インタビュー&レポート

ホーム > インタビュー&レポート > 「バンドって言葉にならない約束みたいなものがあるんですよ」 1人で音楽が作れる時代に、4人でThe Novembersをやる意味を 人生を突き動かす衝動を追いかけた二度目のセルフタイトル 『The Novembers』を語る小林祐介(vo&g)インタビュー


「バンドって言葉にならない約束みたいなものがあるんですよ」
1人で音楽が作れる時代に、4人でThe Novembersをやる意味を
人生を突き動かす衝動を追いかけた二度目のセルフタイトル
『The Novembers』を語る小林祐介(vo&g)インタビュー

 “これは今の僕たちが凝縮されたロックアルバムです。やっぱりロックバンドってかっこいい。そんなアルバムです”。デビューEP以来のセルフタイトルを冠した9thアルバム『The Novembers』の発売に際し、小林祐介(vo&g)が掲げたステートメントを音で、言葉で証明する46分間に刻まれたのは、激しさと狂気を増せども美しさと気品を失わない、ポップセンスと揺るがぬ美学。コロナ禍を経て、バンドと並行して進行するさまざまな活動から母艦に集結した4人は、今一度プリミティブな衝動に身を委ね、全10曲にわたり自由に己を鳴らしている。そんな最新作をライブ会場で先行リリースした『Tour -The Novembers-』が昨年行われたが、先日、アルバムの幕開けを飾る圧巻の『BOY』のMVと共に、新たに『"The Novembers" Release Tour 2024』の開催を発表。5月11日(土)福岡・Fukuoka BEAT STATIONより、再び全国を巡る。青春を捧げた多くの音楽家たちの魂を受け継ぎ、ロックバンドというロマンに人生をベットする、The Novembers小林祐介インタビュー。



どこかしら満たされないというか、落ち着かない気持ちがみんなにあった


――小林さんのXを見ていたら、'23年の最後は大阪の路上で胴上げされて締めくくっていたんですね(笑)。

「アハハ!(笑) そうです、レディクレ(=『RADIO CRAZY』)の後に。いや~ビックリしましたけど」

――近年はTHE SPELLBOUNDとしても並行して活動していて、昨年末にはTV番組『関ジャム(完全燃SHOW)』でも取り上げられたりと、思いもよらないギフトもあって。'23年はThe Novembers自体も、小林さん個人としても、濃厚な一年だったんじゃないですか?

「自分のことも世の中の流れも、とても365日とは思えないぐらい、いろいろありましたよね。その都度、無我夢中でやってはきたんですけど、久しぶりにThe Novembersのアルバムを作れたことはやっぱりすごく大きかったです。The Novembersがうまく回らないまま、THE SPELLBOUNDやメンバーの他の活動が精力的になっていったタイミングでもあったので、どこかしら満たされないというか、落ち着かない気持ちがみんなにあったと思うんですよ。それが極限までいったとき、"自分たちの軸足はどこにあるのか、世の中にどんな音楽をシェアしたいのか"を、きちんと捉え直したんです。そうすると自然と曲作りができるようになって、リリースに向けて具体的に物事が動き始めた。"自分たちの意志とフィジカルで、人生を作っていくことができるんだ"と再認識した年でしたね」

――SNSでも何度もこの4人でThe Novembersでやる意味を問い、発信してましたね。

「今は一人でも音楽が作れるし、人の行動基準の中でタイパとかコスパの重要度が上がってきているじゃないですか? けど、ロックバンドをやるのは効率的じゃないし、ちょっと非合理なところもある活動だと思うんです。でも、そうじゃないと生まれない"何か"が、感じられない喜びや感動がどうしてもある。僕がそういうロックバンドに衝撃を受けて、青春を捧げた原風景があるからだとは思うんですけど、自分とメンバーが出会ったことで生まれた"何か"という替えの利かなさを、バンドとして証明したいんでしょうね」

――今ではThe Novembers以外の音楽的な手段も、充実感も得たのに、不思議なものですね。

「"もう人生の半分を、この4人でバンドをやっているんだからしょうがない"、みたいなところもありつつ(笑)、"自然体"と言うと聞こえ方が良くなり過ぎちゃうんですけど、僕らは4人がカッコいいと思うことだけを何も考えずにやってきてしまったので、周りのバンドがもっと早い段階で気付くような、自分たちの存在意義だとかをキャッチするのが遅かったんですよ。そこにコロナ禍が半ばショック療法的に機能して。THE SPELLBOUNDを始めたことで芽生えた新しいハードルとか基準を越えていかなきゃとプレッシャーを感じていたんですけど、The Novembersは4人いるし、助けてくれる仲間が周りにたくさんいるという当たり前のことに気付いてからは、僕の新曲を待ってくれるメンバーやファンがいることがモチベーションになりましたね」

――コロナ禍を経た3年ぶりの全国ツアー『THE NOVEMBERS Tour2022 -歓喜天-』の大阪公演の最後に、"この3年で1曲しか書けなかった"というMCがありましたけど、ちょっと前まではそんな状態だったと考えると、本当に精神と音楽は直結していると思いますね。ただ、そのMCとともに披露した『抱き合うように』(M-10)は一旦、お蔵入りしたんですよね? あそこまで気持ちが高ぶって、ほぼ曲も完成していたのに。

「あのときは、"大事な一曲をまずは完成させるんだ"と思ったんですけど、"もっと良くなるはず、もっといい曲が作れるはず"という病気にかかっちゃうと、目の前にあるものが取るに足らないものに見えてしまって...。けど、メンバーからの"あのアイデア良かったじゃん"というリアクションだったり、ファンの"新曲待ってます!"という言葉だったり、あとは、締め切りですよね。それが決まった瞬間に一気に加速する意欲、みたいな(笑)。でも、一番ギアが入ったのは、昨夏のDER ZIBETのISSAY(vo)さんの訃報を聞いたときかも。すごくショックなニュースだったので、自分は自分のやるべきことをやろうと、分かりやすくスイッチが切り替わったのかもしれないですね」

――昨年は素晴らしいアーティストがもうこの世にいないという現実を前に...じゃあ命ある自分は何をやるのかと。

「とにかく"後悔のないように"と思いました。いろいろな物事に、今回のアルバムを作るよう導いてもらった気がします。自分たちの満足がいくものという価値基準だけだったら、多分まだ完成していないと思う。ツアーが発表されて、それを待っていてくれた人がいる。そこもやっぱり後押しになりましたね」


リハスタで4人で集まって音を出している感じを
一番大事なものとして作品に残せた気がします


――今作では新たな挑戦というよりは、自然で意図的じゃないThe Novembersの存在そのものを伝えたかったと。

「リハにあったフィーリングが良くも悪くも洗練されていっちゃったり、どんどんトリミングされて別モノになってしまうのは制作時の"あるある"だと思うんですけど、今作では今のバンドそのもの、リハスタで4人で集まって音を出している感じを、一番大事なものとして作品に残せた気がします。それぞれが個人の活動からバンドに戻ってきたとき、"これは自分一人で作っていたら生まれないものだな"と強く感じたので」

――ただね、このタイミングで過去のストックが入ったハードディスクが壊れたというとんでもない話を聞いて。

「あれはもう頭が真っ白になりましたけど、それも神の啓示みたいに捉えるしかなくて。ちまちまパソコンとにらめっこしていないで、"リハスタに行ってメンバーに会いなさい"と言われているんだなって。あと、作品を出すたびに話題に上がるようなアイデアや印象的なフレーズは、みんな覚えているもんだなって」



――1曲目の『BOY』から、ノイジーでインダストリアルな高揚感×疾走感で最高の幕開けだなと。小林さんはロックミュージックの良さは、"ここではないどこかに連れていってくれる、一瞬で世界を変える力がある"と言っていましたけど、この曲はまさにそれだと思いました。そして、作っていく中で最もポップに変化した曲だとも。

「最初はもっとヘヴィでダークな質感だったんですけど、言葉と歌が乗ってどんどんエネルギッシュで"陽"な曲になっていったので、バンドのムードが出てきたなと思いました。曲の中にちゃんとメンバーがいる。ただ、ポジティブなヴァイブスを作品で表したいとは思っていたんですけど、出来上がったものはダブルミーニング的に、自己批判とか自分たちを省みる視点がある気がして。作っている最中はそんなことは1ミリも考えていなかったんですけど」

――それで言うと、メロウでニューウェイブな『Seaside』(M-2)には、"誰がなんて言おうと、したいようにしたいんだ"という一節がありますが。

「やりたいようにやった結果、その曲の終わりで道からそれて崖から車が落ちる、みたいな(笑)。完成した後に聴いてみて、好きにやるのはいいんだけど、人生はそれだけじゃない感じが表現できていたのは面白かったですね。ポジティブ馬鹿になっていない感じが」

――続く『誰も知らない』(M-3)は、MUSEをほうふつとさせる強烈で美しい曲で。冒頭3曲で今作のすごさを分からせる、圧倒的なものがありましたよ。


今の自分のマインドが、これまでの人生を良いものにも悪いものにもする


――『かたちあるもの、ぼくらをたばねて』(M-4)は昨夏、デビュー15周年に伴う展覧会(『かたちあるもの、ぼくらを束ねて -The Novembers 15th Anniversary Exhibition-』)をきっかけに生まれた曲だそうで。いろいろと振り返って感じることがあったんですね。

「過去を振り返ったとき、今の自分でも愛せるようなもの、大事だなと思うことを残せてきたというか..."頑張ってるじゃん自分"と思えた。そういうちょっとした今の自分のマインドが、これまでの人生を良いものにも悪いものにもするんだなと思ったんです。逆に言うと、もし今アルバムを作れていない自分が過去を振り返ったら、あの頃に戻ってやり直したくなったり、"何で今でも曲を作れてないんだ..."と思っちゃうはずで。それは今の自分が過去の自分を悪者にしちゃう呪いをかけているのと一緒なので。そういった意味では、いい過去になるような未来を今、生きている。何かスピリチュアルな話になっちゃいますけど」

――ただ、"THE MAD CAPSULE MARKETSのゴーストライターが德永英明だったら?"みたいなお題から『かたちあるもの、ぼくらをたばねて』を作ったと聞くと、どんな思考回路なんだと(笑)。

「アハハ!(笑) でも、曲を作るとき、そういう大喜利とかでゲラゲラ笑えるような柔らかい頭で、遊びながら作る余裕が大事だなと思いました。ずっと眉間にしわが寄っていると、そういう音楽になっちゃうので」

――"仮タイトルが明るいと、曲が暗くならない"みたいなことも言っていましたね。

「どれだけシリアスな曲を作っても、仮タイトルが『うどん』だったら、"言っても『うどん』だしな"って(笑)」

――アハハ!(笑) 『Cashmere』(M-8)は高松(浩史)(b)さん作ですが、個性が色濃く出ていますね。

「高松くんがコロナ禍で書きためた曲がどれもカッコ良くて。コンセプトアルバムが作れるぐらいの曲数があったんですけど、『Cashmere』を今作に入れたことでアルバム全体がカラフルになって、すごく良かったなって」

――今作が最高傑作だと声をそろえて言えるのは、4人が音楽を楽しんだのが形になったからでしょうね。

「大事な時間が凝縮されたアルバムだから、"これはすごく大切なものが出来上がったな"と自然に思えたし、いい作品ができた以上に、バンドにも、作品にも、ファンとのコミュニケーションに対しても、そういう心持ちで制作に臨めたこと自体がうれしかったですね」


5月から始まる『"The Novembers" Release Tour 2024』で
初めて答え合わせができるのかもしれない


――バンド名を冠したアルバムを作って改めて、自分の人生にとってThe Novembersはどんな場所だと思います?

「"愛を試す場所"ですかね(笑)。気持ちいい、心地いい、だけだったら、愛は宿らない。めんどくさいこと、憎らしくなるようなことがあっても、それでもあいつと一緒に何かしたい、それでもこいつを元気にさせたいとか、"それでも"という感情に対して必要なガソリンとか理由みたいなものが愛だと思っていて。誰かにいい影響を与えられることは何だろう、自分はどうしたら世の中の役に立つのか、いい方向に世の中を導いていけるだろうか...THE SPELLBOUNDでは、中野(雅之・b&prog)さんのでっかい愛にいろんなことを教えてもらったり、いろんなところに連れて行ってもらったり、導いてもらっている感覚がある。The Novembersは僕がみんなと一緒に未来に行くために、もしかしたら僕が引っ張っていく立場なのかもしれないし、自分で気付いて、自分で試して、自分で実行する場所が4人分ある。カッコいい音楽を作るのは当たり前で、誰かを元気にしたいとか、4人が集まったことに意味があると思いたいから頑張ろうみたいな...バンドって言葉にならない約束みたいなものがあるんですよ。それをレコーディングでもライブでも曲作りでも、ずーっと試され続けているような気がするんです、The Novembersって」

――19年バンドをやってきて、この純度がまだあるのはやっぱりすごいと思います。

「普通ならキャリア的にも落ち着いてきて、安定してきたことに悩む時期だと思うんですよ。なのにむしろ、安定できなくて悩んでいる(笑)。バンドの進んでいる時間が遅いからだと思うんですけどね」



――今作は、"初めて曲を体験してもらうなら目の前でバンドそのものを感じてほしい"ということで、ライブ会場でアルバムを先行リリースするツアー『Tour -The Novembers-』が昨年行われました。それこそThe Novembersのファンの方たちの愛や絆のようなものをより感じたツアーだったんじゃないですか?

「お客さんには大きなハードルがあって、アルバムの曲を全然聴いていないのに、そこに懸けられるかどうか。アルバム付きチケットを買ってくれた=The Novembersを信頼してくれたわけだから、本当に背筋が伸びましたね」

――好みじゃない作風の可能性だってありますし、まさに"The Novembersだから"という信頼感ですね。でも確かに、信頼されたら人って頑張れますよね。

「それ、ありますよね。特に初日の名古屋は、僕らも人前で演奏するのが初めてだし、当たり前だけどお客さんも聴くのが初めてだから、初めまして同士でお見合いしているみたいになって(笑)。でも、ライブの現場でただ音楽が演奏されていて、その空間をシェアしているというシンプルなところに立ち返ると、知っている曲を知っている人が聴いてうれしいみたいなところとは全然別軸のコミュニケーションができて、逆にすごく素直な感情が残ったんじゃないかな。もちろんツアー前に音源は出来上がっているから、サブスクで先に解禁もできたんですけど、今回の作品はそうじゃないやり方をしたくて。だからこそ、5月から始まる『"The Novembers" Release Tour 2024』で、初めて答え合わせができるのかもしれない。去年のツアー中から"リリースツアーをやってほしい"という声がありましたし、改めて'24年の音楽として鳴らしていくつもりなので」

――ちなみにですけど、今までに解散の危機とかはあったんですか?

「いやもう、常にじゃないかな?(笑) いつあってもおかしくないつもりで大事な時間を過ごしていますけど、やっぱり4人でやっていることなので、やりたくてもできないことは起きるので。ステージ上で音を鳴らすだけだと、バンドにはならないじゃないですか。自分たちが一つのバンドなんだという共通認識で、同じ何かを目指してやっている。そういう目に見えない思いとか熱量が可視化されるのがバンドだと思うんですよ。そこに人は心を動かされると僕は思っていて。芸術作品だったりパフォーマンスの中に、言葉では言い表せない、生きる上で大事なものとか尊いものが宿っていると、それだけでもう涙が出てくることもある。そういった魂みたいなものは持ち続けたいですね」

――今のThe Novembersを、今の自分で見に来てほしいですね、次のツアーで

「大事な作品を世に発表することができた後で行う初めてのツアーですけど、これを読んでくれているあなたに出会えるということは、僕にとってすごくいい未来に来れたことを意味していて。そういう未来に来られた誇らしさと、あなたに導いてもらった喜びの両方を、僕たちは今抱えている。それを確かめ合うようなツアーになればいいなと思っています。思いっ切り楽しみに来てください」

Text by 奥"ボウイ"昌史




(2024年3月11日更新)


Check

Release

小細工抜き、原点回帰の衝動溢れる
3年半ぶり9枚目のフルアルバム!

 
Album
『The Novembers』
発売中 3300円
MERZ
POCS-23040

<収録曲>
01. BOY
02. Seaside
03. 誰も知らない
04. かたちあるもの、ぼくらをたばねて
05. November
06. GAME
07. James Dean
08. Cashmere
09. Morning Sun
10. 抱き合うように

Profile

ザ・ノーベンバーズ…写真左より、高松浩史(b)、小林祐介(vo&g)、吉木諒祐(ds)、ケンゴマツモト(g)。’05年結成のオルタナティブロックバンド。’07年にEP『THE NOVEMBERS』でデビュー。’13年に自主レーベル“MERZ”を立ち上げ、現在まで精力的にリリース、ライブ活動を重ね、『FUJI ROCK FESTIVAL』をはじめさまざまな国内フェスティバルに出演。’23年12月6日には、9thアルバム『The Novembers』をリリースした。

The Novembers オフィシャルサイト
https://the-novembers.com/

Live

音と光の総合芸術たるライブ空間再び
リリースツアーが5月より開催へ!

 
『The Novembers Release Tour 2024』

【福岡公演】
▼5月11日(土)Fukuoka BEAT STATION
 

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード264-545
▼5月13日(月)19:00
梅田クラブクアトロ
一般チケット5000円
学割チケット2500円(当日要学生証)
GREENS■06(6882)1224
(https://www.greens-corp.co.jp/)
※小学生以下は入場不可。中学生以上は有料。学割チケットは入場の際、学生証のチェックが必要です。

チケット情報はこちら

 
【愛知公演】
▼5月15日(水)名古屋クラブクアトロ
【北海道公演】
▼6月28日(金)cube graden
【宮城公演】
▼7月17日(水)仙台 darwin
【新潟公演】
▼7月19日(金)GOLDEN PIGS BLACK STAGE
【石川公演】
▼7月21(日)金沢vanvanv4
【東京公演】
▼9月19日(木)LIQUIDROOM
 

Column1

「僕らはこういう瞬間のために
THE NOVEMBERSを始めて、
こういう時間に勇気をもらってる」
生きる喜びと音楽を取り戻す
3年ぶりの全国ツアー『歓喜天』
6/9梅田クラブクアトロ公演
ライブレポート!('22)

Column2

a flood of circle
VS THE NOVEMBERS
灼熱の記憶が蘇る
京都磔磔ライブレポート!('14)

Column3

実験と挑戦を繰り返し生まれた
どこまでも美しく気高い『GIFT』
オーケストラを迎えた意欲作と
バンドのパーソナリティを解明する
貴重な全員インタビュー!('12)

Column4

目の前の現実を疑え!
アルバム『To (melt into)』&
シングル『(Two) into holy』
で見せた劇的な新世界
小林祐介(vo&g)インタビュー('11)

Recommend!!

ライター奥“ボウイ”昌史さんの
オススメコメントはコチラ!

「2年前に『THE NOVEMBERS Tour2022 -歓喜天-』の大阪公演のライブレポートをしたとき(↑上記)、まるで変わらぬスタンスに対して研ぎ澄まされたすさまじいライブにぶっ飛ばされて…やっぱり信念のある人は違うなと感心したのを今でも覚えています。そして、インタビューは何と『GIFT』(’12)以来12年ぶりでしたが、12年前も今も変わらず思ったのは、The Novembersのパブリックイメージは孤高でクールですけど、当の本人はめちゃ人間味がある。ていうかむしろ熱い。新作の1曲目の『BOY』から、小林さんが多くの先人に憧れて音楽を志したように、“この曲を聴いてバンドを始めるヤツがいるんじゃないか?”と思わされる、そういう衝動を授けてくれる強烈なエネルギーを発していて。だから、新たなツアーが決まって本当によかった! この音源を聴けば、こうやって話をすれば、当然ライブが見たくなりますから。The Novembersみたいなバンドが自分たちの音楽を突き詰めるだけじゃなく、みんなをいい未来に連れていってくれようとするのも、うれしいギャップです。ギャップと言えば、『Morning Sun』(M-9)の仮タイトルが『池谷幸雄』だったと聞いたときは笑いました(笑)。それにしてもTHE SPELLBOUNDも含めて忙し過ぎやしませんかと。刺激ホリックになりそうと思ったら、“慣れると意外と大丈夫”と小林さん。タフだなぁ」