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北野サッスーン邸が昼夜で劇的に景色を変えた
今村モータースの大いなる挑戦
神戸を舞台に情景を切り取るライブシリーズ第2弾
『この街の異人館とふたつの灯り』レポート! (2/2)

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 夜の部は気分も一新、会場を隣の部屋に移し、キャンドルの灯りをたよりに生声ライブという、よりネイキッドでムーディーな雰囲気でお届け。会場に足を踏み入れたお客さんからも「すごーい!」と次々に声が上がったその景色は、ライブへの期待感を高めるのに十分だ。

 

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 まずは、「夜はキャンドルナイトということで、生音でやらせてもらいたいと思います」との開演の挨拶と共に、『thank you for the musicfan』を。マイクを通さずにダイレクトに届く歌声は、よりより生々しく、歌詞の言葉の1つ1つがスッと胸に入ってくる。完全なるアンプラグドだけに、思いがけず鳴った大きな物音にも「大丈夫ですか~!? 誰か燃えたらえらいことや(笑)」と声をかけ、笑いに変えてしまう辺りはさすがだ。『メロディ』『点と点』と、優しいカホン音色とアコースティックギターの深い響きが、グッドメロディをしっかりサポートしていく。
 

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 が、ここで帽子のかぶり具合がよろしくない今村モータースが我慢出来なくなり、公然で髪をちょんまげのようにくくる光景に、サポートのキヨシが「皆さんが普段聴いてるCDもこの髪型で弾いてます(笑)」とネタバラシ(笑)。「なかなかこういうところで歌わせてもらう機会もないので」と、キャンドルのプロデュースを手掛けたサッスーン邸をねぎらいながら、「それでは神戸の歌を」と『タワー』を披露。完全アンプラグドは大正解で、歌詞の世界がより鮮明に浮かび上がってくるよう。「拍手もいい音じゃない?」と言うのも納得の、独特の部屋鳴りも心地よい。
 

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 『レインダンス』『Get back home』『ユリイカ』と軽快な楽曲続くブロックでもそれを確信させながら、会場が優しい光と音楽に満たされていく。「僕は昔、(神戸の)舞子に住んでいたことがあって。そのときの」と歌った『帰り道』のドラマに、キヨシが「ええ曲やなぁ…」とお客さんのように聴き惚れてしまう一幕も微笑ましい。
 

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 ここで、「僕は家が好きなんですけど、1回家を出たら居場所がないでしょ? ライブに親が来たら絶対に言わへんけど(笑)」と、昼の部に来ていた両親がいない夜の部ならではのMCも(笑)。「皆さん今日来ていただいていいなと思ったら、ここサッスーン邸にはランチとかもあるんで、またよろしければ」と宣伝もしっかりキメつつの『home waltz』から、「じゃあ好きなものについて歌った歌を」と続いた『プリン』は、今後の今村モータースの代表曲の1曲に成り得るポテンシャルを秘めた曲だと、昼の部で感じた予感が確信に近付くようなパフォーマンス。「普段はあまりやらない曲を。僕は超おばあちゃん子だったんで、おばあちゃんに捧げる曲を」という『アマノガワ』といい、ほのかな灯の中で、彼が生まれ育った神戸の風景が目に浮かぶような楽曲が続く。
 

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 いよいよライブは終盤戦となり、『雨宿り』で巻き起こるラララ♪は、お客さんはもちろん今村モータース御一行も生声で。より親密な一体感とハーモニーの心地よさに揺れながら、『feel』でもその勢いは止まらない。まさに会場一体となって作り出す、グッドヴァイブな光景がそこにはあった。
 
「何よりサッスンテーン邸を貸していただいて、ステキな演出をしてくれて、支配人とスタッフの皆さんに大きな拍手を! ライブの前後にお茶を飲む時間を作ってくれたり、厨房を貸していただいて、もっとお菓子を作れって言われたり(笑)、その他にも看板も手掛けていただいたり…何事にも一生懸命全力で取り組んでくれたので、僕は本当に感謝し続けます! そして、tent-coffeeさんは友達の友達みたいなご縁があって。tentは点と点がつながって線になるという意味らしくて、ぜひ湊川へ行ってみてください。いいとこたくさんあります、神戸の街。皆さんにそれを知ってもらいたくて。最近、うちの兄貴のカレー屋によく行ってくださる人がいるみたいですけど、それはいいですから(笑)。今日はホントにありがとうございました!」
 

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 最後は『この街の夕暮れと僕の散歩道』で、あたたかな空気の流れるまま夜の部を締め括る。こんなステキな夜に当然巻き起こったアンコールでは、「もう終わりかぁ…」と今日という1日の名残りを惜しみながら、“アンコール、何にしよう?”と即興で歌い出し“二度とない夜、二度とない景色…もう少しここで歌っていたいけど…そろそろみんな飽きてる”と、美声でしっかりオチをつけながら(笑)、最後は文字通りな雰囲気で『HAPPY』でエンディング!
 

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 サッスーン邸の建造物としての魅力を存分に味わった昼の部、キャンドルとアンプラグドでまた異なる幻想的なシチュエーションを加えた夜の部。今村モータースの楽曲の世界観と志、そして地元神戸への愛をたっぷりと感じさせた魅惑のダブルヘッダーは、こうして幕を閉じた。
 
 
Text by 奥“ボウイ”昌史
Photo by おはな

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(2015年12月17日更新)


Check

Set List

異国情緒溢れる洋館の昼と夜の顔
“この街”シリーズ第2弾は昼夜2回公演

 
『今村モーターワンマンショー
「この街の異人館とふたつの灯り」』
7月12日(日) at 神戸北野サッスーン邸

<昼の部>
01. ring
02. メロディ
03. ユリイカ
04. レインダンス
05. タワー
06. thank you for the musicfan
07. 点と点
08. 夏の果て
09. 帰り道
10. 空想クラッシュ
11. プリン
12. home waltz
13. 雨宿り
14. feel
ENCORE
15. この街の夕暮れと僕の散歩道

<夜の部>
01. thank you for the musicfan
02. メロディ
03. 点と点
04. タワー
05. レインダンス
06. Get back home
07. ユリイカ
08. 帰り道
09. home waltz
10. プリン
11. アマノガワ
12. 雨宿り
13. feel
14. この街の夕暮れと僕の散歩道
Encore
15. HAPPY

Profile

いまむら・モータース…地元神戸を中心に活動。ライブハウス、カフェ等、幅広い場所で歌いつつも、『COMIN'KOBE』等関西主要イベントにも毎年出演。’13年にリリースした1st アルバム『夢見gachi商店街』が、新人でありながら各地CDショップにてオススメアーティストとして展開され、好調なセールスを記録。これを受け、’14年9月3日には2ndアルバム『おかわりのかわり』を発売。恋人に限らず、友達、親、子etc遠くに住む大切な人に向けたという同作収録の『点と点』が、地元Kiss FM KOBEの同月の推薦曲“HOTRAXX ”に選ばれ、さらには9月26日付ウィークリーチャートでは1位を獲得するなど、今注目のシンガーソングライターである。

今村モータース オフィシャルサイト
http://i-motors.info/
 

Live

今年の集大成となる次の舞台は
ハーブ園のウッディな円形ホール!

Pick Up!!

【神戸公演】

『今村モーターワンマンショー
「この街のハーブ園と空中散歩」』
チケット発売中 Pコード276-537
▼12月20日(日)14:00
神戸布引ハーブ園 森のホール
前売3000円(CD付)
神戸VARIT.■078(392)6655
※別途ロープウェイ代(高校生以上1400円、中学生以下700円、未就学児童無料[ハーブ園入園料込み])が必要となります。

チケットの購入はコチラ!
チケット情報はこちら


サポートメンバーの所属する盟友
CUmaと地元でガチンコツーマン!

 
【神戸公演】
『新春2マンウィーク2016 ~3発目~』
チケット発売中 Pコード284-178
▼1月12日(火)18:30
神戸 太陽と虎
オールスタンディング2500円
[出演]今村モータース/CUma
[オープニングアクト]有
神戸 太陽と虎■078(231)5540
※ステッカー付。

チケットの購入はコチラ!
チケット情報はこちら


完売必至!? 昨年に引き続き神戸の
アコースティックサーキットに出演

 
【神戸公演】
『トアロード・アコースティック・
 フェスティバル2016』
一般発売12月19日(土)
Pコード283-087
▼4月17日(日)13:30
神戸VARIT./BO TAMBOURiNE CAFE/
niji cafe/ARTRIUM/スポルテリア/
nomadika/北野工房のまち
前売3500円
[出演]岡本真夜/広沢タダシ/奥華子/
sébuhiroko /今村モータース/
サンドクロック/あいみょん/他
アコフェス実行委員会■078(392)6655
※未就学児童は無料。小学生以上は有料(12歳未満は要保護者同伴)。

チケットの購入はコチラ!
チケット情報はこちら

 

Column

変わらないでいるために、
変わり続ける
ルーツ、震災、ギター職人の道、
dozens、そして神戸――
ひらめきという羅針盤を手に
点と点を線にする
今村モータースの挑戦
流浪の音楽人生を語る
撮り下ろしインタビュー