「まぁ追い詰められないとやらないタイプなんで。今回は…追い詰められましたね。単純に“う~わ、『HAPPY』よりいい曲作らな”みたいなプレッシャーもありつつ(笑)」
「いやもう“HAPPY”っていう言葉にもパワーがあるし、それを超える言葉を探すのが、まず難しくて。uchuu,がやりたいこと=言わばHAPPYなバンド。まぁ人間がHAPPYなヤツらばっかりなんで(笑)。そういうヤツらが『HAPPY』というアルバムを出している以上、“次はどうする?”とはなりましたね」
「そう。やっぱりそこを超える作業であり…でも、比較するから超える超えないの話になるのであって、“別に超えんでもいいんやな”ってちょっと思ったことがあって。超えるじゃなくて、焦点をギュッと絞る。アバウトなものを、より具体的に表現するというか。いや~でも大変でしたね。ギリギリになって1曲なくなったりとか」
「入れる予定やった曲の、RECデータが飛ぶっていう(笑)。ハードディスクが飛んだから、急遽『HARDDISK』(M-5)っていう曲を作ったんですけど(笑)。週に1回ぐらいはバックアップを取ってるんですよ。でも、データが飛んだのが、その1週間の間に一気にRECが進んだ曲やったんで、バックアップを取る前に消えてもうたんですよ…」
――そういうトラブルもありながら、『HAPPY』のように強い言葉というところで、今回のリード曲『HELLO』(M-2)にたどり着いたのは?
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「何ででしょうねぇ…何かこう、言葉の持つ力みたいなものを信じてる部分があるというか。やっぱりキャッチーであることが、聴いてくれる人みんなの引っ掛かりになるんじゃないかって」
――サウンド的なことだけじゃなくて、“言葉のキャッチーさ”ってことね。
「そうですそうです。“HAPPY”もそうなんですけど、ヘンな話“HELLO”という言葉の持つ力をお借りする、みたいな感じ(笑)。自分が“HELLO”という言葉を聞いたときに、キャッチーさと引っ掛かりをすごい覚えて。“HELLO”をチョイスしたのはそこですね」
――そう考えたら、めちゃくちゃ音楽的なバンドやけど、意外にも言葉を起点として物事が動き出すところもあるね。『HELLO』っていう言葉は100%ポジティブなイメージやんか? 『HAPPY』もそう。同時に、ものすごくありふれた言葉でもあるから、その辺の危惧はなかった?
「曲もアルバムもタイトルは一番最後に付けるんですけど、作業的には歌詞を考えるのは後で、リズムを先に作っちゃうんですよ。で、そこにはヘンな自信があって。メロディでは正直、勝てないというか」
――世にメロディーメーカーはいっぱいいるからね。
「そうなんです。でも、リズムと単語やったら、僕らしさがどこかにあるんじゃないかって。だから、“HELLO”という単語を一番リズムよく届ける自信はあるというか」
――Kくんは歳の割に音楽暦が長いやん? そのキャリアの中で、リズムでは勝てるみたいな確信、リズムが自分の突破口なんだという感覚は、いつからあったんかな?
「気付いたのはここ2年ぐらいですかね。でも、そのきっかけになったのはSujin(b)で。過去に僕がやってきたバンドとか、過去のuchuu,の作品を聴いて、自分でも“あ、確かに”って(笑)。と言うのも、ギターボーカルってリズム音痴が多いんで、前にやっていたthree mono surroundも、ギターボーカルというポジションは変わってないんですけど、歌にしろギターにしろ、リズムをすごく大事にしてたんですよ。僕はどう頑張ってもやっぱり歌は上手くないんですけど、“歌心”というものがもしあるなら、“リズム心”じゃないですけど、それやったら勝負出来る気がする、みたいな。それは、過去にやってきた音楽も引っくるめて、Sujinに言われて気付いたことですね」
僕だけじゃ出来なかったことも、メンバーがいてくれたから成し得た
――そう考えたらやっぱり、Sujinが加入したのはデカいよね。
「相当デカいですね」
――なのに最初からSujinとはやらんかったんやね、uchuu,は。
「そうですね(笑)。そもそもスーさん(=Sujin)が僕に、“uchuu,やりーや”って言ったスタートだったのも」
――three mono surround が終わったとき、このバンドで全力を尽くす気持ちでやったから、もう音楽を辞めようみたいなところまで行ったわけやもんね。
「で、そこでスーさんがきっかけで、uchuu,を始めるようになって。当時、スーさんが前のバンドの√thummで『TECHROCK』っていうイベントをやってて、僕に“あ、もう1枠空けといたから”って言ってきたんですよ。でもまぁそんなことはないやろうと思ってたら、後日(会場のclub vijonの)松藤さんから電話が掛かってきて、“Kくん、1枠空いてるアレどうする?”って言われて、マジなんやって(笑)。“いや、さすがに30分とかは曲もないしメンバーもいてないから無理です。ちょっと分かんないです、正直出られるか”って言ったんですけど、“それでもいいよ”って待ってくれたんで、“じゃあちょっとメンバー探してみますわ”って。だから最初は20分ステージだった記憶が。結果、その後もuchuu,が続いて、メンバーがまぁコロコロ変わって。ベースが抜けるっていう話になったとき、スーさんも“いや、俺が始めろって言ったからには、俺が責任取らなな…”みたいなところもありつつ(笑)。スーさんは、僕っていう才能を埋もれさせたくない気持ちでuchuu,を始めろと言ってくれたと思うし、それがあって今では一緒にやってくれてる。だから僕的には、背負われてるし背負ってる、みたいな感じですね」
――Sujinもさ、割と同じようなバンド人生やん。レイモンドチーム→√thumm→uchuu,と、2人とも関西の音楽シーンで認め合いながら並走してて、今ようやく同じプロジェクトにいるのはおもしろいよね。
「いや、ホンマそうですね。しかもお互いに“じゃあ一緒にやろっか!”って絶対に言うタイプじゃないんですよ。“やるんやったらやるで?”みたいな(笑)」
――誘われ待ちするタイプ(笑)。やっぱりclub vijonも含めて関西のシーンにおける独特のコミュニティがあって、そこに1つの時間軸があるね。
「そうですよね。僕もまさか一緒にやると思ってなかったんで、ふと我に返ったときにちょっとビックリしますもん。“うわ、僕Sujinとバンドやってるのか”みたいな(笑)」
――何やろね? アムロとシャアが一緒に戦ってるみたいな感じなんかな?(笑)
「アハハハハ!(笑) 最近の話で言ったら、ルパン三世にコナンが出てくるみたいな感じ(笑)」
――メンバーも、さっき話したコミュニティで、昔から知ってる仲間が集まってきてる感じやもんね。
「そうですね。(Sujinは)√thummでありレイモンドチーム、(Ericoは)joy、(Airiは)econoise、(Hiroshiは)nuxx…みんなそれぞれ頑張ってきたものがあって、ギュッ!と集まった感じですね」
――Kくんってまさに音楽人というか、音楽が服着て歩いてるみたいなイメージがあんねんけど(笑)、でも uchuu,に関しては、もちろん音楽的なんやけど、人と人との関係性から生まれるものの重要さを体感しながらやってる感じがすごくあるなって。
「そうですね。僕が音楽的なことをあんまり考えなくなってから、良くなってきた感じですね。僕が僕であるというか、僕がKじゃなくて、いわゆる●●(本名)さんの状態になってから、物事が好転してよく転がるようになった(笑)」
――今まではやっぱり、ソングライターでエンジニアでプロデューサーで窓口で…全部、みたいな。でもuchuu,は、完成図通りやってくださいじゃなくて、みんなでそれを作っていくというか。俺の100%を再現しろよじゃないのに、それが120、150%になっていくような。だからこそ楽になれるというか、●●さんに戻れるっていう(笑)。
「アハハハハ!(笑) いやでも、そうですよね」
――今それが評価されてきたのは、やっぱりそういうことだった、というか。
「うんうん。だから、単純に気張ったらアカンなって思いました。今までは自分が思い描くK像みたいなものを自分で演じてたというか。これが正解や、みたいな。じゃなくて、それをオフった瞬間に、“いや、そっちの方がいいやん!”って言われまくってる感じです(笑)」
――何でそうなれたんやろね。まぁSujinの存在もあるやろうし、これだけバンドをやってきたらもうね、そろそろ力も抜けるでしょうよっていう感じ?(笑)
「やっぱり友達始まりのメンバーが2人いるのはデカいですね。EricoとかAiriちゃんはバンドマンの先輩後輩つながりなんですけど、SujinとHiroshiに関しては友達からスタートしてるから、Kでいること自体がダサいみたいな(笑)。今話してて、思いました。僕だけじゃ出来なかったことも、メンバーがいてくれたから成し得たんじゃないかな」
1人やと寂しいんですよね、やっぱり。達成感もなくて
――そして、『AO-HARU』(M-4)なんかはまさに“青春”なわけで、物心ついたときから音楽が中心にあったというKくんの、歩んできた道のりがフラッシュバックするような曲で。
「日本語詞なんで、やっぱり自分の想いのままというか…ある種の回答を提示する音楽をやるのはイヤやったんですけど、それも日に日に変わるというか。ある程度僕が言いたいことも言わなアカンなって。それを待ってくれてる人もいるというか、1つ提示しないとイメージも湧かない。だからあくまで僕の青春のイメージなんですけどね」
――そもそも最初にギターを持ったのはいつなん?
「小学5年生」
――早っ! なんで?
「親父が元々バンドをやってて、レッド・ツェッペリンが好きやったんですけど、その曲がカーステレオから流れてたんですよ。“これめっちゃカッコいい! 弾きたい!”って言ったら、“実家に帰ったらアコギがあるから教えたる”って。で、小学校4年のときに親父の実家に帰ったとき、それを遊びで弾いてて。弦1本しかなかったんですけど(笑)。そこで親父に“ギターを持って帰りたい”って言ったら、“お前はすぐに飽きるからアカン。来年ここに来てまだ弾きたかったらええわ”って言われ。ようやく翌年にまた帰ったら、今度はおばあちゃんが“あんなん1弦しか張ってなかったから捨てたわ”って(笑) 」
――アハハハハ!(笑) ショック!(笑)
「いやいや、この1年間の想いはいったい…って(笑)。結局、お年玉でちょっと安い入門用のギターを買って、『めだかの学校』を弾きました(笑)」
――『めだかの学校』から『HELLO,HELLO,HELLO』までたどり着いたんや。すごいなぁ(笑)。じゃあ親の影響云々じゃなく、能動的にハマった最初の音楽は?
「ドカッとハマったのはLUNA SEAですけど、一番最初に買ったCDはシャ乱Qです(笑)。でも、洋楽はずっと好きで、カーペンターズ、ツェッペリン、それこそバックストリート・ボーイズだったり、ボン・ジョヴィだったり…中学1年ぐらいで、もうボン・ジョヴィのCDは買ってましたね」
――uchuu,と以前やってたthree mono surroundは通じるものもある。でも、ボン・ジョヴィは違うやん?(笑) 今のダンスミュージックとかエレクトロな方向性に流れていったのは?
「three mono surroundの頃は、“全部自分でやりたい”みたいな時期で。そのときにデザインとかも覚えたんですけど。WEBも自分で作りたいとか」
――なるほどね。WEBも作りたい、デザインもやりたい、RECもやりたい、Kくんの全部やりたい願望はそこから来てたのか。そうなると自ずと打ち込みとかも覚えていく。
「そうですね。でも、全部やったらアカンねんで、っていうところに今たどり着いてます(笑)。何やったんやろうなぁ…全部自分で理解して、全部自分で出来て初めて、人に任せられるものなのかなって。それが正解やと思ってましたね。分かってもないことをやって欲しいとか言うのは失礼なんかなって、ちょっと思ってたんですよね」
――凝り性を極めていった感じやね。でもずっとバンドなんや、ならソロでもいいのに。
「いや、それはねぇ…今までに何回も言われてきましたね。でも僕、寂しがり屋なんですよ(笑)。1人やと寂しいんですよね、やっぱり。達成感もなくて」
――そういうKくんがようやくたどり着いた“バンド”なんやろうね、uchuu,は。
今僕が作ってる音楽っていうのは
歌詞が英語でもやっぱり“TO 日本人”なんですよ
あくまで日本にいる人に聴いてもらうことを大前提で作ってる
――その最新系が今回の『HELLO,HELLO,HELLO』で。リード曲の『HELLO』なんかは、今のuchuu,の決意表明みたいな曲やし。これはいろんな曲が合体して出来たと。
「そうなんですよ。頭からサビ前までは出来てて、めっちゃ気に入ってるけどサビがアカンなっていうことで、ずっとお蔵入りしてた感じでしたけど、『HELLO,HELLO,HELLO』を作るときに、そういやあの曲があったなって。メンバーも変わって、スーさんもHiroshiもいてるしっていう状態でセッションしたら、何かこのサビが出てきたという」
――前作の『HAPPY』にしろ今回の『HELLO』にしろ、リード曲の強さというか、この爆発力はすごいね。
「実は『HAPPY』も『HELLO』も共通したものがあって、それは多分メンバー全員が分かってる。“これがもしかしたらuchuu,っぽさみたいなものなのかな?”と思いつつ、でもここだけに収まりたくないっていう気持ちで」
――そのuchuu,っぽさという共通認識って? 言葉に出来るのであれば。
「やっぱり、言葉のキャッチーさと、“リズムミュージック”というところ。あとは、ものすごく僕が気持ちよく歌えるキーというのはある」
――そこを何となく肌感覚で共有出来てると。
「曲を作るときに、僕が歌いやすいキーがあって、まずそこから決めて。“Kくんは声を張ってる方がカッコいいから、パーン!ってそれが前に出るサビにしよう”みたいな。多分そういう認識は、みんなの中にある程度ある」
――あと、リズムで言ったらもう、Airiのドラムがカッコよ過ぎる。いっつも思うけど、あの人何なん?(笑)
「いやぁ~あの人はホンマに“THE人間”っていう(笑)。極論、波形的にはキレイに叩けてはないんですけど、でもそれがよくて。打ち込みには出せない良さ=人間が音楽をやってるっていうところで、人間味がすごいあるというか」
――いやでも、それで言うとメンバーみんな、めっちゃ“THE人間”やで(笑)。
「フフフ(笑)」
――ちょっと気になってたのが“ランドスケープ”という言葉が『labyrinth』(M-3)にも『HARDDISK』にも出てくるけど、これは単なる偶然?
「いや。やっぱり景色が見える音楽っていうのは、絶対的なテーマというか。もうこれは音楽を始めたときからずっとなんですけど、音楽から景色が見えなかったらイヤなんです。だからそういう音楽が好きやし、自分も作りたい気持ちがあるのが、滲み出してしまった(笑)。何て言うのかな…“マジで!? 同じやん!”っていうあの感覚。例えば“あそこのご飯美味しかったよなぁ”、“あ! 俺も美味しいと思っててん!”でもいいんですけど、その合致感というか」
――それが音楽で起きたときの、“おぉ~!”みたいなね。
「イメージとかビジョンとか時間、そういうものを共有出来るのが、音楽をやっていて一番楽しいことですから」
――あと、『calling』(M-6)とかでも思ったけど、生きてるだけで美しいというか、人生全肯定感がすごいあるなぁと。だからこそ、Kくんのこのエネルギーは、堕ちたときのリバウンドじゃないかと思うときもあるけどね(笑)。
「アハハハハ!(笑) まぁそうですね。でも、メンバー以外にはそこは見せないですね。ただ、落ちてもポジティブではあるんですよ」
――元来ネガティブな人間ではないと。
「そうなんですよ。つい最近も、ドッカーン!と堕ちたことがあるんですけど、ドン底でも“もうやーめた”っていう方向には向かわないことに気付いて。“うーわ、どうしよ。頑張らな。悔しい”みたいな」
――ちなみに、それは何で堕ちたん?
「やっぱり、メンバーの人生も背負ってるし、関わってくれてる人のことも背負ってると思ってるから、そういうときにライブがよくなかったりすると、何のためにやってるのか分からなくなるんですよね」
――でも、そこからちゃんと復活しての『calling』の全肯定感と。歌詞に出てくる“distancy”は造語?
「造語ですね。いわゆる“語感”ってやつです。今僕が作ってる音楽っていうのは、歌詞が英語でもやっぱり“TO 日本人”なんですよ。海外に向かって書くなら、多分こういう歌詞にはしない。あくまで日本にいる人に聴いてもらうことを大前提で作ってるんで」
――音からするとむしろ意外。その意識があるんや。
「もし世界に対してやるなら、アプローチは絶対変わるはずなんですけどね」
――なるほど。あと、時々思うけど、uchuu,は大阪を拠点に活動していて。こんなに洗練された音楽なら東京でももっと評価されそうやけど、それはそれでさっきの話じゃないけど、“寂しい”っていう(笑)。
「アハハハハ!(笑) そもそも東京に行く気がないんですよ。この時代に、東京に行ったからって何かがあるとは思えない。それ以上に大阪にいることが、音楽的には正解なんじゃないかと思ってるんです。大阪にある“人のつながり”を失う方が、僕らにとってはつらいことで、それがいわゆる僕の築いてきたコミュニティやと思っていて。何かやっぱり、大阪で成し得たいってどこかで思ってる人たちなんですよね、uchuu,って」
息を長く、楽しくやる。それがまずuchuu,の大前提
――アルバム制作時の苦労というか、エピソードはある?
「僕が迷いに迷って、“もうどんな曲を作ったらいいか分からん!”って(笑)、エレキギターだけ持って個人練習に入ったんですよ。そこで、“もうロックしかないやろ!”ってアンプ直でバーン!っと作ったのが、『AnswerSong』(M-1)です。だからこれ、自分がどういう音楽をやりたいのか分からなかったときに作った曲なんですよ(笑)」
――そんな時期があったんや。『HAPPY』で状況はちょっと盛り上がっただろうに。
「いやいやいや! 全くの個人で言うなら、僕がやりたい音楽っていうのは、今回で言うなら『labyrinth』とか、『HAPPY』で言ったら『secretspace』だったり、ああいう楽曲なんですよ。日本語でもない、英語でもない、でも言葉にリズムがあって、湿度のある音楽というか。でも、やっぱりメンバーのやりたいことも好きなジャンルもバラバラやし、でも、誰かがやりたい音楽じゃなくて、みんながやりたいことが少しずつ集まって出来上がるのがuchuu,だと思うんで。当然迷うんですね。しかもそこに、“こういう楽曲、いいんじゃない?”みたいな大人の意見も入ってくる(笑)。でも、“なるほどな”ってそれはそれで僕も理解出来るんですよ」
――自分の正解、バンドの正解、みんなそれぞれの正解。でも、そこを抜けたからこそ、このアルバムが出来た。 自分1人では出ないものが、いろんな引っ張り合いがあって引き出される。自分の知らない自分じゃないけど。
「いやぁ~もうまさに。いい意味で理解も出来たし、諦めもついたみたいな(笑)。『AO-HARU』とかに関しては、このメンバーじゃないともう絶対に作れなかったと思いますし。こんな具体的な歌詞、自分1人だと恥ずかし!ってなるところが。僕ね、このアルバムが出来上がった次の日がライブやって、これを聴きながら移動してたんですけど…えーっとね、『labyrinth』『AO-HARU』の2曲の間、ずーっと泣いてました、1人で(笑)」
――アハハハハ!(笑) 自分で作っといて(笑)。
「車で泣くっていう(笑)。メンバー全員いましたけどね(笑)」
(一同笑)
――そして、そのリリースツアーは7月9日(木)、地元の梅田Zeelaでファイナルということで。最後にuchuu,として今後どうなっていきたいかを。
「息を長く、楽しくやる。これがブレないで続けること。それがまずuchuu,の大前提。かつ、やっぱりより多くの人が、それはスタッフでもいいし、お客さんでもいいし、何か想いがあってuchuu,と関わる人が、1人でも増えればいいなって。想いがない関わりじゃなくてね」
Text by 奥“ボウイ”昌史