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ホーム > インタビュー&レポート > より広く、より深く侵食していく長澤知之という新ジャンル 驚異の2ndアルバム『黄金の在処』徹底解剖【後編】 いよいよツアー後半戦へ突入! 自由に音楽で遊ぶ愛すべき 奇才の現在に迫る撮り下ろしインタビュー&動画コメント


より広く、より深く侵食していく長澤知之という新ジャンル
驚異の2ndアルバム『黄金の在処』徹底解剖【後編】
いよいよツアー後半戦へ突入! 自由に音楽で遊ぶ愛すべき
奇才の現在に迫る撮り下ろしインタビュー&動画コメント (2/2)

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多分その時点ではすっごく嬉しいだろうけど、断るんだろうなぁ(笑)
 
 
――あと、個人的には、『フラッシュバック瞬き』(M-2)がめっちゃいいなと!
 
「ありがとうございます。これはオオシバン(=大柴広己)がキューピットなんですよ」
 
――ボカロPのれるりりと飲みの場で引き合わせてくれたんやもんね。
 
「この曲に何か女の子の声を入れたいねみたいな話になったとき、最初は誰かスタッフさんの女の子に歌ってもらえないかな?とか、近しいミュージシャンの女の人にとか思ってたんだけど、生身の女の人が歌う声って、声によっては生々しくなっちゃって、何かヘンな意味でホットになったりするから、ちょっと怖かったんですね。だからいい意味で血の通わない声が欲しくて、そっちの方が逆にあたたかく聴こえるような気がして。じゃあボカロでどうかな?っていうことで、れるりりくんにデータを頂いて。ダーク、スウィート、ウィスパーとか幾つか声のパートもあったんで、尚さら助かって」
 
――あとは毎回思うけど、いろんなプレイヤーが参加することによって逆に際立つ、ギタリストとしての長澤くん。
 
「ホントですか! ありがとうございます。嬉しいです」
 
――『GOODBYE,HELLO』(M-1)とかめちゃいい。長澤くんも誰かからギタリストとして呼ばれてやったらおもしろいかもなと思いましたよ。
 
「いやぁそんな度胸はないな!(笑)」
 
――もちろんフィーチャリングのボーカルとかでもいいし。例えば、“この曲で長澤くんにお願いしたいんだけど”って呼ばれたらどうなるだろうね。
 
「多分その時点ではすっごく嬉しいだろうけど、断るんだろうなぁ(笑)」
 
――アハハハハ!(笑) 受けろよ~(笑)。
 
「(笑)。でも、やればステップアップするでしょうね、きっと」

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変わっていく自分はありますね、確実に
 
 
――今作には『無条件幸福』(M-8)『あとの祭り』(M-11)と古い曲も入っていて。
 
「『無条件幸福』は入れるつもりだったんですけれども、何となく時期を見てて。『あとの祭り』は、もうホントに個人的な想いで10代の頃に作った大好きな曲で。中学生のときに部屋に引きこもってギターばっかり弾いてた頃に、周りのヤツらは勉強ばっかしてて、全然それを否定することはないんですけど、何だかすごくムカついた時期があって。そのときの復讐というか、10代の自分のためにやってあげてる仕返しって感じですね(笑)」
 
――例えば、10代のときに作った曲が最新アルバムに入っても全然違和感がないのはすごいことで。逆にあのときは若いから歌えたなじゃないけど、もうこんな曲は歌えなくなったなって思うことある?
 
「あるある。今はありますね」
 
――やっぱり変わっていく自分を感じてるんやね。
 
「変わっていく自分はありますね、確実に。もちろん人間みんなそうだと思うけど、変わらない自分と変わってく自分が確実にあって。自分の身体そのものも、どんどん抜け替わっていってるようなものだから。何かハッキリそういうことは感じます」
 
――けどそれは、いい変化だと自分では思えるものよね?
 
「そうですね。いかに肯定的に自分を認められるかが、幸福につながるのかなぁって今は思うんですよね」

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僕はいちシンガーソングライターで
もしメッセージを込める適切な場所があるとしたらば、それは詞なので
 
 
――製作中の印象的なエピソードとかはある?
 
「めっちゃ覚えてるエピソード…『STOP THE MUSIC』(M-13)で、伊藤大地(ds)くんとキタダマキ(b)さんとスタジオで向かい合ってだんだん盛り上がって行くときの、ドンドン燃えてきてんな~っていうあの感じが、今バッと思い浮かびました」
 
――いろんな人が参加してくれてるけど、一番印象に残ってることはすごくミュージシャン的というか、ピュアな衝動で。この曲ではある種の長澤節とも言える痛烈な歌詞やけど、ブログとかを見てても、今のミュージシャンに多く見られるTwitter状での発言だったりも含めて、SNSでベラベラ語ることはあんまり好きじゃない感じやね。
 
「そうですね。僕はいちシンガーソングライターで、もしメッセージを込める適切な場所があるとしたらば、それは詞なので。詞というものはある程度の抽象性が大事だし美徳だなと感じているので。だからこういう結果(=歌詞)になっちゃいます(笑)」
 
――FacebookもTwitterとかのSNSも含めて、長澤くんのデビュー以降のこの7〜8年でも、時代は変わったもんね。YouTubeもあるし。
 
「確かに変わりましたね。データ化された音楽だったり。だからきっと形に残したいっていうのは、その時代を生きた人たちの未練がましいところなのか。自分たちの思い出補正でキレイになっているから、それが正しいと思ってしまうからかもしれないですね」
 
――俺が最近思ったのは、CDは廃盤でどこでも買えない、もうホームページもない、Wikipediaもない、ぐらいの知名度の人で、ググっても情報はそんなに出てこないんだけど、俺はその曲をめっちゃ覚えてる。そういう意味では、音楽っていうものはその形の有る無しに関わらず、聴いた人の中に確実に残ってる。そう考えると、やっぱり音楽は信じられるものだなぁと思って。もちろん長澤くんの作品が手に取ることがずっと出来るような状態であるとすごく嬉しいけど、作品を作り続けていれば、長澤くんの曲を記憶に留める人が増える可能性があるもんね、やっぱり。
 
「まさに今、奥さん(=筆者)が仰ったみたいに、Wikipediaにも載ってなくて、YouTubeにも上がってないけど何か聴いたことがあるとか覚えてるとか、それでも音楽は生きていて成立するのが理想だと思うから。音楽は音楽としてそこにもうあるものだし、俺は盛大に世の中を変えてやるみたいなことは歌えない。アルバムのテーマもそうだけど、音を楽しもうとか生活に彩りを付けようとか、人生のそういう1つのアイテムとして自分の趣向をやっているだけなので。『黄金の在処』(M-7)では“僕の黄金の在処”って歌い始めるんですけど、それはあくまで“僕の”なんで」
 
――街の灯の数だけ人が住んでるって言うけど、その1つでも多くの中に、このアルバムがあったらいいよね。それこそ長澤くんのいないところで勝手に仲良くなるしね(笑)。
 
「不思議な気持ちですよね(笑)。嬉しいです」
 
――それにしてもいい意味で過渡期というか、次につながるアルバムが出来たなぁと。このペースだと、次の3rdアルバムは2015年かな?
 
「かな?(笑)」
 
――期待しながら待ってます(笑)。それじゃツアー後半戦のワンマンでまた会いましょう!
 
「ありがとうございました!」
 
 
Text by 奥“ボウイ”昌史
Photo by 渡邉一生(SLOT PHOTOGRAPHIC)

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(2014年2月14日更新)


Check

Movie Comment

長澤くんがアルバムと共に
独自の視点で関西の印象を語る!(笑)

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Release

Nabowa、赤い公園、れるりり他参加
才気溢れる高純度2ndアルバム!

Album
『黄金の在処』
発売中 2500円
ATSUGUA RECORDS
ATS-47

<収録曲>
01. GOODBYE,HELLO
02. フラッシュバック瞬き
03. スーパーマーケット・ブルース
04. そのキスひとつで
05. 誰より愛を込めて
06. 追憶
07. 黄金の在処
08. 無条件幸福
09. VACANCES
10. あんまり素敵じゃない世界
11. あとの祭り
12. ハレルヤ
13. STOP THE MUSIC

歴代のMVをコンパイルした豪華DVD
2/15(土)心斎橋JANUSで先行発売!

DVD
『FILMS』
2月19日(水)リリース
※2月15日(土)心斎橋JANUSにて
先行会場発売!

3333円(税抜)
ATSUGUA RECORDS
ATS-49

<収録曲>
01. 僕らの輝き
02. RED
03. P.S.S.O.S.
04. EXISTAR
05. 24時のランドリー
06. 三日月の誓い
07. 明日のラストナイト
08. 俺はグビ
09. JUNKLIFE
10. カスミソウ
11. バベル
12. あんまり素敵じゃない世界
13. GOODBYE,HELLO
14. そのキスひとつで
15. フラッシュバック瞬き

Profile

ながさわ・ともゆき…’84年生まれ、福岡県出身。8歳でビートルズとブラウン管ごしの対面を果たし音楽に覚醒。10歳でギターを始め、11歳で初のオリジナル曲を完成。18歳で音楽事務所・オフィスオーガスタのデモテープ・オーディションでその才能を認められ、’06年にシングル『僕らの輝き』でメジャーデビュー。’07年には『PAPER STAR』『P.S S.O.S.』の2枚のミニアルバムを発表後、ライブと楽曲制作を地道に重ね、’09年3月にミニアルバム『EXISTAR』を発売。同作に伴う東京、大阪、福岡のワンマンライブは全会場ソールドアウトに。また、同年8月にはミニアルバム『SILENTSIREN』をリリースし、2度目の全国ワンマンツアーを敢行。鮮烈なハイトーンボイス、エキセントリックなギター、柔と剛、静と動、繊細さと凶暴さを併せ持つ独自の世界観を提示する、唯一無二のシンガーソングライター。’11年4月には自身初のフルアルバム『JUNKLIFE』を、’12年1月にはシングル『カスミソウ』、6月にはミニアルバム『SEVEN』を発売。ジャケットには、本人が大きなキャンバスに描いた絵が使用され、大きな反響を呼んだ。年末には『お休みハッピーX’mas』を期間限定にてストリーミング&無料配信。’13年は制作活動を行いながら、精力的にイベントへ参加し、7月31日には配信シングル『誰より愛を込めて』を、11月6日には待望の2ndフルアルバム『黄金の在処』を発表。

長澤知之 オフィシャルサイト
http://www.office-augusta.com/nagasawa/

Live

Pick Up!!

【大阪公演】
『Nagasa・Oneman8 Band Ver.』
チケット発売中 Pコード216-604
▼2月15日(土)18:00
心斎橋JANUS
オールスタンディング4200円
[共演]西川進(g)/松田“FIRE”卓己(b)/
タナカジュン(ds)
GREENS■06(6882)1224
※未就学児童は入場不可。

【名古屋公演】
チケット発売中 Pコード216-819
▼2月17日(月)19:00
アポロシアター
前売4200円
ジェイルハウス■052(936)6041
※未就学児童は入場不可。

【広島公演】
チケット発売中 Pコード216-693
▼2月22日(土)17:00
HIROSHIMA BACK BEAT
オールスタンディング4200円
ユニオン音楽事務所■082(247)6111
※未就学児童は入場不可。

【福岡公演】
チケット発売中 Pコード216-729
▼2月23日(日)17:30
DRUM SON
スタンディング4200円
キョードー西日本■092(714)0159
※6歳未満入場不可。

【東京公演】
チケット発売中 Pコード213-776
▼2月28日(金)19:00
LIQUIDROOM
スタンディング4200円
ソーゴー東京■03(3405)9999
※未就学児童は入場不可。

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チケット情報はこちら

『黄金の在処』徹底解剖
【前編】も公開中!

蜜月のグルーヴを生み出した
Nabowaとの裏話満載
撮り下ろし合同インタビュー!


Interview

美しいメロディが虹を描く
優しき新世界。長澤知之のまばゆき
現在を刻んだミニアルバム
『SEVEN』インタビュー!

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シーンに潜む異端児にして最終兵器
長澤知之の瑞々しい才能が爆発!
5年越しの傑作1stアルバム
『JUNKLIFE』インタビュー!

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