「何かすごく大きな変化が自分の中で生まれつつある」 業も使命もプライドも、ソロ5周年に自らをブレイクスルーする 『THE OPERATION/IT'S SO EASY』と最新モードを語る! 中田裕二撮り下ろしインタビュー&動画コメント
中田裕二のサウンド・プロダクト、ここに極まれり。そう謳ってもやぶさかではない強力なニューシングル『THE OPERATION/IT'S SO EASY』は、気鋭のクリエイター集団origami PRODUCTIONSのShingo Suzukiと関口シンゴをプロデュース/アレンジに迎え、『BACK TO MELLOW』(‘14)『LIBERTY』(‘15)とここ一連の2枚のアルバムをかけ、彼が加速度を増して追い求めてきた音楽的造詣、混迷の時代に“何を”歌うのか、“誰が”歌うのかという音楽家としての使命、椿屋四重奏時代より研磨してきたソングライティングの妙、そして、彼の歌声にしか持ち得ない色と艶が、ソロキャリア5周年にして1つの到達点を見た1枚だ。表題曲に加え、オリジナル・ラブの『接吻』(‘93)、南佳孝の『モンロー・ウォーク』(‘79)、椿屋四重奏の『不時着』(‘08)と、三曲三様のアコースティックカバーを収録。自らの業にも似た運命を背負って、幼き頃から影響されてきた音楽の原体験をたどる旅を終えたさまよえる音楽家は、何処へ向かうのか――? くしくも5年前に発表された1stアルバム『école de romantisme』(‘11)のインタビューの導入部は、こう締め括られている。“歌を羅針盤に新たなロマンを追い求めたミュージック・ボヘミアンが、行き着く先は光か、闇か――”。次のフェイズへと向かう中田裕二の心の旅路を照らす、撮り下ろしインタビュー。
――『THE OPERATION』は中田くんの音楽的なモードとポップセンスが1つの今後を示唆するような極みを見せたけど、『IT’S SO EASY』は言葉の部分で中田くんが持っている“業”みたいなものも含めて、メモリーとか感情的な部分だけではなくてちゃんと音楽になった1曲ですよね。
「嬉しいですね。『IT’S SO EASY』は本当に削ぎ落として、敢えてギターじゃなくてピアノで作りましたから。ただ、どっちの曲もすごくシンプルには作りました。俺=とにかくコードが多い人、みたいなイメージがあるかもしれないですけど(笑)、やっぱりどんどん削ぎ落としていって、それでも素晴らしいと言われる曲を作っていかないと。でもそうなったのは…ジャズって本当にコード展開が凄まじいから、それはもうそっちの人に任せようって(笑)。ちょっとそういう次元に入ってきたなぁ」
――そういった意味でも、もう1人のプロデューサー/アレンジャーのShingo Suzukiさんとの『IT’S SO EASY』の制作はどうでしたか?
「『IT’S SO EASY』を普通のバラードにはしたくはなかったんで、デモでもシンセベースを使ったり、ちょっと変わったアレンジにしていて。ただ、ピアノと歌がスタンダードな感じだから、逆にそれをどう遊ぶかみたいなところで、Shingo Suzukiさんにはビートを作ってもらって。やっぱりすごくヒップホップ感覚がある人だから、打ち込みは独特のビート感でよかったなぁ。すごく遊べたシングルでしたね」
Single 『THE OPERATION/IT'S SO EASY』 発売中 1500円(税別) Imperial Records TEBI-43398
<収録曲> 01. THE OPERATION 02. IT'S SO EASY 03. 接吻 04. モンロー・ウォーク 05. 不時着
椿屋のラストツアー以来となる因縁の 中野サンプラザ公演をシューティング
DVD 『TOUR 16 LIBERTY ただ一夜の太陽』 発売中 4000円(税別) Imperial Records TECI-512
<収録曲> 01. WOMAN 02. リボルバー 03. KILL YOUR SMILE 04. en nui 05. SO SO GOOD 06. 誘惑 07. とまどい 08. 春雷 09. MUSK 10. 朝焼けの彼方に 11. ヴィーナス 12. ROUNDABOUT 13. NIGHTLIFE 14. UNDO 15. LOVERS SECRET 16. 月の恋人たち 17. STONEFLOWER 18. ひかりのまち 19. ただひとつの太陽 20. 夜をこえろ 21. MIDNIGHT FLYER
Profile
なかだ・ゆうじ…’81年生まれ、熊本県出身。‘00年、仙台にて椿屋四重奏を結成。フロントマン及びソングライターとしてキャリアをスタート、’07年のメジャーデビューを経て、『紫陽花』『恋わずらい』『いばらのみち』に代表される、ロックバンドの枠に捉われないスケール感と個性溢れる楽曲で人気を集めるも、’11 年に突然の解散。3.11東日本大震災の被災地/被災者に向け作られた『ひかりのまち』を震災直後に配信(収益は全て義援金として寄付)したのを機にソロへ。同年11月に1stアルバム『école de romantisme』をリリース以降は、『MY LITTLE IMPERIAL』(‘12)『アンビヴァレンスの功罪』(‘13)『BACK TO MELLOW』(‘14)『LIBERTY』(‘15)と、年1作のペースでアルバムを発表。さらに、’14年6月には、カバー曲をレパートリーの中心に歌に特化したアコースティック・ライブプロジェクト『SONG COMPOSITE』を音源化したカバーアルバム『SONG COMPOSITE』をリリース。期間/テーマを限定しない弾き語りライブツアー『中田裕二の謡うロマン街道』(’14~)や、アコースティックトリオ“中田裕二 trio saloon”としてのライブ(‘15~)など、精力的に活動を展開している。確かな歌唱力に裏打ちされた艶のある歌声と、幼少時に強く影響を受けた70~80年代の歌謡曲/ニューミュージックのエッセンスを色濃く反映したメロディを核に、あらゆるジャンルを貪欲に吸収した一筋縄ではいかないサウンドメイクと、様々な情景描写や人生の機微をテーマとした詞作によるソングライティングへの評価は高く、熱心な信奉者が多数。今年8月24日には、2ndシングル『THE OPERATION/IT'S SO EASY』、ライブDVD『TOUR 16 LIBERTY ただ一夜の太陽』を同時発売した。
中田裕二がシーンに築いた絶対領土 『MY LITTLE IMPERIAL』! やりたい放題の2ndアルバムを異端児にして 偉才が語る撮り下ろしインタビュー('12年) 特設ページはコチラ!
椿屋四重奏解散、3.11、そして 初のソロアルバム『école de romantisme』 を語る撮り下ろしインタビュー!('12年) 特設ページはコチラ!
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ぴあ関西版WEB音楽担当 奥“ボウイ”昌史からのオススメ!
「はいはいはいはい、やってきましたぴあ関西版WEBのキラーコンテンツ、中田裕二ですよ~(笑)。毎回撮り下ろしでお届けするインタビューですが、作品を重ねるごとに撮影場所が必要なので、結構大変なのです。今回も僕が夜の惜しみないパトロールで見付け出した抜群のシチュエーションで(笑)、たっぷり語ってくれました。いや~それにしても冒頭から“ロック回帰”予告が飛び出したもんだからビックリ。椿屋四重奏の解散以降、ある意味、意図的に遠ざけていた、でも離れられずにいたその領域に、再び着手するのか!? それはそれでめっちゃ楽しみなんですが、何せ『THE OPERATION/IT'S SO EASY』の出来がすこぶるイイだけに、個人的にシングルのリードとしては『MIDNIGHT FLYER』以来の手応えを感じていただけに、ちょっと複雑な気持ちでもあります(笑)。こっちの路線で行くんちゃうんかい! (椿屋時代からのファンは)時間をかけてみんな自分を慣らしてきたのに! みたいな(笑)。というわけで、中田裕二というさまよえる音楽家の新たなアウトプットに大いなる期待と信頼を寄せて、次回のために夜のパトロールを続けようと思います(笑)。 PS. 取材を終えてすぐ、“奥さんと話してると時間が経つのがめっちゃ早い!”と言ってくれたのは、何だか嬉しかったな~。これからも精進します!」