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ホーム > インタビュー&レポート > “日本語直訳ロック”でおなじみの王様と磯貝サイモンをゲストに迎え 関西発のこれからの才能たちが熱いライブ! 9/16(日)摂津市民文化ホール(くすのきホール) 『南千里丘Rock Museum 2018』=“丘ロック”ライブレポート


“日本語直訳ロック”でおなじみの王様と磯貝サイモンをゲストに迎え
関西発のこれからの才能たちが熱いライブ!
9/16(日)摂津市民文化ホール(くすのきホール)
『南千里丘Rock Museum 2018』=“丘ロック”ライブレポート

 大阪・北摂は南千里丘を舞台にした音楽イベント『南千里丘Rock Museum』が9月16日、摂津市民文化ホール(くすのきホール)にて開催された。今年で6回目となった『南千里丘Rock Museum』=通称“丘ロック”は、同イベントではおなじみの“日本語直訳ロック”×超絶テクニックのギターで一世を風靡した王様や、ゆずやレキシ、flumpool、スキマスイッチなどのツアーサポート、嵐やKARA、ナオト・インティライミらへの楽曲提供とマルチに活躍する磯貝サイモンをゲストに迎え、音楽と地元をこよなく愛する実行委員会目利きのアーティストたちが集結。昨年の台風による悪天候が嘘のような快晴の中、様々な個性がぶつかり合った1日をレポート!

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 開会宣言からいきなりのサプライズ。何とたまたまイベントに遊びに来ていたというお笑い芸人・クロスバー直撃の渡邊孝平も急遽ステージに上がり(笑)、MCの横井三香子と共にオーディエンスを巻き込んだ“丘ロック”コールで幕を開けた、今年の『南千里丘Rock Museum』。

okarock2018_mhk.jpgokarock2018_mizutamaremon.jpg 茨木西高校のメンバーで結成されたトップバッターにして初出演のMHKは、当日に向けた決起集会で元気付けられたエピソードを交えながら初々しいパフォーマンスを見せ、男女混合の5人組・水玉檸檬は母への想いを綴ったバラードからアップテンポなロックナンバーまでを緩急自在に披露する。
 

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okarock2018_satoshuto.jpg お揃いの衣装を身にまとった北千里高校ガールズスリーピースバンドnidoneは、初めてのホールライブで緊張していると告げつつも、機材トラブルをとっさのMCで巧みにカバーするたくましいステージ。続いて、悪天候の中歌った昨年を振り返りながら、「最高な日にしましょう!」と大きなホールの最後部まで突き刺さる歌声で観客を引き込んだのは、佐藤秀人。アコースティックギターと歌声のみで全てが伝わる堂々とした佇まいとは裏腹に、終始人懐っこく語りかけるようなライブは、今年も丘ロックのハイライトとして機能していた。
 

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 ここで1組目のゲストとなる磯貝サイモンが登場! 5月にもアコースティック・ワンマンライブ『レストラン磯』にて摂津市のcafe & dining Azaleaに訪れた彼が、「いくつになっても走り出せば、希望に終わりはない」という想いを込め30歳のときに書いたという『30』からライブはスタート。続く『ほくろときみのラブストーリー』といい、日常ちょい脇に目を落とした独自の目線の詞世界を、しなやかな歌声とグッドメロディで届けていく。自身の故郷・神奈川県相模原市と摂津市に面影を重ねながら、切々と歌い上げた名曲『初恋に捧ぐ歌』では、会場が息を呑むような感動に包まれる。一転、「ちょっと盛り上げていきましょうか!」とKyleeに楽曲提供した『CRAZY FOR YOU』のセルフカバーでも大いに沸かせ、檜造りのホールの響きをステージ上で全身で感じながら気持ちよさそうに歌う。最後に「みんなのことを応援できるようにこの曲を」と披露した『重々承知のハイジャンプ』まで、珠玉のポップソング群で観る者の心に優しく火を灯してくれた磯貝サイモンだった。
 

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 女性デュオ“うたんちゅ”のメンバーとしても知られる近藤美里は、鍵盤弾き語りで豊潤な歌声を聴かせ観客を魅了。知り合いが多く以前からよく足を運んでいたという摂津市で歌える喜びを語りつつ、聴く者の胸に深く染みわたる叙情的な楽曲の数々で、目の前に景色が広がるようなさすがのライブを見せてくれた。
 

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 そんな熱いライブが続く中、今年の『南千里丘Rock Museum』のメインビジュアルが施されたクリエイターズTシャツと、人気テレビ番組『満点☆青空レストラン』でも紹介されたブランド野菜“鳥飼なす”が当たる抽選会も実施され、いざ後半戦へと突入! 今年はトリプルボーカル×トリプルギターにドラム、ベース、キーボードという最大9人編成で、ステッペンウルフ、キッス、ボン・ジョヴィらの名曲をド迫力の演奏で聴かせたちーむCS・KK(仮々)、そのOBを主体に構成されたCS・シニアは、さらに上を行くような貫禄溢れるプレイで会場を圧倒。丘ロックに脈打つCSの偉大なる足跡を存分に感じさせてくれた。
 

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 タイトでキレのある演奏でたたみかけたBriller Genie Fusionは、摂津市の大阪人間科学大学で結成された5人組バンド。実行委員会の一員として動きながら出演も果たした各プレイヤーの個性際立つパフォーマンスで一気に駆け抜け、2組目のゲストとなる王様へとバトンタッチ!
 

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 そして、丘ロックと言えばこの人! 王様が、冒頭からビートルズの『昨日(イエスタデイ)』『あるがままにしてください(レット・イット・ビー)』を立て続けに披露し、“日本語直訳ロック”とは何たるかを一目瞭然で会場に知らしめ、軽妙なトークと共にステージを進行していく。続く「地名は訳せない」と嘆いた(笑)キッスの『踊るデトロイト(デトロイト・ロック・シティ)』、「訳すと演歌みたいなタイトル」というのも納得のジャーニーの『別れ道(セパレイト・ウェイズ)』でも、9代目テンポたもつくん=MDプレイヤーをバックに巧みなギタープレイを聴かせまくる! ここで、「毎年ゲストに呼んでもらっているので、いつもと違う曲を」と、夏にしかやらない貴重なオリジナル曲を。あの『千の風になって』スレスレのアンサーソング『万の土になった~お墓参りに行こう~』を歌い上げるも(笑)、ギターソロではジミー・ペイジが憑依するなど直訳ロッカー魂を忘れない。そして、息子がベーシストを務めるバンド(ステレオガール)の告知も忘れない(笑)。「最後に王様のギターテクニックをガツンと披露します!」と放ったヴァン・ヘイレンの『ぴょん(ジャンプ)』まで、今年も丘ロック×王様という鉄板のステージは健在だった。
 

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 本日2回目のプレゼント抽選会を挟んで、いよいよ丘ロックも終盤へ! 力強いドラミングでライブの幕開けを告げたGLOWは、90sな音色が耳に残るサウンドとハリのある歌声が魅力。ホールでライブをする気持ちよさと実行委員会への感謝を述べつつ、念願の丘ロック出演を心から楽しんでいた。
 

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 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のテーマを背にステージに登場したAntilithiumは、メロディックで疾走感溢れるサウンドとコーラスワークで魅せ、MASA(g)がステージを降り客席を横切りながらギターを弾くシーンも! 4人が一丸となって叫び奏でる光景は、丘ロックにふさわしい情熱とエネルギーに満ちていた。
 

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 そして、ラストは恒例の王様とのスペシャルセッションへ。親子ほど歳の離れた出演者たちと共に、『高速道路の星(ハイウェイ・スター)』『湖上の煙(スモーク・オン・ザ・ウォーター)』『黒い夜(ブラック・ナイト)』『燃えろ(バーン)』と、ディープ・パープルのロック・クラシックな名曲を怒涛の四連発! 今年も丘ロックのエンディングを大いに盛り上げ、世代を越えた6時間に及ぶ音楽の宴が見事に幕を閉じた。
 
 
Text by 奥“ボウイ”昌史
Photo by 森好弘

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(2018年10月17日更新)


Check
当日は最寄りの阪急摂津市駅等よりフラッグが立てられオーディエンスをお出迎え。『Creative Expo Taiwan 2017』『UNKNOWN ASIA Art Exchange Osaka 2017』にて注目されたイラストレーターmoeによるポスタービジュアルが張り出された摂津市民文化ホール(くすのきホール)には、歴代の出演者のサイン入りTシャツやタイムテーブル、Instagram撮影用のフレームなども設置。'16年11月に座席を新調し舞台も檜に貼り替えられるなど装いも新たにリニューアルオープンした

Time Table

幻の食材“鳥飼なす”が当たる抽選会も
最高の環境で贈る6時間にわたる音楽祭

 
『南千里丘Rock Museum』
2018年9月16日(日)
at 摂津市民文化ホール(くすのきホール)

12:00~ MHK
12:20~ 水玉檸檬
12:40~ nidone
13:00~ 佐藤秀人
13:20~ 磯貝サイモン
14:00~ 近藤美里
14:40~ ちーむCS・KK
15:00~ CS・シニア
15:20~ Briller Genie Fusion
15:40~ 王様
16:30~ GLOW
16:50~ Antilithium
17:10~ セッション with 王様

Link

南千里丘Rock Museum
オフィシャルサイト
http://oka-rock.jp/

南千里丘Rock Museum
オフィシャルTwitter
https://twitter.com/ok_rock2018

Live

今後は王様は毎月関西でライブ!
磯貝サイモンは12月に大阪ワンマンも

 
●王様

【大阪公演】
『ひとり in 大阪・阿倍野』
チケット発売中
▼10月20日(土)19:30
ザ・ロック食堂
チャージ3000円
ザ・ロック食堂■06(4399)5353

【奈良公演】
『ひとり&セッション in 奈良・香芝』
チケット発売中
▼10月21日(日)17:00
ポップイン
予約3000円
ポップイン■0745(77)9994

【大阪公演】
『ひとり+セッション会 in 大阪・南堀江』
チケット発売中
▼11月3日(土・祝)19:00
南堀江knave
前売3000円
[共演]RSG(ルドルフ・シェン子・グループ)/ScatRaw
南堀江knave■06(6535)0691

【和歌山公演】
『ひとり in 和歌山・新宮』
チケット発売中
▼11月4日(日)19:00
Live&Bar TONGA
前売3000円(ドリンク付)
[共演]Akkoと不愉快な仲間たち/
PETER BLACK MORE
Live&Bar TONGA■0735(23)2778

【大阪公演】
『ひとり in 大阪・塚本』
▼12月6日(木)
HOWLIN`BAR
※詳細未定
HOWLIN`BAR■06(4808)2212

【大阪公演】
『ひとり in 大阪・桃谷』
▼12月7日(金)
からあげ Bar はらんべ
※詳細未定
からあげ Bar はらんべ■06(6777)6243

【兵庫公演】
『ひとり in 兵庫・神戸』
チケット発売中
▼12月8日(土)19:30
STUDIO KIKI
前売3000円
[共演]6th Valley Blues Band
STUDIO KIKI■078(332)5160

【大阪公演】
『Koi.Koi.Koi Fes in 大阪・池田』
▼12月9日(日)
LIVE & BAR 朝日楼
[共演]KAJA/本夛マキ/他
※詳細未定
LIVE & BAR 朝日楼■072(741)1911


●磯貝サイモン

【大阪公演】
『磯貝サイモンの干支1周記念TOUR
~ねうしとらうたつみうまひつじさる
 とりいぬいおおさか~』
一般発売10月27日(土)
▼12月1日(土)昼12:30
Soap opera classics
前売4500円
Soap opera classics■06(6809)1703
※3歳以上チケット必要。


Column1

FERN PLANET、Rei、
Drop'sが極上ライブ!
『南千里丘Rock Museum 2018』
=丘ロックの素晴らしき前哨戦
『音-Neji parts1』ライブレポート

Column2

昨年の模様はコチラ!
まばゆき原石たちが丘ロックに集結
『南千里丘Rock Museum 2017』
ライブレポート

Column3

“I’m a SINGER SONGWRITER”
サポートにアレンジに曲提供にと
マルチな才能を魅せる
磯貝サイモンの決意表明
『Human Tricycle』インタビュー