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永遠のロックンロール厨が素直な衝動を爆発させた
無敵の最新作『brother,you have to wait』!
“兄弟、時を待て!”を合言葉に快進撃のツアー中
THE BOHEMIANSインタビュー&動画コメント

 ‘05年の初ライブから10周年を迎えたTHE BOHEMIANS。前作からthe pillowsの山中さわお(vo&g)が主宰するDELICIOUS LABELに移籍し、その第2弾となるニューアルバム『brother,you have to wait』をリリース。冒頭から凄みを帯びて加速する『male bee,on a sunny day.well well well!』からゾクゾクさせられ、『a cinematic guy』にキュンとして、『bohemian boy』に涙がキラリ…。ボヘミアンズ流ロックンロールが持つポジティビティと痛快さには、もはや疑いの余地はない。当初から“ロックンロール”を合言葉に起動し、バンド内外の変動期を経て、いよいよ快進撃モードに入った現在。この新作を引っ提げた、全国ツアー『ten years old diamond clash tour ~兄弟、時を待て!編~』の真っ只中、ただ素直に感じるがまま、ロックンロール道を突き進んでいく平田ぱんだ(vo)とビートりょう(g)に現在の心境を訊いた。

 
 
ただ5人で、“ロックンロールだぜ!”って録ればいいだけの話
 
 
――昨年インタビューしたときに“結成10周年なのでは?”とお聞きしたら、“初めてライブをしたのが’05年なので、来年10周年です”ということでしたが。改めて、今年10周年を迎えてどんな心境ですか?
 
平田(vo)「どおりで調子がいいわけだと…アルバムを作った後に、何か原因を探ろうと思って。なるほど10周年だったと最近気付きました」
 
――前回、“10年続けてしょぼいバンドはみたことがない”って。今作『brother,you have to wait』からは、その10年続けてきたバンドならではの鋭さと明確なパンチ力を感じました。今作はどのように作っていったんですか?
 
平田「“ロックンロール!”と言って、ビートりょう(g)がエレキギターをかき鳴らし、“ああ~!”と歌って、それを録音しました。プロデューサー(山中さわお)の指示で、(1曲作るのに)15分以上かけたらロックンロールじゃないと」
 
りょう「そういう計算でいくと、全部で150分。でも、ホントにサクサクやっていった感じはありますね」
 
平田「でも、だからこそいくらでも意味付けが出来るというか、全然意図してなかった意味みたいなものが、後からどんどん生まれてくるのがロックンロールのいいところだなと思います」
 
――何でそうなっていくんでしょうね?
 
平田「意味がないからじゃないですかね。最初から何にも決めてないんで」
 
――だとすると、今作の曲も考えて考えて作っていったというより、自分たちの身体の中に染み込んでいるものが無理なく出てきた感じだと?
 
りょう「そうですね。考えて作れないというか、余計なことに時間をかけなくなったというか」
 
平田「そういうところは、やっぱりさわおさんの指示が大きいなと思います」
 
りょう「前はメジャーならこういう感じにしないといけないんじゃないか?とか、ヘンなことに囚われていたかもしれない。でも、ホントはそんなの関係なくて。ただ5人で、“ロックンロールだぜ!”って録ればいいだけの話なんだけど。それが今回は割と上手くいった感じはありますね」
 
 
ひねくれもんなんです。でも、ロックンロールには素直です
 
 
――「ずっと突き詰めてきた“THE VIEW感”がやっと形になった。俺の青春のロックが全部詰まっている」と言っていた前作『BUM』('14)を経て、今回はどういう段階に入ったんですか?
 
平田「本当の意味での自分の“青春のロックンロール”は、ザ・ハイロウズと(忌野)清志郎さんなんです。本当はそういう日本語ロック畑の影響を受けてるけど、そこを出したくなくて、今まではハッキリとした日本語で歌わないようにしてたけど、これからは多分、そういうのも全部素直になっていくのかなって。今回のアルバムをきっかけに、そういう気持ちになりました。もう嘘をつくのをやめて、素直に生きようと思って。次からもっとその影響が露骨に出てくるはずです」
 
――作り終わってそう思ったんですか?
 
平田「そうです。出来たやつを聴いて。とても勇気の湧くアルバムになったと思います」
 
――タイトルや歌詞には、自分たちが伝えたい思いが投影されているんですか?
 
平田「それも一切意識しないようにしていて…ただエレキギターに乗っかってるだけで。そのときに似合うと思うことを、さらさらと書いているので。歌詞に関しては、あんまり自分でも説明出来ないというか…1曲3分くらいの歌なので、そんなにたくさんのことは語れないし、何か語る気もないというか。ただ、このアルバムから、“(ボヘミアンズは)どんどん良くなる!”という感覚が僕にはあって。今すぐどうにかしなきゃいけないってこともなくて、ホントに“兄弟、時を待て!”っていう感じだなぁと思って、このタイトルを付けてみました」
 
りょう「歌詞とか言葉の感じは完全に平田くんに任せていて、結果的にピタリと収まってます」
 
――そういう、“ここからどんどん良くなっていく”暗示的な言葉は『hello,tender 0 year』(M-3)とか『bohemian boy』(M-10)から感じられるし、『brother,you have to wait』=“兄弟、時を待て!”というタイトルは、誰かに合図を送っているようにも感じますが。
 
平田「誰かのことを歌うとかは一切しないようにしてる。そうなりそうになったら避けます。自分にも向けないです。でも、これを聴いた誰かが、“自分に向けて発せられている”と思えば、それはそれでいいんじゃないですか」
 
りょう「自分が中学校ぐらいで洋楽に目覚めたときって、勝手に自分に向けて歌ってると思ってたし。それが例え程度の低いラブソングだったとしても、“これは俺の人生のための曲だ!”って。だから、そういうもんなのかなって」
 
――確かに、ラジオから流れてきた曲にふと元気づけられたりしますからね。
 
平田「でも、“あなたを勇気づけるためにやってます!”みたいなのは大っ嫌いですね。そうはならないようにしようって。嘘くさいじゃないですか。ひねくれもんなんです。でも、ロックンロールには素直です」
 
――勝手に勇気付けられるのも、それはそれで受け取る方の自由ですもんね。
 
平田「そうです、そうあるべきなんです。こっちが用意するもんじゃないと思うんですよ。後から意味付けすることはいくらでも出来ますが、今回は正直に答えてしまいました(笑)。と言うのも、今作は今までで一番素直なアルバムになったので、素直に答えようと思ったんです」
 
――そういう素直な言葉を発するからこそ、ボヘミアンズは信じられる存在なのかもしれません。
 
平田「勝手にしやがれって感じです。ご自由に。出来れば楽しんでくださいと言いたいです」
 
 
本当はライブを録音したいんですけど
CDには全部入らないし、匂いやあったかさもない
来てもらうしか方法がないんです
 
 
――リード曲『male bee,on a sunny day.well well well well!』(M-1)のMVもすっごくカッコいいですね!
 



平田「あれも、ホントに素直にバンドは演奏だけするから、それをカッコよく撮ってくれって頼んだのがよかったんだと思います。7月に東京でやったワンマンをスタッフ総動員でハンディカムで撮ってもらって、それをさわおさんが監督・編集したものがYouTubeにアップされてます。出来ればライブをPVにして欲しくて、一番カッコいいし」
 
――今回はどんなツアーになりそうですか?
 
平田「ロックンロールでガツン!です。余計なことは一切しません。本当はライブを録音したいんですけど、CDには全部入らないし、匂いやあったかさもない。来てもらうしか方法がないんです。ロックンロール=ライブです。本来ライブでワッと演奏したものを家でも聴けるようにしたのが録音物なのに、いつのまにかその録音物の方が偉くなっちゃってたけど、ようやくCDとかの力が弱まってきて、あるべき姿に戻りつつあるので、とっても居心地がよくなってきましたね」
 
——最近のライブの客層はどんな感じですか?
 
平田「男が増えてきた感じはありますね。メジャーデビューしたらいきなり女子がどーんといて、“おぉ、どうしたらいいんじゃ?”ってなって試行錯誤はありましたが、最近は男も女もおばあちゃんでも“少年”ということにしました。そこも開き直りました」
 
――ライブのやり方自体に何か変化はありますか?
 
平田「これでいいんだ!っていう気持ちになったんで、自信満々ですね。頑張るのやめたんで。でも、突っ立って歌ってるだけとかそういうことじゃなくて、“好きにやる”っていう意味で、頑張るのをやめたんです。そっちの方が実は楽しいんですよね」
 
――バンドを始めた頃のような感覚に戻ったんでしょうか?
 
りょう「確かにインディーの頃、山形でやってた頃は余計なことを考えずに、ライブも“やるしかない!”って感じでやっていて…」
 
平田「あのぐらいの時期の感覚が戻ってきたのかも。下手だけど“俺らの方がカッコいいんだ!”って思ってやってたから。今聴くと相当ひどいけど…。だから、自信満々な方がいいですね。迷ってるとよくないですね」
 
 
Text by エイミー野中
 




(2015年10月10日更新)


Check

Movie Comment

背表紙の秘密と大阪公演のこだわり
THE BOHEMIANSの動画コメント

Release

自らのスタンスと衝動を取り戻した
最高のロックンロールアルバム

Album
『brother, you have to wait』
発売中 2315円(税別)
DELICIOUS LABEL
BUMP-048

<収録曲>
01. male bee, on a sunny day. well well well well!
02. sunday free irony man
03. a cinematic guy
04. hello, tender 0 year
05. so happy go lucky !
06. tom the new old
07. クーソーサーカス
08. I don’t wanna be your man
09. ひとりぼっちのあいさつ
10. bohemian boy

Profile

ボヘミアンズ…写真左より、星川ドントレットミーダウン(b)、本間ドミノ先生(key)、平田ぱんだ(vo)、千葉オライリー(と無法の世界)(ds)、ビートりょう(g)。山形県出身の5人編成のロックンロールバンド。'05年に平田ぱんだとビートりょうが山形県山形市で結成。'06年に1stデモアルバム『ロックンロールショー』をリリース。同年、本間ドミノが加入。'07年3月、大学を卒業して上京し、千葉オライリー(と無法の世界)、星川ドントレットミーダウンが参加し、現在の編成となる。'11年8月にメジャーデビューアルバム『憧れられたい』を発表。'13年春、セルフマネージメントで活動開始。'14年1月、the pillowsの山中さわおが主宰するDELICIOUS LABEL加入。同年8月に約1年8ヵ月ぶりのアルバム『BUM』をリリース。’15年、バンド生誕10周年を迎え、8月19日に最新アルバム『brother,you have to wait』をリリース。9月から全国ツアー『ten year old diamond clash tour 2015 ~兄弟、時を待て!編~』を開催。

THE BOHEMIANS オフィシャルサイト
http://the-bohemians.jp/

Live

並々ならぬ思い入れのShangri-La
大阪ワンマン前にミナホにも特別参戦

 
『ten years old diamond clash
 tour 2015 ~兄弟、時を待て!編~』


【東京公演】
▼9月23日(水)TSUTAYA O-EAST
【宮城公演】
▼9月27日LIVE HOUSE enn 2nd
【北海道公演】
▼10月4日(日)BESSIE HALL
【福岡公演】
▼10月9日(金)福岡Queblick

【公演】
▼10月11日(日)岡山ペパーランド

Pick Up!!

【大阪公演】

『MINAMI WHEEL 2015
 OPENING FLASH!』
▼10月12日(月・祝)13:00
BIG STEP 大階段
入場無料
[出演]THE BOHEMIANS
(アコースティック編成)/
平野聡(FM802DJ)

チケット発売中 Pコード269-918
▼10月12日(月・祝)18:00
Shangri-La
オールスタンディング3240円
サウンドクリエーター■06(6357)4400
※小学生以上は有料、未就学児童は無料(大人1名につき、子供1名まで同時入場可)。

チケットの購入はコチラ!
チケット情報はこちら

 
【新潟公演】
▼10月18日(日)GOLDEN PIGS BLACK STAGE
【愛知公演】
▼10月23日(金)池下CLUB UPSET
【東京公演】
▼11月6日(金)Shibuya WWW

Column1

ロックンロールへの憧れを抱きしめ
ドン底からの1年8ヵ月ぶりの新作
『BUM』を手に旅するツアーは
その名も“僕の復活”!
前回インタビュー&動画コメント

Column2

ロックンロールへの深い愛と
憧れを胸にムッシュかまやつとの
世代を超えたコラボも話題を呼んだ
THE BOHEMIANSが
バンドのヒストリーから『BOHEMIANS FOR LIFE』
までを語った全員インタビュー!

Comment!!

ライター・エイミー野中さんからの
オススメコメントはこちら!

「生誕10周年を迎えたボヘミアンズが、最新作『brother,you have to wait』を手にいよいよツアー突入! インタビュー中に一番グッときたのは、“最近は男も女もおばあちゃんでも“少年”ということにしました”という平田ぱんだの言葉。これは、自分たちのライブに来てくれたお客さんについてのこと。’15年現在、素直に迷いなく、“ロックンロール!”と叫ぶボヘミアンズが鳴らしているのは、“好きなことに夢中になれる少年のような感覚を取り戻せる”、愛すべき音楽なのです。さらに“ロックンロール=ライブです!”とも。これはもうライブに行くしかない!」