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「みんな大丈夫? こんなアーティストを20年も応援してて(笑)」
SURFACE再始動も話題の椎名慶治が
挑戦のバラードシングル『凹凸』からデビュー20周年への想いを語る
ニコニコ本社でのぶっちゃけ公開インタビューを再現!

 バンドでも、シンガーでも、自らの名をお茶の間に知らしめる最初の1曲がバラードになることは、案外少ないことではない。逆を言えば、バラードで名曲を書けることがヒットへの最初の条件。そんな命題であり鬼門に椎名慶治が挑んだ6年ぶりのシングルであり、バラードを初の表題曲とした『凹凸(おうとつ)』は、作曲&プロデュースに山口寛雄(b・100s)、作詞に野口圭という盟友を共作に迎えた盤石の体制で制作。椎名慶治の音楽を形成する核となる歌声で、言葉で、メロディで、ソロとしての第二期の幕開けを告げるような1曲となっている。また、カップリングには’16年12月に逝去したシンガーソングライター/プロデューサー/アレンジャー/マルチプレイヤーの橋口靖正との“ある約束”を果たすべく作られた『チッ!』を収録。そんな並々ならぬ想いが詰まったシングルの発売を記念し、東京・ニコニコ本社にて行われた公開インタビューでは、新作の制作秘話はもちろん、SURFACEとしてデビュー以来今年で20周年を迎える現在の心境までを、ぶっちゃけ&マシンガントーク! 先日、発表されたSURFACE再始動の発表前となる“美しき茶番”も併せて、存分にお楽しみください(笑)。

 
 
何か…バラードって“怖い”んですよ
 
 
――いろんなアーティストの方がいて、1つ質問を投げたら想いをゆっくりゆっくり言葉にする人もいれば、ベラベラベラベラ喋る人もいるんですけど。椎名さんは、1回パスしたらずーっと1人でリフティングしてるというか(笑)。
 
(一同笑)
 
――まぁ、それぐらい自分の音楽を言葉にすることに長けていると(笑)。
 
「まぁ一生懸命言い訳したいんでしょうね(笑)」
 
――『凹凸』について解剖していく前に、Twitterでもつぶやいてましたけどソロとして7周年を迎えて。率直に7年って…まぁ中途半端な(笑)。
 
(一同笑)
 
「“何が周年だ!”ってね(笑)。’17年の11月10日で丸7年なんですけど、奥さん(=筆者)とはSURFACEの後期からずっと仕事をしてきて…ソロの方がもう長くなったってことでしょ? 早いよね。ただ、思ったよりは正しくやってこれた7年だと思う。最初はもっと辛いと思ってたんで。元々はSURFACEという2人組だったから、それが終わった後の世間の風当たりは、相当な向かい風になるのかな?みたいに思ってたけど…まぁ追い風もないけど(笑)、向かい風もそこまで強くないというか。そんな中で地道に一歩一歩やってきたつもりですけどね。意外と楽しくやれてます」
 
――とは言え、今回のシングルはなんと6年ぶりということで、ソロデビュー初期に『I Love Youのうた』(‘11)を出して以来ということですけど、今このご時世にシングルというのも挑戦に捉えちゃいますけど。
 
「そうですね。ただ、アーティストって“いい曲ができたので出したい!”って言うのが当たり前なのかもしれないけど、俺は自分からシングルを出したいとか、そもそも作品を出したいと言ったことが一度もないんですよ。だから、こいつは何も言わなかったら何も作んねぇなってバレてるから(笑)、“今から椎名が作って間に合うものって何だ?”っていうスタッフの判断で、シングルになったみたいですね」
 
――消去法(笑)。ただ、椎名さんの歌唱的にバラードは1つの武器であるにも関わらず、かつて『I & key EN』(‘12)というミニアルバムでバラードを排除しアッパーな曲だけで構成したことがあるぐらい、本人はバラードに乗り気じゃない趣があるじゃないですか。
 
「何か…バラードって“怖い”んですよ。多分、これは俺だけじゃないと思うんだけど、アッパーな曲って“ちょっと変わってるけど面白いよね”とか、いろんな褒め言葉があると思うんですよ。バラードで“ちょっと変わってて面白いよね”ってないでしょ? 結局、バラード=いい曲が大条件で、いいか悪いかしかない二択って大変じゃ〜ん?」
 
――すっごい悪い顔してますけど今(笑)。
 
「だから、“うっわ、すっげぇ身を削ったのに評価されなかった”っていうリスキーなことはなるべくしたくない。スタッフもそこは理解してるんだけど、“それでもバラードが聴きたいんです、僕たちは椎名さんのバラードが好きなんです!”って言われて、(いい声で)“マジっすか?”ということで、おだてられて作りました(笑)。あと、バラードライブ(=『Yoshiharu Shiina LIVE 2017「Ballade」』)にもすごく支持が集まって、“ほら、椎名さんのバラードをみんな観たがってるじゃないですか”みたいなことを言われると、何も言えないですよね」
 
――だから思い切ったなと思いました。シングル然り、バラードライブ然り、プレッシャーがかかるアプローチを、ベスト盤(=『RABBIT “BEST” MAN』(‘16))を出してひと区切りして、本当にソロ第二期の幕開けというタイミングで、あえてやろうというのが。
 
「逆にバラードを出せた理由がそれですよ。今言った通り、ベストアルバムで区切れて、どうしても第二期になっちゃう。そのときにアッパーな曲を今まで通り出して、“変わんないなこいつ”って言われるのは、アーティストとしてはやっぱり恥ずかしいから。ここで自分の代表作でもある『RABBIT-MAN』(‘11)みたいな曲を出しても、安心はしてくれるだろうけど、それはまぁ次のアルバムに入れますんで(笑)。それよりは今まで俺のことを知らなかった人にも届くような、もっと大衆的なものにしたいなぁと思ったとき、やっぱりバラードが分かりやすいなぁと」
 
――周りの期待とハードルの高さを感じつつも、次はバラードで残る曲を書かなければと自覚してたんですね。
 
「してましたね。なので、山口寛雄とバラード縛りでデモテープを作り始めたんですよ。“椎名くんがソロになってからスウィングしてるバラードがないから、そういうノリで作ったらどうなんだろう?”って、山口寛雄がポロポロとピアノを弾き始めて…あいつ、家でベースを一切弾かないんで。それがみるみるうちに構築されて、こっちが何か言わないとどんどんできていっちゃうから(笑)。30分~1時間ぐらいで1番のデモテープを作って。それを持ち帰っていつもだったらバーッ!っと歌詞を書いちゃうんですけど、今度はもう1人リスペクトしている男、JET SET BOYSの歌詞も一緒に書いてる野口圭に連絡して、“助けろ”と(笑)。そしたら向こうから“やっぱりラブソングでしょ”って言われて、2人ですり合わせていく中で野口は、“感動させるためにリリックの中で人を殺したくない”と。死ぬ=感動は分かりやすいんだけど、それはしたくないと。でも俺は、“いや、殺したい”と(笑)」
 
――どんな曲のやりとりやねん!(笑)
 
「アハハ!(笑) そしたら野口も、“椎名の想いはここまでだったら許せる”みたいに、直接会ったりしないで、電話もしないで、もう全部Facebook上で歌詞のやりとりをして」
 
――まさにそれを彷彿とさせるフレーズがちゃんと歌詞にもありますもんね。それにしても皆さんね、今までの話を聞いてても分かる通り、椎名さんめっちゃ喋るでしょ?
 
(一同笑)
 
 
今回は、“うわ、椎名くん狙っちゃったな”みたいなことだけは
絶対にしたくなかった
 
 
――結果、寛雄さんも野口さんも、椎名慶治の楽曲を形成する上でファーストコールしたくなる盤石のメンツが、今回のシングルでは揃ったんですね。
 
「結局、全部SURFACEの縁なんですよね。野口なんかは小学校のときからの仲で、デビュー曲の『それじゃあバイバイ』(‘98)を書いてるときも、俺が1人暮らししてた家と野口の家が歩いて5分なくて。実家と野口の家なら歩いて2分ですから(笑)。『それじゃあバイバイ』を書くときも、野口と永谷(g)も呼び出してね。野口が手伝ってくれるというか、その存在があるだけで書けたりするんですよ。野口がいるけど結局自分で100%書くこともあるし、山口寛雄がいて100%書くこともある。ただ、1人ぼっちになると書けないんですよ」
 
――面倒臭い人ですね(笑)。
 
(一同爆笑)
 
「アハハ!(笑) 1人でバラードは書けないです。無理です! だから、すごく助かってますね。こういうヤツらと曲を作れるのがやっぱり嬉しいんですよ。完成して“これ、俺の理想と違うな”ってなるんだったらこのチームは解散ですけど、いつも自分が思う以上の形にしてくれるから。何かホッとするし、やっぱり安心もできるし、改めてリスペクトしちゃいますよね。今回の『凹凸』を作って、この2人はやっぱりすごいなと思いましたね」
 
――椎名さんの楽曲の特徴付けるものとして、声はもちろんなんですけど、確固たる個性と世界観が詞にはあると思うんです。でも、今回の『凹凸』はすごくストレートで、ある種の“素直さ”にすごく驚いたというか。
 
「バラードで奇をてらったら、大きく転ぶと思うんですよね。だから今回は、“うわ、椎名くん狙っちゃったな”みたいなことだけは、絶対にしたくなかった。でも、ベッタベタな歌詞にもしたくない。そのニュアンスが難しくて。ちょっと間違えるとただの王道になっちゃうのを、ほんのちょっとだけズラすことによって回避したいのはありました。とは言え、この『凹凸』も王道ではあるんだけど、何か違う匂いは残してるつもりですけどね。さっき言った登場人物が死ぬ/死なない問題もそうですけど、“今年も海へ行くって〜いっぱい映画も観るって〜♪”って約束しちゃうと、やっぱりもうヒットした曲が世の中にはあるんですよ。だからね、殺さないように一生懸命頑張って(笑)」
 
――『凹凸』っていうのも、なかなか曲のタイトルにはなりにくい言葉ですよね。
 
「最初は“はぁ!?”って思ったかもしれないけど、別にヘンじゃないなって10年後ぐらいにはなると思うよ?(笑)」
 
――やっぱり凸凹したところがあるから音楽も心に残ったり、人間関係にしてもその人のことが気になったり…“歪さ”は人の心を動かす1つの要素ですよね。
 
「もうまさにそれがテーマで。タイトルも最初は『凸凹』も考えてたんですけど、『凹凸』って言ってみたら何かやわらかいなと思って。でも、こういうタイトルを俺が付けたことによって、これからバラードに面白いタイトルを付ける人が絶対に出てくるはずなんで。曲とかバンド名ってそういうもんだと思うんですよ。昔の人たちがちょっとずつ面白いことを言い出すと、それに影響を受けた人たちが“もっとやっていいんだ”ってなってくる。最近のバンド名とか、もう歯止めが利かないじゃないですか?」
 
――文章みたいなバンド名が増えてますからね。
 
「俺がキュウソネコカミとSEKAI NO OWARIのどっちもまだ知らなかったとき、珍しく電車に乗って座ってたら前に女の子2人が立って、“キュウソネコカミがさ”、“SEKAI NO OWARIね〜”みたいな話をしてて。“…何の話してんだ?”と思って家に帰ってソッコー調べましたから(笑)。だから『凹凸』も、今は“えっ!?”って思うかもしれないけど、これに影響受けた人たちがそれこそ『凸凹』というバラードを出しても、みんなが笑わなくなる時代が来るはずなんですよ、10年後ぐらいには」
 
――スパン長いな~(笑)。そのためにはまず、この曲を売らないとね。
 
「お、おう。まぁね、売れなくても名曲ってあるもん」
 
――発売記念のトークライブでもう予防線(笑)。
 
(一同笑)
 
 
橋口靖正がこの世にいたことを忘れさせないために
カバーとかじゃなくて、あいつと約束した曲を俺は作るんだって
 
 
――カップリングの『チッ!』(M-2)は、バラードで溜まった鬱憤を発散するかのようにアッパーで(笑)。
 
「いやいやいや!(笑) これはね、橋口靖正という絶対にモテなそうなアーティストがいてね。俺はどっちかって言うとモテそうなアーティストですけど…」
 
(会場がドン引き…)
 
「ちょっと! どうしたんですか!?」
 
(一同爆笑)
 
「違う違う! 俺が言ってたんじゃないから! 橋口が! 橋口が自分で!」
 
――橋口さんが自分からそう言ってたと(笑)。
 
「昔、橋口が女の子を口説くキラーチューンの1つにSURFACEの曲があったと。その曲をカラオケで上手く歌えたりすると、女子たちから“カッコいい!”って言われるような人たちがSURFACEだった。だからその頃から“チッ!”と思ってましたと。その後、一緒に仕事をすることになっていざ椎名慶治と会ってみたら、まあ本物も…って俺が言ったんじゃないからね?」
 
(一同笑)
 
「本物もカッコいいし、さらにもう内面? 内…に秘めた部分?」
 
(一同爆笑)
 
「性格もすごくいい人で非の打ちどころがないっていうことから、また“チッ!”と思ったと。そういう話があったから、Twitterで“じゃあ俺とお前がもし一緒に曲を作ることになったら、『チッ!』っていうタイトルで作ろうぜ”、“いいっすね!”って。で、あいつが俺のサポートをしてるときも、“あの『チッ!』っていう曲、マジで作ったら面白くない?”、“絶対にやりましょう!”みたいなやりとりをしてるんですよ。それなのに、あの野郎が先に逝きやがって…。年功序列じゃなくていきなり逝っちゃったもんだから、うわぁ〜と思ってムカつく反面、悲しいの反面、すごい感情が入り乱れるんですけど。でも、僕は追悼をしなかったんですよ。ご冥福を祈ってる場合じゃねぇなと思って。橋口靖正がこの世にいたことを忘れさせないためにできることを考えたとき、カバーとかじゃなくて、あいつと約束した曲を俺は作るんだって。それで『チッ!』が生まれたんです。すっげぇバカな曲なのに、そういう気持ちで聴くと笑えない曲になっちゃうんですよ。だから今の話は全部忘れてください(笑)」
 
――ライブの起爆剤となるアッパーな曲ですけど、こういうエピソードを聞くと、やっぱり深みが加わりますね。
 
「だから、クールな曲も書けたかもしれないけど、あいつはチヤホヤされたり人がいっぱいいる場所が大好きだったから、その想いを汲んで“チッ!”ていうサビの部分、あいつと約束した大事な部分をお客さんに歌ってもらおうって。ボイスメモに“ダーンストダラダラダラストララスタ~♪”とかメロディを入れながら(笑)バーッと歌詞を書いて、それをすぐにライブでもできるようにアレンジしていったんですけど、アカペラで“ここはお客さんに歌わせる/ここは自分が歌うところ”とか決めながら作ってる自分?…もう天才だなと(笑)」
 
――橋口さんもアレンジャー/プロデューサー、そしてアーティストとしても活躍されている中で突然お亡くなりになりましたけど、こうやって想いが音楽になっていくのは、ミュージシャン冥利に尽きるんじゃないかなって。
 
「何かね、ズルいなって思います。先に逝った人間が後からチヤホヤされてるのを見ると。でもね、やっぱりそういうあいつの存在をこれから先も忘れてほしくないから。なのにね、あいつのトリビュートアルバムに俺、参加してないんですよ。だからマネージャーに、“何で俺、トリビュートアルバムに呼ばれてないんですかね?”って聞いたら、“いっぱいオファーが来てたのに、オメェのスケジュールことごとく合わねぇからだよ!!”って言われて(笑)。どんだけ忙しかったんでしょうね」
 
――’16年からアルバムは出るわベストは出るわ、JET SET BOYSも始まるわ、ツアーはそれぞれあるわ(笑)。
 
「そう! この1年半ぐらいの間、’16年の1月には『MY LIFE IS MY LIFE』、6月にはJET SET BOYSのアルバム、11月にはベストアルバムで新曲も入ってる。また’17年の6月にはJET SET BOYSで …それでも気が済まないスタッフがシングルも出せっておかしいでしょ! めっちゃ出してるじゃん!っていう(笑)。頑張ったつもりです。だから今回はシングルで我慢して。’18年にはアルバム出すから」
 
(拍手)
 
 
褒めたらまだ伸びるよ?(笑) Twitterとかでも、もっと褒めていいからね?
 
 
――いち早く『Yoshiharu Shiina 20th Anniversary TOUR「タイトル未定」』も発表されてましたが(笑)、ツアーが‘18年下半期からっていうことは、それまでに何か出るんだなっていう。椎名さんはいつもスケジュールギリギリまで録っててハードな作業が多い印象ですけど、次回作はちょっと違うと。
 
「ずっとヤマと一緒にデモテープを作ってるんですけど、ちょっと奇跡が起きてますね。6月30日からツアーが始まるっていうことは、だいたい5月27日ぐらいにアルバムが出るでしょ?」
 
(一同爆笑)
 
「そういう意味ではまだ全然余裕があるのに、もう作業が折り返しそうなわけですよ。これは絶対にどこかに落とし穴があるね。こんなにスマートにいくわけない。しかも楽曲がいいし、新しいアレンジャーも最高なんですよ。多分みんなが気に入ってくれるはずだし、めっちゃカッコいいの! 俺が」
 
(一同笑)
 
「俺が仮歌を歌った瞬間に、命が吹き込まれるというか…JET SET BOYSのときにも本当にあった話なんですけど、『ZIPPER DOWN』(‘16)のレコーディングをするまでは、みんな“大丈夫かな? これでいいのかな?”とか言ってて。でも、俺が歌い終わってブースから出てきたら、“椎名くんが歌ってくれたらもう全部OKになった”って。それまではみんな不安だったのにですよ? だからすごいボーカルなの!」
 
――そんなにハードルを上げて、後で苦しむのは自分ですよ?(笑)
 
「もう今ちょっと苦しいです(笑)。どうせ誰も言ってくれないし、ここにいるみんなも褒めても無駄だと思っちゃってるんですよ。それを覆したい! 褒めたらまだ伸びるよ?(笑) Twitterとかでも、もっと褒めていいからね?」
 
(一同笑)
 
――みんな椎名さんのコントロールの仕方を分かってるなぁ(笑)。そして、’18年にはデビュー20周年ということで、20年やってきてまだ褒めたら伸びるってすごいですね(笑)。
 
「そう(笑)。もう言わないと褒めてくれないんで。でも、ファンとはずっとこういう付き合い方をしてきて、ずっと応援してくれてて、それが20年ですよ? ありがたいですけど、みんな大丈夫かな? こんなアーティストを20年も応援してて(笑)。ケツを叩かなきゃ曲は作らない、自分で自分のことを“上手い! 天才だ!”とか言ってる。いや、ありがたい。本当にありがとね」
 
――SURFACEでデビューして20年ということですけど、皆さん20年続いてることってありますか?っていう話で。
 
「人生ぐらいだろうな。あと、仕事とか?」
 
――同じ職場に20年とか?
 
(客席から挙手)
 
「あぁ〜素晴らしい! 同じ仕事を20年。趣味でも20年って難しいもんね。20年=成人を迎えるわけじゃないですか。日本には成人式なるものがあるぐらいだから、“20”っていう数字って多分重みが違うと思うんですよね。だから何かいつもと違うことをやりたいなと思ったんですけど、もう20周年のツアーも決まってたんですよ。俺、ツアーをやりたいなんて言ってないのに。いやいや、俺がやりたいのは世界一周旅行とか」
 
――そっち!?(笑)
 
「プライベートで羽を伸ばしたかったんですけど、20周年も働くんだなぁと思って(笑)。休んでもいいんですよ? 20周年にあえて何もやらない椎名くん面白い!みたいな」
 
――そう思ってるのは椎名さんだけですけどね(笑)。みんなこのお祭りを楽しみにしてますよ。
 
「絶対に何かやると思われてるところでやると、“ほらね”って言われてファンの勝ちみたいになるのがイヤなんですよ! 分かります?」
 
――もうどういう関係やねん!(笑)
 
「“してやったり”って顔をするんですよ。“またおだてられてあいつは木に登ったぜ”って。だから『凹凸』を褒める→褒めたら俺がそれをリツイートする→“ほら、あいつリツイートしたわ”、みたいになるわけですよ!」
 
――あんたがさっき褒めろって言うたやん(笑)。
 
 
本当に5月27日だけは20周年の大事な日だから、仕事は入れんなよ?
 
 
――でも、20周年となったらやっぱりね、何かちょっと期待しちゃうじゃないですか、いろいろと。
 
「一番大事なのは、生で歌を届けることだと思ってるんです。感謝の気持ちをちゃんと歌で届けたい気持ちはあるから、そういう意味で、6月30日からのツアーが決まってる。しかもそれが下半期じゃないですか。ってことは作品も出してくれるだろうしっていうところで、みんなの期待に応えられることにはなるのかなと思うんですけど。ツアー前にも『FACE TO FACE』っていうオールリクエストライブをやろうと思ってるし、ファンクラブで旅行にも行きたいねって。ファンクラブのみんなにもお礼を言いたいし、ツアーの前にもライブをやりたいし、アルバムも出すし、そのツアーもやりたいしって、もう十分じゃない? 勘弁してください! もう無理っす!」
 
――何だろう? この全ての計画を聞いても、“それじゃないんだよ”って思うこの気持ち(笑)。
 
(一同爆笑&拍手)
 
「何!? 何を求めてるの!? ハッキリ言ってくれてもいいよ? 何?」
 
――やっぱりね、何のお陰であなたは20年やって来れたんですか?っていう話じゃないですか。
 
観客一同「フゥ〜!!」
 
「えっ!? 言いましょうか? 『ショムニ』です!」
 
(一同爆笑)
 
「『ショムニ』のお陰で今ここにいますから(笑)。その『ショムニ』の主題歌を歌ってたのは、 IZAM(with ASTRAL LOVE)さんです! 僕じゃないです。挿入歌は、SURFACEです(笑)。絶対にみんな期待するだろうけど…俺、今言ったじゃん? 期待通りにやったら、“ほらやった!”って言うじゃん!? だから絶対にやらないから!」
 
――うわー、みんながすっごいサーッて引いても残る、この空気(笑)。
 
「え? 何? 俺のソロはどうでもいいのかな? どうした~? どっちも俺だぞ~?」
 
――壊れた(笑)。まぁ、いろいろ隠れてるプロジェクトもあるでしょうから、そこを期待して待っていただきつつ。
 
「ただ、本当に5月27日だけは20周年の大事な日だから、何が起こるかは分からないけど、仕事は入れんなよ?」
 
――あと、20年やってきて、椎名さんの歌声を聴いてきた人たちと一緒に仕事をするようになったり、ファンに家族ができたり、音楽を続けてるからこそまた違う気持ちで改めて会えたりしてね。
 
「いや、20年やっててよかったなと思うところって、そこがやっぱり一番で。SURFACEに影響を受けたミュージシャンの後輩たちが、今プロとして頑張ってて、しかもめちゃくちゃ売れてたりする。みんなもよく知ってるUNISON SQUARE GARDENの田淵(b)くんなんかも、SURFACEの1stアルバム『Phase』(‘99)について、“こんなアルバムは、今の自分では到底作れない”みたいなことを、かつてブログに書いてくれたり。それ以外にも、こっちが全く知らないアーティストが一方的に知っててくれて、バッタリ対バンとかで会ったりすると“実はずっと好きだったんです” って言ってくれたり。例えば、flumpoolとかYetiもそうだったし、“おう、お前、俺のこと好きなのか!?”って(笑)、何か意外なんですよね。でも、本当はすごく嬉しいんですよ。自分が長くやってきたことで、そういう人たちが今いっぱい出てきた。コロコロチキチキペッパーズの西野くんも、『さぁ』(‘98)が好きでいてくれて、コントのネタにして。でも、好きなものをコントでネタにしたらダメでしょ!」
 
――愛ゆえにですよ。でも、めっちゃ恩恵あったじゃないですか(笑)。
 
「ありがたいですねぇ(笑)」
 
(一同爆笑)
 
「あと、関西ローカルのブラックマヨネーズの番組『マヨなか笑人』のタイアップに『凹凸』が急遽決まって、小杉さんに“実は小杉さんの番組で俺の曲が流れることになったので、よろしくお願いします!”って連絡したら、曲名も言ってないのに“凹凸!”って返ってきたんですよ。だから、“呑みにも行けてなくてすいません、’17年最後に滑り込みで行けたらいいですね!”って送ったんですけど、多分’05年からずっとそう言ってるからもう12年ですよ!」
 
(一同笑)
 
――それは関西の“行けたら行く”=行かないってやつですね(笑)。でも、第二期の幕開けにそういうタイアップの話もあって幸先いいですよね。最後に、シングル『凹凸』についての総括、20周年に向けての意気込みを!
 
「ずっと応援してくれてるみんなは分かってると思うんですけど、『I & key EN』ではバラード抜きの作品を出したような椎名がバラードのシングルを出すっていうところから、20周年に何かちょっと面白いことをしてくれるんじゃないかっていう期待を裏切らない活動ができるようにしたいですね。あと、俺は何よりも楽曲のクオリティだと思ってるので。楽曲がよくないと、ツアーをやられてもテンション下がんない? 俺はそういうアーティストも観てきたし、やっぱりそうはなりたくないわけ。10曲あったら好き嫌いは絶対にあると思うんだけど、その中に必ずみんなから“私、この曲が好き!”って言ってもらえるような曲をちゃんと収録して、それを生で聴きたいと思えるようなツアーをして、20周年をみんなと一緒に盛り上がれるように頑張っていきたいと思ってるので。ここからさらに深い絆で結ばれていけたら嬉しいので、ぜひ応援してください。今日はありがとうございました!」
 
(拍手)
 
――あれだけツンデレの関係性を見せていきながら、最後はちゃんと(笑)。
 
「いやいや!(笑) 本当に素直な気持ちですよ!」
 
――というわけで、最後にMVをフル尺で観ていただいて、公開インタビューは終わりにしたいと思います!
 
「ありがとうございました〜! 奥さん、また一緒にやりましょうね! 拍手〜!!」
 
 
Text by 奥“ボウイ”昌史
 




(2018年1月26日更新)


Check

Release

6年ぶりとなるシングルで
ストレートなバラードに挑んだ最新作

Single
『凹凸』
【初回生産限定盤DVD付】
発売中 2700円(税別)
ユニバーサル
POCS-9172

<収録曲>
01. 凹凸
02. チッ!
03. 凹凸(Instrumental)
04. チッ!(Instrumental)

<DVD収録内容>
『Yoshiharu Shiina LIVE 2017
「RABBIT "6" MAN -Welcome back-」』
・Escape velocity
・5 my way
・RABBIT-MAN
・I Love Youのうた
・はないちもんめ
・僕等の中
・MY LIFE IS MY LIFE
・愛のファイア!
・ゴゾウ☆ロック
・駆け出しのヒーロー
・よーいドン
・取り調べマイセルフ

Profile

しいな・よしはる…’75年12月30日生まれ。SURFACEのボーカルとして、’98年にシングル『それじゃあバイバイ』でデビュー。人気ドラマ『ショムニ』『お水の花道』や、人気アニメ『守って守護月天!』『D.Gray-man』『NARUTO』等、幅広いジャンルのテーマソングを手掛ける。’10年6月13日、東京国際フォーラム・ホールA公演にてSURFACE解散。’10年11月に1stミニアルバム『I』でソロデビュー、’11年6月リリースの1stアルバム『RABBIT-MAN』にて本格始動。他にも、『仮面ライダーフォーゼ』のエンディングテーマをきっかけに結成されたAstronauts (May’n&椎名慶治)や、タッキー&翼らをはじめとする作詞提供など、その活動は多岐にわたる。現在は、高橋まこと(ex. BOφWY)率いるJET SET BOYSのボーカリストとしても活動中。’17年11月11日に、6年ぶりとなる2ndシングル『凹凸』をリリース。’18年5月27日には、アーティスト活動20周年を迎える。

椎名慶治 オフィシャルサイト
http://www.yoshiharushiina.com/

Live

'18年下半期の全国ツアーが早くも発表
大阪では初の男性限定ライブも!

 
『Yoshiharu Shiina Requested Songs Live
「FACE TO FACE #3」』

【東京公演】
一般発売1月27日(土)
▼2月9日(金)19:00/10日(土)17:00
Mt.RAINIER HALL SHIBUYA
PLEASURE PLEASURE
全席指定4800円
Mt.RAINIER HALL SHIBUYA
PLEASURE PLEASURE■03(5459)5050
※3歳以上チケット必要。


『Yoshiharu Shiina
 20th Anniversary TOUR
「タイトル未定」』

【福岡公演】
▼6月30日(土)DRUM Be-1
【福島公演】
▼7月7日(土)Hip Shot Japan
【埼玉公演】
▼7月8日(日)HEAVEN'S ROCK
さいたま新都心 VJ-3

Pick Up!!

【大阪公演】

一般発売5月27日(日)
Pコード未定
▼7月14日(土)17:00
心斎橋JANUS
オールスタンディング5000円
キョードーインフォメーション■0570(200)888
※未就学児童は入場不可。

Pick Up!!

【大阪公演】※男性限定ライブ

一般発売5月27日(日)
Pコード未定
▼7月15日(日)17:00
梅田Zeela
オールスタンディング5000円
キョードーインフォメーション■0570(200)888
※この公演は男性のみ入場可。要身分証明書。未就学児童は入場不可。

【北海道公演】
▼7月21日(土)DUCE
【愛知公演】
▼7月28日(土)名古屋クラブクアトロ
【東京公演】
▼8月5日(日)WWW X
 

Column

「人前でやったらさ、いつもは
あんなにぶっちゃけトークなのに
すんげぇカッコつけそう(笑)」
あの日の興奮を完全再現!?
椎名慶治が表も裏も語り倒す!
『RABBIT “BEST” MAN』
抱腹絶倒公開インタビュー

Column2

諦めが生んだ“俺は俺でしかない”
決意表明。ソロ最高傑作
『MY LIFE IS MY LIFE』に
コロチキの『さぁ』騒動
SURFACE再結成の行方までを
とことんぶっちゃける!(笑)

Column3

変わりたい気持ち、変われない現実
ユニゾン田淵、高橋まことらも
参加した『I & key EN Ⅱ』を語れ
揺れ動く感情の中で、自身と、
そして過去=SURFACEと対峙する
前回インタビュー&動画コメント

Column2

『それじゃあバイバイ』
『なにしてんの』『さぁ』他収録
SURFACE時代の大ヒット作を
完全セルフカバーした大胆不敵で
前代未聞の『Phase』制作秘話!
15周年を駆け抜けるインタビュー

Column4

らしさと懐かしさと新しさ
SURFACE→椎名慶治の15周年
幸福なハプニングが生み出した
2ndアルバム『S』インタビュー

Column6

SURFACEから続くキャリアと
ソロとしての新たな刺激が結実
人と人の縁が導いたミニアルバム
『I & key EN』を語る

Column7

SURFACEの解散から何から
ぶっちゃける!(笑) 1stアルバム
『RABBIT-MAN』インタビュー

Comment!!

ライター奥“ボウイ”昌史さんからの
オススメコメントはコチラ!

「普通インタビューってね、編集部とかレコード会社とかFM局の会議室でやることがほとんどなんです。密室だからこそついつい言っちゃう、みたいなこともやっぱりあると思うんですよね。それが椎名さんの場合は大公開(笑)。前回も大阪で公開インタビューをやったんですけど、まぁ~クソ面白い(笑)。それに味を占めた僕らは、今度は“東京出張編”ということで『凹凸』も公開インタビュー形式でお届けしましたが、いかがだったでしょうか? こんな頻度で公開インタビューする/できるトークスキルのあるアーティストなんてなかなかいないわ(笑)。なんですが、実は裏話があって、当日の僕のスケジュールが超ハードで。前日、大阪で自分がキュレーターとなったアコースティックイベントをやってまして、当然朝まで打ち上げして(笑)、寝坊が怖いから(公開インタビューは昼12時から!)そのまま新幹線に乗って、会場のニコニコ本社の近くでサウナを探して(笑)、公開インタビューが終わったら即(椎名さんが来場者にサイン中に)もう新幹線に乗って、大阪に着いたら別現場のライブレポートという…束の間の売れっ子気分を味わいました(笑)。そもそも公開インタビューが昼イチスタートだったのはそういう理由もあったんですよね。でも、世にライターが数多くいる中で、呼んでもらって光栄だったな。次は呑みながらやるぐらい、東京でゆっくりしたいです(笑)」