ホーム > インタビュー&レポート > 『FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY 2024』 ライブレポート【DAY3・12月29日(日)】
【Z-STAGE】
●キュウソネコカミ
転換中から本番さながらに演奏しまくるのがキュウソネコカミのフェスのたしなみだが、この日はさらに飯室大吾、樋口大喜、ハタノユウスケというFM802の人気プログラム『RADIO∞INFINITY』の歴代DJもそろい踏み。キュウソ共々番組の15周年を記念したスペシャルライブ2DAYS『電波無限祭-15の夜-』を3月24日(月)・25日(火)大阪・なんばHatchで開催することを発表するなど、すでに場内の満足度も何かと高い全力リハの空気を察し、「重いって!」「疲れるやろ!」「ほなもう見んでええか...ってなるやろ!」(ホンマそれ)と方々で言い合う中、とりあえず一旦舞台をはけたもののすぐに戻ってきたキュウソが、実質5曲目ぐらいの1曲目(笑)『ネコカミたい』からフルスロットルでぶっ飛ばす! 『クライマックス同棲』でもハイテンションを持続し、核心を突いたメッセージをユーモアに忍ばせながら『正義マン』~『3minutes』と畳み掛けていく。
「幸せです、リハからやり過ぎです(笑)。求められたらやりたくなるぐらい、『RADIO CRAZY』の空気感、愛してます。もうね、後のことを考えないぐらいお前たちを踊り散らせていくので!」とヤマサキセイヤ(vo&g)が高らかに宣言し、ライブの熱気からいつも以上にBPMが高速化した『ビビった』、やっぱり言いたい"ヤンキーこわい"のコール&レスポンスと、やっぱり見たいヤマサキのクラウドサーフでZ-STAGEをにぎわせた『DQNなりたい、40代で死にたい』、一転、小細工なしで感情を込めた『一喜一憂』と、緩急自在×ハイカロリーに突っ走る!
ここで突然、イルカの着ぐるみを着たレキシが登場し、ヤマサキが拾ってくれるのをいいことに際限なくボケまくり収拾がつかないまま『KMTR645 feat. ネコカミノカマタリ』へ(笑)。レディクレ最高濃度の組み合わせでレキシとキュウソが...と、このレポートを締めようと思ったら、急きょ『家』が追加され、さらに大盛り上がり! 最後の一瞬まで貪欲に楽しませようとする2組だからこその、らしい結末。さすがです!
Text by 奥"ボウイ"昌史
Photo by 渡邉一生
●サンボマスター
いつものSE「ゴダイゴ/モンキー・マジック」で山口隆(Vo.Gt)、木内泰史(Dr)、近藤洋一(Ba)が登場し、明転したときの高揚感はこの日も半端ない。いつからか年末の風物詩となったサンボマスターの"アホ年末"が2024年末も無事にZ-STAGEで開幕した。スクリーンいっぱいに"アホ年末の"文字が映し出され、「年に一度のアホ年末の時間がやってまいりました!」と山口が叫ぶと、<始めるよ準備はいいかい?>と歌い出す「ミラクルをキミとおこしたいんです」でライブがスタート。
山口は、「ひとり残らず優勝させるために来たんだ!アホ優勝!」と絶叫しながら、心をわし掴みにする歌を届けていく。イントロのキラキラと輝くギターリフだけで大歓声が起こる「ヒューマニティ!」。木内と近藤が生み出す心地良いバックビートに体を揺らしたあとは、「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」で、「愛と平和」を叫ぶ至福の時間が続く。そのまま全員を優勝させる「アホ!アホ!」コールが終わっても木内のバスドラは止まらない。「知ったかぶりでいいから踊りまくってほしい!」と山口が呼びかけてはじめたのは、7月リリースの「自分自身」。2024年のライブ映像をバックに歌詞が映し出される演出もエモーショナルで、サビの開放感や力強いビートが背中を押してくれるようだった。「言いたいのは"生まれてきてくれてありがとう"ということ!」毎年呼びかけてくれるこの言葉に何度も救われる「Future is Yours」にも涙。
そして、2024年の悲しみと苦しみを全部忘れるアホ年末のラストはやっぱり「花束」だ。「お前が花束だっていってんだよ!」そんな山口の荒々しくも優しい言葉を浴びた会場には、この日も満開の花が咲いた。結成25年を迎える2025年もその先も、サンボマスターは"人々の希望"になり続ける。そう確信した熱いステージだった。
Text by 岡田あさみ
Photo by 渡邉一生
●レキシ
2016年以来、8年ぶりのRADIO CRAZY出演となったレキシ。レキシのライブ必携アイテム"稲穂"を手に持つ人の多さからその人気の凄さがわかる。FM802DJ・仁井聡子が「お館さまをZ-STAGEのみんなで"わっしょい"できますか!」と紹介すると、大きな歓声が巻き起こり、たくさんの稲穂が掲げられると、煌びやかな袴姿のレキシこと池田貴史が登場。広いZ-STAGEの端から端まで「ありがとうね」とねり歩く爆笑のマイクパフォーマンスは絶好調だ。
「きらきら武士」のイントロを奏でる大所帯バンドの演奏をバックに、「楽しくて尺がいくらあっても足らん!」となかなかライブをはじめないのはお約束。たくさんの腕が振られる壮観の景色を生み出し、1曲目にしてクライマックスのような盛り上がりを見せた。お次の「SHIKIBU」では、十二単風羽織を着せにきてくれた仁井聡子もワンコーラス参加するレディクレならではの場面も。そして、「さっきキュウソのときに俺出たのに、俺のときは誰も来てくれない...」(4時間前のキュウソネコカミのライブで既に共演済)とスネる池田のもとに、キュウソのメンバーが全員登場!「あれ~♡(来てくれて)泣いちゃう!」と感動する茶番に大笑いしてはじまったのは、もちろん「KMTR645」だ。 客席に放たれたイルカの浮き輪(ヨシオ)が宙を舞う中、キュッキュッキュッダンスで年末感満載のお祭り騒ぎに。「セットリスト少なすぎやろ!」とセイヤにツッコまれていたとおり、喋りすぎて4曲目の「狩りから稲作へ」が早くもラストソングとなる。
ファンキーでソウルフルな演奏やラップ、"稲穂コール&レスポンス"やB'zやドリカムを熱唱するくだりまで隙間なくエンタメがつめこまれていて、楽しい以外の言葉が見つからない。好き放題に脱線したあと「FM802が好き~♪」と美声で歌い上げてしっかりしめるところはさすが。観る人すべてを幸せにした爆笑のライブは、盛大にフィナーレを迎えた。
Text by 岡田あさみ
Photo by 渡邉一生
●Saucy Dog
リハーサルから本番さながらの盛り上がりでフロアを湧かせていたのは、2年連続でZ-STAGEに登場したSaucy Dog。SEが流れ、ビジョンにはバンドロゴが映される。せとゆいか(ds)の元に3人で集まり気合いを入れると、『シンデレラボーイ』からライブスタート。イントロが鳴った瞬間感嘆の声が上がり、フロアの熱がじわり高まった。石原慎也(vo.gt)の澄んだ歌声の存在感と、彼が描く詞世界の奥深さを改めて認識する。ビジョンには漫画調のMVが流れ、より楽曲の世界観に入り込むことができた。石原は「続いての曲は、2018年5月FM802ヘビーローテションナンバー、Saucy Dogで『真昼の月』!」とラジオDJ風に曲紹介。ちなみに『真昼の月』がリリースされた2018年はR-STAGEのトッパーとして、2017年はLIVE HOUSE Antennaに出演していたSaucy Dog。曲を聴きながら、6年でZ-STAGEまでのぼり詰めた彼らの進化を感じていた。
せとは「毎年お世話になっている『RADIO CRAZY』に今年も出演できて本当に嬉しいです。こうやってアーティストやバンドをバーッと集められるラジオ局、すごいなと思ってて。本当に音楽やアーティストに愛があるからこそできることやと思うので。いつもたくさんFM802に愛をいただいてるので、今日は愛をもって皆に音楽を届けられたらと思ってます」とはにかみつつ挨拶した。
中盤は10月クール新ドラマ『マイダイアリー』の主題歌で新曲の『くせげ』、秋澤和貴(ba)のベースラインとクラップから始まったロックチューン『雷に打たれて』、力強いメッセージソング『ゴーストバスター』、ライブアレンジが最高の『バンドワゴンに乗って』を連続で披露。MCで石原は大阪に6年間住んでいたことを話し「『レディクレ』15周年おめでとうございます。僕ら大阪で結成したバンドなんですけども、多分ほとんどの人が知らないと思うので、これを機にSaucy Dogを知ってもらえたら嬉しいなと思ってます。これからもよろしくお願いします」と笑顔で述べて、ラスト2曲へ。
生々しくメッセージ性の強い『怪物たちよ』の途中で人が倒れてしまい、演奏を中断して「大丈夫?」と気遣う石原。曲に戻って最後までやりきるも、「ちょっと喋らせて」と言って「昔(演奏を)止めた時に、SNSで止めなくていいよこの野郎って言われたんだけど、うるせえ。止めた方がいいに決まってんだろ。人の命かかってんだよ」と意思の宿った眼差しで気持ちを伝える。「初めて見る人はSaucy Dogってどういうバンドかわかんなかったですよね。皆のことを考えたい。誰も置いていきたくない。そんな感じです」と最後までフロアを気にかけて、ラストは『優しさに溢れた世界で』を伸びやかに歌い上げた。「毎日学校行くの頑張ってる人! 家事育児、仕事、生きるの頑張ってる人! 皆で歌おう!」とシンガロング。先ほど石原が言った言葉が体現されたかのような光景に胸が熱くなった。Saucy Dogは人間らしくて優しい、素敵なバンドだ。
Text by ERI KUBOTA
Photo by 渡邉一生
●クリープハイプ
「遅くまで残ってくれて本当にありがとう。年末だからかタクシーが結構遅れて、ライブに間に合わなかったら最悪だなと焦ってたんだけど、ずーっと車内で"ゴー"って音がしてて。"空気清浄機が作動中です"って...俺ってそんなに汚いのかな?(笑) 無事に間に合ってここに立てて幸せです。せっかくだから自分についた汚れも全部ここに置いて帰りたい。全部出したいからSEXの歌から始めます!」(vo&g・尾崎世界観、以下同)
真っ暗闇のZ-STAGEを切り裂く『HE IS MINE』で幕を開けた、3日間にわたる『RADIO CRAZY』の、Z-STAGEの大トリ、クリープハイプ。実際にバックヤードでゆっくりする暇もなく到着するなり即出番となった彼らだったが、その焦燥感と高揚感のまま『キケンナアソビ』でも、「今日は大トリだから危険日だけど、ちゃんと遊んであげる」と粋にアジテート。その後も、DMM TVオリジナルドラマ『外道の歌』の主題歌『生レバ』やクリープハイプのポップサイドを担う『イト』、FM802とのかつてのコラボ曲『栞』に、バンドを引き上げた初期のキラーチューン『オレンジ』と容赦なくアンセム群を盛り込み、クローザーとしての力量をいかんなく発揮していく。
「『RADIO CRAZY』15周年、本当におめでとうございます。毎年ここのステージに立って、一年の答え合わせをするのが恒例になってるけど、決して当たり前だとは思ってません。クリープハイプもこのメンバーで15周年だけど、FM802に育ててもらった曲がいっぱいあります。今日もライブしながら勝手に感慨深く思ってました。これからもいろんな曲を作っていきたいし、めちゃめちゃやる気です」と、'24年にFM802との楽曲制作プロジェクト『大阪ステーションシティ Sound Scape』から生まれた『人と人と人と人』をお披露目。バンドの歩みに加わった新たな代表曲を鳴らし切る。
「クリープハイプにヒット曲はないけど、特に知られてない曲でも、むしろ知られてない曲だからこそ、深く突き刺せるんじゃないかと15年やってきた今は思ってます。フェスっていうのは自分が知ってる曲を聴きに行くだけじゃなくて、知らなかった曲を見つけに来る場所なんじゃないかなと。だから、この曲も見つけてください。よろしくお願いします」
そんな思いと願いを刻んだ『天の声』で、'24年の『RADIO CRAZY』を締めくくったクリープハイプ。次の年末の答え合わせが、今から楽しみでならない。
Text by 奥"ボウイ"昌史
Photo by 渡邉一生
(2025年2月 9日更新)
●androp × SHE'S
01. Dance With Me
02. Voice
03. Masquerade
04. Hikari
05. Letter
06. 追い風
07. Yeah! Yeah! Yeah!
08. Massara feat.井上竜馬(SHE'S)
●アイナ・ジ・エンド
01. 偽りのシンパシー
02. Frail
03. ZOKINGDOG
04. Poppin' Run
05. 関係ない
06. 風とくちづけと
07. Love Sick
08. サボテンガール
●ヤングスキニー
01. ヒモと愛
02. 愛の乾燥機
03. ハナイチモンメ
04. ベランダ
05. 雪月花
06. ゴミ人間、俺
07. 禁断症状
08. 精神ロック
09. らしく
10. 死ぬまでに俺がやりたいこと
●BIGMAMA
01. 秘密
02. 17(until the day I die)
03. Mirror World
04. 神様も言う通りに
05. MUTOPIA in Kansai
06. 荒狂曲”シンセカイ”
07. Swan Song
08. セントライト
09. Sweet Dreams
●ねぐせ。
01. スーパー愛したい
02. デイズ
03. あの娘の胸に飛びこんで
04. ダーリン
05. 恋と怪獣
06. 愛してみてよ減るもんじゃないし
07. ベイベイベイビー!
08. グッドな音楽を
09. ずっと好きだから
●This is LAST
01. 恋愛凡人は踊らない
02. もういいの?
03. Scoop!
04. アウトフォーカス
05. #情とは
06. ディアマイ
07. カスミソウ
08. オムライス
●フラワーカンパニーズ
01. 終身刑
02. ファンキーヴァイブレーション
03. ラッコ!ラッコ!ラッコ!
04. アメジスト
05. はじまりのシーン
06. 終わらないツアー
07. 深夜高速
●FM802 MAKE THE MUSIC FREAKS PLAYLIST
01. トワイライト
02. STAND BY ME
03. 恋のジャーナル
04. 床には君のカーディガン
05. IMAGINE?
06. HIT IN THE USA
07. LISTEN TO THE STEREO!
●怒髪天
01. サスパズレイントロ
02. ザ・リローデッド
03. 酒燃料爆進曲
04. 令和(狂)哀歌
05. HONKAI
06. 歩きつづけるかぎり
07. ド真ん中節
08. オトナノススメ
●Radio Happy Willows
01. アポロ
02. 大阪LOVER
03. 奏
04. 全力少年
05. 美しい日
06. はなむけ
●THE BAWDIES
01. IT'S TOO LATE
02. LET'S GO BACK
03. POPCORN
04. SUGAR PUFF
05. GIMME GIMME feat.オカモトショウ
06. HOT DOG
07. T.Y.I.A.
08. JUST BE COOL
●キュウソネコカミ
01. ネコカミたい
02. クライマックス同棲
03. 正義マン
04. 3minutes
05. ビビった
06. DQNなりたい、40代で死にたい
07. 一喜一憂
08. KMTR645
09. 家
●サンボマスター
01. ミラクルをキミとおこしたいんです
02. ヒューマニティ!
03. 世界はそれを愛と呼ぶんだぜ
04. 自分自身
05. Future is Yours
06. できっこないを やらなくちゃ
07. 花束
●レキシ
01. きらきら武士
02. SHIKIBU
03. KMTR645
04. 狩りから稲作へ
●Saucy Dog
01. シンデレラボーイ
02. 真昼の月
03. くせげ
04. 雷に打たれて
05. ゴーストバスター
06. バンドワゴンに乗って
07. 怪物たちよ
08. 優しさに溢れた世界で
●クリープハイプ
01. HE IS MINE
02. キケンナアソビ
03. 生レバ
04. イト
05. 栞
06. オレンジ
07. 人と人と人と人
08. 天の声
●12月27日(金)【DAY1】はこちら
●12月28日(土)【DAY2】hはこちら
●12月27日(金)~29日(日)【LIVE HOUSE Antenna】はこちら
●日時:2月11日(火・祝)
14:00~深夜3:00までの3部構成!
■第1部 14:00~
DJ=樋口大喜/板東さえか
■第2部 19:55~
DJ=落合健太郎/高樹リサ
■第3部 24:00~
DJ=浅井博章/田中乃絵
[提供]
日本旅行/マクセル/サントリー ビアボール/ZONe ENERGY/TESCOM/トヨタモビリティ新大阪/JR西日本/みるく饅頭 月化粧/Mizkan/JOYSOUND
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