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「自分の歌を聴いて喜んでくれることが、全ての力になる」
どこまでもピュアネスでタイムレスな深い愛
全国弾き語りツアーを前にこれぞ奥華子な2年ぶりのアルバムを語る
『KASUMISOU』インタビュー&動画コメント

 2年ぶりのアルバムのタイトル『KASUMISOU』=かすみ草は、その可憐で素朴な美しさのみならず、どんな花束に添えても周りの花を引き立てる。そんな想いを宿した奥華子の最新作は、近年のタイアップ曲や提供曲を多数収録。サンリオピューロランドのイルミネーションショーイメージソング『願い』、カメラアプリSNOWのCMソング『クリスマスの夜』や、『逢えなくても』(南條愛乃)、『セピア色』(竹達彩奈)に加え、初回限定盤の特典CDでは『MOTHER』(96猫)、『君が待つあの丘へ』(天月-あまつき-)のセルフカバー、さらにはライブの共演から生まれた盟友・藤田麻衣子とのデュエット曲『トライアングル(Piano ver. / duet with 藤田麻衣子)』など、奥華子のソングライターとしての手腕と厚い信頼を感じさせる楽曲群がズラリと並ぶ。かすみ草の花言葉である“清らかな心”さながらのピュアネスとタイムレスなメロディ、そして、圧倒的透明度で迫りくる歌声。約2年ぶりとなる全国弾き語りツアーを前に、“これぞ奥華子”な深い愛を刻んだ唯一無二の作品を生み出し続ける彼女に、その源泉なる想いを聞いたインタビュー。いや~こんなシンガーソングライター、やっぱりいない。

 
 
楽曲提供の曲は逆に自分らしい
 
 
――去年はリリースも『願い』(M-5)と『クリスマスの夜』(M-10)の配信シングルのみで。’18年は最初からゆったりペースでいこう、みたいな感じだったの?
 
「毎回そうなんですけど、とりあえずツアーが終わったら1回全部0にするんで。ライブ会場も、今って1年前ぐらいじゃないともう押さえられないじゃないですか? だから、ライブの予定も本当に何も決まってなかったんですよ。そのタイミングで、FM OKAYAMAのDJの方にすごく熱心にフルマラソンに誘っていただいて、最初は不安だったんですけどふと、“何で私はここまで頑なに断ってるんだろう?”と思って、人生に1回ぐらい頑張ろうかなと(笑)。ただ、マラソンが終わったら終わったで何も予定がなかったので、“マラソンだけで’18年を終えていいのか”みたいな話になって(笑)、それでまたクリスマスソングを作って…ってもう言われるがままに(笑)」
 
――でも、マラソンは本当に制限時間ギリギリで完走もできて。
 
「結果、やってよかったなと。ただ、あれ以来一切走ってないですけど(笑)。私は何をやっても長続きしないし、準備もあまりしないというか、行き当たりばったりで生きてきたところがすごくあるんですけど(笑)、マラソンって直前にどうこうできるものじゃないから、その恐怖からこんな私でも事前に少しは走ってたんですよ。それが完走できた要因になったのは嬉しかったな」
 
――事前にしっかり準備をしたら案外何でもできるものなんだっていうのは、自信にもなるもんね。
 
「本当にそれは思いました。逆に、準備してなかったら絶対に完走できなかっただろうなとも思うから」
 
――前作『遥か遠くに見えていた今日』('17)を作り終えたときは、本当にフラフラになるぐらい全精力を使い果たした感があったからこそ、すぐに次のアルバムだ、ツアーだ、という話にはならなかったのもあるかもしれないけど、去年そういう1年を過ごして、改めてやるぞとなったわけで。
 
「でも、ぶっちゃけ、“そろそろアルバムを出そうよ”って誰かが言ってくれなかったら、出せてなかったかも(笑)」
 
――アハハハハ!(笑) ストックがあり過ぎて、すぐにでも次を出したいって言うアーティストもいるのに。
 
「全く逆ですね、ストックなんてほぼないし(笑)。ただ、最近は楽曲提供をしていて、そのセルフカバーをしてほしいという要望もあったり、配信シングルも出してたから、それを中心にアルバムを作っていこうって」
 
――華ちゃんにとって、楽曲提供という仕事はどんな位置付けなの?
 
「私の場合はコンペとかじゃなくて、“奥華子に書いてほしい”と言ってもらえて、“奥華子らしい曲”を求められるので、より色が濃い楽曲になってるなと思いますね。だから、楽曲提供の曲は逆に自分らしいですね」
 
――ある種、“ベタでいい”じゃないけど。
 
「そう! 例えば、もう使っちゃってる表現でも、メロディにしろ歌詞にしろ思い切って書けるので。もちろん、実際に歌う方の他のCDも聴いて、そういうモードになって作りはするんですけど」
 
――確かに、今回の『KASUMISOU』は“、奥華子っぽい言い回し、歌い回し…ザ・奥華子”っていう曲が多いかも。ただ、ヘンな話、’19年の最新の音楽っていう感じではないよね(笑)。
 
「アハハ!(笑) 確かに! そうね、ずっと変わらないね、私(笑)」
 
――そういう奥華子ブランドみたいなものがしっかり確立されていて。だって、1曲目の1行目で、“あなたに会えない一日が もっとあなたを好きにさせる”ってすごくいいことを言ったかと思ったら、2行目では“そんな魔法は私だけだったみたい”ってもう…始まって2行で、“キター! これが奥華子だ!!”って。
 
「アハハハハ!(爆笑) 面白い!(笑)」
 
――2行で一気にドン底までいける感じはやっぱりすごいなと(笑)。ちなみに、楽曲提供で求められた“奥華子らしさ”って、具体的に言うと何だと思う?
 
「やっぱり“切なさ”は欲しい、みたいな感じですよね。基本的にハッピーな曲を求められない(笑)。他に意識したのは、パッと聴いて歌詞が入ってくるような“分かりやすさ”かな? あとは、『逢えなくても』(M-3、南條愛乃提供曲)とか『セピア色』(M-11、竹達彩奈提供曲)は、失恋だとしてもそんなにドロドロしないというか、男女の別れだけではなく、いろんな人に当てはまるような感じで、とかですかね」
 
 
音楽があるだけで身体が動くというか、頑張れる
 
 
――今作を聴いて思ったのは、それなりの年齢の恋愛模様を描いたら、時にもっとエロかったりグロかったりもするけど、華ちゃんのそれはすごく綺麗というか、純度が保たれてる。タイムカプセルみたいな“少女性”があるよね。
 
「私はずっと実体験を元に書いてきたんですけど、だんだんどうなんだろうと思い始めて…やっぱり自分の理想を書いてるところもありますね。“こう言われたい”とか」
 
――曲になったときに濾過されて、綺麗な部分=理想の部分が残る。
 
「うん、すごく。あとは、曲に出てくる女の人と自分のタイプが違うなって、最近はすごく思う。相手の男の人のことを女に見立てて書くこともよくあるんですよね。男の人の方が結構ねちっこい部分があるというか。このアルバムを作って、自分で自分が不思議だなってすごく思いました。今度、時間をかけてちゃんと分析しようと思って」
 


――『鞄の中のやきもち』(M-1)の、鞄の中にやきもちを入れるっていう発想もすごいよ。GPSかよ!(笑)
 
「アハハハハ!(爆笑)」
 
――“あなたの部屋に置いた 寂しさも”とかもそうだけど、その感情の描き方、それをどこに配置するかが、やっぱりめちゃくちゃ独特だなと。
 
「あぁ〜そうですね。『鞄の中のやきもち』はそのフレーズを言いたくて作った曲だから」
 
――だからこそ、そこに目がいって当然だったと。『ホントはね』(M-2)とかは、長年連れ添ったパターンの恋愛模様だけど、華ちゃんは何でも飽きっぽいとさっき言ってたけど、恋愛は長続きするのかなと。
 
「そうですよねぇ…いろいろですよ、ここじゃ言えない(笑)。5杯ぐらい呑まないと言えない(笑)。でも、学生の頃とか若い頃は、やっぱり“3”がポイントですよね」
 
――3ヵ月、3年。
 
「でも、本当にそうだなと思って」
 
――『ホントはね』の“高い棚の荷物とるのも 固い瓶の蓋開けるのも”とか、“大きな家具を組み立てるのも 色んなコード繋げるのも”とか、ベタに乙女でかわいいなと思いつつ。
 
「フフッ(笑)。何かそういう“困ったな”っていうときに思い出すんですよね。でも、本当はもっと『ホントはね』があるんですよ。“ピクルスを食べてくれる”とか…“自分が嫌いなものをあなたが食べてくれる”っていうのも入れたかったんですけど、どうにもうまくいかなくて諦めました(笑)」
 
――『一歩前に』(M-6)とかは一転、あのマラソンの体験があったからこそできた曲で、こういうアップテンポな、ロックバンド感のある曲は新鮮でしたね。
 
「ないですよね、こんなに疾走感溢れる曲は(笑)。マラソン番組のテーマソングとして作らせてもらったんですけど、実際に走ったときって、とにかく足が重くて動かなくて。だから、もう一歩前に足を出さなくちゃって…“前に! 前だ!”ソングを勝手に心の中で歌いながら走ってたんですよ。本当に声に出すと怪しい人になっちゃうんで(笑)」
 
――沿道の応援の声にも、本当に力をもらえるらしいね。
 
「もうね、走りながら涙が出ましたもん。あと、西城秀樹さんの『YOUNG MAN(Y.M.C.A.)』('79)を沿道で大音量で流してくれてて、号泣(笑)。感動的でしたよ。バンドとかいろんな人も演奏してくれてたりしてて何か…音楽のよさを実感しましたね。無音よりも音楽があるだけで身体が動くというか、頑張れる。あと、みんなが知ってる曲って何て素晴らしいんだと思ったし。知らない人たち同士でも、みんな踊れたりするんで。だから、マラソンやってよかったなって…もうやらないと思うけど(笑)」
 
(一同爆笑)
 
 
10代で作った曲でも今も何の違和感もなく歌える
 
 
――今作には、華ちゃんが20歳ぐらいのときに書いたという『絶対』(M-4)が収録されてるけど、過去の曲でちゃんとした形で出したいと思う曲がまだあるんだね。
 
「いや、本当にあと1~2曲ですね。『絶対』もいつかは出せたらいいなとは思ってて、タイミングがあまりなかったし、ライブでも全然歌ってなかった曲なので、もう“今だ!”と」
 
――もちろん20歳ならではの言葉はあるとは思うけど、さっきみたいな話で言うと、今っぽくない代わりに10年前でも10年後でも聴ける曲になってるというか、それぐらい芯に変わらないものがある。だから『絶対』が最新作に入っていても、“幼いな、稚拙だな”とは思わない。華ちゃんの曲は常にそうだけど。
 
「確かに。何か不思議と、それこそ10代で作った曲でも今も何の違和感もなく歌えるし。ただ、この歌詞に関しては、今の自分では絶対に書けないなと思う。思い切りのよさとストレートな感じが」
 
――“絶対に私は平気よ 間違った事はしない/そう思っていた私も くだらない事で 人を殺してた”っていうフレーズは、やっぱりドキッとするよね。
 
「ね。でも、思うことは一緒なんですよね。本当にその状況にならないと分からない=“絶対なんてないんだ”っていう気持ちは、この頃と何も変わってないから」
 
――あと、この曲はサウンド面でもストリングスも含めてダークな色合いが強い曲で。
 
「当時から小谷美紗子さんがすごい好きで、その中でも佐藤準さんのアレンジがいいなってずっと思ってたんですよ。弾き語りだと昔の自分を引きずっちゃってたと思うんですけど、準さんにアレンジしてもらったことによって今の自分で歌えたのもすごくよかったですね」
 


――それで言うと、『クリスマスの夜』のアレンジも、竹達彩奈さんに『セピア色』を提供した際に出会ったアレンジャーの小林俊太郎さんにやってもらったと。
 
「そうなんですよ。『セピア色』のアレンジがすごく素敵で、いつかやってもらいたいなと。『クリスマスの夜』ができたときにピッタリだなと思って。昔からクリスマスの季節が一番好きで、学生の頃はとにかく“クリスマスまでには彼氏を作ろう!”みたいな感じがあるじゃないですか?(笑) クリスマスの街並みも含めて全部が好きですね」
 
――あのハッピーな空気感というか。
 
「うん、優しくなれる」
 
――ただ、華ちゃんが求められるのはハッピーな曲ではないという(笑)。
 
「本当はハッピーなクリスマスソングを作る予定だったんですよ? だったんですけど、やっぱり無理だと(笑)」
 
――でも、『同窓会』(M-8)とかはハッピーじゃないですか?
 
「実は『逢えなくても』を提供した南條愛乃さんに依頼をいただいて、最初にできたのが『同窓会』だったんですよ。南條さんのアルバムは30代の女性がテーマで、ちょっと大人の恋愛を歌ってほしいと。結局は『逢えなくても』の方が採用されたんですけど、せっかくいい曲だし、自分のアルバムに入れて。だからハッピーな曲なんです(笑)」
 
――そうか、人に提供するつもりだったから。他人のために書くからこそ、思いがけずできる曲があるよね。この曲の最後の逆転劇は珍しいなと思って。
 
「やっぱり自分の曲だと、失恋したまま終わることが多いんで。最後にくっつくのはあんまりないですね(笑)」
 
 
愛したいんですよね。自分から思いたい
 
 
――今作でちょっと異色というか気になる曲が『素顔』(M-9)で、もうスーパーネガティブソングというか(笑)。傷付かないように先回りするとも言えるけど、悲しいな、と思ったんだけど単純に。
 
「私にとっては全然普通の感情なんですけど(笑)。多かれ少なかれ、そういう気持ちはみんなにあると思って」
 
――もちろん、そういう気持ちは0ではないけど、塊みたいな曲だよね、これ(笑)。
 
「私は9割ぐらいがこの感情ですから(笑)」
 
――でも、『素顔』って名付けるぐらいだから、すごく華ちゃんってことだよね?
 
「そうなんですよ。この曲はもうマスタリングの直前に…ってまたいつものパターンなんですけど(笑)」
 
――“マスタリングの前日に急遽書いて…”とかいう話を毎回絶対にするアーティスト、他にいないよ(笑)。
 
「アハハハハ!(笑) これは3日前ぐらいに書いて。本当に切羽詰まって、“とにかく今の自分で歌おう”みたいな感じで、弾き語りで録りましたね」
 
スタッフ「だから、録音もミックスも全部」
 
「自分でやって」
 
――もうこのタイミングではアレンジも頼めないから自分で、みたいな。いっつも同じですごい(笑)。
 
(一同爆笑)
 
「アハハハハ!(笑) おかしい〜(笑)」
 
――でも、そのおかげで最後に一番ドロッとしたものが出たというか。
 
「うんうん。あと、このアルバムに限らず今までも、詞から書いた曲ってほとんどないんですけど、これはワンコーラス丸々先に書いてて。だからすごく珍しいですね。でも、最近はそういう曲の方がいいような気がしてますね。もちろんメロディからもらえる言葉もあるんですけど」
 
――『カスミソウ』(M-12)はタイトル曲でもあるけど、やっぱり愛情が深いなと。すごく健気というか、『カスミソウ』も『ホントはね』も『願い』もそうだけど、曲の端々からピュアな部分が感じられて。何か対価を求めるわけでもない無償の愛は、華ちゃんの世界観の1つの軸だなと改めて思いました。
 
「愛したいんですよね。自分から思いたい」
 
――愛されたいじゃなくてね。それがやっぱり奥華子だなと。
 
 
え? みんな思ってた? 古臭い?
 
 
――あと、初回限定盤の特典CDがとても豪華な内容で。
 
「本当は単純に16曲入りのCDにしたいぐらいだったけど、入り切らないしちょっと多過ぎるだろうというのもあって。『トライアングル』(特典M-1)は藤田麻衣子ちゃんが作ってくれた曲だし、『MOTHER』(特典M-2)は96猫さんのお母さんに対する想いをメールでいただいて書いたんで、作詞の表記を共作にしたんですよね。天月-あまつき-さんに提供した『君が待つあの丘へ』(特典M-3)はライブのコンセプトが先にあって、そこに向けて作った曲だったり。みんなだいたい『楔 -くさび-』('05)とか『変わらないもの』('06)が好きで聴いてくれてて、歌ってくれてて。本当にありがたいですし、ビックリですよね」
 
――藤田麻衣子ちゃんは昔から仲良いイメージがあるけど、『トライアングル』の“本当は二人のことを見てた/昨日の駅で”というフレーズも…“これ、華ちゃん並に怖いよ”と思ったけど(笑)、2人が響き合うのも分かる。こうやって一連の話を聞いていくと、今回はオリジナルアルバムではあるけど、ある種のコンピレーションのような。
 
「そうなんですよ。そのバラエティ豊かな感じと、タイトルの『KASUMISOU』=かすみ草はお花を引き立てるお花でもあって。すごく好きなお花でいつも部屋にあるんですけど、今回のアルバムタイトルにして改めて、そういうかすみ草が好きだなって思いましたね」
 
――ただ、’19年に『KASUMISOU』っていうタイトルはすごいなと思ったけど。いつの時代だよ!(笑)
 
「アハハ!(笑) 何で何で!? 古臭いってこと? 昭和?(笑)」
 
――まぁそうね(笑)。でも、華ちゃんっぽ過ぎて違和感がない(笑)。いやもう、本当に奥華子にしかできないアルバムだなと思った、全てにおいて。
 
「アハハハハ!(笑) そうなんだ。ていうかそれ、誰も言ってくれないんですけど。奥さん(=筆者)が初めてなんですけど。え? みんな思ってた? 古臭い?」
 
スタッフ「カタカナだともう昭和だから、ローマ字でギリギリ」
 
(一同笑)
 
――でも、こうやって華ちゃんがかすみ草を好きな気持ちとか、主役を引き立てる花であるという話を聞くと、意味合い的にもすごく納得する。ただ、華ちゃんはシンガーソングライターであって、元来、自分が主役なわけで。引き立てる行為ってどういう感覚なの?
 
「例えば、タイアップもお題をいただいて作るという点ではまさにそうだし、今回はだからこそできた曲たちだなと思ったんです。自分自身のことを歌ってはいるけど、それがなかったらできなかったアルバムだと思うんですよね」
 
 
やっぱりライブをしないとダメですね、うん
 
 
――そして、5月17日(金)の北海道公演を皮切りに、久々に『奥華子コンサートツアー2019〜弾き語り〜』が始まりますけど、去年は結局、ライブはどれくらいやったの?
 
「イベントとか学園祭にはちょっと出たけど、自分のコンサートは1回もしてないの。そんなの初めてで」
 
――だいたい、どのアーティストもリリースはなくてもライブだけは結構するのに。
 
「よくやってこれてますよね、本当に(笑)。この間、占いでも、“あなたは表に立つ人じゃないです”って言われましたから(笑)。周りに押されて押されてやっと前に出る、みたいな。ツアーも久しぶり過ぎて緊張しまくってて怖いですけど、始まれば何とか頑張れるかなって。あと、ツアータイトルは普通に“弾き語り”なので、選曲も自由に」
 
――CDで音楽は聴けるけど、華ちゃんに会えるのはライブがあってこそなんで、お客さんは楽しみだと思いますよ。
 
「全てはそこでしかないんですよね。自分の歌を聴いて喜んでくれることが、全ての力になるんだなって。それは路上ライブのときからずっと変わらないので。だから、やっぱりライブをしないとダメですね、うん」
 
――それこそ、沿道の声で元気をもらえるわけだから、華ちゃんの歌声で勇気付けられる人たちがたくさんいる。
 
「うんうん。それを実感しないと、音楽をやる意味も全くないと思ってるから」
 
――例えば、映画を観て泣きたいみたいな感情があるように、華ちゃんの音楽を聴いて切なくなりたい気持ちってあると思う。それだけでも、2年ぶりのアルバムを出す意味が、華ちゃんが歌い続ける意味があるというか。
 
「いや、すごく励まされますね、今の言葉だけで。そういう人が本当に1人でも2人でもいたら嬉しい。実感したいですね、奥華子の音楽を待ってくれてる人がいるっていうことを。それを実感するための、自分のためのツアーのような感じもするので。本当に久しぶりなんで、みんなに満足してもらえるライブができるように、体力作りにちょっとだけ走って(笑)、頑張ります!」
 
 
Text by 奥“ボウイ”昌史
 




(2019年4月18日更新)


Check

Movie

タイトル、やきもち他を語る(笑)
奥華子からの動画コメント!

Release

タイアップ曲や提供曲のセルフカバー
を多数収録した2年ぶりのアルバム

Album
『KASUMISOU』
【初回限定盤(2CD)】
発売中 4000円(税別)
ポニーキャニオン
PCCA-04766

<収録曲>
01. 鞄の中のやきもち
02. ホントはね
03. 逢えなくても
04. 絶対
05. 願い
06. 一歩前に
07. 恋の果て
08. 同窓会
09. 素顔
10. クリスマスの夜
11. セピア色
12. カスミソウ

<初回限定盤特典CD収録曲>
01. トライアングル
(Piano ver./duet with 藤田麻衣子)
02. MOTHER
03. 君が待つあの丘へ
04. 心が帰る場所

【通常盤】
発売中 3000円(税別)
ポニーキャニオン
PCCA-04767

<収録曲>
同上

Proflie

おく・はなこ…千葉県出身、シンガーソングライター。キーボード弾き語りによる駅前路上ライブを’04年にスタート、僅か1年間で2万枚の自主制作CDを手売りする。“10万人が足を止めた魔法の声”と評された路上ライブでの驚異的な集客力が話題となり、’05年にシングル『やさしい花』でメジャーデビュー。劇場版アニメーション『時をかける少女』の主題歌となった『ガーネット』(‘06)で注目を集める。グランドピアノとキーボードのみで行う全国弾き語りツアーをコンスタントに行い、‘16年にはデビュー10周年の感謝を込めて、それまで発表してきた150曲を超える全楽曲を全国4都市にて披露する『奥華子 10周年ありがとう!弾き語り全曲ライブ!』を開催、大成功に収めた。聴いた瞬間から心に染み入るメロディと歌詞、“声だけで泣ける”と称されるまっすぐな歌声は、老若男女問わず幅広い世代の人々から支持を集め、積和不動産“MAST”、ガスト、くもん、TEPCO等、数々のCMソングも手掛けている。’19年3月20日には、最新作となる10thアルバム『KASUMISOU』をリリースした。

奥華子 オフィシャルサイト
http://www.okuhanako.com/

Live

奥華子の真髄を味わえる弾き語り
関西は大阪、滋賀、京都、奈良に登場

 
『奥華子コンサートツアー2019
〜弾き語り〜』

【北海道公演】
▼5月17日(金)札幌市教育文化会館 小ホール

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード145-470
▼5月18日(土)16:00
大阪国際交流センター 大ホール
全席指定5000円
キョードーインフォメーション■0570(200)888
※未就学児童は入場不可。

チケット情報はこちら

 
【岡山公演】
▼5月24日(金)Renaiss Hall
【広島公演】
▼5月25日(土)広島市南区民文化センター
【栃木公演】
▼6月1日(土)那須野が原ハーモニーホール
小ホール
【埼玉公演】
Thank you, Sold Out!!
▼6月2日(日)彩の国さいたま芸術劇場
大ホール
【愛知公演】
▼6月7日(金)名古屋市芸術創造センター
【東京公演】
▼6月14日(金)北とぴあ さくらホール
【千葉公演】
Thank you, Sold Out!!
▼6月15日(土)行徳文化ホール I&I
【新潟公演】
▼6月21日(金)新潟市音楽文化会館
【富山公演】
▼6月23日(日)富山県高岡文化ホール
大ホール
【神奈川公演】
▼6月28日(金)関内ホール 大ホール
【茨城公演】
Thank you, Sold Out!!
▼6月30日(日)結城市民文化センターアクロス
小ホール
【長崎公演】
▼7月6日(土)長崎ブリックホール 国際会議場
【岩手公演】
▼7月10日(水)盛岡劇場 メインホール
【福島公演】
▼7月11日(木)福島テルサ FTホール
【宮城公演】
▼7月14日(日)仙台銀行ホール イズミティ21
小ホール

【滋賀公演】
一般発売4月25日(木)
▼7月20日(土)15:00
米原市民交流プラザ ルッチプラザ
指定4800円
ルッチプラザ■0749(55)4550

【山形公演】
▼7月26日(金)山形テルサ アプローズ
【秋田公演】
▼7月27日(土)秋田市文化会館 小ホール
【香川公演】
▼7月30日(火)サンポートホール高松
第1小ホール
【愛媛公演】
▼7月31日(水)松山キティホール
【福岡公演】
▼8月3日(土)イムズホール
【熊本公演】
▼8月4日(日)熊本B.9 V1
【静岡公演】
▼8月12日(月)静岡市清水文化会館
(マリナート) 小ホール
【群馬公演】
▼8月17日(土)高崎市文化会館

Pick Up!!

【京都/奈良公演】

一般発売7月7日(日)
Pコード147-171
▼9月6日(金)18:30
京都府立府民ホール(アルティ)
▼9月7日(土)15:00
秋篠音楽堂
指定4800円
キョードーインフォメーション■0570(200)888
※未就学児童は入場不可。

~4/24(水)11:00まで先行抽選受付中!
チケット情報はこちら


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