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ホーム > インタビュー&レポート > 「ヒリヒリ、ジリジリ、ザラザラした感じにしたい。 かさぶたを剥がす感覚。治ってから剥がせばいいのに、 ちょっと微妙な頃に剥がしたくなる。あの瞬間の緊張感。」 『太秦ヤコペッティ』宮本杜朗監督インタビュー

「ヒリヒリ、ジリジリ、ザラザラした感じにしたい。
かさぶたを剥がす感覚。治ってから剥がせばいいのに、
ちょっと微妙な頃に剥がしたくなる。あの瞬間の緊張感。」
『太秦ヤコペッティ』宮本杜朗監督インタビュー (2/4)

太秦ヤコペ-007.jpg

 

――この映画に出てくる“磁石の家”は、もしかして建築を学んでいた時に出てきた発想ですか?

 

「磁石の家は、学生の時に「もしかしたらドクター中松みたいなことを考えついたんじゃないか」と思ってメモしていました(笑)。偶然、昔のノートをパラパラ見ていてみつけて「コレや! 使えるかもしれん!」と」

 

――ハハハ(笑)! 特に映画好きだったわけはないところから映画を撮り始めて、監督の映画作りに影響を与えたものは何だったんでしょう?

 

「まず、出来るだけ既視感のないインパクトを感じられるような映画にしたいという思いはありました。あまり映画を観ない人にも「こんな映画もあるのか」と感動みたいなものを味わってもらえたらなと。僕自身も映画を撮り出してから映画を観るようになり「こんな映画もあるのか」と思った経験が影響しているかもしれないです」

 

――どういった作品に「こんな映画もあるのか」と思ったのですか?

 

「デヴィッド・リンチ監督の『インランド・エンパイア』とか好きです。あんまり難しい映画は好きではないんですが、分からない映画といわれる作品にも「分からないように作っている映画」と「分かるようには作っている映画」の2種類あると思う。『太秦ヤコペッティ』の場合は、客に対してイジワルするつもりもなく分かるように作っていて、僕の中ではエンタメなんです」

 

――そうですね。実は最初、全然意味が分からない映画の可能性もあるなと思いながら観ました。でも観たら意外に分かりやすかったというか、家族愛と裏稼業というふたつの話が整理されて描かれているように感じました。

 

「整理されてるというのは、脚本家の方に入ってもらっているからかもしれません(笑)。特に2面性を描きたかったわけではなく“家族の話”と“命について”を撮りたいという思いで絡めたら、ああなったという感じです(笑)」

 




(2013年5月22日更新)


Check
宮本杜朗 監督

Movie Data


『太秦ヤコペッティ』

●5月24日(金)まで、シネ・ヌーヴォ
●5月25日(土)より、第七藝術劇場

【公式サイト】
http://www.uzumasa-jacopetti.jp/

【ぴあ映画生活サイト】
http://cinema.pia.co.jp/title/162271/

Event Data

舞台挨拶決定!

【日時】5/25(土) 20:30の回上映後
【会場】第七藝術劇場
【料金】通常料金

【登壇者(予定)】
和田晋侍/北原雅樹

【日時】5/31(金)20:30の回上映後
【会場】第七藝術劇場
【料金】通常料金

【トークショー(予定)】
宮本杜朗監督 × 小田島等(イラストレーター)