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LIVE REPORT ARCHIVES番外編!
奇妙礼太郎トラベルスイング楽団の4/1(金)
味園ユニバースで行われたラストライブの模様をお届け
奇妙礼太郎特別インタビューも!!

春、新たな一年のはじまりとしてそわそわが充満する4月1日に、奇妙礼太郎トラベルスイング楽団の解散ライブが地元大阪で行われた。この2月に全国7カ所を回ったラストツアーを経て、いよいよ最後となるステージ。という気負いは見ているほうだけなのか、開演前のメンバーは終始リラックスしていたのが印象的だった。

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開演時間が近づき、パンパンのフロアはワクワクに満ちている。そこに登場したメンバーは、奇妙礼太郎を筆頭に、のっけからフルスロットルでブチかましていく! 会場となった味園ユニバースの妖艶な雰囲気とビッグバンドならではのエネルギー、さらにそこにオーディエンスの熱気が絡み合って、とんでもない熱量だ。

kimyo401b.jpg kimyo401e.jpg『赤いスイートピー』のカバーでグッとさせたと思ったら、ホーン隊と即興的に作りあげていく曲では笑いもあって。ラストツアーの前に奇妙がメンバーに語ったという“もっと自由にしたらいいよ”という言葉の通り、個々がグイグイと前に出てきて、フロントマンである奇妙自身もそれがうれしそうで。「もしも今夜/君が寂しいなら/僕がメロディーをあげる」と歌うそれは、メンバーにもオーディエンスにもスタッフにも、その場にいるすべての人へと向けられていて、ぎゅっと心が掴まれる。

kimyo401c.jpg kimyo401d.jpg奇妙がギターをかき鳴らしながらロックンロールに歌い上げる『あの娘に会いにゆこう』で場の熱気もピークに達したところで、同バンドに参加していた旧メンバーや客演歴のあるシンガーソングライターの杉瀬陽子、カルメラからPAKshin(key)、たなせゆうや(tb)などといったゲストも参加して、フィナーレへと向かっていく。気をてらったりすることはもういらないとばかりにシンプルに音楽を鳴らせて、魅せる。なんと純度の高いライブショーだろう。

kimyo401g.jpg “これでさよならだ”と言い残してステージを後にする奇妙は清々しく、アンコールでも感じたのは、次へと向かう心意気。最後はメンバー全員で手をつないで一礼する、というスタンダードさを見せて、一本締めで終演。ステージに誰もいなくなったタイミングで鳴り出したBGMは、同バンドの定番ナンバーである(そしてこの日は演奏されなかった)『オー・シャンゼリゼ』というニクい演出で、オーディエンスはみんなで大合唱。“奇妙礼太郎トラベルスイング楽団も、その終わりも、みんなのもの”とでも言いたくなるラストで、そこには寂しさじゃなく、歓喜がみなぎっていた。

 

Text by 中谷琢弥
Photo by 村井香




奇妙礼太郎特別インタビュー!


 去る4月1日(金)に大阪・味園ユニバースで行われた奇妙礼太郎トラベルスイング楽団のラストライブ、その開演直前のタイミングで奇妙礼太郎を直撃。解散について、その思いを聞いた。


――奇妙さんにとってトラベルはどういった存在でしたか?

「なかなかのクセのある集団やったなあって。すんなりいかないこともあったし、イライラしたからできたおもしろいこともあったかな」

――終えようと思ったのは実際にはいつくらい?

「はっきり終わろうかなと決めたのは去年の半ばくらい。やってみたかったことは結構やりきって、きっちり役目を終えたかなと思った」

――この2月に全国7ヶ所で行われたラストツアーを収めた2枚組『LAST TOUR ~THE GREAT ROCK'N ROLL SWING SHOW~』が4/20に発売されます。

「自分で編集したんですけど、今まであんまり振り返ることもなかったので楽しかったですね。ツアーとしても一番いいツアーやった。“もっと自由にやっていいよ”とか、ツアー前にいろんな話をみんなでしたなあって。ライブ中に即興でやる曲もよかった。ディスク2は最初の3曲以外はほとんど即興ですね。バンドとして、今が一番いい。だからよかったなって」

――バンドとして一番いいときに終える、というのはすてきですね。

「そうですね。みんな肩の力抜いてるし、集中もしてる。自分にとっては“すごい演奏できたな”とか“(お客さんと)すごい時間を一緒に過ごしたい”っていうのが歓びで。お客さんも演奏しているほうも、一個の点に向かっているような」

――解散について話している今の心境ってどうですか?

「でも、バンドって絶対、全部解散しますからね。結成したら解散することに向かっているわけですから。別に当たり前のことっていうか。別に悲しいこともない。みんな元気やし」

――奇妙さんの次の展開としてはどういったことを?

「目的に一番近い方法で、自分のしたいことをしたいなと思っていて。そっちをすることに惹かれてるときに、自分でもはっきりしないまま(トラベルを)同時進行で続けるのはちょっと限界だった。それはお客さんにも伝わるし、そんな失礼なことないから」

――では、最後にひとこと。

「“名盤”みたいなん出したかったなあ。自分でそう思えるようなものはなかった。それもまた、よかったなと思います」

(2016年5月23日更新)


Check

Release

奇妙礼太郎トラベルスイング楽団
『LAST TOUR ~THE GREAT ROCK'N ROLL SWING SHOW~
ラスト・ツアー ~ザ・グレート・ロックンロール・スイング・ショウ~』

発売中 ¥3000+税
PCD-18813/4

<トラックリスト>

DISC 1 [Live Recording at Ebisu LIQUIDROOM]
01.どばどばどかん
02.タンバリア
03.機嫌なおしておくれよ
04.カトリーヌ
05.赤いスイートピー
06.抱きしめておくれ(東京)
07.俺たちホーン隊(東京)
08.抱きしめておくれ#2(東京)
09.SWEET MEMORIES
10.桜富士山
11.愛の賛歌
12.溝の口で見かけたら(東京)
13.星に願いを 
14.わるいひと
15.十円の裏(東京)
16.あの娘に会いにいこう
17.ビールの唄(東京)


DISC 2 [Another best take from LAST TOUR]

01. どばどばどかん Live at Nagoya
02. タンバリア Live at Nagoya
03. 機嫌なおしておくれよ Live at Nagoya
04. 抱きしめておくれ(名古屋)
05. TWITTER ~愛のテーマ~(名古屋)
06. 抱きしめておくれ(大阪)
07. ゆうじと俺の動丸音頭(大阪)
08. 俺はハーフの商社マン(新潟)
09. だるまになれば(新潟)
10. ロンリートランペッター(新潟)
11. 抱きしめておくれ(仙台)
12. 俺たちホーン隊(福岡)
13. たまごの唄(岡山)
14. ビールの唄(福岡)

夏びらき MUSIC FESTIVAL’16~10th Anniversary~大阪

発売中
Pコード:294-813

▼7月31日(日) 11:00
服部緑地野外音楽堂
自由-4500円(ドリンク代別途要)
[出演]七尾旅人/天才バンド/BRADIO/大石昌良/他
[司会]KTa☆brasil
※雨天決行、荒天中止。13歳以上は有料。
※12歳以下は保護者同伴に限り無料。
※出演者の変更・キャンセルに伴う払戻しは不可。
※2日間通し券はPコード:782-118にて販売。
[問]GREENS
[TEL]06-6882-1224

オフィシャルHP
http://www.natsu-biraki.com/

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