ホーム > ガンバ大阪×ぴあ WEB連載『ガンぴあ SEASONⅤ』

帰ってきたガンバの至宝が
久しぶりに登場!!

ガンぴあⅣ

宇佐美貴史

プロフィール

宇佐美貴史(うさみ・たかし)●‘92年京都府出身。背番号39/ポジションMF。ガンバ大阪Jrユース、ガンバ大阪ユースを経て、’09年に16歳でトップに昇格。’11年7月にドイツに渡り、バイエル・ミュンヘン、ホッフェンハイムでもプレー。今年6月に約2年ぶりにガンバ大阪に復帰を果たした。復帰戦となった7月20日の神戸戦では2ゴールを決め、勝利に貢献。10試合で9得点(第34節終了時点)という脅威のペースで得点を量産している。

ガンバ大阪

ガンバ大阪

ガンバ大阪・オフィシャルサイト
http://www.gamba-osaka.net/

試合スケジュール

【ガンバ大阪 ホームゲーム】
『J2リーグ戦』
Pコード592-080
発売中
▼9月29日(日)18:00〈vs 愛媛FC〉
▼10月20日(日)16:00〈vs カターレ富山〉
▼11月3日(日)13:00〈vs ロアッソ熊本〉
▼11月17日(日)14:00〈vs モンテディオ山形〉※ホーム最終戦
BOX-S席-5000円 SS席-3500円 SM席(自由席)・大人-3000円 小・中学生-1500円/ほか
万博記念競技場
ガンバ大阪[TEL]06-6875-7744
チケット購入はコチラ
※チケットぴあの店頭および、サークルK・サンクス、セブン-イレブンでも購入できます。

 

【ガンバ大阪 アウェイゲーム】
▼10月6日(日)13:00〈vs 栃木SC〉
栃木県グリーンスタジアム
▼10月27日(日)13:00〈vs 徳島ヴォルティス〉
ポカリスエットスタジアム
▼11月10日(日)13:00〈vs 京都サンガF.C.〉
西京極陸上競技場兼球技場
▼11月24日(日)12:30〈vs ザスパクサツ群馬〉※リーグ最終戦
正田醤油スタジアム群馬

『第93回天皇杯全日本サッカー選手権大会』
▼10月13日(日)13:00
〈vs 大宮アルディージャ〉
熊谷スポーツ文化公園 陸上競技場
※チケットの発売情報についてはコチラでご確認ください。

『ガンぴあ』一覧

第1回(7月8日更新)はコチラ
第2回(9月27日更新)はコチラ
第3回(11月15日更新)はコチラ
第4回(12月25日更新)はコチラ

『ガンぴあ SEASONⅠ』はコチラ
『ガンぴあ SEASONⅡ』はコチラ
『ガンぴあ SEASONⅢ』はコチラ
『ガンぴあ SEASONⅣ』はコチラ

 残りわずかとなったJ2リーグ戦。第34節終了時点で2位のヴィッセル神戸に勝点71で並ばれたガンバですが、3位以下との勝点差は14あり、上位2チームに与えられるJ1自動昇格の日が近づいてきています。そんな中、久しぶりの更新となる『ガンぴあ』では、宇佐美選手を直撃。ドイツでの話、ドイツを経験したからこその変化、そしてガンバでのことなどについて訊いてきました!

 

――ドイツの生活はどうでした?

「生活は大丈夫でした。わりと馴染んでいたし、何不自由なこととかもなかったですけど、やっぱり言葉が……。最後の方はある程度分かってきましたけど、難しい話とかになってくると人の力を借りないと出来ないことが多かったですし、その辺はちょっとしんどかったことになるかな」

――日本と比べてみると……?

「全然違いますね。日本のが客観的に見ても便利ですね。店とかもスーパーとかも遅くまで開いていたりするじゃないですか。ドイツはけっこう早い時間、18時、19時とかで閉まるし、日曜は全部店が閉まる。土曜日はもっと早く閉めるし、違うことが多かったですね」

――そうなんですね。ちなみに、言葉の勉強はしていました?

「週2回していました」

宇佐美貴史――ガンバにいた時から?

「ガンバにいた時はしてないです。バイエルンの時も勉強はしていなくて。通訳がいたので、甘えちゃっていて。2年目も通訳をつけるかどうかっていう話になったんですけど、つけていたら伸びひんなって思って。そこからバーって勉強しました。1年間ムダにしたって感じです」

――そうだったんですね。2年間ドイツでプレーしたわけですが、行く前と行ってからのドイツサッカーのイメージの違いはありました?

「イメージはそのままですね。フィジカルで……っていう。衝撃の1つだったのは、全員シュートがうまい。相手チームとかもそうやし、何気なく打ったミドルとかがサイドネットに突き刺さって入ったりとか。コース変わってそのまま入ったりとか。ブンデスリーグのゴールシーンを見ていたら、けっこうスーパーゴールが多かった。崩し切ってゴール前まで行ってキーパーと1対1になってパスを出して無人のゴールへ……とかより、ポンポンって浮いているボールをそのまま無理やりねじ込んだみたいなミドルがバーンって入って。あとキーパーがうまいですね。どのチームも。キーパーのレベルはすごいと思います。それはみんながシュートの意識を持っているからかもしれないですけど。キーパーがうまいからシュートがうまいのか、シュートがうまいからキーパーがうまくなっているのか分からないですけどね。技術、戦術とかも素晴らしいし、良いところもありますけど、シュートとキーパーの質が凄かったですね」

――シュートは練習の時から凄かったりする?

「バイエルンの時は圧倒的にうまかったです。ホッフェンハイムのときはあまりすごいなって思わなかったですけど、試合になると入ったりする。相手チームを見ていても、思うことは多かったですね。前めの選手は全員ミドルシュートがうまい、みたいな。で、無理やりでもけっこう打ってくる」

――そうなんだ!

「日本人って先にパスで崩してって感じですけど、向こうはホンマにまずシュートで。そこから相手の対応を見てギリギリで選択を変える選手もいるから、けっこう怖いですね。ゴールを見ないってまずないから。アタッキングサードとかやったらまずゴールを見るから緊張感があるというか。そこからのパス、ドリブルで入ったりしてくるから、最初から怖さがあります」

――なるほど。日本人のがサッカーがうまいと聞くけどこれに関してはどう?

「間違いないです。ボールを扱う力とか技術、センスとかなら全然ドイツ人より上手いです。ただ、結果にこだわっているっていうのも入っていると思うんですけど、ここぞっていうときの色んな力っていうのはドイツのが凄かったですね。Jリーグの方がいいサッカー、面白いサッカーをするし、技術もあって見応えのあるサッカーをするかもしれないですけど、Jのチームとブンデスのチームを各順位同士で戦わせたら、ブンデスのが勝つ方が多いんじゃないですかね。向こうはシンプルで、前にいって点を獲るサッカーをしようみたいな。日本はそれに1つ美学が入っているから。体格で劣る分、技術で補っていこうと。向こうは先に身体やし、そんなんやらんでもいいやっていうのがあるから、めちゃ下手ですね。ボール回しとかをしていても、全然回らないですからね」

宇佐美貴史――パスのスピードはどう?

「上のチームは速いですよ。下のチームはそうでもない。バイエルンのパス練習なんかはめっちゃ速かったですね。ちょっとしたシュート……オレが横浜FC戦の時に決めたシュートがあるじゃないですか。右サイドで。あれくらいだと思います。パススピードが。速いし、正確で。ウォーミングアップをかねて、絶対に練習前にやるんですけど、そのパススピードがすごかったです」

――そんなドイツでプレーしてみて、通用したなって思う部分を教えて下さい。

「通用した部分は、攻撃的なところはいけたと思いますけど、チーム個々のスタイルがあって……ホッフェンハイムに関しては、ちょい守備的なサッカーで馴染めなかったっていうのがありますし、相手に合わせてどう守ってどうするかっていうサッカーの仕方だったんで、その辺が……。バイエルンではシンプルに個で負けていたんで、試合に出れへんのは当然かなって思いました」

――そうなんですね。苦しんだ2年間だと言っていましたが、ドイツ時代に印象に残っていることや言葉はありますか?

「入ってすぐに、『うまいし、才能もある。でも、ボールを取られたら噛みついて離せへんぞとか、持ったボールで“絶対に点を獲るんや!”くらいの、噛みつくくらいの精神力が足りへん』って。さらっとやるんじゃなくて、もっと泥にまみれろって。さらっと出来るんやろうけど、それをずっとやっていてもダメ。リベリとか見てみろって言われて、パっとリベリを見たらサラっとやっていたけどね(笑)。あれだけ試合で活躍していたらほぼ地位も確立されているんですけど、リベリとロッペンは練習とかでもいちばんやっていたし、いちばん上手かったです」

――2人から学んだことは大きかった?

「そうですね。プロやなって思いましたし、両方とも良い意味でのエゴイストっていうか。練習でも『オレがこのグループ分けのチームを勝たすんや』、『オレが決めるんや』っていうのは感じましたね。だから、ほんま良い意味でのエゴイストやと思います。自分で全部やるんじゃなくて、勝つようにやっているっていう感じ。リベリは、ゴール前で2対1(の数的不利)やったらパスを選択するし、崩しにいったりとかもするし。良くない意味でのエゴイストはロッペンですね。彼はそれでも点を取っちゃいますから。リベリほど捌けたり、回りの動きをみたりはあんましないです。ボールをもったら仕掛けることしか考えてないし、仕掛けて点を取って勝つことしか考えてない。それを結果につなげるから、それで正解なんですよね。どれが正解とか、それは最後ゴールになったら正解なんで、両方正解やと思います」

――なるほど。ほかにも得たものがあったら教えてください。

「得たのはありますけどね、色々。どれか1つっていうと……メンタルかなぁ。こういうと浅いかもしれないですけど、勝ちにこだわったり、外国人的な考え方になりましたね。ズバズバ言うし、練習でも勝負に自然にこだわるようになってきているし、ミスはしたくないし。1つ1つのプレーのこだわりが強くなったというか。こだわりというか、より“なんで上手くいかないか”っていうのを考えるようになりました。もっとこうなりたいな、って考えるんじゃなくて、うまくやれない自分に対してムカつくし、うまくボールが入ってこなかったときも『何で入ってこーへんのや』っていうのを考えるし、それも言うようになりましたね。行く前は要求とかも全くしなかったですけど、今はめちゃめちゃするようになったし、喋って喋って……とかもするようにはなった。自分勝手にやっているつもりはないですけど、色んな選手の話を聴きながらその選手に合わせるっていうのももちろん必要やし。だけど、自分がこうやった方がやりやすいっていうのは年齢関係なくはっきり言うようになりました」

宇佐美貴史

 

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