ロックンロールへの憧れを抱きしめて―― ドン底からの1年8ヵ月ぶりのアルバム『BUM』携え 旅するツアーはその名も“僕の復活”! THE BOHEMIANSインタビュー&動画コメント
遂にTHE BOHEMIANSが“復活”を遂げた。この夏、約1年8ヵ月ぶりとなる待望のニューアルバム『BUM』を投下。今作はメンバーとも相思相愛の山中さわお(the pillows)主宰のDELICIOUS LABEL移籍第1弾。ドライブ感満点に視界を切り開く『NEW VIEW』で幕を開け、所在ない憂鬱を振り払い「僕は僕にしかなりたくない!」という強い決意と共に、“夢のスーパーなビッグマシーン”に乗って宇宙の果てまでぶっ飛ばすラストの『SUPER THUNDER ELEGANT SECRET BIG MACHINE』まで。一気に聴けて、そして何度でも聴きたくなる、ボヘミアンズ流の理想のロックンロールを体現した1枚となっている。現在は2年ぶりのワンマンツアー真っ只中。来年の10周年を前に新章に突入したメンバーを代表し、平田ぱんだ(vo)とビートりょう(g)に現在の想いを訊いた。
今作は去年の夏の、鬱憤を溜めまくった感じがすごい出たなと思います
――'12年にリリースされた3rdアルバム『BOHEMIANS FOR LIFE』以降、環境面でいろいろ変化があったと思いますが、待望のニューアルバム『BUM』が完成しましたね。
平田ぱんだ(vo) 「早く新しいアルバムを出して、ボヘミアンズはすごくいい曲がいっぱいあるバンドなんだって世の中に示したかったんだけど…。ずっとCDも出せないし、ツアーも出来ない状態が続いていたんです。今作は去年の夏の、そういう鬱憤を溜めまくった感じがすごい出たなと思います。3年前の夏に出したメジャー1stアルバム『憧れられたい』(‘11)は、ロックンロールそのものを信じられていて、明るくて前向きな最高のアルバムなんですごく気に入っているんですけど。今回はそのときとは違う、もう1つの夏のアルバムになりました。去年の夏って、家にいても、ただ起きて、酒飲んで、ずっとエアコンを付けていたっていう生活だったから(苦笑)。その状況を英語でカッコよく言うとしたら、“バムってる”って言うんですよ。“BUM”ってそういう“ダメなヤツ”みたいな意味で、それで今回のアルバムタイトルも『BUM』」
――ジャケットもインパクトありますね。
平田 「ハイロウズがアルバムでバームクーヘンをジャケットにしていたように、レコードを食べ物で表現したようなアルバムを1回やりたかったんです。以前は“ロックンロールアイドル”みたいな言い方をされていたので、ジャケットに本人たちが出てないとNGな感じがあったんですけど、今回は全ての条件が整ったので、ハムしかないなと(笑)。だから今回はジャケットも含めて今までで一番気に入ってます。リリースも語呂を合わせて8月6日にしました(笑)」
――『NEW VIEW』(M-1)から突き抜けていく感じがあって、腐っていた時期を突き破るような勢いがありますね。
ビートりょう(g) 「僕もそう思います」
――研ぎ澄まされていて、流行廃りも関係なく、メンバーが好きなロックのエキスがギュッと詰まっているのでは?
平田 「’00年代初頭に一番ハマッていた最新のロック感があって。ずっとこういうのをやりたいなって思っていたものが、このアルバムでやっと形になって、すごくスッキリした感じがします。“ザ・ビュー(The View)感”が出てよかったです。ずっとそれを追い求めてたんですよ」
――“ザ・ビュー感”とは?
ビートりょう 「単純に(ザ・ビューが)好きで憧れているバンドなので…」
平田 「ボヘミアンズって、多分“ザ・ビュー感”をずーっと突き詰めていたバンドなんですよ。(最初のアルバムの)『I WAS JAPANESE KINKS』(‘10)からずっと。ザ・リバティーンズじゃなくて、ザ・ビューなんです。あの憧れながらやっている感じ。二番手感というか。リバティーンズは天然な感じだけど」
ビートりょう 「ピート(・ドハーティ)(=ザ・リバティーンズのボーカル)にはなれない、みたいな感じがあるんで」
平田 「それを聴いて、俺もああなりたいなって思ったんです。そうは言っても、ザ・ビューだけのオリジナリティもいっぱいあるし、リバティーンズとは全然別のものになっているし。ボヘミンズもその感じをずっと求めていたんです。それにようやく到達したから、次からはハードロックをやろう!って言ってます(笑)」
――(笑)。それぐらい自分たちがやりたかったロックがここに凝縮されてるんですね。
平田 「俺の青春のロック感が全部詰まってる!」
ビートりょう 「僕もすごく満足してます。今回は感覚的にインディーズで『I WAS JAPANESE KINKS』を作ったときの感じに似てるかなと。一番自然に作品を作るとこうなる。今回はやりたかったロックがまっすぐ、そのまま出たなと思います」
子供の頃の俺の夢のバンドストーリーは
DELICIOUS LABELからデビューすることだったので、夢が叶いました
――今作は、the pillowsの山中さわおさんが主宰するDELICIOUS LABELからの移籍第1弾でもありますね。さわおさんとの出会いは?
平田 「一昨年の夏ぐらいに、俺がthe pillowsが大好きなことがスタッフを通してさわおさんに伝わって。その年の『RISING SUN ROCK FESTIVAL in EZO』に行ったときに、さわおさんにボヘミアンズの2ndアルバム『THIS IS POP!!!』(‘12)を渡したら、めちゃくちゃ気に入ってくれたんです。子供の頃の俺の夢のバンドストーリーは、DELICIOUS LABELからデビューすることだったので、夢が叶いましたね。今作でファミリーの一員になれたので」
ビートりょう 「さわおさんとの作業はすごく新しい経験でした。ホントにスタジオにつきっきりで、6人目のメンバーとしてその場にいてくれたから。俺ら5人だけでやっていたときは、こだわらなくてもいいところにこだわっていたりしてたんだけど…」
平田 「例えば、“魂が入ってないように聴こえる”とか、自分にしか分からないようなところとか。そんなところにこだわらなくても、楽曲のクオリティは上がるというか」
ビートりょう 「そんなヘンなことにこだわるんだったら、もっとこうした方がいいというか、こうしろああしろって押し付けるんじゃなくて、スムーズに制作出来るような進行役になってくれて」
平田 「プロデュースされてよかったと思います。メンバーだけだといつまで経っても出来ない(笑)。もっと早くプロデューサーを付ければよかったなと。さわおさんがどんどん進めるタイプだったので作業も早くて、一番今に近いボヘミアンズを記録することが出来たんで。’13年に作った曲が次の年に出るなんて…今まではこんなに早く音源化されることがなかったし、そもそも純粋にそういう新しい曲だけで構成されるようなことがなかったから」
――アルバム自体も収録時間が40分未満とコンパクトですね。3分ない曲もあるし。
平田 「本来そうすべきなんですよ。今までが詰め過ぎだったんです。3分を超えたら、どこか減らさなきゃって真剣に考えるべきなんで。でも、時に『THE ALWAYS』(M-10)なんかがそうなんですけど、3分には収まるわけにはいかない曲も絶対にあるはずで。これだけはもっと長くてもよかったぐらいの曲ですね」
――ラストの『SUPER THUNDER ELEGANT SECRET BIG MACHINE』(M-11)は、今のボヘミアンズのロックを象徴してる1曲なのかなと。
平田 「その曲から次につながっていく感じというか…。割とボヘミアンズの曲って、日本人がイメージするロックンロールバンドの曲ではないものが多くて。分かりやすい3コードの誰でも出来る曲はやりたくない、みたいなところがあったんです。この曲は、分かりやすいロックンロールバンドの曲と、そこらのロックンロールバンドとはちょっと違うぜ感とが、今までで一番上手い具合に合わさった曲ですね。ボヘミアンズらしくもあるし。単純に自分が好きだった音楽をみんなにも好きになってもらいたいし、それを紹介する役目になれたらいいなと思いますけど…あんまり俺らみたいな音楽は今流行ってないから。残念ながら日本のロックって、10年前の流行をずっと繰り返してるみたいな状況で。俺らも古いけど、どうにかならんかねって。そろそろそういう時代が終わって、俺らの方に寄ってこないかなと思ってるんですけど…」
ビートりょう 「このアルバムがそのきっかけにならないかな。そのためにも頑張りたいですね」
10年続けてしょぼいバンドって俺、見たことないんですよ
――そして、今回のアルバムを引っ提げ行われている全国ツアーのタイトルが『AUTUMN ROYAL BUM TOUR 2014~僕の復活~』となっています。
平田 「ようやく付けることが出来ました。“復活”っていう言葉がめっちゃくちゃ好きなんです。一番好きなロックアルバムの邦題っぽさがあって。ストーンローゼズのアルバム収録曲の邦題を全部出したかったので、これでスッキリしました(笑)」
――ちなみに、今年は結成10周年の年になるんですか?
平田 「実は違うんです。THE BOHEMIANS名義でちゃんとライブハウスデビューしたのは’05年なんで、来年でTHE BOHEMIANS生誕10年ですね」
――やっぱり10年続けられると大きな自信になるのでは?
平田 「10年続けてしょぼいバンドって俺、見たことないんですよ。10年以上やってるロックンロールバンドって、売れてる売れてないに関わらずステージは最高だし。毎回ステージが完成されていて、ライブに行ったら絶対に楽しい。だから、もうちょっとで絶対にスベらないバンドになるかもしれない、ボヘミアンズはまだ9年だから(笑)。いつもボヘミアンズって“何か足りない”感じがあって、そこが長所でもあり短所でもあって、よく“かわいい”って言われるんですけど、そういうことだと思うんです(笑)」
――10周年に向け、さらなる活躍を期待しています。本日はありがとうございました!
Text by エイミー野中
(2014年10月 6日更新)
Check
Movie Comment
動画コメントはメンバー全員集合! THE BOHEMIANSからのメッセージ
動画を再生するには、videoタグを サポートしたブラウザが必要です。
Release
ロックのダイナミズムとロマンを 詰め込んだ1年8ヵ月ぶりの新作!
Album 『BUM』 発売中 2500円 DELICIOUS LABEL BUMP-041 <収録曲> 01. NEW VIEW 02. BUM 03. SHOPPING 04. 真夏の仲間 05. Nadine 06. Shyboy 07. DRIVE LOVE 08. Johny Foo 09. Pictures Of Pete 10. THE ALWAYS 11. SUPER THUNDER ELEGANT SECRET BIG MACHINE
Profile
ザ・ボヘミアンズ…山形県出身の5人編成のロックンロールバンド。メンバーは、平田ぱんだ(vo)、ビートりょう(g)、星川ドントレットミーダウン(b)、本間ドミノ先生(key)、チバ・オライリー(と無法の世界)a.k.aジャン(ds)。'04年、ビートりょうが「学園祭にバンドで出演したい」と平田ぱんだに電話したところ即快諾。2人を中心にその年の学園祭に出演後、同じ学科だった本間ドミノ先生も加入し、'05年、山形と仙台のライブハウスを中心に活動をスタート。'07年、大学を卒業して上京。チバ・オライリー(と無法の世界)a.k.aジャン、星川ドントレットミーダウンが参加して現在の編成となる。'11年にメジャーデビューアルバム『憧れられたい』を発表。'13年春、セルフマネージメントを開始。'14年1月、the pillows山中さわおが主宰するDELICIOUS LABELに加入。8月6日に約1年8ヵ月ぶりのアルバム『BUM』をリリース。
THE BOHEMIANS オフィシャルサイト
http://the-bohemians.jp/
Live
2年ぶりのワンマンツアーも中盤戦 大阪公演が間もなく開催へ!
『AUTUMN ROYAL BUM TOUR 2014 ~僕の復活~』【金沢公演】 チケット発売中 Pコード234-767 ▼10月8日(水)19:00 金沢vanvanV4 スタンディング3000円 FOB金沢■076(232)2424
チケットの購入はコチラ!
Pick Up!!
【大阪公演】
チケット発売中 Pコード234-657 ▼10月10日(金)19:00 心斎橋JANUS オールスタンディング3000円 サウンドクリエーター■06(6357)4400 ※小学生以上は有料、未就学児童は無料 (大人1名につき、子供1名まで同時入場可)。
チケットの購入はコチラ!
【広島公演】 チケット発売中 Pコード234-904 ▼10月11日(土)18:00 広島Cave-Be オールスタンディング3000円 夢番地広島■082(249)3571【仙台公演】 チケット発売中 Pコード234-737 ▼10月17日(金)19:00 LIVE HOUSE enn 2nd オールスタンディング3000円 G・I・P■022(222)9999【名古屋公演】 チケット発売中 Pコード234-631 ▼10月26日(日)18:00 池下CLUB UPSET 前売3000円 ジェイルハウス■052(936)6041【札幌公演】 チケット発売中 Pコード231-423 ▼11月1日(土)18:00 KRAPS HALL オールスタンディング3000円 WESS■011(614)9999【東京公演】 チケット発売中 Pコード234-717 ▼11月3日(月・祝)18:00 東京キネマ倶楽部 立見3000円 ホットスタッフ・プロモーション■03(5720)9999 ※未就学児童は入場不可。
チケットの購入はコチラ!
Column
ロックンロールへの深い愛と 憧れを胸にムッシュかまやつとの 世代を超えたコラボも話題を呼んだ THE BOHEMIANSが バンドのヒストリーから『BOHEMIANS FOR LIFE』 までを語った全員インタビュー!