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「私はやっぱりお茶の間に届けたい、届く人になりたい」
関取花の存在だけでなく、関取花の音楽を届けるために――
東名阪『朝稽古ツアー』がいよいよ開幕へ!
『朝』インタビュー&動画コメント

 ライブのMCで培ったその軽妙なトークスキルで、今やテレビ各局のバラエティ番組に出演。そんな彼女の姿を、画面越しに見かけた方もきっと多いことだろう。関取花の名を知らしめた濃厚な1年を終え、今年初のリリースとなったシングル『朝』は、美しいコーラスとまっすぐな歌詞で1日のはじまりを切り取ったスタンダードなポップス。一転カップリングでは、シニカルな目線で綴る彼女の活動初期の代表曲『めんどくさいのうた』が、アコースティックギターのタッチノイズも心地いい生々しいリアレンジで収録。そして、林宏敏(ex. 踊ってばかりの国)のギターが冴え渡るカントリーテイストの『なんとかなるんで』では、自身のルーツに根差したグッドミュージックを披露と、三曲三様のスタンスで関取花の今を描いた1枚となっている。東名阪ワンマン『朝稽古ツアー』(ネーミング最高!)を控える彼女が、新作にたどりつくまでのこの1年の心の動きを語るインタビュー。お茶の間に関取花の存在だけでなく、関取花の音楽を届けるために――。

 
 
やっぱりね、音楽を聴いてほしくて全部やってたので
 
 
――近年、アルバムのリリース前にそのパイロットとなるポップなシングルを出して、みたいな流れが。
 
「そうですね。自分のキャラを知っていただく機会が’17年は音楽以外でも結構あったので、ヘンに狙って“ひがみソング”に寄り過ぎた感じの曲を表題曲にしちゃうと…それはそれでいいとは思うんですけど、やっぱりね、音楽を聴いてほしくて全部やってたので。このタイミングでちゃんと“いい曲”を出せたのは、いいバランスだったかなぁと」
 
――SNSのフォロワー数とかYouTubeの再生回数とか、目に見える形でステップアップの実感はある?
 
「自分自身は何も変わってないんですけど、単純に“私の友達が花ちゃんが好きって言ってて”とか、そういうことが身近に増えてきたのは一番実感として嬉しかったり。例えば、中学・高校の同級生は普通のOLなんで、そういう職場の子たちって、私たちが普段接してる音楽シーンの人だと案外知らないじゃないですか? そこがテレビとかのお陰で、ちゃんと音楽を聴いてもらえる導線になってるのは感じましたね」
 
――全く音楽と関係のない仕事をしてる人から名前が挙がってきたら、“ここまで届いてるんや”とか思うもんね。
 
「ホントに。今までは“誰のライブに行くの?”、“関取花ちゃんっていう子だよ”、“え? 知らない誰?”ってなってたのが(笑)、“あ〜! ラジオで聴いた”とか“誰々と対バンしてたから知ってる!”とかそういうのが広がって。それこそTwitterとかのリプライで、昔からライブに来てくれてる人が、“花ちゃんのライブに通い出して2年、妻もファンになったので、ようやく連れて行くことができます”とか、そういうのはすっごい嬉しかったですね」
 
――いずれ“関取花が縁で結婚しました”とかいう人が出てくるかもしれないね。
 
「それヤバい! でもね、カップルのお客さんがいたんですけど、別れたっぽいんですよね~(笑)」
 
――アハハハハ!(笑)
 
「“花ちゃんのライブがきっかけで出会いました!”ってずーっと一緒に来てくれてたのに、最近は男の子の方しか来なくなって…まぁ触れないでおこうと(笑)」
 
 
私はやっぱりお茶の間に届けたい、届く人になりたい
 
 
――海外で放送中のフジテレビ系朝のニュース情報番組『FCI News Catch!』のタイアップから生まれたのが『朝』(M-1)ということですけど、やっぱり何かテーマを与えられた方が書きやすい?
 
「そういうオファーがなかったら多分一生、朝に起きない生活をしてたし(笑)、朝の曲は書かないなって思ってたんで、すごいよかったですね。ただやっぱり、朝の記憶が一切ないんで自然には書けなくて(笑)。曲を書くために7時起きとかして、散歩して、いろいろ景色を観たり、空気を吸って、“世界は美しい”みたいなことを感じたり(笑)。最初は、“昨日は1時まで呑んじゃった、だけど二日酔いで起きなきゃいけない。身体はダルいが朝日は美しい”みたいに、いつものちょっと落として上げるパターンの曲も考えたんですけど、海外の番組ということもあったし、それだと私なりの書き方ではあるけどすごい狭い世界の話になっちゃうじゃないですか? だから、もうちょっと開いて、言葉がスッと入ってきて、違う文化の中に暮らしていても難しく考えずにポンッと背中を押せるような曲をと思って。ポップでシンプルにするのは心掛けましたね」
 
――今回もプロデュースに野村陽一郎さんが参加してくれて、『君の住む街』('16)で間口を広げようとしたときのやりとりがここでもう一段階進んだ、本当にスタンダードなポップスになったというか。
 
「『君の住む街』の歌録りのときは、“まだちょっと閉じてる感じがするから、お客さんが向こうにいると思って歌ったら?”っていうアドバイスをもらって、“こういうことか!”と思って。今回、陽一郎さんと久々に会ってレコーディングしたんですけど、自然に歌ってみたらもう、“あ、いいね~”って本当にスムーズに進んで。この1年で教えてもらったことが身体にちゃんと染み付いたんだなと思って、それもすごく嬉しかったですね」
 
――ただ、端から見たら露出も増えてすごく順調に見えるけど、ずっと気持ちの浮き沈みはあったみたいで。
 
「いやぁ〜もうめちゃめちゃありましたし、いろいろ頭でっかちになっちゃって。どんな歌詞を書いても、“どこを切り取って、どう取られるんだろう?”とか、いろいろ考えたりもしましたけど」
 
――なかなか天狗にはなれないもんだねぇ(笑)。
 
「もう絶対無理です。ちょっとやそっとですぐ鼻が伸びる人をたくさん見てきたから、絶対にヤダ! なりたくない!(笑) “何で未来に不安を感じず生きてられるの?”ってすぐ思っちゃうんで。ネガティブでリアリストというか、ヘンなところでロマンはあったりはするんですけどね」
 
――歌詞に関しては、どうしたら人の心にダイレクトに届くのかをちゃんと意識したからこそまっすぐだけど、言い切りはしない。根拠なきポジティブを排除する(笑)。
 
「もうそこだけは徹底して(笑)。“いける”とは無責任には言えないんで、“いけそうな気がする〜”って天津(木村)さん的な(笑)。それこそこの1年の成長だと思うんですけど、“どうしたらお茶の間に届くのか?”っていう考え方で割と書いたり作ったりしたのはありました。悪い意味じゃなくて、音楽を仕事にしていく自覚が、この1年でより強くなったのかなって、うん」
 
――音楽で食べていく気なんか全くなかった『めんどくさいのうた』(M-2)を書いていた時代とは、全然違いますね。仕事=プロ意識、みたいな。
 
「そうですそうです! 仕事だからこうしなきゃとか、こういうオファーがあるからとか、決してネガティブな感じではなくて、単純に“私はやっぱりお茶の間に届けたい、届く人になりたい”ってすごく思ったので。フェスで盛り上がる曲も大事だとは思うんですけど、フェスに来る人=音楽がそこそこ好きで、フェスの情報をチェックして、フェス用の服を買って来るような人たちじゃなくて、その手前にいる人たちに、もうちょっと届ける方が自分はやり甲斐も感じるし面白いなぁと今は思ってて。その辺はこの1年のテーマとしてはありましたね」
 
――今ってフェスでまず人気に火をつけて、メジャーに行かせて、それからお茶の間にっていう売り方が大半やけど、花ちゃんは縁もあってそれとは違うルートでお茶の間を目指せてるというか。
 
「だから、すごくやる気が出るなぁと思ってて。自分を呼んでくれるテレビやラジオの方だったり、ライブもそうですけど…まだ何者でもないうちから面白がってくれる人が周りにいっぱいいるのが嬉しいなって。露出に対してセールスがまだ追い付いてないのも自覚してるので、しっかり音楽をやるのが一番の恩返しになるし。あと、音楽で売れたら、“ほら、音楽の世界の人たちより先に、音楽専門じゃない人たちが私のことを面白がってくれたのよ? 見なさいよ! こんなに仲間がいるのよっ!!”って(笑)。そう胸を張って言えたら、チームとしても気持ちいいと思うんで」
 
 
何かね、自分とともに成長してきてくれた曲な感じはします
かつ“忘れたくない、トゲトゲしたもの”みたいな
 
 
――あと、『朝』のMVを見ても1年前とは全然違うというか、単純に痩せたね(笑)。
 


「ねぇ(笑)。この1年で5キロぐらい痩せましたね。でも、ダイエットはしてなくて。…心労?(笑) 全然音楽と関係ないことでちょっといろいろあって…って恋愛でも何でもないんですけど(笑)」
 
――ちなみに、これが『君の住む街』の頃の花ちゃん(と言ってMVの画像を見せる)。
 
「何ですかそれ!(笑) スクショ撮って(笑)」
 
――それが『朝』ではこれ(と言ってMVの画像を見せる)。もうだいぶ違うよね? YouTubeのコメント欄も、“サムネが吉岡里帆と思った”とか、“目元が吉岡里帆っぽい”とか…!
 
「Yogee New Wavesのギターのボンちゃん(=竹村郁哉)が大学の1つ上の先輩で、10代の頃からもうずーっと遊んでもらってて、最近“吉岡里帆に似てるやん”ってすっごいイジってくるんですよ! それを見たんだな、きっと。絶対にそうだ。今謎が解けた(笑)」
 
――こんな1年後がくるとはね(笑)。吉岡里帆って今、男性が一番好きな女の子やん。
 
「去年、初めてバラエティ番組『今夜くらべてみました』に出たときは、“関取花、よく見るとハライチの澤部さんに似てる”とか“南海キャンディーズの山ちゃんに似てる”とかだったのに!(笑)」
 
――他にも、“想像してたのと違って普通体型のお嬢さんでした”っていうコメントも(笑)。
 
「普通体型のお嬢さん…痩せ型ではないというのがポイント!(爆笑)」
 
――アハハハハ!(笑) って言われるぐらいね、ホンマに身も心も。
 
「削ぎ落とされていった感はありますね、いろんな意味で(笑)」
 
――『めんどくさいのうた』は代表曲とも言える1曲ですけど、このタイミングで再録したのは?
 
「それだけインパクトが強い曲なのもあるんですけど、今『めんどくさいのうた』を表題曲にしちゃうと、ちょっと成長してない感じもあるのかなって。『朝』みたいに違う一面の曲がせっかくできたから、カップリングぐらいの位置がいいのかなぁって」
 
――当時だったら絶対にシングルにすべきでしょっていう位置付けの曲やったもんね。
 
「そうですね。陰と陽で言ったら『朝』が陽の関取花だとしたら、『めんどくさいのうた』は陰というか、もうちょっと内側というか。『朝』の声質やメロディに惹かれてCDを買ってくれた人が、『めんどくさいのうた』でちゃんとキャラとか人柄に興味を持ってくれたらライブに来てくれるかもしれないし、“次にアルバムを出すときはどんな曲を他に書くんだろう?”って思ってくれるかなぁって」
 
――『君の住む街』と『べつに』(『君の住む街』のカップリング)の落差さながら、この曲のアレンジはむちゃむちゃミニマルというか、すっごく生々しい。
 
「一応、バンドアレンジにはしてますけど、基本弾き語りを生かして。それも、ツアーを一緒に回って、ライブでもこの曲だけは弾き語りしてる姿を観てきたサポートのメンバーと録ったので、自然とそうなって。ただ、“エモ過ぎない感じにしたい”っていうのは、話し合わずともみんなにありましたね。それこそ20歳のときにバンドで収録してたら、もっとエモいアレンジになってたかもしれない。でも、今の自分はこういう37.5℃の微熱感というか、ちょっとウズウズしたまま終わる感じが何かいいなぁと」
 
――ただ、Aメロの歌詞で淡々とディスっていく“お前”には、全て具体的な対象がいるっていうのも(笑)、当時の若さが書かせてくれたところもあるしね。
 
「そうです。すっごい小さい世界で生きてたからこそ言えたんですよね。いろんな人と接するようになると、“それなりに人には葛藤があって、ああ言ってるのもこういう意図があって”とか考えちゃったりするんですけど、それがなかった頃の感じ。“コンテストで優勝したら100万円もらえる、バンドだったら5人で100万円だけど、1人で100万ってことはバイトしなくていいじゃん!”みたいなノリで書いた曲なんで(笑)。腹の中のコアなところは一緒なんですけど、今とは全然取り込み方が違う。何かね、自分とともに成長してきてくれた曲な感じはします。かつ“忘れたくない、トゲトゲしたもの”みたいな」
 
 
年々、音楽でしか胸が震えなくなってるんですよ
 
 
――『なんとかなるんで』(M-3)はサウンド的にはルーツ方面というか、めちゃカントリーテイストな曲で。
 
「そうです! もう、好きなことをやってる感じ。これも今のタイミング、今の私らしいかなって」
 
――タイトルは、曲が書けなかったネガティブ期に、マネージャーさんから言われた言葉という(笑)。
 
「そう(笑)。“花ちゃんは何が原因で元気がないの? 何が原因でそんなに気にしちゃうの?”って言われて…。理由はいろいろあるけど、ぼんやりした不安みたいなものがずーっとあって。音楽って水商売っちゃ水商売だから、1年後に何してるか分からないしとか、いろいろ考えちゃったりするんですけど、“何とかなるか”って思うと、意外とケロッと忘れたりなんかしたりしてね。去年は福寿さん(=マネージャー)のそういう言葉に救われたので」
 
――この曲では、林宏敏(ex. 踊ってばかりの国)さんがすごくいいギターを弾いてますね。
 
「本当にいいんですよ〜。いわゆる今のギターロックの、私たち世代の子じゃ絶対に弾かないフレーズというか、型にハマッてない、リフっていう感じじゃないところがすごくいいなと。ひたすらチョーキングで、ひたすら狭い音域なんですけど、あれだけ気持ちよくて、肩の力が抜けた感じが出てるかなと思って。浮き沈みがないというか、気持ちいいところでずーっと揺れてる感じが、曲にもすごく合ってたし。元々、いつもライブでやってもらってるサポートの3人が、別のプロジェクトで林さんと一緒になって。“ちょっとギターを入れたいんだけど、どっちかって言うとブルースとかカントリーとか、そういう感じが弾ける人がいいなぁ”って言ったら紹介してくれて」
 
――この曲は『めんどくさいのうた』と通じるところはあるけど、また違うスタンスというか。根っこがネガティブだと、こういう周りの波動で前を向かせてもらえるところはあるでしょうね。
 
「本当にそうですね。自分の自信とか確信みたいなものって…周りの人がいい顔をしてるかどうかでしか測れないんですよ。それこそバンドセットで、すごくいい顔をして弾いてくれてると自分もテンションが上がるし。私、“自分が”っていうことであんまり没入できないタイプなんですよ。福寿さんのそういう言葉だって、長い付き合いの中でずっと言ってくれてたんですけど、“何とかならないから!”ってもうずっと思ってて(笑)。だけど、これだけ一緒にいろんな経験をしてきて、もちろんいい意味で意見がぶつかることもありますし、それでも何とかなってきたし、結局、福寿さんからすごく学んだり、頼りにしていて」
 
――やっぱり想いを曲にすることで、自分の音楽人生が前進する感じがありますね。
 
「ホントそうですねぇ。何か年々、音楽でしか胸が震えなくなってるんですよ。私はそれはいい意味だと思ってるんですけど、ライブを観に行ったりしても、やっぱり足の先から“ブワァ〜ッ!”ってなるし、その感覚って他で全くなくて。普段は怒らないし、泣いたりもしないし、感動もそんなにしない。面白いなぁってゲラゲラ笑うことはあっても、ガツン!って心が持っていかれることは、年々どんどん音楽だけになっていってる感じがする。そこだけすごく童心に帰ってるというか、初めて自転車に乗れた日のあの感動!みたいな感覚が、音楽にはすごいある」
 
――自分の核を自覚できるようになったのはいいですね。そうやってどんどん音楽なんだ、って分かっていく。
 
「そうですねぇ。何だか…削ぎ落とされて(笑)」
 
――贅肉とともに邪気も削ぎ落とされて(笑)。
 
「アハハ!(笑) でも、本当にそれは自分でも思います。こういう話はインタビューでもあんまり話したことがないかも…この1年で、音楽以外のことに触れる機会が多かったから、余計にそう思えるようになったのかもしれない」
 
――だからこそ、テレビでも音楽でも、どっちからアプローチしても結局、“自分は音楽だな”って再確認すると。
 
「そうそう! まさに! “私、ライブに来てほしいから全部やってるんだ”って改めて思った。有名人になりたいみたいな気持ちは全くないなって。音楽では超有名になりたいですけど…」
 
――音楽がうまくいかないなら、タレントとしてでも世に知られたいのかと言うと。
 
「全くそうは思わない。至ってシンプルで、ライブに1人でも来てくれるならいいやって。MCとかも込み込みで楽しませるのがライブだから、もしかしたら来てくれるかな?とか」
 
――自分が将来何をしたいか分からないっていう人も多いから、“これだ!”って思うものが見付かるだけでも、幸せな人生かもしれないね。
 
「本当に。だから今では、どんなに楽しい会でも風邪を引いてる人がいたらすぐに帰りますからね(笑)。ゲホッ、ゲホッとか言ってるのに、“大丈夫! 風邪じゃないから!”ってずっと帰らない人に、“いや、それ風邪でしょ? 病院行った?”、“いや、病院に行くほどじゃない。病院って嫌いなんだよね”って…そういうときは、“私は病院にいかない人が嫌いだから帰ります”って(笑)」
 
――もうね、どう文字にしたらいいのかっていうぐらい、今すっごいイヤそうな顔してた(笑)。
 
「アハハ!(笑) だから、その辺も自覚が出てきたんだと思いますね」
 
 
私はもしかしたら音楽というか、ライブが好きなのかも
 
 
――そして、リリースに伴って、その名も『朝稽古ツアー』もあります(笑)。
 
「まだまだ横綱にはなれないんで、頑張って稽古つけてね(笑)。ただ、体型だけは関取に戻らないように頑張って」
 
――ライブのMCもいつも面白いけど、ついに紙資料には“女さだまさし”って書かれてるけど(笑)。“女さだまさし”じゃなくて、“女おしゃべりクソ野郎”でもいいよね?(笑)
 
「アハハハハ!(笑) それヤバい!!」
 
――でも、ライブをやってるときはホンマに楽しそうやもんなぁ。
 
「楽しいです。その分、落ち込むときはめっちゃ落ち込むんで。よくないライブの後は1人枕を濡らしますよ(笑)」
 
――レコーディングに参加してくれたバンドメンバーもそうだけど、今は音楽をやる喜びに満ち溢れてるというか。
 
「いやぁ〜すごい恵まれてます。いわゆる音的なところだけでも違うし、キャラクターも空気感も、全部の空間をちゃんと音楽と捉えてる人たちが私の周りにはいっぱいいるので。だからこそ、自分もそういう楽しみ方ができるようになったんで。私はもしかしたら音楽というか、ライブが好きなのかも。ライブが好きになったからレコーディングも楽しくなったし。それこそ10代の頃はライブが嫌いだったので、今じゃ考えられないですね」
 
――そういう意味では、この東名阪ツアーも有意義な3日間になりそうですね。
 
「そうですね。反省もありつつ、よく呑みつつ、よく食べつつ…フフフ(笑)」
 
――次のアルバム取材のときに、“あれ? ちょっと太った…?”みたいなことになったら(笑)。最近は走ってるミュージシャンも多いけど、そういうことはやってないの?
 
「気持ちはあるんですけど〜(笑)。やっぱり寒いし、何か膝痛いし(笑)。でも、不思議なもので、そういうトレーニングをして痩せたわけじゃないんですけど、痩せて声が出るようになったんですよ。贅肉に埋もれてた体幹とか丹田(へその下)の位置が分かるようになったんで(笑)。腹式呼吸できてる感覚が分かるようになって、むしろ楽になりました。元々は単純に食欲がなくて一気に痩せたんですけど、最初は食べてないからフラッフラで、気分も落ち込んでたし、リフレッシュするために歩く習慣を付けたんですよ。お酒を呑んでこのまま電車でグデーッて帰ってもダメになるから、家まで1時間ぐらいかけて歩こうとか」
 
――アルバムのレコーディングの途中経過としてはどう?
 
「よりチームで作ってる感があるというか、私のアルバムだけど、私と同じぐらい、あるいは私よりも自分のプレイだったり楽曲の全体像を考えてくれてる人ばかりなので。みんなで意見を出し合って、みんなで作って、音楽的にもすごくいいアルバムになる気がします。“こいつはやっぱり音楽が好きで、ちゃんとやってるな”って見せられるものになるんじゃないかな。忘れもしない年末の12月28~29日ぐらいにアレンジの案をメールとかでやり取りしてて、届いた曲とかRECが終わった曲を聴いてたときに、急に“あ、'18年は超いい年になるわ。このアルバムは全然前のやつを超えられるわ!”とピーンときて。前作と同じ方向、同じ角度で超えようとばかりしてたからいけなくて。それがやっと分かったんで、めっちゃいいと思います」
 
――最後に、『朝稽古ツアー』に向けて気合いのひと言を聞かせてもらいたいなと!
 
「もういつリバウンドするか分からないんで、今のちょっとヘルシーな花ちゃんに会えるのは、この『朝稽古ツアー』までかもしれないので、しかと目と耳に焼き付けていただけるといいんじゃないかなと思います、はい(笑)」
 
 
Text by 奥“ボウイ”昌史



(2018年2月23日更新)


Check

Movie Comment

1年後に起きたまさかの奇跡(笑)
関取花からの動画コメント!

Release

新曲に代表曲にルーツ
関取花を多面的に魅せる最新シングル

Single
『朝』
発売中 1200円
dosukoi records
DSKI-1002

<収録曲>
01. 朝
02. めんどくさいのうた
03. なんとかなるんで

Profile

せきとり・はな…’90年12月18日生まれ。寝ること食べること飲むことが大好きな27歳。幼少期をドイツでのびのびと過ごし、積み木崩しのような思春期の後、音楽活動を始める。’12年、『むすめ』が神戸女子大学のTVCMソングに起用され、以降3年間TVCMソングを担当。’14年、米映画『ショート・ターム』のイメージソング『dawn』を書き下ろし提供。3枚のミニアルバムのリリースを経て、 ’15月には初のフルアルバム『黄金の海であの子に逢えたなら』を発表。'16年10月には初のシングル『君の住む街』を、'17年2月には2ndフルアルバム『君によく似た人がいる』をリリース。そして、'18年1月24日には、2ndシングル『朝』をリリース。他にも、CM曲への起用やテーマ曲の書き下ろしに加え、最近では多くのテレビ番組にも出演し、お茶の間を賑わせている。

関取花 オフィシャルサイト
https://www.sekitorihana.com/

Live

バンドセットで回る東名阪ツアー
初日大阪公演から間もなくスタート!

 
『朝稽古ツアー』

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード104-557
▼2月27日(火)19:00
梅田クラブクアトロ
オールスタンディング3500円
サウンドクリエーター■06(6357)4400
※小学生以上は有料、未就学児童は無料(大人1名につき、子供1名まで同時入場可)。

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【愛知公演】
チケット発売中 Pコード104-619
▼2月28日(水)19:00
池下CLUB SET
スタンディング3500円
池下CLUB SET■052(763)5439
※小学生以上有料。未就学児童無料(保護者同伴&保護者無料)。

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【東京公演】
チケット発売中 Pコード104-538
▼3月8日(木)19:00
duo MUSIC EXCHANGE
オールスタンディング3500円
ホットスタッフ・プロモーション■03(5720)9999
※4歳以上はチケット必要。

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Column1

「いつも歌に気付かされるんですよ
 自分が何を考えているのか
 何を言いたいのか」
関取花の核も可能性も詰め込んだ
いつか観た11編の人生
『君によく似た人がいる』
インタビュー&動画コメント

Column2

過去最大級のポップネスから
“ひがみソングの女王”の真髄まで
様々なベクトルで関取花を表現した
初シングル『君の住む街』への
自分探しの1年を語るインタビュー

Column3

神戸女子大学のCMソングでも
おなじみの関取花が
めくるめく変化を遂げた自信作から
黒歴史までを語る(笑)
『黄金の海であの子に逢えたなら』
インタビュー&動画コメント

Comment!!

ライター奥“ボウイ”昌史さんからの
オススメコメントはこちら!

「もうね、テレビで関取花を見てもさして驚かない自分に、ちょっとビックリですよ。それもこれも、彼女の去年1年の活動の賜物で。でもね、音楽は普通だからトークで何とかしてるんじゃなくて、音楽がいいんですよ関取花は! きっと彼女の頭にも、同じ言葉がよぎったんじゃないかな? 『朝』はそんな関取花のポテンシャルを存分に感じられる1曲ですね。彼女同様昼夜逆転状態の私も、朝ごはんを食べてから10時頃に寝て夕方に起きるような廃人生活を送ってるんで、せめてこの曲で朝の健やかさを味わいたいです(笑)。あと、カップリングの代表曲『めんどくさいのうた』の裏でうっすら鳴ってる鍵盤最高。アレンジが本当にジャスト。“めんどくさい”と言えば高橋優の『ボーリング』('13)という大好きな名曲がありますが、ここにまた関取花の『めんどくさいのうた』も加わって。いずれ“めんどくさいコンピ”とか出ないもんかな?(笑) 彼女の音楽がお茶の間に届く日を信じてます!」