「悲しい、切ない、届かない、そういう感情が自分は好きなんだって」 Suck a Stew Dry → THURSDAY'S YOUTHへ――! 消えない喪失感と“めんどくさい”を原動力に再生の人生を描く 『さよなら、はなやぐロックスター』インタビュー&動画コメント
昨年12月、フセタツアキ(g)の脱退と同時に活動休止したSuck a Stew Dryのメンバーが、THURSDAY'S YOUTHとして今年の3月より再始動。新たなキャリアを歩み始めた。そんな彼らの1st EP『さよなら、はなやぐロックスター』は、メランコリックでオルタナティヴな轟音鳴り響くソリッドなサウンドで、コーティングを剥ぎ取った篠山浩生(vo&g)の人生観直結の言葉で、その変化と意志を明確に示した全4曲を収録。誰もがロックスターになれるわけじゃない。誰もがロックスターになりたいわけじゃない。バンドのフロントマンである篠山は、ブログにこう綴る。“最近は音楽を人前に出すことがとても恥ずかしい。それはきっと、自分が作った実感なのだと思った。以前それがなかった理由は、「これは僕のバンドじゃない」と思っていたからだ。僕のバンド、THURSDAY'S YOUTHをよろしくどうぞ”。やるべきことじゃなくて、やりたいことを。シーンに翻弄された不器用な音楽家が、再生の一歩を語る。
いや、言われたときは、ちょっとめんどくせえなぁって思いましたよ(笑)
――前身のSuck a Stew Dryとして最後の作品となった『N/A』(‘16)でバンド内の綻びだったり、表現におけるバランス云々をとりあえず回収できたというか、次に進める地点にようやくたどり着いたと思うけど、結局、フセ(タツアキ・g)くんが脱退することになった経緯は、突発的なことだったのか、ずっとくすぶっていたことだったのか。
「でも、流れ的にはそこから変わってない感じというか、『N/A』からの『さよなら、はなやぐロックスター』でも自分的にはおかしくなくて。その流れの中にフセくんのことはありましたけど、まぁ仲違いとかでもネガティブな感じでもないし、いろいろといいきっかけになったというか」
――フセくんは当初からずっとヨルニトケルという自分がフロントマンのバンドも並行してやってたから、どちらのバンドも歩みを進めるほど掛け持ちが難しくなってくるのはあるだろうね。いざ、話をされたときはどう思った?
「いや、言われたときは、ちょっとめんどくせえなぁって思いましたよ(笑)」
(一同爆笑)
「いやその、いろんなことがね(笑)。そうなったら、ライブも何も全部4人でやらなきゃいけないし。けど、何て言うか、吹っ切れるきっかけになるような気もしてきて。それはフセくんもそうだし、僕らも、これからやっていく方向性を考えると、そんなにマイナスがない気がして、モヤモヤも特に残らず」
――いやいやフセくん残ってよ、みたいな話にはならなかったの?
「もちろんそうなったんですけど、元々僕自身も人に無理やり何かさせたくないタイプなんで、まぁフセくんがそこまで言うならその方がいいだろうなって、途中からは思ってたので」
――なるほどね。そして、フセくんが抜けると同時にSuck a Stew Dryとしての活動は休止して。当初から次の表現へのビジョンはハッキリしていた?
「明確にやりたいことがあった感じでもないんですけど、結果的に1回休んで、その間に曲がどんどんできるし、4人で軽く合わせてすぐ形になるものも多かったので、こりゃ大丈夫だなぁって。いろいろと気付いたこともあって、自分は新しい曲を作ってバンバンやっていきたいタイプだったんだなって。そうなったときに、単純に人数が少ないと作業が早いんだとか、そういうことにも気付きましたね」
――THURSDAY’S YOUTHは完全に篠山くんがイニシアチブを執ってるの? 『N/A』のインタビュー 時にも、自分がやってるバンドなのに他人事だったのが、8枚作ってやっと自分事だと気付くという、すごい展開だったけど(笑)。
「そうそう(笑)。今は実感として、本当に“あぁ自分のバンドだな”っていう気持ちが」
――その境地にちゃんとなれたのは何やろう?
「まぁ遺恨がないっていうのもありますけど(笑)。元々そういう人なのは分かってたけど、フセくんも“立つ鳥跡を濁さず”じゃないですけど、ね。最後のライブはまぁ、やっぱり多少感傷的にもなりましたけど、不思議と“あぁ終わっちゃうんだなぁ”みたいな感情はなかったですね。次に、次にっていうモードだったので」
――じゃあSuck a Stew DryとTHURSDAY’S YOUTHはやっぱり完全に道筋としては続いてるんやね。 活動休止後に何十曲と曲ができたということやけど、むしろ今までは曲が書けない時期もあっただろうに。
「もう今では信じられない(笑)。自分の中に自分の思い込みの足枷みたいなものがあったんだなぁと思いました。バンドでとりあえず合わせてみようっていうことも、なかなかできなかったし」
――完全体の曲じゃないとプレゼンしたらダメ、みたいな。
「そういう無駄なハードルを上げて、結構損してた気はしますね。ライブを休ませてもらって時間に余裕ができたのもあったし、今は“アレっぽい感じで”とか言ってもすぐに伝わるから、いろいろと早いんですよね。あと、曲を作ること自体が元々趣味みたいなものだったので、単純に曲ができた時点ですごく気持ちいいんですよ。その瞬間が今はたくさんあるから、それだけでクリエイター的な部分で完結する気持ちがあるというか。ライブはライブで別物として、人前で好き勝手やってるのが気持ちいいなと思ったり。表現としてはねじれてるかもしれないですけど」
――バンドの構造としては。
「別にねじれる必要はないなって(笑)。うん、そうですね」
今度前みたいにまたメンバー内で間を取っちゃうと
音楽っぽさがなくなると思ってたんで
――今回収録された曲は、全部休止以降に書いた曲?
「『さよなら』(M-1)だけはちょっと前から曲だけはあったんですけど、5人で合わせたときはあんまりしっくりこなくて、ガラッとアレンジを変えて全然違う曲になったなって」
――自分の中で一番何が変わって、何が変わらないなと思う?
「やっぱり音数が減るので1つ1つの楽器が聴こえる、それによって作りやすくなる。作りやすいだけでストレスがないし…まぁ音楽以外のストレスはいっぱいあるとして(笑)、音楽的なそれが減ったのは、かなり違う気はしますね」
――THURSDAY’S YOUTHは、サウンド的には完全に振り切っているというか、ルーツにあるものが色濃く出た感じもします。バンドとしてやるべきことじゃなくて、篠山浩生として表現したいことな感じが。
「今度前みたいにまたメンバー内で間を取っちゃうと、音楽っぽさがなくなると思ってたんで」
――面白いね。篠山くんはソロじゃなくて、何でバンドなんだろうね。
「それはたまたまメンバーに恵まれ(笑)。さっきの話じゃないですけど、やっぱりめんどくさいことがすごくキラいなんだなと。そう考えると、ソロの方が多分めんどくさい。めんどくさくないって大事だなって」
――そうやね。“めんどくさい”って、人生の選択において、案外幅を効かせる。
「そうなんですよ! 最近それをすごい思ってて。(菊地)玄(g)さんがよく、“別にこれぐらい誰だって弾けるんだから、上手い人を連れてくればいいじゃん”みたいに言うんですけど、それがめんどくせぇんだよ!って(笑)。もちろん、玄さんのギターがいいと思ってますけど(笑)」
――でも、バンドも音楽も、世間一般から見たらめんどくさい行為なんだろうけどね。
「そうですよね。ただ、料理とかもそうですけど、自分的にめんどくさくないことだったら何でもできるタイプでもあって。音楽は自分の中でめんどくさくないからやってるんだと思います、“今のやり方だったら”」
――そうか、そんな音楽ですらめんどくさくなってきたから、イヤになりかけてたのか。
「それ以外理由がない気がしました。ざっくり言うと、めんどくさいから辞めたかった」
――“めんどくさい”っていい意味でも悪い意味でも、魔法の言葉だな(笑)。
「ホントすいません(笑)」
別れとか失恋のときが一番、人としての“普通”に近付けている気がして
――そして、新体制での1st EP『さよなら、はなやぐロックスター』は、言わば『さよなら』と『はなやぐロックスター』(M-2)が両A面的な。 これから始まるバンドが、『さよなら』から歌っておきたかったのは何かある?
「自分で“らしい”って思うのは恥ずかしいんですけど、『さよなら』っていう曲から始まるのが、何かウケるなっていうのはありましたね」
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――『さよなら』は曲自体はあったけど、詞も含めて完成させたのが今回のタイミングだったということは、後から乗せた歌詞には、何かしら想いがあって。
「“この曲はどんな気持ちで書いたんですか?”っていう質問がよくありますけど、曲を作ったタイミングって空っぽなんですよ。何も考えてないときにできることが多い。とは言え、思ってないことは出てこないと考えたとき、別れとか失恋の曲が多いなと気付いて。あと、そういうときが一番、人としての“普通”に近付けている気がして。普段は自分を人間らしいなって思うことがあんまりないんですけど、そういうときは人間してる気がする(笑)。そういう意味でも、自分の中での割合が1~2番くらいに大きいものを書いた曲かなって」
――言ったら、篠山くんの過去に、自分の人生に強烈に影響を与えるぐらいの、群抜きの喪失感がある?
「まぁ…そういうことになりますね。喪失の歌詞を書くときは、同じことばかりから書いているような気がします。例えば…あんまり言うとアレなんですけど(笑)、振られるとすごく美化しちゃうんですよね。振るっていうことはやっぱりこう…何か不満があるからじゃないですか」
――まためんどくせぇって思ったんかな?(笑)
「アハハ(笑)。だから、振るときは“クソが!”とまでは思わないですけど(笑)、まぁちょっとな…っていうのがあるから。でも、振られる場合は」
――こっちに想いが残ってるからね。でも、不思議なもんだね。そのときに自分も人間なんだって思わされるのは。
「15歳の頃から、何が原因とかじゃないけどどんどん“ロボ”な感じにはなってて、まぁ出発点の喪失も大きかったですけど、自分の中で結構大きいものになると、結構最近なのかも。何でかは分からないですけど」
――喪失によって自分が生きていると感じたり、Suck a Stew Dryの頃から言っていた、誰かにとっての幸せは誰かにとっての不幸せであるような、全ての価値観が表裏一体であること。そういう篠山くんのモノの考え方が、この曲にはすごく現れている感じがしました。ねじれてるなやっぱり。
「…まさに。楽しんでるとこれでいいのかな?と思うし。ゼロの位置に戻ろうとする感じはあるのかもしれない」
――あと、ブログ でも書いてたけど、“人間の承認欲求は最大で300人程度に認められると満たされてしまう”らしいと。それでも音楽を続けているということは。
「承認欲求以外の理由があるんじゃないかと。音楽って、それが音楽と呼ばれてないぐらい昔からあっただろうし、単純に音を出している=本能的に気持ちいいんじゃないかっていうのも感じましたね。そう考えたら、自分が音さえ出していれば何でもいいって思うのも、本能だなと思って」
――ちなみに、篠山くんは何で音楽が好きになったの?
「音楽の授業が好きだったし、CMで流れてくる曲をピアニカで、“あ、これだな”って耳コピとかしてたんで。それが小6ぐらいですかね。L'Arc-en-Cielとか」
――マジで。何でそんなことしてたん?(笑)
「分かんないです(笑)。“音、合ってるなぁ”って、クイズみたいなものですね。そこから携帯の着メロ機能で、世の中にないメロディを作ったときに楽しいなと思って。歌は中学の音楽の授業とかで声がデカかったんで、それだけで結構上手いんじゃねえかと思ったんですかね。何か好きだったんですよね」
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音楽で誰かを救いたい気持ちはやっぱりない
――まぁ当然ルーツにはあるだろうなっていうのは分かるけど、『はなやぐロックスター』からはsyrup16gとかのラインをすごく感じましたけど。
「まぁコード感とかを参考にしたり、あとはオアシスとかUKな感じですね。syrup自体もオアシスとかからの流れはあると思うし、そういう“つながり”みたいなものは継承してる方が音楽っぽいなと」
――この曲はSuck a Stew Dry時代にシーンの中でもがいてたときのことを書いてる?
「いや、サックと言うか、もう基本的に思ってる(笑)」
(一同笑)
「何かSuck a Stew Dryでこういうことをやりたかったんだなって思った。今ならできるんだけどなぁ(笑)。あと、1つ意思表示じゃないですけど、音楽で誰かを救いたい気持ちはやっぱりないなと。だから、“救われました”とか言われても、イヤじゃないけど嬉しくはないんですよ。もちろん、悪口を言われるより全然いいんですけど(笑)。『はなやぐロックスター』の自分はロックスターになれないし、『タイムシグナル』(M-3)で人生を照らすことはできない。そういうことを歌っておきたいのはありましたね。ただただ曲を作ること自体が楽しいし、歌ってるのは気持ちいい。それが自分にとって音楽だった。そう考えたら、またライブをやりたくなってきたんですよ。お客さんを喜ばせなきゃ、救わなきゃとか、いろいろ考え出したらまためんどくさくなっちゃうんですけど(笑)。自分が別に誰にどう思われようが歌ってるだけで気持ちいいとを考えると、だったらやりたいなって」
――ちょっと気になったのが、『タイムシグナル』は死生観が強く出た曲で。篠山くんの年代で死はそこまで身近にはないように思うけど。
「それが結構あっちゃって。ていうかもう、プロデュースしてくれた人が亡くなっちゃったから…」
――『N/A』に参加してくれた橋口靖正さんか…。めっちゃ突然やったもんね。
「それもやっぱり大きかったですね。個人的には後輩とか、これを作り終わった後に小学校の同級生も亡くなったりして…なおさら思います。何だか死んじゃった人の方が先に進んでるような…時間で考えると止まってるはずなんだけど、何だか逆転されてるような気がして、考えることも多かった。元々の玄さんの歌詞があったんですけど、自分の周りに起きたそういうことも相まって、こうなりましたね」
――『ぼくの失敗』(M-4)なんかは、サウンド的には初期のレディオヘッド辺りを彷彿とさせるものもありますが、詞の内容的には現在地に近い感じが。
「何かリアルタイム感がありますね。小さな失敗も、大きい失敗も、自分の中での失敗もありますし、周りの評価というか…うん、いろいろ失敗してきたなと思うことはあって。それもある種の喪失ですけど。だから、歌の内容としては自分的にはスッと入ってくる」
――“ぼくは失敗したのさ/それでもここにいてもいい…いいの?”っていうくだりもそうやけど、好きで始めた音楽が、いつの間にか失敗だの成功だのになっているというね。
「うるせぇって思いますね、たまに(笑)。そう思わされるというか、自分でも思っちゃう。あと、Suck a Stew Dryが終わった時点で、離れた人たちがいると思うんですよ。実際に一番こう問いたい人たちは、もうライブにも来ないし、CDも聴かない。そこがまたこう、皮肉っぽくっていいなぁって。その“届かない”感じもまた好きなんだなぁっていうか、悲しい、切ない、届かない、そういう感情が自分は好きなんだなって。元々ハッピーエンドより後味が悪いものとか、悲しい話が好きだったのもあるなと思いましたね。だからそういう曲を作るし」
――今回は全曲、こういうことを新しいバンドの出発点で歌えたことにすごく意義と意志を感じますね。
「…よかったです。これからやりたい曲がまだまだいっぱいあるんで」
以前は、やっぱり感情移入できない感じもあったんで。自分の曲なのに(笑)
――バンド名はSuck a Stew Dryの曲名『Thursday’s youth』(‘12)からということですが、この曲の歌詞も強烈で、“卒業できたらすぐ死のうと思っていた”ってあんた…(笑)。
「もうサイコパスみたいになっちゃうんですけど、ホント何も考えずに書いたらああなりました(笑)。言っちゃえば、やりたいこととかを考えるのがめんどくさかったし、一番めんどくさくないのが死ぬことだなって、当時は」
――ある意味、めっちゃ厨二やけど(笑)。でも、 借金苦とか人間関係とか、いろんなことに悩まされたのを一気に帳消しにできるのもそれやもんね…。篠山くんは今でも、死にたいと思いますか? ってすげー質問(笑)。
「全然思いますけど…でも、思うだけだな。結構、生存本能は強い気がするし、それに逆らうのもめんどくさいし」
――どこまでもめんどくさい男(笑)。ちなみに、バンド名は150個くらい考えたらしいけど、なぜこれに?
「いや、その149個にピンときてもらえなかったんで(笑)。“じゃあ曲名は?”みたいな話になって、そういや曲名っていう発想はなかったなぁって。“『Thursday’s youth』はどう?”って言われて、自分がピンときましたね」
――そもそも当時、このタイトルはどういう流れで付けたの?
「まず、平日がすごい憂鬱で。そこで、平日なら何曜日でもよかったんですけど、アソビ・セクスの『サーズデイ』(‘06)っていう曲が好きだったので、THURSDAYにしようと。あとは、M83の『サタデーズ=ユース』(‘08)っていうアルバムがいいなと思ってたんで、じゃあTHURSDAY'S YOUTHにしようかと」
――で、YOUTH=憂鬱みたいな。
「ちょっとダジャレじゃないですけど、韻を踏んでる感じで。みたいな話も当時はあんまりしてなかったと思いますね。“何となく”みたいに言ってた(笑)」
――結果、このバンド名になって、常にあやふやなTHURSDAYというスペルを何度も練習させられてる気分(笑)。でも、だいたい普通の人が憂鬱なのは、休み明けのMONDAYで。逆に篠山くんみたいなひねくれ野郎は、みんながはなやぐ週末に向かおうとする前の、木曜日がイヤとかそういう意味なのかと思ったら。
「いや、平日全部がイヤだったから! 学校に行きたくなかったんで、ヘンな話、イヤなのは月曜だけじゃないじゃん!と思って(笑)」
――月火水木金、全部憂鬱(笑)。でも、篠山くんも土日祝が好きなんだ…って、普通のところを見付けるだけで嬉しくなるこの感じ何(笑)。
「(笑)。高校大学ぐらいまではそうでしたね、今はもう本当に曜日の感覚自体がないから」
――東名阪でワンマンツアーもありますが、さっきの話で言うと、違った観点でライブもやりたくなってきているというか、ウズウズしている状態やね。
「そういう意味ではエネルギッシュにはなってるんですけど、ライブ自体はすっごい逆の雰囲気になっちゃう感じがあるんですけどね。まぁでもライブはやり過ぎずに」
――かつてはやり過ぎてイヤになってたもんね。スケジュールがどんどん埋まるのがダメなんだよね。
「本当にそうです。当日急にライブやりたいんですよね~」
――やっぱりあんたが一番めんどくさいわ!(笑)
「そうそう! いろんな人に本当によく言われる(笑)」
――まだ新体制でのライブを観たことがないけど、どんな感じなんやろう。
「いやもう…歌が上手くなったというか、多分自分に合ってます。以前は、やっぱり感情移入できない感じもあったんで。自分の曲なのに(笑)」
――確かにTHURSDAY’S YOUTHの世界観の方が、本来の声質とかも含めて合ってるかも。でも…そこが人間っぽいな。これだけめんどくさい人間なのに頑張っちゃうところが。で、頑張って失敗しちゃうところが(笑)。
「どうしようもないですね(笑)。頑張るのが下手なんですよね…」
――そこがやっぱり、音楽は人がやってるものなんだなって。何だかんだ言って篠山くんが音楽を好きで、続けてること自体が答えな気がします。 バンドとしてはいい状態で、篠山くんの音楽人生で最もいいくらいじゃない?
「そうかもしれないです、確かに。だから早く次の作品を出したいんですよね、うん」
Text by 奥“ボウイ”昌史
(2017年6月 9日更新)
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音源とライブとカレーについて語る 篠山浩生(vo&g)からの動画コメント!
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Release
儚く美しいオルタナティヴな全4曲 新体制で放つ初のEPがリリース!
Single 『さよなら、はなやぐロックスター』 発売中 1300円(税別) Lastrum LASCD-0077 <収録曲> 01. さよなら 02. はなやぐロックスター 03. タイムシグナル 04. ぼくの失敗
Profile
サーズデイズ・ユース…写真左より、須田悠希(b)、篠山浩生(vo&g)、板橋裕周(ds)、菊地玄(g)。'10年、篠山、菊地、板橋らが都内大学の軽音サークルで出会い結成。Suck a Stew Dryとしてアルバム2枚、ミニアルバム3枚、シングル3枚を発表後、フセタツアキ(g)の脱退に伴い、’16年12月をもって活動休止。 ’17年3月、THURSDAY'S YOUTHに改名し、活動再開。4月にタワーレコード渋谷店、新宿店限定にて100円シングル『さよなら』を緊急発売。6月7日には、1st EP『さよなら、はなやぐロックスター』をリリースした。THURSDAY'S YOUTH オフィシャルサイト http://thursdaysyouth.com/
Live
遂に初の東名阪ワンマンツアーが開幕 その後は縁あるイベントでも大阪へ
『THURSDAY’S YOUTH 1st live tour 「I can’t be your rock star」』
Pick Up!!
【大阪公演】
チケット発売中 Pコード327-549 ▼6月11日(日)17:30 Shangri-La オールスタンディング3500円 GREENS■06(6882)1224 ※3歳以上は有料。
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【愛知公演】 チケット発売中 Pコード327-014 ▼6月16日(金)19:00 池下CLUB UPSET オールスタンディング3500円 サンデーフォークプロモーション■052(320)9100 ※3歳以上有料。
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【東京公演】 チケット発売中 Pコード327-969 ▼6月25日(日)17:30 東京キネマ倶楽部 1Fオールスタンディング3500円 ディスクガレージ■050(5533)0888 ※3歳以上はチケット必要。
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Pick Up!!
【大阪公演】
10th Anniversary!! 『Mujack Dream Land 2017』 チケット発売中 Pコード329-437 ▼6月23日(金)18:00 心斎橋JANUS オールスタンディング3000円 [出演]I Don’t Like Mondays./ Official髭男dism/THURSDAY'S YOUTH /CIVILIAN/ドラマチックアラスカ [司会]中島ヒロト/大西ライオン JANUS■06(6214)7255 ※小学生以上は有料。
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Column1
当たり前を疑え、違和感を信じろ これぞSuck a Stew Dryな 渾身の『N/A』! 中途半端であることに振り切った 今を語るインタビュー
Column2
「今回は攻撃力が高い曲しかない」 ポップミュージックに 劇薬を忍ばせる大胆不敵な確信犯が 『モラトリアムスパイラル』 の裏設計図を語るインタビュー
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冷めてるようで諦めてない 脱力の力と中ぐらいの気持ち 1stアルバム『ジブンセンキ』の ポップな弾道に込めた全方向の感情 初登場インタビュー&動画コメント
Comment!!
ぴあ関西版WEB音楽担当 奥“ボウイ”昌史からのオススメ!
「篠山(vo&g)くんは自分のことをよく音楽人じゃないみたいに言うけど、皮を剥いでいったら実は最もそうなのかもしれない。そんな気さえした今回のインタビューですが、同時に“めんどくさい”という言葉を過去最高数叩き出しましたね(笑)。でも分かるわ~。僕も“めんどくさい”が人生を結構支配してることに気付かされた組ですもん。いいのか、そんな人同士のインタビュー(笑)。あと最近、同じことを思うアーティストの取材が続いてるんですが、中途半端にコミットするぐらいなら、自分の“好き”を研ぎまくってその理解者に出会う方が、よっぽど健全で、近道な感じがするんですよね。この音源からもそんな波動をヒシヒシ感じたな~。あと、聴いていてふと気付いたのが、どれだけダークサイドでもTHURSDAY'S YOUTHの音楽が聴けちゃうのは、篠山くんの声が問答無用に持ってる“陽”の成分というか。篠山くんに“陽”て!って自分でも書いてて思ったけど(笑)、神様がくれた粋な計らいというか、どれだけ闇を歌ってもポップソングになる要因の1つな気がしたな。『さよなら、はなやぐロックスター』にピンとこなければ、THURSDAY'S YOUTHはあなたが好きになるバンドじゃないかもしれない。でも、それぐらいのふるいを掛けて集まったオーディエンスと、いずれめっちゃいい景色が観られる気がするんですよね」