようやく出来ました」
孤高のソングライティングで
AOR/歌謡曲をアップデートする中田裕二の
輝ける第二幕『BACK TO MELLOW』!
撮り下ろしインタビュー('15年)
特設ページはコチラ!


歌手・中田裕二から
素晴らしき名曲たちに愛と敬意を込めて
解放と挑戦の絶品カバー盤
『SONG COMPOSITE』
撮り下ろしインタビュー('14年)
特設ページはコチラ!


YesもNoも、時代も歌謡もロックもロマンも
背負い込んで。中田裕二の会心の
3rdアルバム『アンビヴァレンスの功罪』
撮り下ろしインタビュー('13年)
特設ページはコチラ!


中田裕二がシーンに築いた絶対領土
『MY LITTLE IMPERIAL』!
やりたい放題の2ndアルバムを異端児にして
偉才が語る撮り下ろしインタビュー('12年)
特設ページはコチラ!


椿屋四重奏解散、3.11、そして
初のソロアルバム『école de romantisme』
を語る撮り下ろしインタビュー!('12年)
特設ページはコチラ!


Comment!!

FM802『Superfine Sunday』
ディレクター小寺章加さんオススメ

「どこからお話すれば…と、思うのですが、出会いだけ端的に言うと、一目惚れです。間違えた。一耳惚れです。’11年。ソロアルバム1枚目の『école de romantisme』を初めて聴いて、ちょっとけだるいけれど、静かなカフェやバーで流れていそうな大人な音楽。さらに、歌詞を聴いていると、しっかりとした画が浮かぶ。この世代には、他に見当たらない…と思ったのが、気になり始めたきっかけです(大人な雰囲気…と思っていたら、年下でした)。椿屋四重奏が解散して、本格的にソロ活動を始めて、5年を迎えるこれまでの活動をざざっと振り返って、中田裕二とは、何者ぞ。と、考えると、こだわり屋だというコト。その“こだわり”がふんだんに盛り込まれているのが、『LIBERTY』なのじゃないかと。歌詞に物語があって、とても美しい。歌詞に使われる言葉選びと、メロディのバランスで、その世界が色っぽく感じられたり、純真無垢な印象を残したり…。ちなみに、今回は、朝を迎えたり、朝に始まる歌詞も多い。ぐっと、拓けた印象です。音やアレンジへのこだわりに関しては、プロじゃないと分かんないよ~、と思われるかもしれないけれど、過去のライブDVD『SERENADE OF”IMPERIAL SUITE”』の中で、そのときのツアーメンバーが語っている“めんどくさっぷり”(笑)が証明しているみたいです。とんでもない角度からの新しいアレンジ、注文が飛んでくる。でも、それが楽しい。その発想がすごい、と。そして、今回の『LIBERTY』に関していうと、収録曲11曲にドラマーは4人です。どんな音色や音の違いが出ているのか、CDで演奏しているメンバーを比較してみるのも楽しいと思います(私だけでしょうか?)。音遊びのこだわりは、CDでもしっかり楽しめるけど、間もなく行われる関西初のホールツアーで、今の中田裕二をどんな風に聴かせてくれるのか…にやにやして待っています」