インタビュー&レポート

ホーム > インタビュー&レポート > 「初めて本当にみんなに聴かせたい音楽ができた」 ジャンルも時代も越えて100年後も鳴り響く音楽を―― 意地も覚悟も刻み付けた『2069』を手に いよいよ地元大阪ツアーファイナルへ! uchuu;インタビュー


「初めて本当にみんなに聴かせたい音楽ができた」
ジャンルも時代も越えて100年後も鳴り響く音楽を――
意地も覚悟も刻み付けた『2069』を手に
いよいよ地元大阪ツアーファイナルへ! uchuu;インタビュー

 5年後、10年後、50年後、そして100年後を生きる誰かに、この音楽は本当に届くのか――? カウンターカルチャーを象徴する歴史的なイベント『ウッドストック・フェスティバル』が開催された1969年から100年後という、まだ見ぬ未来をタイトルに冠したuchuu;の2ndフルアルバム『2069』(トゥウェンティーシックスティーナイン)は、K(vo&g,p,prog)の音楽人生とプライドをかけて、シーンに消費されずに鳴り続ける音楽を刻み付けた執念の1枚だ。前作『+1』から約1年10ヵ月、『KEEP ON』『WHITE』(‘17)という2枚のEPを世に放つ中で、クリエイターとしての使命とエンターテイナーとしての重責の狭間で揺れ動いたKが、絶望の淵で腹をくくったuchuu;の新たなる決意表明。地元大阪ツアーファイナルを前に、KとHiroshi(sequence&prec)が『2069』にたどり着くまでの672日間の闘争の日々を語るインタビュー。過去最強のuchuu;が、7月8日(日)心斎橋JANUSであなたを待っている!




自分が本来やりたいことを全力でやる
 
 
――表記がuchuu,からuchuu;に変わり、名前の点が1つ増えました(笑)
 
K(vo&g,p,prog)「メンバーが4人になった段階で、もう変える話はあったんですよ。元々はスーさん=(b・SUJIN)が画数を調べてみたら、“ちょっとじゃなくてだいぶ悪い、今すぐやめた方がいい”って(笑)。ただ、,(コロン)より;(セミコロン)の方が、実はより深い意味になるんですよ。コロンには前後にある言葉をつなげる意味があるんですけど、前文の方が大事なんです。セミコロンは前後の文脈の重要度が同じになるので、より他者との関係を深く持てるという意味でも、大いにアリだなと」
 
――検索のしやさすさとか商標登録の話かと思ったけど、画数やったんや(笑)。前作『+1』(’17)は、『Yellow』というバンドにとっての大事な1曲を核に生まれた作品だったけど。
 
K「ただ、僕らにとっての意欲作であった『Yellow』を、メンバー自身があんまり発信できてなかったんですよね…。『2069』に関してはもう作品丸ごと意欲作なんで、僕にできることは全部やろうと思ってたし、アーティストの友達とかにも、“めっちゃいいものができたから聴いて、何やったら感想もちょうだい”みたいに音源を送ったり…バンドを始めた頃のようなベーシックな活動を、今は改めて大事にしてるんです。それも『Yellow』があったから思えたんですよね。このタイミングで旧譜を聴いてくれる人が増えたらいいなとも思いますし」
 
――『+1』をリリース以降、『2069』へのきっかけになった出来事や曲はあった?
 
K「メンバーの編成が変わったのはもちろんあるけど、『WHITE』(’17)は1つのターニングポイントになりましたね。ただ、その前の過渡期に出した『KEEP ON』(‘17)を作る前からビジョンはあって、それは“自分が本来やりたいことを全力でやる”ということで。それまではやっぱり人目を気にしたり、uchuu;に求められていることをやろうという外的要素を意識しながら活動してたから。今の4人になったからこそ“自由にやっていいんや”と思えたというか、僕が僕らしく音楽を作るのを許してくれるメンバーやから…アートワークを担当してくれたBenjamin(Akai)も含めて、一緒に戦ってくれた認識はあります。例えば、僕が普段してるメガネをバンドのときもかけるとか(笑)、そういう小さなことから全部ひっくるめて、チームのみんなが理解してくれた。僕が発信したというよりは、みんなが僕のことを理解してくれたから活動できたこの1年間でしたね。『+1』のときは、あくまで枠の中でどう自分が暴れるかばっかり考えてたんですけど、その枠すらも必要ないんやって」
 
――フロントマンとしての意識というか、バンド内でのバランスの変化も含めて、Hiroshi(sequence&prec)はKくんの変わっていく様をどう感じた?
 
Hiroshi「“uchuu;のK”と“Kくん”には多少違いがあったんですけど、それが1つになったっていうのが一番分かりやすいかなって。普段のKくんのよさが、uchuu;でももうちょっとお客さんに伝わればっていう話は結構みんなでしてたんで。今は“嘘がない”って言ったらヘンかもしれないですけど、そのままのKくんのよさが伝わっていってるんじゃないかな。ストイックさはどっちにもあるし、それ以外の優しい部分とかもちゃんと見えてきて…それが作品としても提示できたから、今回は全員が納得できたんちゃうかなって」
 
K「それも僕の性格やと思うんですけど、良くも悪くも周りを見過ぎちゃうんですよね。SUJINも客観視するタイプですけど、僕ってどこまで行ってもリスナー至上主義なんで、作った本人が楽しければいいじゃなくて、リスナーがいかに音楽を楽しんでいるか、エンタテインメントとして成立しているかって思うんで。だからこそ、“こういう楽曲の方が、今の時代のリスナーたちに響くんじゃないか”っていうことも考えちゃうんで…。今回はいい意味で、客観的視点を拭えたというか、本当に自分らしく、自由にやらせてもらえたんで」
 
――Twitterで、“化石になってもいいから、自分が残したいって想える曲かいていこ!!!”って呟いてたのも、今の話を聞いていたら納得で。
 
K「正直、自分の心の中ではずっとこういう音楽を届けたい気持ちがあって。でも、それを客観視してるもう1人の自分に、“それはマス向けじゃないよ、大勢の人には響かないよ”って否定され続けてるような葛藤があったんですよ。『HAPPY』(’14)やったり『HELLO』(’15)を否定するわけではないんですけど、そういった曲を書かないといけないという使命感もあったし。本来、自分がやりたいのは『secretspace』('14)とか、いわゆる哀愁のある音楽が好きなんですけど、今まで活動してきてお客さんがいいと言ってくれるところは、自分が好きなところとは違うことが多かったんですよね。だから、『2069』で自分が好きなことをやってみて、“カッコいいやん”ってまずメンバーが言ってくれたときは、すごく嬉しかったです。自分の中には、ずっと培ってきた音楽がやっぱりあるんで」
 
――今作は制作段階からSNSでも、“僕の音楽人生至上最高の傑作になりました”と言えるぐらい、音楽家として濁りのない状態で作られたのが伝わってきて。不思議やね、自分のやりたい音楽をやるのが一番難しいっていう。
 
K「それこそ10何年音楽をやってきて初めて、本当にみんなに聴かせたい音楽ができた。ここに至るまでに、めちゃめちゃ時間かかりましたよ! ホンマに(笑)」
 
 
多分1年前やったら、“これはuchuu;でやる曲じゃないよね”
みたいになってたと思う
 
 
――『2069』というタイトルは、ロックにとって歴史的に重要な年だった1969年から100年後という意味が。
 
K「自分たちがやっているのはダンスミュージックとはいえ、そのマインドは何かに反骨精神を持って戦いながら生きてるし、ロックの歴史を再認識しようと思ったんですよね。そこで、ロック元年と言われる1969年の『ウッドストック・フェスティバル』では何が行われていたのかを調べ出して…なぜロックに世界中が固執するのかを考えると、やっぱりそこには“人”が絡んでるからなんですよ。世界中の人々が何か不満を抱えて、カウンターしたい熱がウッドストックに集まったから、とんでもない3日間になった。結局、ジミ・ヘンドリックスにしろビートルズにしろ、“みんなもそう思ってるやろ?”っていう共感が多くの人の心を動かしたと思うし、僕が音楽を始めたきっかけも父親が聴いていたレッド・ツェッペリンやったんで。そのアーティストがいなかったら、親父が車で音楽を流してなかったら…いつか自分に子供が産まれて、車で音楽を聴いて、子供が“これ、めっちゃカッコいい”って言う…そういうピースフルな光景がパッと浮かんだときに、“1969年について歌いたい”と思ったんですよ。そういう素晴らしい音楽を50年前から受け取った自分たちが、50年後に何を残せるか。そういうところからこのタイトルを付けました」
 
――なるほどね。今作では、SUJINやHiroshiも作曲作詞に多く関わっているし、ライブもしかり役割分担がシームレスになってきて。制作時にはメンバーからも曲を募ったの?
 
K「今回はパーソナルな部分というか“個性”がテーマにあったんで…それは1969年の事象とも結び付いてるんですけど、個性を、人間性を出したい。メンバー間の人間関係も、僕らが喋らなくても作品を通して伝わってほしいなって。“箸休めで1曲入ったらいいな”ぐらいにスーさんは言ってましたけど、スーさんは過去に何曲も書いてきたし、その曲がライブでもキーになりつつあるから、今回はスーさんの曲を2曲入れてますし」
 
――そんな中で、『Regain』(M-6)ではHiroshiが作詞、作曲はSUJINと共に手掛けたと。
 
K「いい意味でこの曲は僕はノータッチで、SUJINが“岩ちゃん=(Hiroshi)に歌詞を書いてもらうわ”みたいな」
 
Hiroshi「そうっすね、初挑戦です(笑)。『KEEP ON』『WHITE』があって、今回のアルバムとなったときに、感覚的にも本来のKくんが前に出てきて、“uchuu;は4人やし、4人でいいものを作ろうよ”っていう意識が大前提にあって。今までになかった要素が入ってuchuu;が成り立つか不安はあったんですけど、最終的にはKくんが歌うわけで。僕らが中心になって曲を作ったかもしれないけど、uchuu;だからできた曲なのかなって思います。“みんながカッコよくしてくれるやろ”みたいな感覚はありましたね」
 
――この曲は今作の中でも異色というか、ソウル/ファンクなテイストが出ていて面白いですね。
 
K「それも、スーさんが好きなようにトラックを作って、岩ちゃんが好きなようにメロディ付けて、僕が歌っただけで、“あぁ、これがuchuu;やん”って思えたからなんですよね。逆に言うと、今まではそうは思えなかった。多分1年前やったら、“これはuchuu;でやる曲じゃないよね”みたいになってたと思う。みんなが自由にやっただけなのに、結果uchuu;の曲やとみんなが認識できる。そういう環境を作れたのはデカいですね」
 
――ちなみに、『CIRCUS』(M-7)はあのクラブのCIRCUS?
 
K「まさにあの大阪のCIRCUSについて歌った曲です。岩ちゃんはCIRCUSのスタッフとも仲がいいし、僕もCIRCUSがめっちゃ好きなんで、そういう“場所”について歌いたいなって。ただ、サビはマスタリング当日の朝に録ったんで、みんなもそこで初めて歌を聴くという(笑)。僕はトラックが出来上がった段階でスーさんに、“歌詞の情報量を少なくしたい、歌というよりテクスチャーとして声を使うイメージ”っていう話はしてましたね。あと、実はこの曲は、僕が昔やっていたバンド(=three mono surround) のオマージュなんですよ。いつもお世話になっているclub vijonの松藤さんが、そのバンドの『Count』(‘06)っていう曲がすごく好きで。数字を数えるだけの曲なんですけど、“あの曲、uchuu;でもやってよ”って松藤さんに言われて…まぁできないですよね(笑)。僕がお酒を呑んでアホをするのを教わったのもそんなvijonなんですけど(笑)、そこには確かに音楽があって、みんなが純粋に音楽を楽しんでる。それがクラブカルチャーやと思うんですよ。そういう熱をオマージュしたい気持ちもあったし」
 
――あと、“東京”ってポップスの大きなお題の1つで、上京した/するバンドでもなく、大阪にいるuchuu;が描く東京=『東京エソラ』(M-2)はどんな気持ちで書いたのかなって。
 
K「僕は全く東京に住む気はないし、そもそも東京は住む場所ではなくて行く場所やと思ってるんです。東京という場所には夢も希望もあるけど、住んじゃうとそれがなくなっちゃうというか…結局、環境がその人の人間性だったりコミュニティを作るから、そういう場所に飛び込んでそこが=生活になっちゃうと、夢とか希望じゃなくてただの日常になっちゃう不安もあるし。そういうセンチメンタルを感じる場所であり続けてほしい想いもあって、リアリティではなく絵空事のエソラからタイトルを付けたんですよね」
 
 
これから先の時代に、どうしたらいい音楽が生まれていくかをずっと考えてた
 
 
――個人的には、『After Goodbye…』(M-4)『Magic』(M-8)みたいなポップソングに新たな可能性を感じました。
 
K「『After Goodbye…』は今までは作りたかったけど作れなかった曲なんですよね。この曲には、こういう時系列で、こういう舞台で、そこにいる女の子の1年後はこうで…みたいに脚本がしっかりあるんです。自分が歌詞を書いているノートにはそれも書いてあって、それを楽曲にちゃんと落とし込めたのが初めてだったんですよね。岩ちゃんがアニメの“『四月は君の嘘』みたいなイメージやねんなぁ…”って、僕が思い描いてる世界観と見事にリンクしたことを言ってくれたとき、ブレてないなと思えたし、その後のアレンジも割とすんなり進められましたね」
 
――とは言え、『遊☆戯☆王VRAINS』のタイアップが付いた『BOY』(M-3)とかを聴くと、uchuu;が世間的に求められているところは、やっぱりハイエナジーでエレクトロなロックバンド像だなとも。
 


K「雅楽の東儀秀樹さんがかつて、“ノー・ブレイク・ボーダー、オーバー・ザ・ボーダー”みたいなことを言っていて、僕も『Freedom』(’17)でそれについて歌ってるんですけど、“ボーダーは壊すのではなくて、越えるためにある”っていうその言葉にすごく共感して。東儀さんは雅楽をやってるからこそかもしれないですけど、自分のジャンルに立ち返りつつ、あくまで他の領域を侵さない、いろんなジャンル飛び越えた音楽っていう…そういう意味でも、エレクトロのいいところだけ引っ張ってこようっていう認識じゃないんです。僕がリスペクトしてるBOOM BOOM SATELLITESも、エレクトロとロックの温度感みたいなものを本当に心得ていて、亡くなられましたけど川島道行(vo&g)さんもTSUTAYAが一軒建つぐらいCDを持っていて…それぐらい音楽を聴く方たちなんですよ。僕らもそういうアーティストになりたいし、『BOY』に関しても、そのジャンルをちゃんと理解して、その領域を越えて自分のロックという土壌に戻ってくることをしたかったんで。そういうことが分かりやすくできたのが『BOY』だったり『FLY』(M-10)だったりするのかなって」
 
――『FLY』もuchuu;のキャリアにおけるアンセムと言える1曲ですけど、この曲が生まれた過程は?
 


K「『WHITE』のリードを書かないといけない使命感との戦いで思い詰めてたというか…その時期に僕、シンガーソングライターからボーカリストになった認識があって。それこそ、ぴあ関西版WEBでINORANさんと対談させてもらったのもすごくいい経験で…やっぱり言霊がない音楽は響かないなって再確認できたし、これから先の時代に、どうしたらいい音楽が生まれていくかをずっと考えてたんで。僕らが今売れる音楽を、ただテンプレートに乗っかった音楽を作るんじゃなくて、こういう音楽が残っていってほしいとちゃんと思える中身にしたかったし、レコーディングの手法1つでも、とにかく安いスタジオで録って今風のミックスをして、じゃなくて、本当にいい機材で、いい音で録って、アナログでミックスして、みたいなことを僕らがやっていかないと、これから先に残るような音楽はできないと気付いてしまったんですよ」
 
Hiroshi「流れで言うと、そこがターニングポイントになったというか…『FLY』を書いたことで振り切れたと言うのもヘンな話ですけど、“自分は自分や!”みたいなところにKくんが行き着いた気がしますね」
 
K「自分がクリエイトしたい音楽と、自分が評価されている音楽とのギャップに葛藤して、それこそ『FLY』みたいに自分自身に問いかけてたんですよ、“俺の自由って何やねん”って。人がよ過ぎるんでしょうね、“こういう曲を書いて”って言われたら“頑張って書こか”ってなっちゃうから(苦笑)。その結果、“自分は自分らしくありのままやる。誰が何を言おうと、俺は俺がやりたい音楽をやる!”って振り切ってもーたという(笑)。自分はこうしたい、でも、こうせなあかん…そういうことってみんなにあると思うんですよ。言いたいことを言いたい、でも言えない、言いたいことを言った、でも伝わらない、みたいなギャップをみんな抱えてるから、そういう人たちにも響いてほしいなって」
 
――そのギャップと葛藤の中で、音楽家としてのプライドと周りの声に応えるギリギリのところで『FLY』を書いたことによって、ついに限界に達して、想いが決壊してしまった…。そうか、ここから『2069』が始まってたのか。
 
K「まさに!」
 
――むしろそんなに器用に応えて書けなかったらいいのに、書けちゃうから悩むよね(笑)。
 
K「そうなんですよ。この曲を書いて、“できんことないな”って思いましたし(笑)」
 
Hiroshi「そうっすよね(笑)。本来そんなに器用にやれる人って少ないと思うんですよね」
 
――普通はアンセムを求められて書いてもなかなかそれに見合うクオリティにはならない。でも、それが実現できちゃうとそりゃ周りも期待するから(笑)。
 
K「アハハハハ!(笑) でも、いいんですよ。それはそれで時代を見てる証拠にもなったから、うん」
 
 
どうライブでこの作品を越えられるか
 
 
――最後の『L』(M-11)は=Loveで、アレンジにはHiroshiも関わっていて。
 
K「今まではArrangement by uchuu;としてまとめてクレジットしてましたけど、今回はそこを細かく明記してるのは、誰がどう関わったのをしっかりみんなにも知ってほしいのもあったから。“『L』は岩ちゃんと俺が家でアレンジして作った曲なんやで”っていうね(笑)。実際、岩ちゃんと“もうちょっとボトムのキックを”とか、“ビートはこうじゃない?”とかいうディスカッションをしてこの曲は出来上がってるから」
 
――今作ができたときは感慨深かったんじゃないですか?
 
K 「最後にみんなで試聴会をしたんですけど、僕はもうずっと泣いてましたから。それを見たいつもは割とドライなスタッフが、“この作品を絶対売ろう、俺、頑張るから”っていうひと言を残して帰って行ったんですよ。からのタイアップの数々なんで、ホンマに自分の伝えたかったことがメンバーに伝わり、チームに伝わり、それがこうやってメディアに伝わり、リスナーに伝わる…この温度感が損なわれることなくそのまま伝わることが大事やと思うし=それがいい作品ちゃうかなって思ってますね」
 
――ライブも今回のアルバムによって変わっていくであろうという予感もありつつ。
 
K「僕がドラムを叩いたりベースを弾いてる曲もあるんで完全再現は不可能やと思うんですけど、どうライブでこの作品を越えられるかを考えてるんで、作品よりもいい状態の曲を、ライブでは聴いてもらえるかなと」
 
Hiroshi「Kくんがギターを置く曲も増えて…最初はKくん自体も不安やったと思うんですけど、僕らも不安やったんで(笑)。それが今ではベーシックになってきてる部分はあるし、照明だったり音響も含めて、CDを越えるライブの魅せ方、『2069』をどうやって越えるかは1つの課題なんやろうなって。メンバーそれぞれが自分の本質にやっとたどり着けた気はするんで、4人が4人とも自信を持ってステージ立てる、“自分たちはこんなに楽しい”っていう熱をそのまま受け取ってもらえるようなライブにしたいですね。自分の人生をちゃんと表現できる場所でありたいし、そういうチームがuchuu;だよって表現できたら」
 
K「込めた想いが『2069』にはあるので、それは作品から受け取ってもらうのが一番で。音楽に関しては百聞は一見に如かずやと絶対的に思ってるんで、このインタビューを読んだりして興味を持ってもらえたら…今の僕たちである『2069』という作品を、曲間も含めて最後の一音が鳴り終わるまで聴いてもらえたら、ライブに行きたいと思ってもらえると思うんで。飛び込んできてくれたら、僕らは全部を抱擁する覚悟でステージで待ってます!」
 
 
Text by 奥“ボウイ”昌史
 




(2018年7月 3日更新)


Check

Release

高音質×高純度なダンスミュージック
堂々の2ndフルアルバムが誕生!

Album
『2069』
発売中 2500円
SPACE SHOWER MUSIC
PECF-3203

<収録曲>
01. 19692069
02. 東京エソラ
03. BOY
04. After Goodbye…
05. over myself
06. Regain
07. CIRCUS
08. Magic
09. Keep on living in my music,
10. FLY
11. L

Profile

ウチュウ…写真左より、SUJIN(b)、K(vo&g&prog)、Hiroshi(Sequence&perc)、AILI(ds)。幅広いダイナミクスと高揚感、情景が描かれるようなバンドサウンドと詞世界を、様々な機材とテクノロジーを駆使し、独自の音楽として表現。’17年に新体制となり洗練されたその音楽性は、テーマとして掲げる”Crossover Music Creators”の通り様々な音楽をクロスオーバーし、新たなサウンドを展開している。また、REC~MIX、アートワークまでディレクションするなどマルチな側面も併せ持ち、音楽以外の芸術表現との親和性も深く、世界初のDMM VR THEATERでの公演やMV等でも、新たな表現を追求し続けている。’18年4月25日には、最新作となる2ndフルアルバム『2069』をリリースした。なお、バンド名の由来は、u=YOU=君、chu=Onomatopoeic of Kiss=キス、u=YOU=君、,=Punctuation mark=まだ続く、永久調和の一瞬、を組み合わせた造語。君が君にキスをする=自尊心の表れと、自分を大切にして欲しいという意味。満ち足りた世界で何を生き甲斐に生きていくのか、現代を生きる全ての人への投げかけ、自分自身への永久的な問い、という想いが込められている。

uchuu; オフィシャルサイト
http://uchuu-sound.com/

Live

リリースツアーもついにファイナル!
大阪のホームで贈る最高の夜

 
『LIVE IN 2069』

【宮城公演】
▼6月2日(土)LIVE HOUSE enn 2nd
[共演]avengers in sci-fi/LILI LIMIT
【広島公演】
▼6月9日(土)HIROSHIMA BACK BEAT
[共演]Crazy Vodka Tonic/印象派
【福岡公演】
▼6月17日(日)INSA
[共演]avengers in sci-fi/印象派
【愛知公演】
▼6月23日(土)アポロベイス
[共演]Brian the Sun

【東京公演】
▼7月1日(日)TSUTAYA O-WEST

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード110-896
▼7月8日(日)17:30
心斎橋JANUS
オールスタンディング3500円
GREENS■06(6882)1224
※未就学児童は入場不可。

チケットの購入はコチラ!
チケット情報はこちら


Column1

この日のために乗り越えてきた
多くの日々、かけがえのない夜
『1st e.p. release tour
“KEEP ON”』地元大阪ファイナル
を独占レポート!

Column2

LUNA SEAからソロ20周年まで
INORANが自らを果敢に再構築した
セルフカバーベスト
『INTENSE / MELLOW』座談会
with 空中ループ、uchuu,!

Column3

「uchuu,の音楽はどこまで行っても
“人のための音楽”だと思ってる」
届ける使命感、鳴らす人生観
驚異のアルバム『+1』を解剖する
インタビュー&動画コメント

Column4

誰にも負けない言葉とリズムを糧に
感情という名の音楽を鳴らせ
『HELLO,HELLO,HELLO,』!
傷だらけで前進するバンド人生を
語るインタビュー&動画コメント

Comment!!

ライター奥“ボウイ”昌史さんの
オススメコメントはコチラ!

「今回の取材は当初Kくんのみの予定だったんですが、Hiroshiも呼び出そうということで急遽uchuu;の同世代2人という極めてレアな組み合わせのインタビューになりました。これぞ大阪在住のミュージシャンならでは、呑みながらやった取材ならでは、という(笑)。uchuu;はその音楽的才能もさることながら、本当に人柄も魅力的で(誕生日が近かった僕のために本をプレゼントしてくれたKくんマジありがと!)。そんな彼らの『2069』に至るまでの苦闘を聞いていると、やっぱり真正面からはなかなか見えないことがあるというか、バンドはいろんな悩みを抱えているんだなぁと。ここには書けないこともいろいろあるよなぁと。そしてお酒の力ってすごいなぁと(笑)。大阪の誇りと言っていいバンドの1組であるuchuu;は、不純物ゼロで今が最強で最高の状態。ぜひ彼らのホームである心斎橋JANUSでのツアーファイナルで、その音を浴びに来てほしいですね。めっちゃ気持ちいいですよ。彼らのライブを観て鳥肌が立たなかったことはないので、自信を持ってオススメします!」