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「みんなもワクワクしてくれたと思うし、俺らもワクワクしてる」
the pillows山中さわお、THE BACK HORN、ユニゾン田淵智也、
SIX LOUNGE、Reiらと結成15周年に確かめる愛と挑戦!
a flood of circle『GIFT ROCKS』インタビュー&動画コメント

 5年に一度訪れるアニバーサリーイヤーという転機と幸福は、時にベストアルバムに、時にトリビュートライブに、時に過去最大規模のワンマンにetcと、さまざまな形でアーティストとフォロワーの歴史に記憶を刻む。今年で結成15周年を迎えたa flood of circleが選んだそれは、前代未聞の“ギフトアルバム”!? その名も『GIFT ROCKS』と冠された全10曲は、山中さわお(the pillows)、THE BACK HORN、田淵智也(UNISON SQUARE GARDEN)、SIX LOUNGE、Reiら盟友5組が提供した楽曲をフラッド(=a flood of circle)自ら演奏&レコーディングした前半5曲、さらにはその5組の楽曲をカバーした後半5曲で構成。周年であろうがただの祭りでは終わらせず、ネクストフェイズへの推進力へと変換するアイデアとバイタリティに満ちているのは、極めてフラッドらしい/フラッドならでは。そのキュートなジャケットに至るまで全てにストーリー=理由がある愛と挑戦『GIFT ROCKS』にまつわるエピソードから、大阪では初開催となる主催イベント『A FLOOD OF CIRCUS 2021 in Namba』、そして、年内いっぱいかけてアニバーサリーイヤーを締めくくる『15周年ベストセットツアー“FIFTHTEEN”』まで、ここだけの話が飛び出しまくった佐々木亮介(vo&g)インタビュー!

 
 
やっぱりお客さんがいる方が良いね!”って2人で言い合って
 
 
――インタビュー自体は意外にも『HEART』('19)以来です。
 
「あ! めっちゃ前じゃないですか。そうか、その間もちょくちょく会ってるからな」
 
――何だかんだ会えてるってことは、やっぱりフラッドが動き続けてる’20〜’21年だったからで。バンドのかじの切り方、この期間をどう生きるかは割と如実に出たと思うし。
 
「それこそ今回の『GIFT ROCKS』に参加してくれてる(山中)さわおさんの家で2人で呑むことがあって。酔っ払って俺のやってるTHE KEBABSのライブDVD(=『THE KEBABS 生存』)を一緒に見て、さわおさんが“THE KEBABS良いね~”って言ってくれた後に、今度はさわおさんがGLAYのJIRO(b)さんと、ELLEGARDENのタカさん(=高橋宏貴・ds)とやってるTHE PREDATORSのライブを、“これ、めっちゃ良いから見ようよ!”ってベロベロで(笑)」
 
――酔っぱらってるとはいえ、よく自分たちのライブばっかり見られるね(笑)。
 
「ですよね(笑)。そこで“やっぱりお客さんがいる方が良いね!”って2人で言い合って…その辺の恋しさみたいなものは、さわおさんも感じてると思うし、“いかにライブを続けてても、そこだけはね”っていうのはずっとありますね」
 
――動き続けているとは言え、じゃあ目の前に見える風景が全く一緒かと言ったらまだまだ違うもんね。でも、2人ともフラッドやthe pillowsのDVDは見ないのも面白いね。本家はちょっと恥ずかしいじゃないけど(笑)。
 
「アハハ!(笑) そうかもしれない。本家は恥ずかしい、確かにそうだ。DVDのおまけ映像とかも、多分サイドバンドだからお互いに見られるんだと思う。自分たちのガチのそれは確かに照れちゃうかもしれないですね(笑)」
 
――さわおさんと佐々木くんが仲が良いのも共通点も分かってはいたけど、そういう多作なところ、サイドプロジェクトが多かったりするところとか、改めて符号する点が多いんだなと思うね。
 
「それが行き過ぎて、去年一緒に『LOST DOGS E.P.』('20)も作ったんで(笑)」
 
 
とにかく予想通りじゃない方が良いと思った
 
 
――今回の結成15周年企画、めちゃ良いよね。これ、俺もやりたいわ。それでフラッドに頼みたい(笑)。
 
「アハハハハ!(笑)」
 
――って思うぐらい面白いし、うらやましいし。ただ、らしいなと思うのは、トリビュートにしておけば自分たちは何もしなくても良いのに、曲は書いてもらうにせよ、全部自分たちで演奏&レコーディングするっていうね(笑)。
 
「そこが最大のネックですからね(笑)。ベスト盤だって誰かがまとめられるし、その辺はかなり実演しましたね」
 
――聴いて納得するところいっぱいあったけど、聴くまでは“これ、どう収めるんだろう?”って。
 
「だから、曲を頼むときもみんな、“え、これはどこまでやれば良いの?”みたいな感じに最初はなってて(笑)。みんなにとっても謎の企画だったんですよ。でも、それを大事にしたというか、とにかく予想通りじゃない方が良いと思ったし、あとは15周年でハッピーな部分も当然あるけど、裏テーマとしては、次のアルバムを作るまでに、フラッドの良いところ、“フラッドってこういうバンドなんだ”みたいなところが分かるものになると面白いかもね、みたいな話はしてたんですよ。実験的な部分=何が起こるか分からないところと、ちゃんと次に行くためのきっかけになると良いなというのは、割と真面目に考えたりしてましたね」
 
――参加メンバーのチョイスも絶妙というか、お祝いだからこそ接点がないところにここぞと頼むパターンもあるけど、フラッドのそれは佐々木くんが直接連絡できるのが分かって…そこも信頼のおけるセレクトな感じが。
 
「その距離感とスタンスでやるのがフラッドらしいなと思ったし、確かにもうちょっと下心みたいなもので(笑)、“広げるために”みたいなことがあってもおかしくないのかもしれないけど、曲をもらって自信満々で演奏する/したいとなったら…さっき言ったみたいに、今回はフラッドを確かめる部分もあったんで、ってことは、ちゃんとつながってる人に頼んだ方が良いのかなって」
 
――ただ、ソングライターがいるロックバンドが曲をもらうって、結構大胆な話だよね。
 
「だから、みんな“何で?”って思ったと思うんですけど(笑)。アイデア先行で曲が書けなくなったわけじゃないし、ヘンにプライドがあるわけでもなかったし、関係性がある人にもらうものなら誤解もないかなと思ったんで。例え誤解されたとしても、曲をちゃんと聴かせれば分かるものが出来上がるような気もしてたんで、そこはまぁ恐れずに」
 
――フラッドに理解がある方々が、フラッドをどう見てるのか。そこで思いのほかフラッドのロマンチックな部分に焦点が当たったのも、ちょっと意外でしたね。
 
「基本的にテンポがめちゃくちゃ速い曲とかダークな曲はなくて。“フラッドの良さってここにあったのか!”みたいな。みんなそういう曲は他の人が書くだろうと思ってたのかもしれないけど(笑)。あとは、“どうせ得意でしょ?”みたいなところもあったかもしれない。その辺のみんなの作家性も面白いですよね、バランスを取るところとか」
 
――フラッドにおけるロマンチックな部分って少々忘れがちというか、パブリックイメージとしてソリッドでエッジィなサウンドを背に反骨心を抱えて叫ぶ、みたいなところがあるから、後回しになりがちな佐々木くんのロマンチストな部分をこうやってピックアップされると、改めて気付かされることも多いね。
 
「皆さんから見て、“俺、こんなにロマンチックな男だったんだ!”みたいな(笑)。でも、確かに今の言葉で思ったのが、反骨精神があるのは=理想があるからですよね。今に満足してなくて、もっと良いことが起こるんじゃないか、自分が昨日よりもっとマシなヤツになれるんじゃないかと思うのって、理想主義だと思うんですよ。もしかしたらそれがみんなから見て共通してることかもしれない。要するに満足してない。それがロマンチックな部分と実はつながってるのかも、みたいなことはすごく思いましたね」
 
――何かさ、佐々木くんに恋愛がどうとかを聞こうとかは全く思ってなかったけど、こうやってロマンチストな話をしてたら、普段どんな恋愛してんだろうなってちょっと思った(笑)。
 
「アハハハハ!(笑) まぁでもそりゃあね、35の男ですから、それなりの経験は(笑)」
 
――自分からグイグイいけるタイプなのか、ほだされて付き合うのかとか、全くその辺のイメージが湧かない(笑)。
 
「あぁ〜でも基本グイグイいくタイプじゃない? 女の子に告白されることってあるかなっていうぐらい(笑)」
 
――ちゃんと自らいけるタイプ、良いね~(笑)。
 
 
歌い手が変わろうが、バンドが変わろうが、出ちゃってる何か
 
 
――今回はみんながフラッドに歌わせたい歌というか、言ってほしい言葉が集まったとも思うし。『LADY LUCK』(GIFT from SIX LOUNGE)(M-2)では、“俺が愛で 君は可愛い”と佐々木亮介に歌わせることができる(笑)。
 


「確かに、俺に何を言わせるかという“佐々木亮介大喜利”でもありますよね(笑)。ただ、さわおさんだけはちょっと例外で、この企画を伝える直前に、“(佐々木)亮介に歌ってほしい曲があるんだよね”って逆にメールで曲が送られてきたんで、フラッドに向けてとかは別にないんですけど。他の4組に関しては“フラッドからこの言葉を聴きたい”というのはあったと思いますね」
 
――『夕暮れのフランツ 凋まない風船』(GIFT from 山中さわお(the pillows))(M-5)なんかはもう、イントロのリフからめちゃくちゃらしくて。
 
「めちゃめちゃさわおさんですよね(笑)」
 
――昔の楽曲(=『世界は君のもの』(’08))のオマージュはあるにせよ、『まだ世界は君のもの』(GIFT from 田淵智也(UNISON SQUARE GARDEN))(M-1)もそうだし。
 


「ストレートに芸風を出してきてる(笑)。ギタリストがライブでギターを変えても、アンプを変えても、結局、手の力がすご過ぎて、“逆にどれだけショボいギターを渡されてもこの音が出るんじゃないの?”っていうあの感じ(笑)。さわおさんとか田淵さんは、歌い手が変わろうが、バンドが変わろうが、出ちゃってる何かが如実にありますよね。だって、音階って12個しかなくて、コード進行だってそんなに特殊じゃないのに、“こんなに色が出るかな?”っていうぐらい個性があるのは本当にすごいなと思いますね」
 
――それこそ言葉について言えば『まだ世界は君のもの』のサビの、“まだ世界は君のものだ 忘れちまったのか?”のワンフレーズにはめちゃくちゃグッとくるし。
 
「めちゃくちゃエモいですよね。お前がロックスターならこの言葉を歌ってくれよというのもあると思うし、田淵さんから俺に言ってるような気もするし。その後に、“どうした?ほら俺は待ってる 君のちょっと先でさ ベイベー”って、“この野郎!”っていう(笑)。田淵さんが先輩として、お前の先で待ってるっていうのもありますよね」
 
――そういう皆さんの作家性を感じながらも、“フラッドがやったらフラッドになるんだな”みたいな部分も同時にある=フラッドにも確実に芸風があるということだもんね。
 
「その辺の奥深さはありますよね。説明し切れないんだけど、確実に感じるそれぞれの面白さ、みたいな」
 
 
ただ単純に音楽を楽しんでくれたらそれで良いんですけど
その中に文脈がいっぱいある
 
 
――『星屑のレコード』(GIFT from THE BACK HORN)(M-4)はね、もう誰が聴いても最初は意外だと思うし、“あなたたち(=THE BACK HORN)も普段やらないじゃん!”っていうジャジーなことをフラッドに(笑)。
 


「アハハ!(笑) これは曲は(山田)将司(vo)さんが書いてくれて。前に一緒に『Honey Moon Song』('17)を歌ったときに“めちゃくちゃ良いね”って言ってくれて、多分その辺からフラッドにロマンチックなイメージを持っててくれたんじゃないかな。歌詞は松さん(=松田晋二・ds)が書いてくれたんですけど、将司さんから“ロマンチック”みたいなお題もあったと思うんですよ。それでめちゃくちゃ悩んで書いてくれたらしいですね」
 
――今回のためにフラッドの歌詞をめちゃめちゃ研究してくれたらしいね。
 
「それもビックリしました。“今ならメンバーの次にフラッドのことを語れる”って言ってました(笑)」
 
――今作には本当に愛と挑戦が詰まってるし、それって参加してくれた人たちにとってもそうだと思う。フラッドを使って実験してる、みたいなところも(笑)。
 
「確かに。田淵さんは楽曲提供とかは慣れてるとは思いますけど、SIX LOUNGEもReiも、将司さんも実は初めてだと言ってたりして。みんなもワクワクしてくれたと思うし、俺らもワクワクしてるし。ライブとかでもだんだん完成度とかクオリティとか言い出しちゃいますけど、やっぱりやってる人たちがドキドキしてるのを見ればドキドキできる。完成されたものを見るのも悪くはないけど、ロックバンド的なワクワクって実は真逆なんじゃないかなと思うところもあって。初ライブみたいなドキドキってやっぱり良いよなぁと思ったりするんで、それがこれには作家としてのみんなにあったのかもなぁと思うと、うれしい」
 
――そう考えたらギフトをもらっただけじゃなく、あげてるところもあるんじゃない?(笑)
 
「それはさすがに言えない!(笑) もらってるとしか言えない。みんなが楽しんでくれたなら良いなと思う感じで」
 
――『I’M ALIVE』(GIFT from Rei)(M-3)なんかも当然カッコ良いし、その音楽を聴いてたら、ほっといてもつながるだろうと思った人とはやっぱりちゃんとつながるんだなと思うね。
 


「Reiとはちょこちょこ2人で弾き語りしながら、フラッドのイベントも出てもらったこともあって…ただ、こんな形で一緒にやるとは全然思ってなかったですね。でも、こういうことが超できる人だと思うんですよ。Reiはアートワークとかも才能がすごくて。インスタとかを見てても本当に、毎回作品みたいな写真をアップしてるんですよね。例えば、DVDのチャプター画面まで自分で作るっていう感じでクリエイティヴィティが溢れまくってるし、お題が来たら絶対に応えられる人だから。たまたま俺らが最初に曲を書いてくれって頼んだけど、これでReiのそういう新しい扉が開けられてるなら良いなと思うし、もしかしたらここからオファーが殺到するんじゃないかな。ブルースなだけじゃなくて、今っぽさとか彼女ならではの絶妙なチャーミングさ、キャッチーさもあるし」
 
――あと、今作で個人的に聞いておきたいポイントがあるんだけど、田淵さん提供の『まだ世界は君のもの』だけ声質が明るく感じるのは何か違うのかな?
 
「それはもしかしたら…今回のレコーディングに田淵さんが来てくれて、歌のディレクションもしてくれたんですよ。いつもは作りながら、探りながらやるところもありますけど、田淵さんは自分が曲を書いてるわけだし、THE KEBABSを一緒にやってる経験もあるから、とにかくジャッジが早い。フラッドをプロデュースしてもらったことも過去にありますけど、あの頃は多分、まだどこか探ってたんで。今回は“ここのア行はこんな感じで”とか、細かい指示も含めてすごく早かった。彼自身の曲に対するイメージ、佐々木はこうだというイメージが出来上がってたと思うんですよね。だから、その明るさとかも、田淵さんの織り込み済みの何かが入ってるのかも」
 
――何かこの歌い方の方が…と言ったらヘンだけど、“売れそう”って思った(笑)。
 
(一同爆笑)
 
「アハハ!(笑) 覚えとこ」
 
――声に影があるのはもちろん魅力だけど、こうやって“パン!”と明るく歌ってもイケるなというか、ちょっとトーンを明るくするだけでも印象って変わるんだなと。本当に誰も損しないね、この企画。みんなハッピーな気がする。今回はいろんなメディアにインタビューが載ってたけど全部対談相手が違ったり、YouTubeにアップされた5組それぞれとのやりとりでバンドの関係性が見えたり…フラッドがかつてないぐらいメディアを駆使していて。
 
「“ギフトアルバムって何ぞや?”というのがちょっと分かりにくいかなと思ってたところを伝えるためもあったし、5組のうちどれかだけ好きな人も当然いると思うし、知ってるけどライブには行ったことがないみたいな5組を深く掘るきっかけになるかもしれない。あとは、それぞれに書いてくれた人たちのキャラクターを知ることもできるよ、みたいな。ただ単純に音楽を楽しんでくれたらそれで良いんですけど、その中に文脈がいっぱいあるのが良いところだなとも思ったんで。だから、『GIFT ROCKS』のMVにも皆さんのオマージュをいっぱい入れたりして」
 


――いやもうこれは追い切れないほどのオマージュだね。
 
「例えば、映画『アベンジャーズ』シリーズとかもそういう感じじゃないですか。激しいアクションで楽しいんだけど、こういう社会的な部分を実はフィーチャーしててとか、過去のコミックのあそこから取ってきててとか…もう無限に語れるオタク向けの仕掛けがある、みたいな。そういう楽しみ方ができるのは良いよなと思ってますね」
 
 
急にドッキリ風にするしかなくて(笑)
 
 
――そして、今作では楽曲提供してもらうだけじゃなく、相手の曲をカバーしていて。SIX LOUNGE、Rei、THE BACK HORNはこれぞという曲をカバーしてる感じがするけど、UNISON SQUARE GARDENとthe pillowsは数ある楽曲の中でなぜこれをというのは気になるね。
 
「それぞれのストーリーがやっぱりあって、例えば『コバルトブルー』(THE BACK HORNカバー)(M-9)は、新宿LOFTの深夜帯で、将司さんが水戸ライトハウスの店長と一緒に水戸の物を広めるイベントをよくしてて。それに遊びに行ってベロベロになったとき、“何か時間に隙間があるから『コバルトブルー』をやっちゃおう!”ってなって。うちのドラムのナベちゃん(=渡邊一丘)がその場で覚えて、将司さんが歌ってくれる即席『コバルトブルー』をやったことがあったんですよ」
 
――そんな前振りがあったとは!
 
「『WINDOW開ける』(UNISON SQUARE GARDENカバー)(M-6)に関しては、元々俺が大好きな曲で。田淵さんって、the pillowsとかザ・クロマニヨンズみたいなシンプルなロックンロールバンドが好きだっていうことを、アニメソングと混ぜちゃった最初の人だと思ってて。田淵さんが出てくるまでは、ロックバンドの曲をアニメソングとして使ってただけなイメージで、情報量とか転調とかテンポの速さとかキーの高さとか…そういう田淵さんの発明家みたいなところが好きなんですけど、『WINDOW開ける』は唯一逆で、めちゃめちゃシンプルでロック風な曲なんですよ。ユニゾン(=UNISON SQUARE GARDEN)の中でも一番情報量が少ない曲なんじゃないかな。あと、2年前のユニゾンのトリビュートライブで、この曲を3人が演奏してくれて俺が歌った思い出もあったんで」
 
――『About A Rock’N’Roll Band』(the pillowsカバー)(M-10)に関しては、佐々木くんがさわおさんと実際に出会った頃の曲というのと、この曲自体がthe pillowsの転機の曲でもあったり。
 
「あともう一つ言うと、『ARABAKI ROCK FEST.19』でthe pillowsが大トリをやるとき、ゲストボーカルにGLAYのTERU(vo)さんとかもいる中で俺も呼んでくれて。そのときは『この世の果てまで』を歌ったんですけど、『About A Rock’N’Roll Band』と悩んだんですよ。いろんな歴史があっても、結局、ロックンロールにこだわってやってきたthe pillowsが大好きだったし、『ARABAKI ROCK FEST.』のボスの菅(真良)さんにも、“『About A Rock’N’Roll Band』歌ってほしいんだけどなぁ”ってずっと言われてたのもあったんで、今しかないなと」
 
――その想いがついにここで結実したわけですね。いやでも、あのYouTubeを見て、さわおさんが聴いてるときに後ろで待ってる緊張感はもう…本当にシビれるわ(笑)。だって振り返って、“いや、なしでしょ”って言われたら…。
 


「いや~めちゃめちゃ緊張しました! これって本当にたまたまで、誰も悪くないんですけど、実はあのときちゃんと伝わってなかったんですよ、さわおさんに」
 
スタッフ「カバーする許可はもちろん取ってたんですけど、この映像を撮ったときには伝わってなくて」
 
「さわおさんに“え? これドッキリなの?”みたいな感じで言われて、“いや、俺らも知らなかったんですけど…(伝わってなかったんだ…)”みたいな。だから急にドッキリ風にするしかなくて(笑)」
 
(一同爆笑)
 
「本当にみんなビックリって感じだったんですけど(笑)。さわおさんは普段は優しい人だけど、とにかくロックンロールに対しては本気だから、仰るとおりで、“いや、お前これさ…”って言われたらって一瞬思いましたよ(笑)。俺はまだ普段一緒に呑んでるから…まぁそれ故の緊張感もあるんですけど、メンバーの3人はもうちょっと距離が遠いから、さらに目が泳いじゃったりして(笑)。結局は気に入ってくれたんで良かったんですけどね」
 
スタッフ「途中で音量を上げて聴いてくれてね」
 
「さわおさんは切り替えも早いから、じゃあどういうふうにギターを弾いてるかとか、どういう感じに変えてきたかを聴こうとしてくれたのかもしれないですね。あのシーンはさわおさんらしいなと思いましたね」
 
 
今見てもらうとすごくハッピーになれると思う
 
 
――でね、今回のジャケットがとてもキュートで。今までに何度もフラッドのイラストを描いてくれて、その都度佐々木くんにプレゼントしてくれてた、長年ファンでいてくれてる子たち(兄妹)に依頼したということですけど。
 
「これはめっちゃ気に入ってますね。この間、京都の紫明会館で弾き語りをしたときにも手紙をくれて、最新バージョンの絵をまた描いてくれたんですけど、その手紙に“僕は今、無敵の気分です!”って書いてあって。何か自分も超うれしいし、これは自慢の一品になりましたね。またストーリーが生まれちゃったよと思って」
 
――この子たちの人生を完全に変えちゃったね(笑)。
 
「お兄ちゃんが何歳かのときにピアノを始めて、そのピアノの発表会で演奏が盛り上がらないから一回止めて、俺の真似をしてクラップを挟んで、そこから続きを弾いたってお母さんから聞きました(笑)」
 
――そんなピアノの発表会、見たことないわ(笑)。やっぱり15年もやってると、そういうDNAが。
 
「良い影響を受けてる感じで(笑)。本当にうれしいですね」
 
――そして、今後の関西圏のライブに関しては、10月8日(金)なんばHatchで『A FLOOD OF CIRCUS 2021 in Namba』が大阪初開催です。
 
「まずはスリーマンでフェスティバルと言うにはまだまだなんですけど、第一章としてやっと大阪でできるなと」
 
――対バンはthe pillowsとハンブレッダーズと。the pillowsが今年動いてくれるのはアツいね。
 
「結成30周年の横浜アリーナ(’19年開催)から2年経ったんで再現ライブだけはやろうと思ってる、ぐらいな感じだったんでどうかなと思ったんですけど、今回の『GIFT ROCKS』もあったし、“亮介ならやるよ”みたいに話を聞いてくれて。もう一組は若いバンドを入れたいなと思ってたんで、前にFM802のイベントでライブしたときに、ちょうどハンブレッダーズ(のムツムロ アキラ(vo&g))がパーソナリティをやってたのかな?(※FM802『RADIO∞INFINITY』内のコーナー『ハンブレッダーズのフレンド申請』) それでインタビューしたい、みたいな感じで初めて会って。そのときにthe pillowsが好きだとか、さわおさんの話もしたんですよ。もらったCDもカッコ良かったし良いなと」
 
――その後は、すぐさま『15周年ベストセットツアー“FIFTHTEEN”』を年内いっぱい開催と。大阪公演は11月25日(木)梅田クラブクアトロです。
 
「リード曲なのに最近ライブでやってなかった曲もいっぱいあるんで、もうそれ目白押しで、全部てんこ盛りでいきますっていうツアーをやろうかなと。その曲を今まさに思い出し中なんですけど、しばらくやってなかったことによって分かる昔の曲の良さが結構あって。最初の俺にちょっと帰ると、コロナ禍でも響く歌詞が入ってる曲もありましたし、そういう発見があって面白いですね」
 
――今年も最後まで通常運転というか、相当カロリーが高そうなツアーに(笑)。
 
「もうずっと必死(笑)」
 
――アハハハハ!(笑) 最後に今日の総まとめというか、『GIFT ROCKS』から年内までのフラッドについて、想いを伝えてもらいたいなと思います。
 
「最近はフラッドのメンバーのカッコ良さとかありがたさとか、いろいろ感じるんですよね。スタジオではみんなすごく楽しそうだし。15年を振り返るのと同時に次に向けて走ってるから気持ちが行ったり来たりしてるけど、フラッドでライブをしたときは、どれだけジタバタ揺れてても自分の気持ちが一番収まりの良いところにくる感じがやっぱりあるんですよ。今まではいちいち思わなかった、“フラッド良いな!”みたいなことを改めて思う。その気持ちでベストセットのツアーをみんなに見せられるのがすごく楽しみだし。例えば、オリンピックみたいに元々はポジティブなことをやろうとしてもいろいろ起こっちゃう時代に、ロックバンドっていう古臭いやり方の中でもまだやれることを、『GIFT ROCKS』とかライブで提示できるのは気持ちが良いことだと思うし、今見てもらうとすごくハッピーになれると思う。それがちょっとでも伝わったら良いなと思ってます!」
 
 
Text by 奥“ボウイ”昌史



(2021年9月24日更新)


Check

Movie

インタビュー&音源&ライブの見どころ
佐々木(vo&g)が語る動画コメント!

Release

5組の楽曲提供×フラッドによるカバー
前代未聞の結成15周年記念アルバム!

 
15th Anniversary Album
『GIFT ROCKS』
発売中 3300円
Imperial Records
TECI-1740

<収録曲>
01. まだ世界は君のもの
(GIFT from 田淵智也
(UNISON SQUARE GARDEN))
02. LADY LUCK
(GIFT from SIX LOUNGE)
03. I’M ALIVE
(GIFT from Rei)
04. 星屑のレコード
(GIFT from THE BACK HORN)
05. 夕暮れのフランツ 凋まない風船
(GIFT from 山中さわお(the pillows))

06. WINDOW開ける
(UNISON SQUARE GARDENカバー)
07. メリールー
(SIX LOUNGEカバー)
08. BLACK BANANA
(Reiカバー)
09. コバルトブルー
(THE BACK HORNカバー)
10. About A Rock'N'Roll Band
(the pillowsカバー)

 
【テイチクオンライン限定盤】
『GIFT ROCKS -FIFTHTEEN edition-』
発売中 4950円
Imperial Records
TEI-190

<Disc1収録曲>
同上

<Disc2収録曲>
アコースティックベスト盤
01. 春の嵐 
02. アンドロメダ
03. コインランドリーブルース
04. I LOVE YOU
05. The Future Is Mine
06. アカネ
07. BLUE
08. Wink Song
09. 美しい悪夢
10. 天使の歌が聴こえる

Profile

ア・フラッド・オブ・サークル…写真左より渡邊一丘(ds)、HISAYO(b)、佐々木亮介(vo&g)、アオキテツ(g)。’06年結成。常にコンテンポラリーな音楽要素を吸収し進化し続け、最新のロックンロールを更新し続けているバンド。’07年、初音源となるミニアルバム『a flood of circle』をリリースし、『FUJI ROCK FESTIVAL ‘07』に出演。’09年には1stアルバム『BUFFARO SOUL』でメジャーデビューを果たすものの、メンバーの失踪や脱退を経験し、’10年にはHISAYOが加入。以降も精力的にライブとリリースを重ね、結成10周年を迎えた’16年にはベストアルバム『THE BLUE -AFOC 2006-2015-』をリリース、初の海外公演を行ったほか、主催イベント『A FLOOD OF CIRCUS』をスタート。’18年にはサポートギタリストのアオキテツが正式加入し、2度目のセルフタイトルアルバム『a flood of circle』をリリース。結成12年目にしてオリコンウイークリーチャート最高位を記録する。その後も、コンスタントにリリース&ライブを続け、’20年にはアルバム『2020』をリリース。結成15周年イヤーとなる’21年の8月11日には、THE BACK HORN、SIX LOUNGE、田淵智也(UNISON SQUARE GARDEN)、山中さわお(the pillows)、Reiが作詞作曲、AFOCがレコーディングした前代未聞のアニバーサリーアルバム『GIFT ROCKS』をリリース。

a flood of circle オフィシャルサイト
http://www.afloodofcircle.com/

a flood of circle LINKS
https://lnk.to/afloodofcircle

Live

宴の大阪初開催に続いて
最強セットリストで挑むツアーが開幕

Pick Up!!

【大阪公演】

『A FLOOD OF CIRCUS 2021
 in Namba』
チケット発売中 Pコード201-880
※販売期間中はインターネット(PC・スマートフォン)のみでの販売。チケットは、10/5(火)朝10:00以降に引換えが可能となります。
▼10月8日(金)18:30
なんばHatch
全席指定6000円
[共演演]the pillows/ハンブレッダーズ/中島ヒロト(ナビゲーター)
清水音泉■06(6357)3666
(info@shimizuonsen.com)
※未就学児童は入場不可。小学生以上は有料。コロナ対策購入案内同意の上、ご購入ください。

チケット情報はこちら


『15周年ベストセットツアー
“FIFTHTEEN”』

【千葉公演】
▼10月28日(木)千葉LOOK
【神奈川公演】
▼11月5日(金)F.A.D YOKOHAMA
【茨城公演】
▼11月6日(土)水戸ライトハウス
【北海道公演】
▼11月12日(金)ペニーレーン24
【宮城公演】
▼11月14日(日)仙台CLUB JUNK BOX
【愛知公演】
▼11月18日(木)名古屋クラブクアトロ
【福岡公演】
▼11月20日(土)LIVE HOUSE CB

Pick Up!!

【大阪公演】

一般発売9月25日(土)
Pコード202-559
※販売期間中はインターネット(PC・スマートフォン)でのみ販売。チケットは、11/22(月)朝10:00以降に引換えが可能となります。
▼11月25日(木)19:00
梅田クラブクアトロ
全自由4400円
清水音泉■06(6357)3666
(info@shimizuonsen.com)
※未就学児童は入場不可。小学生以上は有料。

チケット情報はこちら

 
【広島公演】
▼11月27日(土)セカンド・クラッチ
【石川公演】
▼12月18日(土)金沢vanvanV4
【長野公演】
▼12月19日(日)長野ライブハウスJ
【東京公演】
▼12月23日(木)Zepp DiverCity(TOKYO)
 

Column1

「フラッドはバラバラであることで
 尊重し合って、楽しんでる4人」
メンバー全員が作詞作曲した
新たな挑戦『HEART』を語る('19)

Column2

「死ぬまでやるのがロックバンド
 だと思ってるんで」
時代を追いかけるのではなく
その先に行くために――
続いていくa flood of circleの
歪で美しいドキュメンタリー
『CENTER OF THE EARTH』
インタビュー('19)

Column3

「フラッドはあそこから始まった
って言われるツアーになると思う」
最強の宣戦布告を手に
いよいよワンマンシリーズ突入!
『a flood of circle』
全員インタビュー('18)

Column4

「俺たちにとっては、もうここで
辞めても悔いがない10年じゃなくて
悔しい悔しいの10年なんですよ」
a flood of circleのロックンロール
サバイバルな10年を刻んだ初ベスト
『THE BLUE』インタビュー('16)

Column5

暴れるのは誰にでも出来る
踊るのはセンスがないと出来んから
a flood of circleと女王蜂が
神戸で激突! 『Kansai college
chart LIVE!』レポート('16)

Column6

他にもあります歴代インタビュー!

『花』('15)
特設ページはコチラ!
『ベストライド』('15)
特設ページはコチラ!
『GOLDEN TIME』('15)
特設ページはコチラ!
afoc VS THE NOVEMBERS
京都磔磔レポート('14)

特設ページはコチラ!
『I'M FREE』('13)
特設ページはコチラ!
『FUCK FOREVER』('13)
特設ページはコチラ!
『LOVE IS LIKE A
 ROCK'N'ROLL』('12)

特設ページはコチラ!

 

Recommend!!

ライター奥“ボウイ”昌史さんからの
オススメコメントはこちら!

「最高やん、この企画。フラッドの書いた曲が1曲も入ってないのにフラッドに惚れ直すって何なんこれ。化学反応バチバチに起きまくりの全10曲、最初は全く予想がつきませんでしたが、『GIFT ROCKS』に関わる全ての人から感じる愛と挑戦に、フラッドの15年を感じましたよ。佐々木くんが動画コメントでも触れてくれてますが、ここだけでしか話してない内容が盛りだくさんなので、改めてこのインタビューを読んでから『GIFT ROCKS』を聴いたりYouTubeを見たりするとよりいっそう感慨深いし、裏事情が分かって面白いですよ。会話の中で“俺もこの企画やりたい”とのたまったのに対し(笑)、“奥さんコンピとかできそうですよね。イベントで『奥ボウイNIGHT』とかやってないんですか? やれば良いのに”と言ってくれた佐々木くん。それをもし本当にやることになったときはフラッドは確実に誘うし、実際にその場で快諾してくれたんで、証拠としてここに残しておきます(笑)」