「本当にそうですね。今年の1月ぐらいからそれが一気に分かってきて。DuranのやってるMade in Asiaっていうバンドに、何ヵ月とかのスパンでスケジュールが取られちゃうかもっていうことが分かってきて。何ヵ月もライブをやらないa flood of circleなんてa flood of circleじゃないよって…逆に言うと彼がワガママで辞めたっていうよりは、俺もそれを待てないよってなっちゃったから。ある意味、お互い様みたいな感じですけど」
――散々いろんな人にも言われただろうけど、普通はその辺のことをクリアにしてから加入するよね?(笑)
「って思いますよ(苦笑)。でも、向こうの事務所もMade in Asiaをちゃんと売り出していきたいから、契約もめちゃめちゃしっかりしたやつで。全く分かってなかったんですよね、あいつが(笑)。ま、そこもむしろ好きだったんですけどね。でもまぁ結局、契約がどうとか事務所がどうとかじゃなくて、Duranと俺がやるかやらないかだから。ただ、a flood of circleを一緒にやり始めるようになって、俺がバンドの真ん中で“みんな着いてこい!”って言うのを見れば見るほど、彼も自分のバンドではフロントマンだし、メンバーもそれぞれ自分たちのバンド辞めてMade in Asiaをやってるから、“俺がちゃんとケツを持つべきだって、思っちゃったんだ”って。それはある意味の決断というか…もちろん散々口説きましたけど、それでも揺るがないんだったら、もうしょうがないなぁと思って」
「でも、あのときの気持ちに切なさはあっても、全く嘘はないから。でも、言われてみれば本当そうで、あのツアーが終わるまでは、あんまり気持ちが整理出来てなかったですね。3月7、8日の東京2DAYSの打ち上げで、もう1回その話をしてたぐらいなんで、本当にギリギリまで分からなかったんで。まぁでも、辞めることが決まってからは、むしろ早かったですよね。以前の失踪のときみたいなガムシャラ感じゃなくて、“悲しいけど世の中にはこういうことがあるんだ”って分かりながらやってる部分もあるから(苦笑)。普通ならここでバンドが止まることも考えられたんでしょうけど、そこはa flood of circleですから(笑)。Duranとやろうと思っていた曲は全部捨てて、今の3人で、しかもデカい景色が観れるような、突き抜ける曲を1ヵ月で書き切って出そうって決めたんですよ。姐さん(=HISAYO・b)とナベちゃん(=渡邊一丘・ds)も、全然へこたれてなかったというか」
――『リヴェンジソング』(M-6)にも“真正面から食らい続けて まだ笑う俺はパンチドランカー/打ってきたなトドメの一発を もういい加減あきらめさせてくれ”とありますけど、『YES』とかこの『リヴェンジソング』は、a flood of circleならではの、このタイミングだからこその説得力とか意志が感じられますね。
「うん、そうですね。もうこういう曲を書かなくていいようなバンド人生を歩みたい(笑)。ただ、俺たちがまた立ち上がることを、みんな分かってたのかもしれない。3人の新しい写真を発表したときも、一番の反応が“まぁフラッドは止まらないもんね、分かってるよ”っていうことだったんで。思った以上にa flood of circleを信頼してくれてるんだなって俺、嬉しかったんですよ。“これでへこたれないのがフラッドでしょ!”っていうぐらいに受け止めくれてたのが、すげぇ嬉しくて。だから俺たちも迷いなく明るい方に行けたというか。そこは感謝ですよね」
「これは元オトナモードの山本健太(key)くんですね。前作の『Party!!!』でも弾いてくれたんで、その流れもあってちょっとジャズっぽいピアノをお願いしました。ヘヴィなアルバムにはしたくなかったというか、手渡した相手が快く受け取れるものにしたかったんで、こういう曲が1曲あってもいいなって。あとはもう、“弾き語りでもa flood of circleなんだから大丈夫、この形がベストでしょ”って2人が理解してくれてるから録れたのもあるし。ギターはちょっとレゲエ風にして、夏が似合わない俺たちから6月リリースへの精一杯の形なんですけど(笑)」
「“ハートビート”って言うぐらいですからね。俺らは今まで『I LOVE YOU』とか『FUCK FOREVER』とか、恥ずかしくて誰も言わないようなことをたくさん歌ってきたから(笑)、全てを包み込むぐらいの大きさで歌えたらいいなっていう。誰かが生まれると同時に、今もどこかで誰かが死んでいる。それがずっと続いてる中で、たまたま触れ合った新しい命、それが生まれる瞬間の感動って、やっぱりすごいなって」
――この曲を聴いたときに、同時にa flood of circleも“再生”していく感じがすごくしましたね。また生まれたというか、生まれ変わったというか。
Album 『ベストライド』 発売中 1600円(税別) Imperial Records TECI-1460
<収録曲> 01. ベストライド 02. One Shot Kill 03. YES 04. Trash Blues 05. 心臓 06. リヴェンジソング
Profile
ア・フラッド・オブ・サークル…写真左より、HISAYO(b)、佐々木亮介(vo&g)、渡邊一丘(ds)。’06年、東京にて結成。’09年に1stアルバム『BUFFALO SOUL』でメジャーデビューしたのも束の間、ギタリストの失踪という不測の事態が発生。ゲストギタリストを招き緊急制作された2ndアルバム『PARADOX PARADE』をリリース。’10年には3rdアルバム『ZOOMANITY』を発表するものの、年末にベーシストが脱退。同時期にHISAYOが加入。’11年には4thアルバム『LOVE IS LIKE A ROCK’N’ROLL』を発表。’12年にはレーベル移籍第1弾となるミニアルバム『FUCK FOREVER』をリリース。’13年4月にはシングル『Dancing Zombiez』を、7月には5thアルバム『I’M FREE』リリースし、47全都道府県を廻るバンド史上最長のツアーを敢行。’14年4月にはシングル『KIDS/アカネ』を、6月には47都道府県ツアーファイナルとなった東京・日比谷野外大音楽堂ワンマン公演を収めたライブDVD『I'M FREE The Movie-形ないものを爆破する映像集-』をリリース。同時期に、サッカーをモチーフにした朝日新聞CM『サムライに告ぐ。』篇に新曲『GO』が使用され大きな話題を呼び、7月にはこれまでリリースした全曲を演奏する公演“レトロスペクティヴ”を、3日間にわたり東京キネマ倶楽部にて敢行、全公演ソールドアウト。11月には6thアルバム『GOLDEN TIME』をリリース。その渦中に再び起こったメンバーの加入・脱退という不測の事態を乗り越え、今年6月17日にはミニアルバム『ベストライド』をリリース。
『AFOC presents What's Going On Tour 2015 “BRAND-NEW RIDERS”』 チケット発売中 Pコード260-708 ▼6月25日(木)19:00 梅田クラブクアトロ オールスタンディング3240円 [共演]tricot 清水音泉■06(6357)3666 ※小学生以上は有料、 未就学児童は入場不可。
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【名古屋公演】 ▼6月26日(金)名古屋クラブクアトロ [ゲスト]tricot 【東京公演】 ▼7月3日(金)CLUB QUATTRO [ゲスト]GLIM SPANKY 【東京公演】 Thank you, Sold Out!! ▼7月4日(土)CLUB QUATTRO [ゲスト]the band apart