ホーム > ガンバ大阪×ぴあ WEB連載『ガンぴあ SEASONⅡ』
撮影:田籠哲也
宇佐美貴史(うさみ・たかし)●’92年、京都府出身。背番号33/ポジションMF。ガンバ大阪Jrユース、ガンバ大阪ユースを経て、昨年、16歳ながら飛び級でトップチームに昇格。同年5月24日の鹿島戦で、クラブ史上最年少となる17歳18日でJリーグデビューを果たした。“ガンバ大阪ユースの最高傑作”と称され、技術を生かしたドリブル突破や強烈なシュート、さらには得点のアシストを演出するなど、将来が楽しみな高い才能の持ち主。
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Jリーグの後半戦の日程が発表され、試合スケジュールと睨めっこをしている人もいるんじゃないでしょうか?
ガンバ大阪はというと、第15節の神戸戦から今季初の3連勝をマーク! コンディションが厳しい中でも、着実に勝点を積み上げています。8月17日にはV3王者の鹿島を迎えての一戦になりますが、『ゼロックススーパーカップ』、今季アウェイで敗れた雪辱をきっと果たしてくれることでしょう。
さて、真夏日が続く8月に登場して頂くのは、この選手。“ガンバ大阪ユースの最高傑作”と称され、注目を集める18歳、宇佐美選手に色々とお話を伺ってきました!
――初めまして、『ガンぴあ』です。
「オレ、ヤットさん(遠藤選手)の次じゃないですよね?」
――橋本選手の次ですよ(笑)。
「良かった~」
――良かったって(笑)。
「いや、ヤットさんのあとってプレッシャーかかるし」
――ああ、そういうことですか(笑)。さて、早速ですが、宇佐美選手がどんな人物なのかを教えて頂こうかと。
「性格はちょっとわかんないで……(笑)。選手としては、技術はあると思っているんでそれを駆使して得点チャンスをいっぱい作っていけるタイプかなとは思います」
――なるほど。では、サッカーを離れての人間的な部分は?
「ダメです。全然ダメなんですよ」
――何がダメなんですか(笑)。じゃあ、試合では堂々とプレーされていますけど、実生活の面で怖いものとかあったりしますか?
「怖いのは……試合に出てテレビとか雑誌で取り上げられることが多くなってから、街中で声をかけられることが多くなって。怖いというか、苦手なんですよ。囲まれたりとか、指をさされたりとか、コソコソ言われたりするのが。あとはお化け系っすね。霊的なものが怖いです」
――あ~、お化けは怖いですよね。 「だから、寝るときは無音で寝られないんですよね。木の家なんで軋む音とか聞こえたら、『えっ、(お化けが)来てるんちゃうん?』ってなるから、いつもテレビはつけっぱなしで。寝きったころに消えるようにオフタイマーを60分にセットして、音量を3~4くらいにして寝ています、絶対に。タイマーがないホテルの場合は、テレビはつけっぱなしですね」 ――ええ! 遠征でホテルに泊まることが多いから大変じゃないですか! 「そうなんですよ。オフタイマーがないテレビだと『ええっ…』ってなります(苦笑)。無音の状態だと本当に寝られないんですよ。キーンっていう音が聴こえて怖くなってくるんで」 |
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――ああ、キーンっていう音は聴こえますね。となると、真っ暗では寝られないタイプ?
「あ、ムリです。だから、テレビがあるときはテレビの明かりで。でも、それだとちょっと眩しすぎるんですけど音がないのはイヤなんで、枕を顔の上くらいおいて影を作って、直接テレビの光が当たらないようにしています。……ちょっと面倒臭いですけどね(苦笑)。もしくは、ソファを動かしてテレビの前に置いて、光が直接当たらないようにしたりとかしています」
――色々と工夫されているんですね(笑)。私は音楽を聴きながら寝ていましたけど、それはダメなんですか?
「それやと音楽に集中しちゃって寝られないんですよ。けっこう試みたんですけど、ダメだったんでテレビで。しかも、テレビをつけていると霊的なものは来なさそうじゃないですか」
――そうですね。明るいところには来ないイメージはあります。
「静かなときに来そうやし、光があるところには来ないイメージがあるから、いまのところそれで。……ようするに変なんですよ(苦笑)」
――いや、でもその気持ちすっごいわかりますよ! 私も霊的なものはムリなんで。
「分かります? 何か機械音がないとムリなんですよ。テレビはもちろん、扇風機とかを使って何とか静かにならないようにしています」
――なるほど(笑)。ちなみに、その……霊的なものは見えたりはしないんですよね?
「ないっす、ないっす。なんか、1回見るとそれでスイッチが入りそうじゃないですか。だからその1回を見たくないんですよね」
――あー、確かに1回見るとスイッチが入りそうですもんね。それにしても、お化け系がムリっていうのは意外でした(笑)。
怖いのは、街中で声をかけられることとお化けでしたけど、最近の趣味とかハマっているものはなんですか?
「趣味は……散歩?」 ――散歩? 渋いですね。 「しかも夜っす」 ――夜?? 「なんか、夜にフラっと歩くのが好きなんですよ」 ――(笑)。 「えっ、笑うとこっすか?(笑) なんか良くないですか? オレの住んでいるところはけっこう田舎で、田んぼとかも多いから土の香りとかしていい匂いなんですよ。それが好きで。しかも涼しいし。コンビ二にふら~っと行ったり、友達と電話しながらとか、家の周りをゆっくり歩いて、ふら~っと散歩していますね」 |
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――……18歳ですよね?
「いや、18歳でもしている人は多いと思いますよ!」
――している人も多いとは思いますが、どうしても散歩=お年寄りなイメージが先行しちゃって(笑)。
「(笑)。だって、日頃、厳しい環境にいるじゃないですか。ポジションを奪うとか、奪われるとか。試合に出られるとか、出られへんとか。職がなくなるとか。そういうプレッシャーを夜の散歩で癒しているんです」
――あ~、そういうことですか。
「息を抜くところがないと。だから、夜の散歩でフワ~っとするときはして、オンオフを切り替えると」
――なるほど。オンとオフの切り替えは大事ですからね。
じゃあ、その厳しい環境の中、たまに休日があるわけですが、この休日の楽しみはなんでしょう?
「オフの楽しみは……家でゆっくりするのも好きやし、ボーっとするのも好きやし、友達と遊びに行くんも好きやし、ひとりで買い物に行くのも好きやし……。だから、オフで何をするのが楽しみっていうより、オフが楽しみですし、オフを待つ時間が好きです(笑)」
――あー、あと何日でオフだ!ってなりますしね(笑)。
さて、今年のイヤーブックに『サッカー選手じゃなかったら』の質問に、『普通の高校生』と答えていましたが、普通の高校生をやっていたらどんな高校生生活を送って、どんな進路を取っていたかなぁ?って考えることはあります?
「むっちゃありますよ。そっちでも良かったかなぁって思うし。こういう常に切羽詰った状況というか、常に危機感があるし、大人に囲まれているし……色んな人に見られているから、常に注意を払わないとあかんし。そういうのから離れて、普通の高校に行って、とりあえず遊んで、大学行って、就職みたいなんもしたかったですけどね。文化祭とかも出たことがないんですよ。修学旅行とか。絶対にサッカーがあったんで、出てなくて。だから、サッカー以外に思い出がないんですよ。いまの友達関係もサッカーを通じてが多いし。サッカーがなかったら普通の高校生というより、ひとりぼっちやったと思います」
――いやいや、ひとりぼっちではなかったと思いますよ。
「本当にサッカーをやっていなかったら普通の高校生やったと思いますよ。それでも良かったとは思いますけど、実際そうなっていたらこの世界に入りたかったって思うでしょうね。そこはないものねだりです」
――こういう経験もあまり出来ませんからね。そこはもうこの状況を楽しんでもらって。いまは通信制の高校に行かれているんですよね?
「そうっす。家に課題を送ってもらって、それをやってまた送るっていう。去年はまだ登校できていたんですけど、今年はメンバーに入ることが多くなって、国内の遠征も多くなったし、U-19日本代表の遠征もあるし。そういうので、学校に行ける機会も少なくなってきたから、話し合ってそうしてもらいました」
――プロサッカー選手であり、高校生でもありますもんね。ちなみに勉強はどうですか?
「ホンマ苦手です。笑えへんくらい苦手です。数学が何一つ分からなくて……」
――あー、確かに数学は難しいです。
そんな宇佐美選手の将来の夢は?
「いまはヨーロッパに行って、叶えられるか叶えられないかはどうでもいいんですけど、ヨーロッパのバロンドール(※)を獲るために頑張りたいなと。獲れるか獲れへんかは分からんけど、頑張ればその近くまではいけると思うから、とりあえず夢は大きくということです」
※バロンドール……世界年間最優秀選手に贈られる賞。過去に、メッシ(アルゼンチン代表)、クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル代表)らが受賞している。
18歳の素顔が垣間見れる宇佐美選手の前編はいかがでしたか? 声をかけられるのが苦手ということで、街中で見かけた場合はそっとしておいてあげてくださいね。あと、お化け系の話もしちゃダメですよ(笑)。
では、次回サッカー編の更新をお楽しみ!(8月25更新予定)
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(8月11日更新)