より広く、より深く侵食していく長澤知之という新ジャンル
驚異の2ndアルバム『黄金の在処』を徹底解剖する【前編】
『誰より愛を込めて』で蜜月のグルーヴを生み出したNabowaとの
裏話満載グッドヴァイブな撮り下ろし合同インタビュー!
(1/2)
デビューから5年の歳月をかけメロディメーカーとして天賦の才を爆発させたロックアルバムの金字塔にして、“ロックンロール・ジュークボックス”とでも言うべき傑作1stアルバム『JUNKLIFE』(‘11)から2年。こんなにも早く長澤知之の2ndアルバム『黄金の在処』が届いた幸福を、どう言い表したら良いだろう。今作では、赤い公園の津野米咲(g)が参加し新境地へと踏み込んだラブソング『そのキスひとつで』、ボカロPれるりりとの異色の試みで度肝を抜く神の声を聴かせるエレクトロニカ『フラッシュバック瞬き』をはじめ、多くのプレイヤー/アーティストたちが長澤知之という才能の元に集結。昨年発表したミニアルバム『SEVEN』からのその予感は始まっていたが、『黄金の在処』はより広く、より深く侵食していく長澤知之という新ジャンルの世界観を存分に味わえる1枚となっている。そこで、ぴあ関西版WEBではこの驚異の2ndアルバム『黄金の在処』と長澤知之の現在地を紐解く、前後編フルボリュームで贈るスペシャルな撮り下ろしインタビューを敢行! まず前編では、先行配信された『誰より愛を込めて』、そして『VACANCES』で蜜月の関係を結んだ、京都発の実力派インストバンドNabowaとの裏話満載の合同インタビューをお届け。常に笑いが耐えないインタビューは、まるで制作時の5人の光景が浮かんでくるようだった。
CD屋さんで同じ“ナ行”ですから
――まぁどちらも取材で何度もお会いしてる方々ですけども、まさか一緒にやることになるとは(笑)。この並びはなかなか想像出来なかったなぁというのがあるんですけど、そもそも長澤くんが最初にNabowaを知ったのは?
長澤「ディレクターの米納さんが“すっげぇいいバンドがいるんだ”っていう話をしてて、僕自身も何か新しい風というか、新鮮味が欲しいなと言ってて。いろいろと聴いていく中でNabowaさんを見付けて、これはリズムがすごく気持ちいいぞと。そこから段々と話を進めていった感じですね」
――逆にNabowaは長澤くんのことは知ってました?
景山(g)「知ってましたよ。CD屋さんで同じ“ナ行”ですから」
一同「あぁ~!(笑)」
――なるほど、何となく親近感湧くよね(笑)。
景山「そうそうそう(笑)。よく棚でお見かけしておりました」
――同じイベントにたまたま出てたとか、面識があったとかではないんやね。
山本(vl)「ホントにオファーを頂いてから、YouTubeとかホームページを観させてもらった感じでしたね」
――長澤くんも全く接点がない人と一緒にやりたいと思ったのも、何か不思議というか。
長澤「例え音楽が素敵だなぁと思っても、会って話をするのは結構ヘヴィなことで。実際会ってみて話をしたら取っ付きにくい人とかもいると思うんだけれども、Nabowaはそうじゃなかったので。スゴく優しく接して頂いて…」
(一同笑)
――じゃあまずは音でいいなと思って、でも会うまでは分かんねぇぞっていう。
川上(ds)「でも4対1やから、初めて対面するときは長澤くんの方が絶対にプレッシャーあったよね?」
長澤「そう(笑)。すごくドキドキしてましたね」
川上「でも、ホント光栄でしたね。僕らからシンガーの方にお願いすることはあったんですけど、お願いされたのは初めてだったので。ホントに嬉しかったですね」
ガッチリハートを摑まれたんですよ、僕(笑)
――実際に初めて会ったときの印象はどうでした?
景山「初顔合わせは、京都で1月ぐらいですかね?」
山本「狭いスタジオに男5人で入ってね(笑)。ビックリしたのが、機材を運ぶのを率先して手伝ってくれて、結構そこでガッチリハートを摑まれたんですよ、僕(笑)」
――1人で京都に乗り込んで行くのも、ちょっとドキドキするね。それでうわぁ~めっちゃ音いいけどめっちゃヤなヤツやったとかやったら辛いよね?(笑)
(一同爆笑)
――もうちょっと話進んでもーてるし。
景山「やっぱ辞めとくとも言いにくい(笑)」
――ここまで来て“ちょっと持ち帰らせてください”とか。それ、絶対今会った印象あかんかったんやん!って。
川上「アハハハハ!(笑) そうですよね」
――それか、あの3人はいいけど、アイツだけめっちゃイヤとか。
(一同爆笑)
山本「それイヤやなぁ~(笑)」
――そういうのなくてよかったね(笑)。
長澤「そうですね(笑)。何よりです、スゴく」
しばらくは“すぐる”くんでした(笑)
――それじゃあ最初にスタジオ入って、音を出したときはどう?
川上「音的にもお互いちょっと緊張してたんで、まぁ固かったですね、最初は(笑)」
長澤「まぁ探り探りで何か失礼のないようにっていうところと、自分はこういう音楽ですよっていうのを行き来している感じで」
山本「しかも僕ら、全員名前が変わってるじゃないですか」
長澤「フフッ(笑)」
山本「覚えるのにスゴく苦労してはった。えーっとえーっとって言いながら1文字だけ間違えるとかね。かわいかったですね、めっちゃ」
(一同笑)
長澤「(堀川)達(いたる)くんの名前をずーっと何かに間違えてて…」
堀川(b)「しばらくは“すぐる”くんでした(笑)」
(一同爆笑)
――しばらくそれを受けとめてたんや(笑)。
川上「多分僕の名前の優(ゆう)を読むと普通“すぐる”になるから、そういうところが(笑)」
――山本啓(やまもとひらく)、川上優(かわかみゆう)、景山奏(かげやまかなで)、堀川達(ほりかわいたる)って、Nabowaはホンマ個性的な名前やもんなぁ~(笑)。
既にカッコいいやんけ! 何したらえぇねん! みたいな(笑)
――『誰より愛を込めて』自体は、いつ生まれた曲?
長澤「書いたのは何年か前で、OTODAMA SEA STUDIOでも前に1回やってて。いざ録音しようとなったとき、何かこうブワァッと花開くものが欲しいなって。それがまさかここまで素敵な出会いになるとは思ってなかった」
――Nabowaも自分たちから声をかけることはあっても、声をかけられることはなかったと言ってましたけど、それこそ曲に対するアプローチも、自分たちの曲にしてもらうのと他人の曲にするのとでは全然違うと思うけど、そこに関してはどうでした?
景山「まずコード感が全然違うっていうところから。長澤くんはやっぱり歌があって、それにバチッと合うコードやったり…俺らとは成り立ちが全然違ったから。個人的な話ですけど、デモのギターもめっちゃいいフレーズが既に入ってたから、コレはマズい…と」
長澤「何がマズいんですか(笑)」
景山「既にカッコいいやんけ! 何したらえぇねん! みたいな(笑)」
――耳にどんどん飛び込んでくるのは、結局長澤くんのギターみたいな(笑)。
景山「それそれそれ!(笑) しかもボーカルがいて、ヴァイオリンもいてってなったら」
――そうか。さらに美味しいもんが幾つもあると。
景山「そうです。その邪魔をしないで、でも俺もいますよっていうのを出したいっていうのは、個人的には気を付けたところではあります」
――長澤くん、ギタリストとしてもめちゃくちゃ魅力的やからな~。
景山「悔しいですねぇ、ホンマもうカッコいいっすよ」
――でも、歌詞がいきなり“僕のギターのほとんどは嘘だから”ってね(笑)。
川上「もう衝撃ですよ(笑)」
(一同笑)
山本「それに続く“半分弾けても半分弾けちゃいない”って、あの歌詞にもヤラれましたね」
――そしてこの歌詞は、長澤くんがよくブログにも書いてある、自分という存在や音楽を見付けてくれた人への感謝がすごくある曲だなと。
長澤「そうですね。書いたときのことはよく覚えてないけれど、自分で詞を読み返したりするとそうだなっていうのはあるし、あとは周りの支えてくれる人たちにも向けて書いている歌詞だなって」
山本「すごくいい曲やと思ったんで、みんなでアレンジするのも楽しかったですし、エンジニアも知ってる方だったので、フラットな意見も出してもらって。レコーディングは本当に楽しかったですね」
(2013年12月16日更新)
Check
Release
Nabowa、赤い公園、れるりり他参加
才気溢れる高純度2ndアルバム!
Album
『黄金の在処』
発売中 2500円
ATSUGUA RECORDS
ATS-47
<収録曲>
01. GOODBYE,HELLO
02. フラッシュバック瞬き
03. スーパーマーケット・ブルース
04. そのキスひとつで
05. 誰より愛を込めて
06. 追憶
07. 黄金の在処
08. 無条件幸福
09. VACANCES
10. あんまり素敵じゃない世界
11. あとの祭り
12. ハレルヤ
13. STOP THE MUSIC
Profile
長澤知之
ながさわ・ともゆき…’84年生まれ、福岡県出身。8歳でビートルズとブラウン管ごしの対面を果たし音楽に覚醒。10歳でギターを始め、11歳で初のオリジナル曲を完成。18歳で音楽事務所・オフィスオーガスタのデモテープ・オーディションでその才能を認められ、’06年にシングル『僕らの輝き』でメジャーデビュー。’07年には『PAPER STAR』『P.S S.O.S.』の2枚のミニアルバムを発表後、ライブと楽曲制作を地道に重ね、’09年3月にミニアルバム『EXISTAR』を発売。同作に伴う東京、大阪、福岡のワンマンライブは全会場ソールドアウトに。また、同年8月にはミニアルバム『SILENTSIREN』をリリースし、2度目の全国ワンマンツアーを敢行。鮮烈なハイトーンボイス、エキセントリックなギター、柔と剛、静と動、繊細さと凶暴さを併せ持つ独自の世界観を提示する、唯一無二のシンガーソングライター。’11年4月には自身初のフルアルバム『JUNKLIFE』を、’12年1月にはシングル『カスミソウ』、6月にはミニアルバム『SEVEN』を発売。ジャケットには、本人が大きなキャンバスに描いた絵が使用され、大きな反響を呼んだ。年末には『お休みハッピーX’mas』を期間限定にてストリーミング&無料配信。’13年は制作活動を行いながら、精力的にイベントへ参加し、7月31日には配信シングル『誰より愛を込めて』を、11月6日には待望の2ndフルアルバム『黄金の在処』をリリースした。
長澤知之 オフィシャルサイト
http://www.office-augusta.com/nagasawa/
Nabowa
ナボワ…写真左より、山本啓(vl)、景山奏(g)、堀川達(b)、川上優(ds)。京都を拠点に活動している4人組インストゥルメンタル・バンド。現在までに3枚のアルバム、数枚のミニアルバム、シングル、アナログ盤をリリース。’10年5月発売の2ndアルバム『Nabowa』では、ツアーで鍛えられた演奏とノスタルジアをおぼえるオリジナルの世界観が見事に交差し、各方面より大きな反響を得た。リリース後には『FUJI ROCK FESTIVAL ‘10』をはじめ大型フェスに多数出演、ライブバンドとしても高い評価を得ている。’11年4月にはシングル『SUN』を発表、夏には2年連続となる『FUJI ROCK FESTIVAL ‘11』に出演。同年9月には、数人のシンガーを迎えた非インストゥルメンタル・アルバム『DUO』を、’12年3月には初のDVD『ナボワのライブ』を発表。そして、9月には2年ぶりとなる待望の3rdアルバム『Sen』を発表、『朝霧JAM2012』にも出演を果たした。'13年1月には初のライブアルバム『20120707』をリリース。
Nabowa オフィシャルサイト
http://www.nabowa.com/
-----------------------------------------------
【過去のインタビュー】
極上の音楽のプレートを召し上がれ
最高傑作『Sen』メンバー全員インタビュー
特設ページはコチラから!
裏テーマは酒と音楽!? 個性豊かな歌い手を
迎えたコラボアルバム『DUO』インタビュー
特設ページはコチラから!
Live
Nabowaとの共演が大阪で遂に実現!
2月のワンマンツアーもチケット発売へ
Pick Up!!
【大阪公演】
『「黄金の在処」発売記念
~シークレット ライド7~』
チケット発売中 Pコード213-171
▼12月17日(火)19:00
心斎橋JANUS
[ゲスト]Nabowa
オールスタンディング4200円
GREENS■06(6882)1224
-------------------------------------------
【大阪公演】
『Nagasa・Oneman8 Band Ver.』
一般発売12月21日(土)
Pコード216-604
▼2月15日(土)18:00
心斎橋JANUS
オールスタンディング4200円
[共演]西川進(g)/松田“FIRE”卓己(b)/
タナカジュン(ds)
GREENS■06(6882)1224
※未就学児童は入場不可。
【名古屋公演】
一般発売12月21日(土)
Pコード216-819
▼2月17日(月)19:00
アポロシアター
前売4200円
ジェイルハウス■052(936)6041
※未就学児童は入場不可。
【広島公演】
一般発売12月21日(土)
Pコード216-693
▼2月22日(土)17:00
HIROSHIMA BACK BEAT
オールスタンディング4200円
ユニオン音楽事務所■082(247)6111
※未就学児童は入場不可。
【福岡公演】
一般発売12月21日(土)
Pコード216-729
▼2月23日(日)17:30
DRUM SON
スタンディング4200円
キョードー西日本■092(714)0159
※6歳未満入場不可。
【東京公演】
一般発売12月21日(土)
※発売初日の電話予約は、特別電話■0570(02)9910にて受付。
Pコード213-776
▼2月28日(金)19:00
LIQUIDROOM
スタンディング4200円
ソーゴー東京■03(3405)9999
※未就学児童は入場不可。
チケットの購入はコチラ!
『黄金の在処』徹底解剖
【後編】も公開中!
自由に音楽で遊ぶ愛すべき
奇才の現在に迫る
撮り下ろしインタビュー
&動画コメント!
Interview
美しいメロディが虹を描く
優しき新世界。長澤知之のまばゆき
現在を刻んだミニアルバム
『SEVEN』インタビュー!
特設ページはコチラから!
シーンに潜む異端児にして最終兵器
長澤知之の瑞々しい才能が爆発!
5年越しの傑作1stアルバム
『JUNKLIFE』インタビュー!
特設ページはコチラから!