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「迷いがなくなってしまいました」
ロックンロールに全てを託すTHE BOHEMIANSの流儀
『kaiser strong majestic love』引っ提げ怒涛のツアー中!
平田ぱんだ(vo)インタビュー&動画コメント

 無用なボーダーラインを瞬時に飛び越え、孤独で迷える心を自由に解き放つロックンロールの継承者。THE BOHEMIANSがニューアルバム『kaiser strong majestic love』をリリースした。THE ラブ人間の谷崎航大がバイオリンで参加するアイリッシュ風味の『GIRLS(ボーイズ)』に始まり、1曲3分を基本にロックンロールの永遠の輝きがギュッと凝縮された1枚に。昨年は初ライブを起点とした10周年、来年は現メンバーによる5人体制となって10周年を迎える。そんな彼らが10月28日から『GREAT NATIONAL LOVE TOUR 2016~愛で行こう!編~』に突入! 「“今年は愛で行くぞ!”という気分だった」という平田ぱんだ(vo)がTHE BOHEMIANSの10年の歩みで手にした確信とは? ロックンロールを体現し続ける男の迷いなきインタビューをお届け!

 
 
前々から試したいと思っていた
“ビートりょうが全てを統括するアルバム”を
今こそ作るべきだ!と思ったんです
 
 
――そもそも今作はビートりょう(g)さんのソロアルバムとして制作がスタートしたそうですね。
 
「僕は前作『brother,you have to wait』(‘15)がとっても気に入ってたんです。ようやく満足のいくアルバムが出たぞと。そこで、前々から試したいと思っていた、“ビートりょうが全てを統括するアルバム”を今こそ作るべきだ!と思ったんです。来年’17年は、東京進出&この5人になって10周年ということもあり、やるなら今だなと」
 
――結果的に半数以上がビートりょうさんの作詞作曲となり、残りが平田さんとの共作となったのは?
 
「毎回、最初のコンセプトとは全く違うものになるんです。そして、今回もビートりょうのソロアルバムにはならなかった。基本的に作るのが遅いから、どうしても手伝うことになるんですよ。まぁ、“ビートりょうにソロアルバムを作らせる計画”第1弾はこんなもんです。第2弾もいつかあると思います。何年後かは分からないですけど」
 
――リード曲にもなっている『GIRLS(ボーイズ)』(M-1)は、これからボヘミアンズの定番になりそうな曲で、1曲目から盛り上がりますね!
 



「そうですね。もうすでにライブでも1曲目で演ってるんで、定番確実って感じで」
 
――アイリッシュな音色のバイオリンが入ってるのが特徴的で、THEラブ人間の谷崎さんが参加されていますが、どのようなつながりから?
 
「3年ぐらい前から対バンはしてるんですけど、この春のツアーの名古屋のゲストにTHEラブ人間に来てもらって。そのときにビートりょうが連絡先を交換して、ようやく仲良くなったんじゃないかと。単純に友達がいないバンドなので、ようやくできた友達に、ゲスト参加してもらった感じです。ラッパーの友達ができたらラップをやってもらうんじゃないですか?(笑) 本当は僕じゃない人が歌う曲とかが欲しいんですけどね。僕が一番先頭に立たなくてもいい。僕の目標はステージ上にただ座ってるだけの人で、僕がスクっと立ったりすると沸く、みたいな」
 
――歌うことがあまり好きではないんですか?
 
「歌は好きですけど、ステージでバンドに合わせて歌うこととはまた別ですよね。1人カラオケが一番好きですね」
 
――ちなみにどんな曲を歌ってるんですか?
 
「シャ乱Qとかですかね。沢田研二とか歌謡曲的なものから、チェッカーズとかシャネルズとか80sを歌うことが多いかな。SMAPとかKinKi Kids世代なんで、ジャニーズもめっちゃ歌いますよ」
 
――ひたすらロックのルーツをさかのぼってるのかと思いました。その1人カラオケを覗いてみたいです(笑)。
 
「ダメです。Every Little Thingとかも歌ってます。ロックはカラオケで歌ってもあんまりおもしろくないから、歌わないですね。聴いたり踊ったり騒いだりはいいんですけど」
 
――『GIRLS(ボーイズ)』はMVも最高ですね。古い洋館のような場所で展開されるグラマラスなムードと平田さんの動きに目が釘付けになります!
 
「まだまだですね。ホントはもっとすごいはずなんだけどな。踊れるようになりたいですね。見せるためというよりも、自分の喜びのために。そういう欲求だけはあるんですよ。エレキギターもめちゃくちゃ弾けるようになりたいんですけど、教則本みたいなものを買ってきただけで。エレキギターの弾ける人生って楽しいと思うんですよね」
 
――確かに楽器を持たずに歌っているイメージが強いです。
 
「でも、ステージで弾きたいわけじゃないんですよ。ただ単に弾きたい、っていうだけ。いろんな曲を弾けるようになったら、人生楽しそうじゃないですか。でも、エレキギターを弾きたいと言うと、“ぱんだがギターなんか持たないでほしい”ってファンが反応するんですけど、そういう話じゃねぇっつうの…」
 
 
人前で演るためにアルバムを作っているので、全てはツアーのため
 
 
――今作の中では『悲しみのグロリア』(M-5)のボーカルが異色だなと。
 
平田「僕は七色の声を持つ男と呼ばれてますから。スローナンバーは本当はやりたくないんですけど、元々のコンセプトが“ビートりょうのソロアルバム”だから、ビートりょうが持ってきた曲は全部歌ってやるぞ!っていう気持ちだったので、仕方なく1曲だけそういう曲をやりました。実は収録されなかった曲の中にもスローでポップな歌モノがすげぇ多くて、その中から選んだのが『悲しみのグロリア』です。メロディックな曲はだいたいビートりょうが作った曲で、僕のはビート、ビート、ビートって感じっすね」
 
――名前はビートりょうなのにね(笑)。
 
「そうなんですよ。でも、あの名前はビートたけしのビートらしいですけどね」
 
――今回は改めて歌詞にもグッときました。例えば、ビートりょうさん作詞作曲の『あういえ』(M-4)とか、ボヘミアンズのカウンター精神みたいなものがストレートに感じられて。メッセージを担っているという意識は?
 
「ないっすね。僕は気楽に楽しく生きている男なので、メッセージは基本的に邪魔だとすら思ってます」
 
――『TOTAL LOVE』はロックの先人へのリスペクトも感じられる感動的なナンバーですが、前回のインタビューで“今までで一番素直なアルバムになった。次は自分が受けてきた影響が露骨に出てくるはず”というようなお話しをされていたので、この曲は平田さんの想いがより素直な形で歌詞になっているのかなと。
 
「より何も考えなくなったんですよ。特に意識してないですけど、自分の中のもっと奥から出たんじゃないですか」
 
――具体的に誰かのことを思い浮かべて書いたわけではなく?
 
「そういうことは一切しないです。後から恥ずかしくなるんで。意味はなけりゃない方がいいと思ってます」
 
――『TOTAL LOVE』はラストでもいいようなナンバーですが、最後にタイトル曲の『kaiser strong majestic love』(M-10)が入っているのがボヘミアンズらしいというか、ライブっぽいラフな空気感が伝わってきて。
 
「最後ぐらい一発録りをやっとこうと思って、プリプロ=試し録りの音源をそのまま使ってるんですよ。やっとこういう曲を入れることができてよかったですね。本当は全部この曲みたいな録り方をしたいです」
 
――このタイトルに込められている想いとは?
 
「今のモードで、ちょっと大げさなぐらいにしようって感じっすかね…。愛の足りない男だなぁと自分で思っていて、“今年は愛で行くぞ!”という気分だったので」
 
――HPで“ハッピーラブなアルバム”というコメントも書かれていましたが、kaiser、strong、majesticと強調する単語が3つも連なっていて超最強なラブですね。
 
「自分を鼓舞するためにつけたというか、そんくらい重ねとけば自分もテンションが上がるだろうと」
 
――今作が完成して何か変わりましたか?
 
「何も変わらないけど、ツアーで変わるかもしれないです。人前で演るためにアルバムを作っているので、全てはツアーのためです」
 
 
最近は迷いがないので、ライブも迷いがないんです
 
 
――来年が現メンバーになって10周年ということですが。
 
「ボヘミアンズは、地元の山形でやっていた遊びのバンド名なんですけど。東京に来て今の5人が揃ったとき、たまたま名前を変えずにやってたら、変えるタイミングを失ってしまって…。山形の頃と比べたら今は別バンドと言えば別バンドなんで、名前を変えとけばよかったな~。そしたら来年“結成”10周年って言えたのに」
 
――それだけ思い入れのある現メンバーになってもうすぐ10年が経ち、ロックンロール道を突き進むボヘミアンズのポジションが、しっかり確立されてきてるんじゃないですか?
 
「そうですね。もうボヘミアンズでしかなくなりました。迷いがなくなってしまいました」
 
――初回盤に付いているライブDVDにも、気迫と熱気が凝縮されていますよね。
 
「最近は迷いがないので、ライブも迷いがないんです」
 
――このアルバムを引っ提げてのツアーも始まっていますね。
 
「CDはよりライブを楽しむために仕方なく家で聴くものです。来なきゃ分からないので、来てから判断してください。年齢性別問わないです!」
 
 
Text by エイミー野中
 




ライター・エイミー野中さんからのオススメ!

「ボヘミアンズのインタビュー自体は今回が4回目なんですけど、平田ぱんだ単独では初めてということで、今までとは違う緊張感がありつつ、結果的に意外な素顔も垣間見れた楽しいインタビューとなりました。“カポエラを1日だけ習いに行ったことがある”という話になったときは、カポエラがよく分かってない私に、軽く踊るような素振りでユーモラスに教えてくれました(笑)。しかし、相変わらずポーカーフェイスで、何度お会いしても不思議で興味が尽きません。ちなみに、動画コメントを見てもらっても分かるように、今回は大阪で買ったというアニマル柄のコーディネートで登場。そのパンチの効いたファッションとも相まって、我が道を突き進む絶好調なマインドが伝わってきました。楽曲に関しては多くを語ろうとしないけど、歌詞に込められた想いとか、メッセージとか、そういう類のことを長々と補足するより、ロックンロールに全てを託すというのが彼の流儀なんだなと。それはきっとロックンロールそのものが勇気や自由を取り戻す魔法の力を持っているからだと思いました。やっぱり、ボヘミアンズは問答無用の解放感をライブで体感させてくれる、現代の希少種的ロックバンド。全てはライブで証明してくれます!」

(2016年11月18日更新)


Check

Movie Comment

大阪に豹柄で乗り込み告知!(笑)
平田ぱんだ(vo)からの動画コメント

Release

ロックンロールの永遠の輝きを
封じ込めた絶好調な最新作!

Album
『kaiser strong majestic love』
発売中 3000円(税別)
DELICIOUS LABEL
QEZD-10001~2(BUMP-059)

<収録曲>
01. GIRLS(ボーイズ)
02. JUMPIN' JOHNNY & THUNDER FLASH
03. Brighter guy, Brighter girl
04. あういえ
05. 悲しみのグロリア
06. 恋の1秒野郎
07. BEAT GOES ON
08. LOVE COLLECTOR
09. TOTAL LOVE
10. kaiser strong majestic love

<DVD収録内容>
“SUPER SUMMER FIRE ATOMIC BOHEMIANS SHOW 2016”
2016.08.07 at Shimokitazawa SHELTER
01. 恋の8cmシングル
02. so happy go lucky!
03. bohemian boy

Profile

ボヘミアンズ…写真左より、本間ドミノ先生(key)、千葉オライリー(と無法の世界)(ds)、平田ぱんだ(vo)、星川ドントレットミーダウン(b)、ビートりょう(g)。山形県出身の5人編成のロックンロールバンド。'05年に平田ぱんだとビートりょうが山形県山形市で結成。'06年に1stデモアルバム『ロックンロールショー』をリリース。同年、本間ドミノが加入。'07年3月、大学を卒業して上京し、千葉オライリー(と無法の世界)、星川ドントレットミーダウンが参加し、現在の編成となる。'11年8月にメジャーデビューアルバム『憧れられたい』を発表。3枚のアルバムをリリースした後、'13年春、セルフマネージメントで活動開始。'14年1月、the pillowsの山中さわお(vo&g)が主宰するDELICIOUS LABELに移籍。同年8月に約1年8ヵ月ぶりのアルバム『BUM』をリリース。’15年、バンド生誕10周年を迎え、8月にアルバム『brother,you have to wait』を、今年9月28日にはニューアルバム『kaiser strong maestic love』をリリース。10月28日から『GREAT NATIONAL LOVE TOUR 2016 ~愛で行こう!編~』がスタート。

THE BOHEMIANS オフィシャルサイト
http://the-bohemians.jp/

Live

リリースツアーも中盤戦!
大阪公演が間もなく開催へ

 
『GREAT NATIONAL LOVE TOUR 2016
~愛で行こう!編~』

【千葉公演】
▼10月28日(金)千葉 LOOK
【宮城公演】
▼10月30日(日)LIVE HOUSE enn 2nd
【北海道公演】
▼11月6日(日)BESSIE HALL
【新潟公演】
▼11月12日(土)新潟CLUB RIVERST
【長野公演】
▼11月13日(日)the Venue

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード304-552
▼11月20日(日)18:30
心斎橋JANUS
オールスタンディング3240円
サウンドクリエーター■06(6357)4400
※小学生以上は有料、未就学児童は無料(大人1名につき、子供1名まで同時入場可)。

チケットの購入はコチラ!
チケット情報はこちら

 
【大分公演】
▼11月22日(火)club SPOT
【福岡公演】
▼11月23日(水・祝)福岡Queblick
▼11月24日(木)LIVE SPOT WOW
【岡山公演】
▼11月26日(土)岡山ペパーランド
【愛知公演】
▼11月27日(日)池下CLUB UPSET
【東京公演】
▼12月10日(土)東京キネマ倶楽部
 

Column1

永遠のロックンロール厨が
素直な衝動を爆発させた無敵の
『brother,you have to wait』!
前回インタビュー&動画コメント

Column2

ロックンロールへの憧れを抱きしめ
ドン底からの1年8ヵ月ぶりの新作
『BUM』を手に旅するツアーは
その名も“僕の復活”!
'14年のインタビュー

Column3

ロックンロールへの深い愛と
憧れを胸にムッシュかまやつとの
世代を超えたコラボも話題を呼んだ
THE BOHEMIANSが
バンドのヒストリーから『BOHEMIANS FOR LIFE』
までを語った全員インタビュー!