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「死ぬまでやるのがロックバンドだと思ってるんで」
時代を追いかけるのではなく、その先に行くために――
続いていくa flood of circleの歪で美しいドキュメンタリー
『CENTER OF THE EARTH』インタビュー&動画コメント

 再生するや否や、耳をつんざくギターリフからバンドの歴史を裏切ることなく超えていく、これぞa flood of circleなロックンロールアルバム『CENTER OF THE EARTH』。アオキテツ(g)の正式加入後初のアルバムとなった今作は、海外のトレンドにアンテナを張りつつ、幅広い音楽的嗜好を感じさせてきた近年の佐々木亮介(vo&g)のソロワークスとは異なり、徹底的にバンドで、圧倒的にロックンロール。13年という歳月をかけて今、運命の4人が共に音を奏でる歓びと、ロックバンドの生のグルーヴを爆発させる躍動感×疾走感というa flood of circleの勝利の法則を刻み付け、ここが世界の真ん中だと言わんばかりに雄叫びを上げる、フラッドの新たな座標軸となっている。そんな新作に至るバンドの成長過程から、非常に興味深い曲作りの“ボケ×ツッコミ”論まで、ラッパーからYouTuberまでを引き合いに出しながら多岐にわたる話を聞かせてくれた、佐々木亮介インタビュー。時代を追いかけるのではなく、その先に行くために。自分なりのやり方で己の道を切り拓く、全ての同志たちにこのインタビューを捧ぐ――。

 
 
曲作りって基本的に“ボケ”で、批評が“ツッコミ”だと思うんですよね
 
 
――『CENTER OF THE EARTH』が出たっていうのに、最近はシカゴにも行ってたけど。
 
「そうですね、次の物語の種をもう蒔いて(笑)」
 
――今はアプリのゲーム感覚で曲を書いてメンバーに送るぐらい、どんどん出てくると。
 
「例えば、テトリスとかって1面を5分ぐらいで遊び終わるじゃないですか? あの感覚でやってます(笑)。次は違うモードに進めるから1曲書くとか。曲ってみんなに聴いてもらうのが結構大事なんですよね、リリースもそうですけど。昔は曲を書くのに何であんなに時間がかかったのか不思議に思うぐらい、曲を書く楽しさは加速してますね」
 
――(アオキ)テツ(g)が加入して盤にも活動にも、ある種佐々木くんの発言とか振る舞いにもエネルギーを感じます。
 
「本当ですか? テツって10年一緒にやってきた仲じゃないからこそ、今一緒にa flood of circleを進化させられてる関係な気がするんですよね。もしかしたらですけど、曲を出すときに“テツに舐められちゃいけない”とかもあるのかもって、今初めて思ったけど(笑)」
 
――お兄ちゃんとして、じゃないけど(笑)。
 
「そうそう(笑)。今までは対バンも、友達も、ずっと年上ばっかりだったし。とか思うと、(リリースツアーの)『A FLOOD OF CIRCUS 大巡業 2019』で若いバンドとやるのもあるし、“フラッドのコピーバンドをやってました”みたいな人たちがだんだん出てきたりして、そのモードが変わってきたのはあると思うし」
 
――それだけ自分の体感が変わるぐらいバンドを続けてきた、音楽を続けてきたという。
 
「そうですね。今でも曲はいっぱい作りたくて…俺、曲作りって基本的に“ボケ”で、批評が“ツッコミ”だと思うんですよね。これは別に音楽だけじゃなくて、例えばどこかの政党に一票入れなきゃいけない投票のときとかも批評が大事だと思うんですよ。だから、普段はなるべく批評できるように頭を動かしておこうと思ってるんですけど、何かを生み出すときは、もう絶対に“ボケ”じゃなきゃダメで。批評してる側になっちゃダメなんですよね。夢中じゃないといけないというか。そのバランスが最近よくなってきた気はしますね」
 
――曲作りでそういう例えを聞いたのは初めてだね。めっちゃ面白いね、その感覚。
 
「今だったらラッパーとかが特にそうだと思うんですけど、みんなボケなんですよね。冷静に何かを語ってる時間はもちろんあるけど、曲を表現してるときは突き抜けてる」
 
――ある意味、そうじゃないと人前で歌えないかもね。
 
「そうなんですよね。本当は曲を書いて詞を書くなんて、恥ずかしい行為だと思うんですよ。基本的には教室の隅でポエムを書いてるのと全く一緒だと思う(笑)。それを発表する勇気を持つには、やっぱり天然ぐらいのボケで曲を書かないとダメだなって最近は思いましたね。そういう意味では、“俺が書く曲をa flood of circleとしてどう捉えるか”という批評を、メンバーがしてくれてる感じがして。“a flood of circleに必要かどうか”は彼らが判断してくれる。だから、ボケやすいのかもしれないです。ツッコんでくれるし、選んでくれるから」
 
――だから、佐々木くんはいろんなボケができる人と言ったらヘンだけど(笑)。
 
「まさにそうで、彼らがツッコんでくれないボケはソロでやるっていう(笑)。ツッコミって、日本のお笑いにしかないらしいんですよね。アメリカにはスタンドアップ・コメディがあるけど、1人でボケ続けてそれを見たお客さんが笑ってるだけなんですよ。ツッコミって=“ここが笑うところですよ”みたいな解説だから、それが多分日本の文化なんだなと。そう思うと、日本のバンドとしてやるときはメンバーがツッコんでくれるのがちょうどいいし、ソロがアメリカっぽいモードになるのはそこがあるのかもしれない。ツッコミがない方が、ボケ切った方が伝わる笑いみたいな…って何か全部お笑いに例えちゃってるけど(笑)。今って洋楽にボケが多過ぎて、日本でウケないのは“ツッコミがなさ過ぎるのかな?”ってちょっと思ったりもするんですけど。洋楽的なものに影響を受けながら、どうやって日本のバンドとしてその影響を落とし込んでいくのかには常に葛藤があって戦いでもあるんですけど、今はメンバーの審美眼を信じようと思ってるんですよね。だからやりやすいのかも」
 
――近年の佐々木くんのソロの加速度を見てると、“これをバンド本体でやりたくならないのかな?”とかいう気持ちにもなるし、逆にそういう佐々木くんを知ると、“何でこういうサウンドのバンドを、自分の活動のメインでやってるのか?”っていう、ハテナが出てくる(笑)。割と色が違うというか、あんまりイコール感がないというか。
 
「アハハ!(笑) でも、今はそれが自然なんじゃないかとも思ってて。ラッパーもすごい幅のある曲をみんなやってるし、バンドっぽい音だとしたら、例えば、川谷絵音(indigo la End、ゲスの極み乙女。、ジェニーハイ/他・vo,g)くんとかはすごい顔の違う音楽をいくつもやってて。米津玄師くんとかを聴いてても、バンドっぽい曲もあればピアノだけのものもあって、そういう気分はよく分かるなって。それは今のラッパーとかYouTuberの感覚とも近いような気がして、やりたいことはバンバンあるし機材も揃ってるから、1年に1枚とか言ってないで、YouTuberは毎日更新する。ラッパーも年に5作ぐらいミックステープを出すヤツが普通にいるし、そのペースが今は自然で、あんまり“俺はこうだ!”って思い込まない方が健康的かなって。人間っていろんな顔があるじゃないですか。高校生だってTwitterとかInstagramのアカウントをいくつも持ってるヤツがいるし、それが普通の感覚になり始めてるんじゃないかな? キャラがバラバラ過ぎていろんな価値観を認めない世界になったらまずいですけど、俺にとって音楽はアカウントじゃなくて表現だから。それをポップなものとして伝えたいし、いろんな顔があることを前向きに認め合うことができれば、うちのバンドみたいに出身地や性別や年齢がバラバラでも、1つの理想を持てるんで。だから、あくまで“バンドありき”って言ってるのはあるんですけど」
 
――その発想って時代と共に培われてきたのか、そもそもそういう自分だったけど、時代が自分の感覚に近付いてきたのかで言うと、どっちに近いの?
 
「後者かもしれないですね。最近思い出したんですけど、中・高生時代に軽音部とかに入って、だいたいギターから始めるじゃないですか。そうしたら、どうすればロックバンドっぽいかが、だんだん分かってくる。ただ、もう一方で当時、自分がリアルタイムで聴いてたKICK THE CAN CREWとかRIP SLYME、あと、リンプ・ビズキットとかも出てきたけど、“この感じ、超好きだけど、どうやっていいか分かんない”って、やるものとしては切り離して考えてきちゃった気がして。a flood of circleが始まってからは、よりバンドの世界にどっぷり浸かっていったんですけど、『花』('15)を作ったぐらいのときに、バンドの新曲を書いても新鮮に感じないところまで1回いっちゃったんですよね。で、曲ができなくなる。そのジレンマを超えてカニエ・ウェストとかを聴いたときに、“何でもアリでいいんじゃないか?”と思って、iPhoneとかGarageBandとか、そっちの世界の音にタッチしやすい環境が時代的にもだんだん整ってきて、“あ、できるかも!”みたいなワクワク感が爆発して。そこでさらに、ビートルズとかが好きだった気持ちを思い出して、“確かにもっと昔から何でもありだったじゃん!”って」
 
――今みたいに何でもできない時代にね。
 
「そう! ビートルズなんて10年ぐらいで異常な数の曲を作ってるし、ある意味、そこに立ち返ってきてるのかなぁ…自分の気分みたいなものが」
 
 
一周回ってみんながロックバンド的な表現を
生バンドならではのライブを欲しがってるんじゃないかって
 
 
――今作に関してはメンバーに輝いてほしいというか、さっきの話じゃないけど、“俺はこれをやりたいから”じゃなくて、選択権をメンバーに与えたのも面白いなと。
 
「テツが入ってきてからの空気もあるし、バンドもメンバーやっぱり好きだし、みんなのイメージがあるならそれを汲み取りたいと思ったんですよ。けど、“じゃあ曲を作ってこい”とか“イメージを考えてこい”って言うのも違うなと思ったから、いっぱいデモを作って、自分のあらん限りの引き出しを開けてみて、みんなが気に入った引き出しに何かが収まったらいいなっていう」
 
――今作を聴いたとき、“a flood of circleあるある”みたいなアルバムだなと思って。
 
「いい例え方してますね。確かに、“フラッドあるあるを今俺たちがやるなら”みたいなことになってる(笑)。だから、かなり危険なトライだったとは思うんですよ。やっててつまらなくなることも、フレッシュに聴こえない可能性もあったけど、そこはもうある意味、テツのお陰かもしれないですね。ニューモードに入るにあたってフラッドの足元を固めようじゃないけど、“ちゃんと必殺技を確認しよう!”っていう時期ではあったと思うし。田淵(智也・UNISON SQUARE GARDEN)さんの存在もすごくデカくて、先行シングルの『13分間の悪夢』(‘18)を作ったとき、UNISON SQUARE GARDENイズムを混ぜ込むとかじゃなくて、“俺はフラッドのファンだから。フラッドのここが好きなんだよね”みたいなことをハッキリ言ってくれたので、それはメンバーにもすごく影響してたと思いますね。“やっぱりうちらの武器はこれでしょ!”って、姐さん(=HISAYO・b)とかは本当に口癖のようにある日から言ってるし。そうやって今バンドが1つになれてるのかなっていうのもあるんで」
 
――ここ一連の佐々木くんのソロワークスとか今のモードを考えると、バンドでもちょっとそっち側に行くのかと思ったら、むしろギュッとフォーカスが絞られた。でも、歌詞の端々にはちゃんと’19年のムードがあって。
 
「その辺は自分でもちょっと気にしたバランスだったかも。a flood of circleって、良くも悪くも超民主主義なんですよ。やっぱり聞いちゃうんですよね、みんなの声を。“着いてこい!”だけじゃ前に進めないけど、みんなの意見を聞き過ぎたら聞き過ぎたで、“着いてこいって言ってくれよ”みたいになるんで(笑)、そこもバランスなんですけど。みんなが気持ちよくプレイできるもの=生のバンドのグルーヴだと思ったし、それを全開にした上で、例えばコーラスがチャンス・ザ・ラッパーっぽかったり、ラップっぽいフロウだったり、今の自分のモードとバンドの音のハマるポイントを探してミックスしていくっていう」
 
――ロックンロールなんだけど、言葉の乗せ方がラップっぽいっていう。『Backstreet Runners』(M-4)とかは特にね。そう考えると、今までやってきたことをトレースしてるのとは次元が違う、改めてa flood of circleの武器というか、刀を研ぎ直すじゃないけど。
 
「そういうタイミングだったと思いますね。テツが一番若くて、一番後から入ってきたのに、一番古めの、ギターが “ガーン!”と鳴ってる音楽が好きだから、そこが輝くようにはしたかったんですよね。やっぱりギターとドラムがうるさい=ライブだと思うので(笑)。あと、ポスト・マローンとかもここぞというライブでは絶対にバンドを従えてるし、去年亡くなったXXXテンタシオンとかも、ライブはロックバンド顔負けなぐらいめちゃくちゃ激しくて。ってことは、一周回ってみんながロックバンド的な表現を、生バンドならではのライブを欲しがってるんじゃないかっていう気もしたんで、そっちに思いっ切り舵を取れたというか、勇気を持とうと思った感じですね」
 
――トレンドを追いかけるのではなく、フラッドでその先に行くために。自分たちのルートで時代を先取る。
 
「“その先”っていうのはすごく意識しましたし、それで自分に決着を付けた感じですね。a flood of circleも成長過程だから、今すぐ“俺たちはこうです!”っていう答えを出す必要もないと思ったし、俺とテツのギターも混ぜ合わせてる時期というか、どのフレーズがOKかを一緒に考える過程にいるし、このアルバムでは本当にドキュメンタリーを見てもらってる感じですね。次のアルバムでは何か1つ答えを出したいなとも思うけど、今はその成長過程を楽しんでるし、成長過程じゃなきゃできない曲があると思ったんで、それをバッチリ切り取ることに尽力した感じですかね」
 
――長期スパンで物事を見てるからこその今作というか。
 
「テツが入ってきたってことは…メンバーが死ぬまでやるのがロックバンドだと思ってるんで一応、結婚みたいな感じで(笑)。前まではやっぱりサポートだったから、“このアルバムで何か1つの答えを出さなきゃ!”って焦ってたところもなくはないけど、今はその辺はちょっと能天気になれてる感じなので。ナベちゃん(=渡邊・ds)のドラムを見てても、眉間にしわを寄せてクリックに合わせて叩くよりも、レコーディング前に何となく叩いてるときの方がめちゃくちゃ音がいい。彼はやっぱり野獣的なところがあると思うので(笑)、それが活きるようにしたかったのはデカいですね。昔から、“a flood of circleは=ナベちゃんだ”って言ってきたんですけど、最近は“ナベちゃんとテツだ”になってきましたね。フラッドにはあの2人の爆発力がないと意味がないと思うんで。ただ、彼らは真面目だから、クリックとかで録り始めちゃうと“レコーディングってこういうもんだよな”と思っちゃうんで、その枠を改めて取っ払えたら強いなぁっていう今の気分ですね」
 
――やっぱり全部の車輪が、四輪がフル回転しないと、結局、遠くに行けないというか。
 
「いやもう、まさにそうで。バンドが四輪駆動だとしたら、お互いに心配しながら車輪を見合って走るんじゃなくて、横を見なくても同じペースで全速で走って行けるのが理想だと思うから、それをやろうとしてる最中というか。この次にどこに行くのかすごく楽しみだし、メンバーがどういうモードになっていくのかを俺も見てる感じですね」
 
――ちなみに、『ハイテンションソング』(M-8)とかは、ナベちゃんがタイトルを付けたんでしょ?
 


「そう! だから、『ハイテンションソング』っていう素直さとかビースト感は、やっぱりナベちゃんじゃないと思い付かない(笑)。ワンマンツアーのタイトルの『a flood of circle Tour CENTER OF THE EARTH〜アーユーハイテンション?〜』はテツが付けたんですけど、これもヤバいなと思って(笑)」
 
――アハハ!(笑)  めちゃめちゃかわいいなぁ。
 
「ただ、いろいろな音楽が好きだけど、はすに構えてフラッドをやってるわけじゃないし、フラッドが全ての物事のメインなんですよね、やっぱり」
 
 
自分のやってることが『CENTER OF THE EARTH』だって
言い切れるヤツは、まだ逆転の可能性がある
 
 
――あと、『Youth』(M-5)では、“頑張れ”という時に煙たがられる言葉が綴られていて。
 
「“頑張れって言われるのが辛い”って、もうめちゃくちゃよく聞くエピソードですよね。そういうことも分かるからこその、“頑張れ”の伝え方があるような気がして。“頑張れって言われるのは嫌です”っていう世界に、俺はもうちょっと飽きてきたんですよ。一歩前に進みたいし、その言葉を使って新しい表現ができたらいいなと思ったし、“頑張れ”とか“桜”とかもそうですけど、J-POPで使い古されてるワードを今ならフレッシュに聴かせられる自信があるんですよね。それもラップ的な表現と同時にやれてるからアリなんじゃないかと思ってるし、だからやっぱりアルバム単位で聴いてほしいんですよね。どこかだけ切り取られちゃうと、今のフラッドのイメージが伝らないと思うから」
 
――『スノードームの夜』(M-10)のコーラスは姐さん? 何かそこもちょっと新鮮でした。
 
「高い声は姐さんも入れてますね。本当は姐さんがリードボーカルの曲をそろそろ作りたいんですけどね(笑)。初回盤の特典CDでは、“サテツ”(佐々木亮介&アオキテツ)っていうユニットで、テツがリードボーカルをとってるんですよ。そういう遊びも最近はやる余裕が出てきたので、ライブでも姐さんが歌う時間があっていいんじゃないのって」
 
――そうね。でも、メンバーが頻繁に歌うバンドは解散するイメージもあるけど(笑)。
 
(一同爆笑)
 
「ダメじゃないっすか!(笑) でも、俺らはもう5回ぐらい解散してるようなもんだから(笑)」
 
――他のバンドにはない苦労もしてきたけど、今頃になってちゃんとスタートラインに立てたから、他のバンドがもう先にやっちゃった楽しみがまだ残ってる感じはいいよね。
 
「本当にそうかもしれないですね。バンドを続けていくことについてよく話したり歌にもしてきたけど、ある意味、一番続けられてないバンドだったんで(笑)。“暫定、死ぬまで一緒ですよね”ってわざわざメンバーには言いませんけど、バンドを続ける喜びがこれから本当に分かるのかもと思って、楽しみにしてますね。続けないとぶつからないと思うし、ぶつかってどこかで追い込まれるかもしれないけど、今ならそれさえも楽しみじゃないけど、その時間じゃなきゃできない曲があると分かって向き合えそうだから。テツとギターのフレーズを確かめ合ってる最中だって言いましたけど、お互いのことなんてもう知り尽くした時期にできる曲もあるだろうから、それも楽しみですしね」
 
――テツが作品には参加してるけどサポートだった時期は事実婚みたいな話を前にしたけど、籍を入れて、今回のアルバムで家を買い35年ローンを組んだ、みたいな(笑)。
 
「アハハ!(笑) いいこと言ってる。でも、本当にそんな感じですね」
 
――今作のタイトル曲『Center Of The Earth』(M-12)ができたのはどのタイミング?
 


「元々、同じタイトルでもっとバラード寄りの曲があったんですよ。それは田淵さんも共有してて、実はそこから違う形に進化したのが『夏の砂漠』(M-11)だったんですけど、元のデモもよかったなと思ってたんで、また違う形で進化させたのがこれですね。そのままやってもよかったんですけど、フラッドがビーストモードに入ってたので(笑)。アルバムの全体像が見えてきて、テンションの高い曲が前半に揃ってきたんで、最後に置ける曲にアレンジし直そうと思ってイントロを付けたりして」
 
――そして、テツがミックスチェックのときに聴いて、自分で感動して泣くっていうね(笑)。端々に改めて走っていくバンドの現状みたいなものを感じますね。
 
「あぁ〜出ちゃってるかもしれないですね。確かに、“さんざん汚したコンバースで”って書いてますけど、テツがよく履いてるのがコンバースなんですよね。今、気付いたけど、無意識にバンドのことを書いちゃってたのかもしれないなぁ。何となくそこはドクターマーチンじゃなかったんですよね」
 
――このタイトルはそもそもどこから?
 
「『十五少年漂流記』(1888)とかも書いてるジュール・ヴェルヌの本(原題『地底旅行』(1864))からで、昔から好きな言葉ではあったんですよね。この間、THE PINBALLSの古川(貴之・vo)さんからも“俺もこれ使いたかった〜!” みたいに言われましたけど(笑)、歌詞を書いていくときに…まぁずっと言ってることですけど、ロックンロールバンドがメインストリームにいない時代にバンドを始めてるし、ウエノコウジ(ex.THEE MICHELLE GUN ELEPHANT、The HIATUS、Radio Caroline/他・b)さんとかと、“今、ロックンロールとか言って生きていける世界じゃないよな”とか話すんですけど、それを分かった上で次に行きましょうよっていうのもあるから、『CENTER OF THE EARTH』は宣言ですよね。俺たちがやってることもそうだし、スポーツでも何でも、今、自分が王者じゃない人も、自分のやり方が間違ってないと信じていればそこにたどり着ける道はあると思うんで。自分のやってることが『CENTER OF THE EARTH』だって言い切れるヤツは、まだ逆転の可能性がある。そこに懸けたいし、そういう野望を持ってるまだ見ぬ仲間がいるような気がしてるんで、そういう人たちに語りかけてる言葉でもあります」
 
――そして、今作には前までどうしてもつきまとっていた悲壮感が全くなくて。
 
「確かに。“悔しいな”とか“ムカつくな”は今でもいっぱいあるけど、それも愛があるから怒りが湧いてくるというか。物事をよくしようというときに、余計なルールとかがあってできないとムカつくじゃないですか。そういう前向きなエネルギーなんですよね」
 
 
バンドが好きだからこそ、あがいてる
 
 
――ライブに関しては、リリースツアー関西編で言うと、まずは対バンツアーの『A FLOOD OF CIRCUS 大巡業 2019』でclimbgrowとSaucy Dogとやって。Saucy Dogはテツが元いたバンドというので。
 
「激エモですよ(笑)。俺はフラッドしかやってきてないから、元いたバンドと対バンすることは有り得ないわけじゃないですか。だから、テツはどんな気持ちなんだろうと思って(笑)。しかもテツがバンドの立ち上げメンバーで、思い入れもあるみたいだったし」
 
――しかも、今すごく勢いのあるバンドだしね。
 
「そうそう。だから、テツが辞めると売れるっていう(笑)」
 
――アハハハハ!(笑) フラッドも辞めたら売れるのかな?(笑)
 
「だから最近、よく意地悪で“いつ辞めるの?”って言ってるんですけど(笑)。去年の年末のライブから、本当に1本1本進化してる感じだったんでこのツアーでも爆発したいし、さっきの“暫定、死ぬまで”があると(笑)、テツに昔の曲を覚えてもらえる余裕があるんですよね。サポートだとそのときの新曲と定番の曲をやるので精一杯だけど、今はもう…俺らが覚えてないぐらいの曲を(笑)、さらっとやれたりもするので。レパートリーがどんどん増えていってるんで、“フラッドのあの頃しか知らない”っていう人もいると思うんだけど、今ライブに来るとその頃の曲も普通にやれてるので、結構面白いと思います。ファンの人って俺が思ってもみなかったような曲に、めちゃめちゃ思い入れがあったりするんですよね。そういう曲も楽しんでもらえると思うので」
 
――対バンツアー後は、東京での主催イベント『A FLOOD OF CIRCUS 2019』、6月からは再びワンマンツアーの『a flood of circle Tour CENTER OF THE EARTH〜アーユーハイテンション?〜』と続きます。最後に、今の佐々木くんの思うところを聞きたいなと。
 
「“やっぱりバンドが好きだな”っていうのが今は一番デカいですね。メンバーといろいろ考えることを楽しみたいし、俺ができないことは彼らが助けてくれるし、こういうインタビューとかもそうだけど、彼らが動かないところで俺は動いてっていう…めちゃくちゃ美しい状態に突入してるので、ツアーではもうちょっとバチバチ度を高めたいなと思ってて。ちょっとハイテンションで、緊張感高めでいけるとより面白いかなって気がしてます。10年やってるバンドって途中から聴きにくいかなと思ったりもしますけど、今、フラッドの新しい物語が始まってるから、今、入ってきてほしい気持ちはありますね。10年やってるけど、今、ドンピシャで聴けるサウンドになってると思うので」
 
――佐々木くんは音楽的な嗜好が幅広いのに、結局バンドが好きなのは面白いね。
 
「バンドが好きだからこそ、あがいてるのかもしれないですね。それがなかったら俺、YouTuberとかやってるかもしれない(笑)。子供の頃、転勤が多かったのもあって、自分が唯一ずっと好きでいられたものが、スピッツとかビートルズとか、バンドの音楽なんですよね。もうそれは圧倒的に俺の中にあるので。どっちも4人組で音楽を作り続ける…ビートルズは燃え尽きましたけど、すごく濃い時間があって、ずっと聴ける音楽があって、スピッツは今でもずっと続けてくれてたり…そういう“バンドでやる音楽”がもう十字架のように突き刺さってる(笑)。最近は活動休止して復活するバンドも多いじゃないですか。それを喜ぶ気持ちも分かるけど、俺はずっと続いてるバンドの方がカッコいいと思ってるんで。この物語を止める気もないしっていう感じですね」
 
 
Text by 奥“ボウイ”昌史



ライター奥“ボウイ”昌史さんからのオススメ!
 
「フラッドにはもう10回以上インタビューしてきましたが、今回の話は刺激的だったな~。佐々木くん、全然『関ジャム』とかでコメンテーターできるわ(笑)。曲作りの“ボケ×ツッコミ”論も最高で、リリースインタビューの範疇を超えた面白い話になりました。奥が深いぜ佐々木亮介! そして、ここ最近の佐々木くんのソロワークスからすると、ある意味、意外な出来だった今回の『CENTER OF THE EARTH』。個人的にはもっとソロと近い風味が出るのかと思いきや、むしろよりフラッドな、ロックバンド然とした作品になってビックリ。そこには何よりバンドマンとして生きる歓びや、メンバーという猛獣をコントロールする司令塔としての役割や(笑)、バンドを運営するマネージメント的な観念や、佐々木くん本来の人としての優しさや、いろんなものを感じつつ。巡り巡って“やっぱりバンドが好き”となった終盤の話も、何だかグッときたな。これからも同志であるフラッドと、このインタビューを読んでくれた同志であるあなたと、その先を見るまでは辞められないな。ちなみに、フラッドは何気に今年でデビュー10周年なので、何かしらその手の展開も今後はあるのかなと。年表とか当時のアー写とかMVを見ながら、酒呑んでトークライブとかしたら面白そうやな~(笑)」

(2019年3月27日更新)


Check

Movie

告知と関西での密かな野望!?
佐々木亮介(vo&g)からの動画コメント

Release

凄まじい熱量を放ち駆け抜ける
これぞフラッドな全12曲47分!

Album
『CENTER OF THE EARTH』
発売中 3800円(税別)
【初回限定盤特典CD付】
Imperial Records
TECI-1621
【通常盤】
発売中 3000円(税別)
Imperial Records
TECI-1622

<収録曲>
01. Flood
02. Vampire Kila
03. 光の歌
04. Backstreet Runners
05. Youth
06. ベイビーそれじゃまた
07. 美しい悪夢
08. ハイテンションソング
09. Drive All Night
10. スノードームの夜
11. 夏の砂漠
12. Center Of The Earth

<特典CD収録曲>
サテツ(佐々木亮介&アオキテツ)
01. Champagne Free Flow
02. LALILA(あるいは気を失うまで)
03. Golden Dead Cigar

TVアニメ『群青のマグメル』に
書き下ろしたシングルを発売へ!

Single
『The Key』 New!
4月24日(水)発売
1300円(税別)
Imperial Records
TECI-678

<収録曲>
01. The Key
02. Backstreet Runners Ⅱ
03. 群青日和(東京事変cover)
04. The Key -群青のマグメルver.-

Profile

ア・フラッド・オブ・サークル…写真左より、HISAYO(b)、佐々木亮介(vo&g)、アオキテツ(g)、渡邊一丘(ds)。’06年結成。ブルース、ロックンロールをベースにしつつも、常にコンテンポラリーな音楽要素を吸収しそれをAFOC流のロックンロールとして昇華させたサウンドと、佐々木の強烈な歌声、観る者を圧倒するライブパフォーマンスで話題を集める。’07年、初音源となるミニアルバム『a flood of circle』をリリースし、『FUJI ROCK FESTIVAL ‘07』にも出演。’09年には1stアルバム『BUFFARO SOUL』でメジャーデビューを果たすものの、メンバーの失踪や脱退を経験し、’10年にはHISAYOが加入。以降も精力的にライブとリリースを重ね、結成10周年を迎えた’16年にはベストアルバム『THE BLUE -AFOC 2006-2015-』をリリース、初の海外公演を行ったほか、主催イベント『A FLOOD OF CIRCUS』をスタート。’18年2月にはサポートギタリストのアオキテツが正式加入し、2度目のセルフタイトルアルバム『a flood of circle』をリリース。結成12年目にしてオリコンウイークリーチャート最高位を記録する。同年11月には、UNISON SQUARE GARDEN田淵智也(b)プロデュースのトリプルAサイドシングル『13分間の悪夢』を、’19年3月6日には、最新アルバム『CENTER OF THE EARTH』をリリース。4月24日(水)には、TVアニメ『群青のマグメル』エンディングテーマとして書き下ろしたシングル『The Key』をリリース予定。

a flood of circle オフィシャルサイト
http://www.afloodofcircle.com/

Live

対バンツアー、自主企画、
イベント出演を経てワンマンツアーへ

 
『A FLOOD OF CIRCUS 大巡業 2019』

【京都公演】
▼3月9日(土)磔磔
[共演]climbgrow
【兵庫公演】
▼3月10日(日)神戸 太陽と虎
[共演]climbgrow
【岩手公演】
▼3月14日(木)club change WAVE
[共演]ビレッジマンズストア
【宮城公演】
▼3月15日(金)仙台CLUB JUNK BOX
[共演]ビレッジマンズストア
【福岡公演】
▼3月21日(木・祝)・22(金)INSA
[共演]夜の本気ダンス

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード132-824
▼3月29日(金)19:00/30日(土)18:00
Shangri-La
[共演]Saucy Dog
オールスタンディング3800円
清水音泉■06(6357)3666

チケット情報はこちら

 
【愛知公演】
▼4月4日(木)・5日(金)池下CLUB UPSET
[共演]THE PINBALLS


【東京公演】
『A FLOOD OF CIRCUS 2019』
Thank you, Sold Out!!
▼4月13日(土)TSUTAYA O-EAST
[共演]the pillows/THE BAWDIES/爆弾ジョニー/climbgrow/THE KEBABS/他

【大阪公演】
『Rocks ForChile 2019』
チケット発売中 Pコード144-334
▼5月11日(土)11:00
服部緑地野外音楽堂
全席自由5500円
[出演]佐々木亮介/新里英之/ストレイテナー(ACOUSTIC)/村松拓/他
夢番地■06(6341)3525
※雨天決行・荒天中止。小学生以下は保護者(20歳以上)1名につき2名まで無料。公演当日、20歳以下の方は年齢の確認できる身分証明書提示で1000円返金。【オフィシャルサイト】http://rocksforchile.com/2019/

チケット情報はこちら


【大阪公演】
『SAKAI MEETING 2019』
一般発売3月30日(土)
Pコード140-939
▼5月25日(土)11:00
堺市 海とのふれあい広場特設会場
入場券6999円
駐車場付入場券8999円
[出演]THE→CHINA WIFE MOTORS/GOOD4NOTHING/a flood of circle/BRAHMAN/Buck-O-Nine/BURL/
Dizzy Sunfist/dustbox/GARLICBOYS/HAWAIIAN6/LEFT ALONE/locofrank/
My Hair is Bad/SIX LOUNGE/他
SMASH WEST■06(6535)5569
※雨天決行、荒天中止。未就学児童は保護者同伴に限り無料。60歳以上は身分証提示で無料。【駐車券付入場券に関して】車1台につき駐車券1枚必要。運転手(代表者)のみご購入ください。駐車券のみの販売はございません。<オフィシャルサイト>http://sakaimeeting.jp/

チケット情報はこちら

 
 
『a flood of circle Tour
 CENTER OF THE EARTH
~アーユーハイテンション?~』

【千葉公演】
▼6月9日(日)千葉LOOK
【香川公演】
▼6月13日(木)DIME

Pick Up!!

【大阪公演】

一般発売4月20日(土)
Pコード145-975
▼6月14日(金)19:00
umeda TRAD(旧umeda AKASO)
オールスタンディング3000円
清水音泉■06(6357)3666
※未就学児童は入場不可。

チケット情報はこちら

 
【福岡公演】
▼6月16日(日)LIVE HOUSE CB
【愛知公演】
▼6月21日(金)名古屋CLUB QUATTRO
【大分公演】
▼6月23日(日)club SPOT
【岡山公演】
▼6月25日(火)岡山ペパーランド
【北海道公演】
▼6月28日(金)cube garden
【宮城公演】
▼6月30日(日)仙台CLUB JUNK BOX
【長野公演】
▼7月6日(土)長野ライブハウスJ
【茨城公演】
▼7月7日(日)水戸ライトハウス
【東京公演】
▼7月13日(土)マイナビBLITZ赤坂
 

Column1

「フラッドはあそこから始まった
って言われるツアーになると思う」
最強の宣戦布告を手に
いよいよワンマンシリーズ突入!
『a flood of circle』
全員インタビュー&動画コメント

Column2

「俺たちにとっては、もうここで
辞めても悔いがない10年じゃなくて
悔しい悔しいの10年なんですよ」
a flood of circleのロックンロール
サバイバルな10年を刻んだ初ベスト
『THE BLUE』インタビュー

Column3

暴れるのは誰にでも出来る
踊るのはセンスがないと出来んから
a flood of circleと女王蜂が
神戸で激突! 『Kansai college
chart LIVE!』レポート

Column4

大きな愛とプライドを込めた
これぞa flood of circleな決意表明
“生き残る”より“勝ち残る”未来を
見据えて吼える『花』インタビュー

Column5

他にもあります歴代インタビュー!

 
『ベストライド』('15)
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『GOLDEN TIME』('15)
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afoc VS THE NOVEMBERS
京都磔磔レポート('14)

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『I'M FREE』('13)
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『FUCK FOREVER』('13)
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『LOVE IS LIKE A
 ROCK'N'ROLL』('12)

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