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「自分が実感したことじゃないと、何の説得力も持たないんですよ」
いよいよ過去最大のツアーファイナルへ!
当たり前のことを肯定するSUPER BEAVERが今鳴らすべき音楽
2017年を総括する『真ん中のこと』インタビュー&動画コメント

 Instagramに毎日のようにアップされるライブ写真という絶景が、彼らのこの1年を如実に物語っているかのよう。日比谷野外大音楽堂、大阪城音楽堂という東西の殿堂でのワンマン、全国津々浦々の大型フェスやイベント出演に、自身のツアーの合間を縫って途切れなく行われた盟友たちとの共演…そんな怒涛の1年からSUPER BEAVERが導き出した、自分たちが“今鳴らすべき音楽”。それが久々のミニアルバムでのリリースとなった『真ん中のこと』だ。意欲的なアレンジも、拭えない危機感も、消えない情熱も、彼らが何を思い歌を生み出し、何を思いあなたの前に立っているのか? 過去最大のツアーファイナル東京2DAYSを前に語る、SUPER BEAVERの’17年。ああ、来年は間違いなく彼らにとって、そして、その音楽を愛する者にとって、忘れられない1年になる――!

 
 
“このフェスに出られた!”だけで終わる夏には絶対にしたくなかった
 
 
――ここ最近のビーバーはインスタを見てても常にライブ写真が上がってるぐらいの日々で、特に今年は大きいフェスにもたくさん出てたけど、経験としてはどうだった?
 
渋谷(vo)「本当にいろいろ新鮮でしたね。常にワクワクしてましたし…やっぱり助走期間が長かった分(笑)、そういうところに出られたときの気持ちよさだったり、“やってやるぞ!”っていう気持ちはやっぱり人一倍だった気がするので。すごくいい経験になったし、与えていただいたステージの大きさにも期待値を感じましたし。自分たちが、今どういうふうになってほしいとみんなから思われているのか。その方向性というよりも“器”の話で、それをすごく強く感じたので、前に進むためのいい経験になったと思いますね」
 
柳沢(g)「“ようやく戦場に出ることができた”みたいな感覚があった故に、“ちゃんと勝っていかなきゃ”っていう気持ちもすごいあって。もちろんずっと出たかったし、ある意味では出ることを目標にしてたところもあるんですけど、やっぱりそこが終着点ではないので。“やった! このフェスに出られた!”だけで終わる夏には絶対にしたくなかったし、その土地その土地、そのライブそのライブで何ができるんだ?って、全力で挑み続けた夏だったな。やっぱりそこで、“今まで気付かなかった、こんなバンドがいたんだ!”って1本1本必ず思わせないと、みたいな気持ちは強くありましたね。あと、各地でお世話になってきたライブハウスの人にもフェスで会ったりして、“お前らも嬉しいだろうけど、俺たちも嬉しいよ”って言ってくれる人がいろんなところにいて。お客さんもそうですけど、そういう人たちとこの喜びを共有できたというか、しかも“ライブ、バッチリだったよ!”みたいなこと言ってもらえると、まだまだですけど何か1つ恩返しみたいなことができたのかなぁって思えたので。それはすごく心に残ってる出来事ですね」
 
――とは言え、“油断したらダメなんだ”みたいな感覚は、大きいステージに立てば立つほどやっぱりあるもんだと。
 
渋谷「いや~ありますね。百戦錬磨…とは言わないけど、ライブハウスにはずっといたんで慣れてますけど、そうじゃないところに行ったとき、自分たちが大勢の方を相手にする場合、外でやることもそうですけど、まだ自分たちが不慣れな部分はたくさんあるので、もう日々勉強することが多いですね。あとは、離れたステージにわざわざ観に来てくれた人と、大きいステージの近くにずっといてそこでただただ観てる人と、どの人の前でもやることは一緒なんですけど、どういうつもりでこの人たちが来てるのかを見極めることは、結構大事だと思ってて。知らない人がたくさんいるという点においては奢らずに、ちゃんと丁寧に自分たちを出していくことをおろそかにしてはいけないし、なおかつ、ずっと応援してくれてる方により楽しんでもらうためにどうすればいいのか。相反するところもありつつ背中合わせで近いものでもあると思うので、その辺はいろいろと考えてたかもしれないですね」
 
 
シンガロングだったりコール&レスポンスが
ライブの中で定番化しつつある危険性に、ちゃんと目を向けなきゃいけない
 
 
――最新作の『真ん中のこと』に関しては、ミニアルバムというサイズ感で音楽的に新たな試みをするというコンセプトはあったと思うけど、渋谷くんからサウンドアプローチを軸に作品を作ってみようと提案したのはいったい?
 
渋谷「全部ライブで感じたことなんですけど、自分がフロントに立ってみて、もう少し気持ちの交換とか往来ができたらいいなってすごく思ってて。シンガロングだったりコール&レスポンスがライブの中で定番化しつつある危険性に、ただそれをやってりゃいいわけではないってことに、ちゃんと目を向けなきゃいけないなと思って。自分の気持ちを投げて、それに頷くという行為で会話が成立してるとは僕は思ってなくて。頷いて、何を返してくれるのかだと思ってるから。ある意味、コール&コールになるにはどうしたらいいのかなって。あとは、僕たちは気合い・根性論のバンドだから(笑)、そこで終わりたくないっていう感覚もちょっとあったかもしれない。音楽的にはまだ全員ヘタクソだと思いますし、バンドのグルーヴとしてもまだまだだと思うから、もっと音楽人としての自覚みたいなものが全員に芽生えたら、もうちょっと面白いことができるんじゃないかなって。自分たちが音楽をやっているということをないがしろにしちゃいけないなと思ったので、実験的にというよりも、割と確信的にこれをやれたら強いだろうなって考えながら、3人には相談しましたね」
 
――気合い・根性論でたどり着けるところはもうそろそろ…とかいう感覚もあっただろうし。
 
渋谷「思いますね。フェスには出られてもメインアクトにはなれない、みたいなのはすごくイヤなので。“こいつらがいたら面白い”じゃなくて、“こいつらがいなきゃダメなんだ”になるためには、もっと自分たちがいろんなことを明確に自覚する必要があるだろうし、“自分たちはこれでいいんだ”って思わないことは大事だと思うから、そこで留まらないためにっていうのはすごく思いましたね」
 
――そういうアンテナをちゃんと渋谷くんが持って、それを柳沢くんに投げるだけでも違うもんね。そんな中で、今回は何か核となる曲はあった?
 
柳沢「『ファンファーレ』(M-1)『正攻法』(M-2)『irony』(M-4)は特にフィジカルなサウンドを念頭に置きながら、デモの段階から“こういうリズムで”みたいなノリを意識しながら作ってました。ただ、今回はサウンド重視だから元の魅力が消える、みたいになるのは絶対に違うと思ってて。元々持っている武器にさらに何かを加えてより強くなっていくための提案だったと思うし、リズムとかアレンジに意識がいき過ぎて言葉のハマりがちょっと悪くなったとか、あんまりいいメロディじゃないみたいなことになったら本末転倒だろうなって。そこをすごく意識しながら、じゃあどこまでアイディアを持ち寄ってカッコいいサウンドが作れるんだろう?みたいなことは考えてましたね」
 
――それって単純に言うと難しくはなかったの?
 
柳沢「難しかった曲もやっぱりあります。それこそ『irony』なんですけど、ロックンロール調の曲が欲しいって渋谷が明確に言って、じゃあそういう曲で何を歌うのか? 軽やかなメロディにはなってくるけど、日本語で歌いたい。でも、こういう雰囲気をまとった曲で小難しいことを言っても違うしとか、何かいつも以上に考えた気がしますね」
 
――最初の曲を捻り出すときの意識がもういつもと違うもんね。『irony』は渋谷くんの中でも今回の鍵というか。
 
渋谷「これを抜くと、割と今までと印象が近くなると思う。この曲があることで他の曲の聴こえ方も、このアルバムの全体の印象も変わる曲だと思うから。この曲によって、このアルバムの色がだいぶ定まった気がしたんですよね」
 
――この曲では恋の駆け引きを描きながら、エロの手前でいい感じに書けてる(笑)。こういう曲ってもうちょっとエロかったり、逆にもっとピュアだったり。エロくアダルトに書くのは簡単だけど、いいところに着地するなぁと。
 
柳沢「後々ぶーやん(=渋谷)にも言われて“確かに!”と思ったけど、この曲って“僕”とか“私”が出てこないんですよね。どっち目線なんだろうねっていうその曖昧さ故に、少しばかり皮肉を込めて『irony』って付けたというか。ギリギリ、みなまで言わないけどっていう(笑)。“身に覚えのある人いるよね?”ぐらいのところにはなってるかなって」
 
――友達以上恋人未満の関係を“独占欲”と表現するのはすげぇ分かるなぁっていうか、上手いよなぁ。
 
 
悔しい、悲しい、嬉しい、怒りもそうですけど
それが自分の中で発生した感情かどうか
 
 
――今作を聴いて改めて、ビーバーは当たり前のことを歌ってるなって。それが“正攻法”ということかもしれないけど、それは当たり前なことがニッチな時代になってるからこそ、ね。
 
柳沢「渋谷のMC然り、バンドのスタンス然り、貫こうとしてる意志はやっぱりそこだと思うから。渋谷の言葉もどんどん迷いがなくなってきてるというか、それってつまりバンドとしても迷いがなくなってきてることだと思うんです。だからこそ説得力を伴って、自信を持って言える純度も、どんどん上がってきてるんじゃないかなって」
 
――『贈りもの』(M-5)の“有難いんだ 有難い 有るってことは難しいんだ”のラインってMC?
 
柳沢「そうですね」
 
――やっぱすごいね。毎作言葉の、発想の発明があるなと思うけど。
 
柳沢「もう本当に。だから、その言葉自体が特別なわけじゃなくて、今それを渋谷が言ってることが重要というか。それを改めて曲にしたという」
 
――何かもう本当に国語の先生とかになってほしくなるわ。生徒がめっちゃ聞く気になると思う(笑)。
 
(一同笑)
 
渋谷「でも、奢っちゃったり、地に足が着かずに浮き足立っちゃうことって、注意してても気を抜いた瞬間に必ずどこかで一瞬でも起きてるから、そこに対して自分が気を張っている部分はすごくあって。調子に乗ってる場合じゃないのは今までの活動の中で分かってきたつもりなんで、もっともっといろんなことに感謝して、想いを張り巡らさなければならない。だからこそ、ステージに出て行ったら観てくれてる人がいつもいると思わない方がいいし、フェスとかが毎年行われてるのも当たり前じゃないと思うから…」
 
――すげぇなぁ。でも、これだけ意識的なバンドでも、時に奢りとか油断というものが隙間に入ってくるんやね。
 
渋谷「もうどれだけ気を張っててもあります。言われなきゃハッとしないことがあったときの恐怖ったらないですね。後から言われて“マジかぁ…そんなふうに見えてたか”とか、思ったりしますから」
 
――ステージ袖とかから観てても思うけど、人がこっちを観てるパワーってすごいし、それと対峙するには相当エネルギーがいるだろうしね。何かもう取り憑かれそう(笑)。
 
渋谷「気を抜いたら絶対に怖くなっちゃうと思うから、やっぱりそれだけの人数と対峙するには、ある程度の自信を持ってなきゃいけないし、そうじゃなきゃ失礼だと思うから…そうなるために自分を高めなきゃいけないし、周りの人がこれだけ支えてくれて、応援してくれてる俺らが負けるわけにはいかないっていうのはありますね」
 
――人生でも何でもそうやけど、何も知らなかったから自分が1番だと思えたり、押せちゃうボタンがあったりする。だからこそ、年齢と経験は武器にもなるけど、時に知ってしまったが故に自分よりすごいヤツがいるとか、こんなんじゃダメだって思うことにもつながる。でも、それこそが今回歌うべきことというか、知ってしまったビーバーが、じゃあどうするんですか?っていう。
 
柳沢「どれだけ気を張ってたって、どこかに綻びとか奢りが出てくる怖さと一緒だと思うんですけど、だからこそ歌になるというか。自分が実感したことじゃないと、何の説得力も持たないんですよ。経験というのは見たとか聞いたとかだけじゃなくて、実感したっていうことなんで。悔しい、悲しい、嬉しい、怒りもそうですけど、それが自分の中で発生した感情かどうか。“人に聞いた話なんだけど”って言われたって、やっぱり説得力がない。昔より少し前が見えるようになったからこそ、まだまだ険しい道があるのが分かったし、自分たちが今でも思うことがあるが故に歌になるというか、当たり前のことが当たり前のように歌になっていくのかなって思いますね」
 


――“太陽を見て 掴める気がしていた頃の/最上級の純真で 一発勝負に挑むのさ”(『正攻法』)とかはまさにで、やっぱり前に進んだからこそ思えることでもあるし、それでもなお当たり前のことを歌うと決めた強さでもあるし。
 
柳沢「『正攻法』の1行目=“正直者は馬鹿を見る?”とかも渋谷の言葉に感化されてるなって今改めて思ったんですけど、“知ったからこそやっぱり純粋さみたいなところに立ち返ろうとしてる自分がいる”みたいなことを渋谷が言ってた気もするし。純粋さの強さというか、知ってしまったからこそよりシンプルに、“音楽好きだぜ! 楽しいよね!”っていうところに行きたい、みたいな。そこら辺ってずーっとグルグルしてきた気がするけど(笑)」
 
渋谷「何かね、若いバンドのライブをよく観に行くんですけど、それこそ高校生の大会とかを観に行ったりしたときに、気付くことがすごく多い。知らないからこそ叩ける扉を叩きまくってるその姿を観て、知っちゃったからって同じ力で叩けなくなるのは、ちょっとカッコ悪いなとも思って。無垢だからこその真っ白な輝きというか。そこからくすんでしまった者、ヒビが入ってしまった者、汚れてしまった者がどうするのか。達観した位置にいるとかではなく、“絶対何にも知らないだろうな。ただ音楽が好きだからやってるんだろうな”っていうヤツらの瞳とか発言とか動きを観てます(笑)。こいつらよりも自分は音楽を純粋に楽しいと思えてるのかなって。別に疑ってるわけじゃないし、自信がないから観るわけでもないけど、学ぶことはとても多いんですよね」
 
 
“何を言うか”よりも“誰が言うか”が何より大事
 
 
――今回は激しめの曲が多いけど、アッパーな曲にこういうメッセージを乗せられるのはやっぱりすごい。名曲『東京流星群』('13)もしかりやけど、これだけブチ上がってるのに泣けてくる、拳を上げてるのに涙が流れるようなメッセージの放ち方は、ビーバーならではやなと。
 
柳沢「やっぱり体育会系なんだと思います(笑)。今の話を聞いて思ったんですけど、もちろん映画を観てグッときて泣いちゃうのもいいけど、やっぱり高校野球を観てると泣けちゃうんですよね、みたいな感覚に近いというか(笑)。あの輝きというか、あの本気さに泣く。ここ最近は本当に、そういう感覚がずっとあるというか」
 
――あと、『それくらいのこと』(M-6)=俺は“思いやり”かなとも思うんやけど、今世の中で一番大事な、あってほしいのって、それだと思ってて。聴いてて鳥肌立ったね、この曲は。
 
柳沢「嬉しいですね。何かヘンな言い方ですけど、すごい地味な歌だと思うんですよね。でも、これこそまさに当たり前のことというか、“これがSUPER BEAVERの意志です!”とか旗を掲げるほどのものではないんだけど、ずっと流れてるもののような気がしていて。だから、今回はコンセプトを掲げたアルバムではあったけれども、この曲は入れたいってすごく言いました。結果、やっぱり僕もすごく好きな曲というか」
 
渋谷「これを改めて聴いたとき、本当に“何を言うか”よりも“誰が言うか”が何より大事なんだなってすごく思った。その単純な言葉を響かせられる人ってごく僅かだと思うからこそ、そういうバンドになりたいなってこの曲は思わせてくれたし。身が引き締まるというか、なおのことしっかり丁寧にやっていこうと思いましたね」
 
――歌詞に出てくる“頑張れ”は、ポップミュージックにおいてよく論点にもなるけど、“頑張れとかは絶対に言いたくない/言われたくない”とか、“頑張れ”という言葉を過剰に嫌悪する人もいる。その中であえて“頑張れ”という言葉を選んだこの曲の意義は、すごく大きいなと。
 
柳沢「やっぱり言葉=音だし、そこにどういう気持ちが乗っかってるかって、まさにさっき言ってた通りだなって僕も思うし。そう考えると、“頑張って”って思うこの気持ちを一番伝える表現って、やっぱり“頑張れ”以外の言葉ってなくない?って思うんですよね。例えば、お母さんが受験の子供を送り出して、お弁当を開けたら“頑張ってね”って海苔で書いてあるみたいな(笑)。そこで“頑張れ”っていう言葉はプレッシャーだから、“まぁ気楽に”って書かれてもね(笑)。“いってらっしゃい”とか“おかえり”とか“ただいま”とか“ごめんね”、“ありがとう”とかも全部そうですけど、誤解を恐れなくなったというか、気持ちありきのことだと思うから。ビーバーとしても“頑張れ”ってちゃんと言ったことがなかったと思うんですけど、それを今言えたのはやっぱり培ってきたもののお陰だとは思う」
 
――そういう意味では、サウンドで新しい旨味も見せながら、言葉がバンド前進させてるところは変わらず。
 
柳沢「最初は不安に思ったこともあったんですけど、大事にしてきた歌とか言葉の部分は、何をやっても今さら揺らがないんだなと思いましたし。だからこそ、渋谷が言ったようにより音楽的な要素を加えるのは、やっぱり表現すべき、鳴らすべきタイミングだったんだなって改めて。それを誰より早く肌で感じてたのが渋谷だったっていう」
 
 
器用になることに“満足感”ではなく“危機感”を覚えるバンドでありたい
 
 
――そしてツアーが、と言いたいところやけど、今やビーバーのライブはすぐに売り切れてしまうからなぁ(笑)。
 
柳沢「(笑)」
 
渋谷「いやいやも〜やっとね…まあ、そうですね(笑)。ようやく」
 
――でも、それだけ求められてるのは嬉しいね。だってツアーで全国に行けるって分かりやすい1つの夢というか。
 
柳沢「いやもう、まさに! “人がちゃんといるところでライブがしたい!”って一番最初に思うことですから(笑)。さっきのぶーやんの話じゃないですけど、高校生の頃に練習でライブをイメージするとき、フロアには絶対に人がいますからね。後で愕然するんですよ、いざ蓋を開けたら誰もいないんで(笑)。それが今、あのとき想像していたような光景を、少しずつ観させてもらえるようになったのは、純粋にすごく嬉しいことだなぁって本当に思いますね」
 
渋谷「やっぱり自分たちが考えたこととかやったことに対して、それだけの人がリアクションをくれるのって、すっげぇモチベーションにつながるんで。だからいい相乗効果な気がします。各所でこれだけの人が待ってくれてるんだと思うと、もうウズウズする気持ちしかないですね」
 
――最後に、それぞれにシメの言葉をもらいたいなと!
 
柳沢「僕は『真ん中のこと』を作って、やっぱり今鳴らすべき音楽だったんだなって改めて思いました。ということは、この先の新しい入口を開いたとも思うし、もっともっとタフに、もっともっと柔軟に、もっともっとエグみを増していく。SUPER BEAVERの強みを濃くしていくための1枚になってると思います。大事にしてきた部分がブレたことは1回もないと思ってるので、そこに+αの新しい武器が加わって、より太いSUPER BEAVERという音楽になっていくんだろうなとも思うし。その先に、“やっぱりカッコいい”とか“やっぱり楽しい”っていう人の輪が広がって、故に僕らもめちゃめちゃ楽しいっていう循環が、この先もどんどん大きくなっていったらいいなって」
 
渋谷「いろんなことを経験させていただいたり、いろんなものを知って、自分たちも少しは器用になったとは思うんですけど、器用になることに“満足感”ではなく“危機感”を覚えるバンドでありたいなって強く思ってるんで。自分たちが確信を持ってこのミニアルバムをリリースして、やっぱり今が一番楽しいと思えてるから、この健全な状態の僕たちでツアーをまずは大成功させたい。今後は、パターンを見付けない、パターンを見付けたとしてもそこで安心しない。“今まではこうだったから”は大事にしつつも、もっと喜ばせるためにはどうしたらいいかに、しっかり目を向けられるようにしていきたいなって、思ってます」
 
 
Text by 奥“ボウイ”昌史
 




ライター奥“ボウイ”昌史さんからのオススメ!

「SUPER BEAVER×ミニアルバムって期待しちゃうんですよね。かつて出したその『世界が目を覚ますのなら』('13)って、ビーバーがドン底から這い上がっていく過程で、“このバンド、もしかしてもしかするかも…”という得も言われぬ予感を、問答無用に感じさせてくれたミニアルバムだったから。結構彼らのキャリアで重要作だと思ってるんです。何かね、それ以来の胸騒ぎが、またここから始まる感じが、『真ん中のこと』にはちょっとしたんです。要は惚れ直したってことです(笑)。取材が終わった後、ボソッと“今回のキャンペーンのヤマだった…”って言ってくれて、嬉しかったな~。毎回そう思われるインタビューをしたいもんです。今年は渋谷くんが『オールナイトニッポン0(ZERO)』のパーソナリティに抜擢されたり、メンバーみんなのSNSへのリアクションを見ていても、その加速度は増すばかり。でも、決して奢らず、打ち上げの場で思った以上にシビアにライブの反省をし、相変わらずな飲み方もする(笑)。変わりそうなのに、ちゃんと変わってない。いつかビーバーが武道館で『東京流星群』を歌う日が来たら…泣いちゃうな俺は」

(2017年12月14日更新)


Check

Movie Comment

最後の無茶振りがもう最高!(笑)
SUPER BEAVERからの動画コメント

Release

久々のミニアルバムで魅せる
サウンドの新境地と言葉の真髄!

Mini Album
『真ん中のこと』
発売中 1850円(税別)
[NOiD]/murffin discs
NOID-0021

<収録曲>
01. ファンファーレ
02. 正攻法
03. ひなた
04. irony
05. 贈りもの
06. それくらいのこと

感動の大阪野音ファイナルが蘇る!
渋谷書き下ろし小説付ライブDVD

DVD+BOOK New!
『LIVE DVD 2 Tokai No Rakuda Special at 大阪城音楽堂』
発売中 3980円(税別)
[NOiD] / murffin discs
NOID-0024
※渋谷龍太(vo)書き下ろしショートショート(短編集)『love。』同梱。

<収録曲>
01. 美しい日
02. 歓びの明日に
03. うるさい
04. らしさ
05. ルール
06. 言えって
07. 赤を塗って
08. ひなた
09. センチメンタル
10. home(Acoustic ver.)
11. 生活(Acoustic ver.)
12. 証明
13. 青い春
14. あなた
15. 人として
16. 27
17. →
18. 361°
19. 東京流星群
20. 素晴らしい世界
21. 秘密
22. 愛する
en1. ありがとう
en2. 全部

Profile

スーパー・ビーバー…写真左より、上杉研太(b)、藤原“29才”広明(ds)、渋谷龍太(vo)、柳沢亮太(g)。’05年、高校の先輩・後輩である渋谷&上杉・柳沢に、柳沢の幼馴染みである藤原を加え東京にて結成。学生時代には某社主催のコンテストにて全国大会グランプリを受賞。’07年には初の全国流通作品となる1stミニアルバム『日常』、’08年には2ndミニアルバム『心景』を発表。’09年、シングル『深呼吸』でメジャーデビュー。以降もシングル『二つの旅路』『シアワセ』、1stフルアルバム『幸福軌道』と立て続けにリリース。’10年、3rdミニアルバム『SUPER BEAVER』をリリース。映画『ソラニン』に提供した収録曲『ささやかな』話題に。’11年、所属レーベル・事務所を離れ、年間100本を越えるライブを展開。’12年に自主レーベルのI×L×P×RECORDSを立ち上げ、4月にライブ会場限定シングル『歓びの明日に』、7月にフルアルバム『未来の始めかた』、翌’13年4月には『世界が目を覚ますのなら』をリリース。’14年2月、eggmanのロックレーベル[NOiD]よりフルアルバム『361°』を発表。9月にシングル『らしさ / わたくしごと』をリリースするものの、柳沢が緊急入院。サポートギタリストを迎え決定していたライブを全てこなし活動を持続させ、11月には柳沢が復帰。’15年4月1日をもって結成10周年を迎え、同日にフルアルバム『愛する』をリリース。リリースツアーに夏フェス、対バンツアーと精力的にライブ活動を行い、’16年1~3月には、3ヵ月連続でワンコインシングル『ことば』『うるさい』『青い春』をリリース。4月にはアニバーサリーイヤーを締め括る初のZepp DiverCity(TOKYO)公演を開催、見事にソールドアウトさせた。6月にフルアルバム『27』を、10月にはライブDVD+小説『未来の続けかた』を発表。'17年1月にはシングル『美しい日/全部』をリリース。4月より渋谷が毎週木曜の『オールナイトニッポン0(ZERO)』のパーソナリティに大抜擢。9月6日にはミニアルバム『真ん中のこと』を、12月6日には『LIVE DVD 2 Tokai No Rakuda Special at 大阪城音楽堂』をリリースした。

SUPER BEAVER オフィシャルサイト
http://super-beaver.com/

Live

過去最大のツアーがついにファイナル
その後もイベントにツアーに続々決定

 
『SUPER BEAVER 『真ん中のこと』
 Release Tour 2017 ~ラクダの、中心~』

【東京公演】
Thank you, Sold Out!!
▼12月15日(金)19:00/16日(土)17:00
Zepp Tokyo
スタンディング4000円
2F指定席4000円
ディスクガレージ■050(5533)0888
※3歳以上はチケット必要。未就学児童は保護者同伴に限り入場可。
 

Pick Up!!

【京都公演】

『ポルノ超特急2017』
チケット発売中 Pコード336-016
▼12月23日(土・祝)11:00
京都パルスプラザ
全自由・1日券6264円
[出演]SUPER BEAVER/10-FEET/東京スカパラダイスオーケストラ/Fear,and Loathing in Las Vegas/HEY-SMITH/My Hair is Bad/ヤバイTシャツ屋さん/ROTTENGRAFFTY/漢 a.k.a GAMI/Crystal Lake/THE冠/四星球/sukekiyo/Dizzy Sunfist/POT
サウンドクリエーター■06(6357)4400
※金色シートは受付なし。小学生以上は有料、未就学児童は保護者同伴の場合無料。アーティストは都合により変更になる場合がございます。その際チケット代金の払戻しは行いませんので、予めご了承下さい。【全自由】公演当日、会場にてリストバンドとお引換え下さい。【金色シート】公演当日、会場にて座席指定券・おみや・リストバンドとお引換え下さい。座席番号は予め決まっております。先着順でのお渡しではございません。

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【大阪公演】
『FM802 ROCK FESTIVAL
 RADIO CRAZY 2017』
▼12月28日(木)11:00
インテックス大阪
1日券8800円
[出演][Alexandros]/THE ORAL CIGARETTES/エレファントカシマシ/9mm Parabellum Bullet/coldrain/go!go!vanillas/SHISHAMO/SCANDAL/ストレイテナー/SUPER BEAVER/10-FEET/東京スカパラダイスオーケストラ feat. 斎藤宏介(UNISON SQUARE GARDEN)/TOTALFAT/back number/B'z/Fear, and Loathing in Las Vegas/フレデリック/MY FIRST STORY/MAN WITH A MISSION/Mrs. GREEN APPLE/MONOEYES/ヤバイTシャツ屋さん/他
RADIO CRAZY公演事務局■06(7732)8787
※6歳未満入場無料。


『都会のラクダ Tour 2018
~前人未到のラクダチェリーパイ!~』

【岐阜公演】
▼2月3日(土)EVENT HALL club-G
【徳島公演】
▼2月4日(日)club GRIND HOUSE

Pick Up!!

【和歌山/奈良公演】

一般発売12月23日(土・祝)
Pコード101-331
▼2月17日(土)17:30
和歌山・SHELTER
[共演]あり
▼2月18日(日)17:30
NEVERLAND
[共演]あり
オールスタンディング3800円
GREENS■06(6882)1224
※3歳以上は有料。

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チケット情報はこちら

 
【山形公演】
▼3月3日(土)山形ミュージック昭和Session
【岩手公演】
▼3月4日(日)club change WAVE
 

Column1

「大阪でファイナルをやってみたい
 なってずっと思ってた」
SUPER BEAVERが再び迎える
『美しい日』。『全部』を背負って
転がり続ける決意を
前回インタビュー&動画コメント

Column2

「出会った人たちと永く、深く、
 より大きな歓びを一緒に共有する
 それを歌にするのが
 SUPER BEAVERなんだなって」
変化する今を肯定するきっかけを
続いていく未来のための生き方を
『27』インタビュー&動画コメント

Column3

「戦うタイミングが遂に来た」
SUPER BEAVERの10年を
懸けた挑戦。3ヵ月連続シングル
『ことば』『うるさい』『青い春』
初のZeppワンマン前夜に贈る
全員インタビュー!

その他インタビューはコチラ!

『愛する』
特設ページはコチラ!
『361°』
特設ページはコチラ!
『世界が目を覚ますのなら』
特設ページはコチラから!
『未来の始めかた』
特設ページはコチラから!