ホーム > インタビュー&レポート > 「ヒリヒリ、ジリジリ、ザラザラした感じにしたい。 かさぶたを剥がす感覚。治ってから剥がせばいいのに、 ちょっと微妙な頃に剥がしたくなる。あの瞬間の緊張感。」 『太秦ヤコペッティ』宮本杜朗監督インタビュー
――まず、どういった経緯で映画監督になられたのかお伺いできますか?
「もともと大学では建築の勉強をしていて、映画は独学なんです。学生時代に建築を観るためヨーロッパを周遊して、スケッチする時間はないし映像に残しておこうという理由でビデオカメラを買って。それで友達に「このビデオカメラがあったら映画撮れるんちゃう?」と言われて撮ったのがきっかけなんです。一晩で17分くらいの短篇を撮って、それが最初の作品です」
――では、すごい偶然なんですね。
「デジタルの恩恵を受けまくっています(笑)。始まりはそんな感じで本当に偶然でしたね。それで、その1作目をPFF(ぴあフィルムフェスティバル)へも送りましたが、もちろんダメで(笑)。最初は編集の仕方も分からないし、撮るだけ撮ってどうしたらいいのか分からないから、パソコンに入っていた機能で繋げただけでした(笑)」
――そこから映像の世界にハマッていったのですか?
「はい。その当時は建築だと作れても模型までで、実際には建ちません。それがすごい嫌で。でも、映像は形になるのがとにかく嬉しかったんです。最初は音声が録れなかったり、本当に失敗の繰り返しでしたが、その期間にいろいろ試して独学しました。でも、今も日々勉強中のようなものですけどね」
――本作は、どんな映画か説明しづらいんですが本当に面白かったです。お話のアイデアはどこから?
「描いているのは家族愛や命のこと。ひとことで言うとしたら、アホな親父が家族の為に家を建てる話と言おうと思っています。太秦という場所は、僕が5歳まで住んでいた場所で、20年ぶりくらいに太秦を歩いた時、自分が子どもの時のことを思い出すのと同時に、そこに住んでいた頃の親の年齢に今の自分が近くなったからか、親父の気持ちも感じて。ここなら家族の話が撮れるかもしれないなと思いました。アットホームで愛のある、いわゆるみんなが共感するような話を撮ってみたいと常々思っていたので、家族の話を撮ろうと。出来上がった作品はなんかちょっと違いますけど(笑)、家族の話だから“家を建てる”というのもセットにして」
(2013年5月22日更新)
●5月24日(金)まで、シネ・ヌーヴォ
●5月25日(土)より、第七藝術劇場
【公式サイト】
http://www.uzumasa-jacopetti.jp/
【ぴあ映画生活サイト】
http://cinema.pia.co.jp/title/162271/
【日時】5/25(土) 20:30の回上映後
【会場】第七藝術劇場
【料金】通常料金
【登壇者(予定)】
和田晋侍/北原雅樹
【日時】5/31(金)20:30の回上映後
【会場】第七藝術劇場
【料金】通常料金
【トークショー(予定)】
宮本杜朗監督 × 小田島等(イラストレーター)