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「ブレイクしないで死ぬまでやるぞ!」
続いてるのに、もがいてる、みんなのスキップカウズが結成25周年!
イマフェス大阪翌日に行われた爆笑トークライブを誌上再現する
『フルムーン』公開インタビュー&動画コメント (1/3)

 しょうがない男でありながら、うだつの上がらなさがありながら、そこには言葉にしない優しさがある。男の喜怒哀楽をシンプルで骨太なロックサウンドに乗せ、結成25周年にして初期衝動をかき鳴らすスキップカウズが、そのアニバーサリーイヤーを飾る3年ぶりのアルバム『フルムーン』をリリースした。この夏には恒例の主催イベント『イマフェス2014』を東名阪で開催。各バンドによる転換時の一芸披露も込みで各地を賑わせたスキップカウズ御一行だったが、大阪ではそのライブの翌日に、今年大阪に上陸したトーク小屋の名店にしてサブカルの巣窟Loft PlusOne Westにて、『スキップカウズ25周年記念 イマフェス2014大阪 後夜祭~奥くんを囲んで~』と題し、第1部では歴代のイマフェス裏話を、第2部では25周年を振り返る公開インタビューを、そして第3部では弾き語りライブと盛りだくさんの宴を実施。スキップカウズのイマヤス(vo)&エンドウ(g)はもとより、HARISSの高橋浩司(ds)、盟友オセロケッツの森山公一(vo&g)&森山とthe sokaiで活動を共にするGELUGUGUのチバ(g)、Empty Black BoxのSasuke(ds)というイマフェス出演陣に加え、かつてイマフェスの常連であった元ザ・ビートシャワーの小村崎(vo&g)&戸田(g)を交えた濃厚なメンツによる緩急自在のぶっちゃけ話に、会場は大きな笑いに包まれた。そこで、今回はその第2部にあたる、公開インタビューを誌上再現。バンドの結成時からデビュー秘話、新作『フルムーン』に参加したユニコーン手島いさむ(g)にレピッシュ杉本恭一(g)とのエピソードから、前夜のイマフェス打ち上げで起こった大惨事etcまで…身を切るバンド鉄板の嵐で贈る(笑)、感動&爆笑インタビューをお届けします!

 
 
バンド=生活と思ったら、普通に生きてただけだった(笑)
 
 
――まぁ25年ってすごい話ですよね。皆さん25年続いてることがありますか?っていう話ですよ。趣味でも何でも、25年はなかなか続かないですよ。
 
イマヤス(スキップカウズ・vo)「ま、ちょっとのん気な部分が…」
 
(一同笑)
 
――率直に25年って、長かったのか短かったのか、感慨深いものはあるんですか?
 
エンドウ(スキップカウズ・g)「俺は全然ないなぁ。何かもう、生活だから」
 
森山(オセロケッツ/The Ma'am/the sokai・vo&g)「カッコいい!」
 
エンドウ「何かもう、普通に生きてますみたいな」
 
森山「バンド=生活と思ったら、普通に生きてただけだった(笑)」
 
イマヤス「厳密にいうとシゲ(ds)が入って来年で20年なんだよ。=初代ドラマーがいるんだけど、その人がちょっとね、我々のペースと合わなかったというか」
 
エンドウ「あとはお金に細かい」
 
イマヤス「俺がバンドを始めたときって18歳で高校生なんですよ。当時小遣いが5000円の人間に対して、スタジオ代が1284円だったら、ちゃんと4円取る人で。多い分には別に文句言わないのに(笑)。エンドウくんとユーヤン(b)は常に奢ってくれるんですよ。だからあの頃は“エンドウさん”って呼んでて、今はもうエンドウくんなんだけど」
 
――でも、昨日のライブでは“ジジィ”って呼んでましたよね?(笑)
 
(一同笑)
 
森山「思い出せ! 奢ってもらったときを思い出せ!」
 
エンドウ「“ごちそうさま”を言わなかったあのときを…」
 
森山「あぁ〜トンカツ事件ね」
 
イマヤス「まぁ長い歴史があるから。いろんなことがありますよね?(笑) やっぱり当時は慢心してたんでしょうね、そこはちょっと反省してます。何か奢ってもらうのが当然みたいなノリになっちゃって」
 
エンドウ「だって、イマヤスが当時必ず言ったのが、“あの人すっげぇいい人だよ! だって奢ってくれるもん!”」
 
――何か人間のスケールが感じられますね。
 
(一同爆笑)
 
イマヤス「だから、前よりお金が回るようになったとき、若いヤツには奢ってあげようと。そうじゃないと後で絶対に何か言われるなって」
 
エンドウ「スケールそんなに大きくないね、やっぱり(笑)」
 
――7月には下北沢屋根裏で25周年記念ワンマンライブも行われて。
 
イマヤス「前身の少年俱楽部で初めてやったんだけど、ホントに偶然が異様に重なるんですよ。スキップカウズをやる前にSO-ONっていうバンドで、当時のイカ天(=いかすバンド天国)に出たのね。現役高校生だったから、地元ではやっぱりすごいことだったんですよ。その前月にはエンドウくんたちが少年俱楽部で出てたんだよね。そういうこともあって、知り合いの人に紹介されてライブを観に行ったら、エンドウくんとユーヤンはすごい好意的なんだけど、他の人たちがあんまりなの。何か揉めてるのかな?って思ったらやっぱりバンドを抜ける話をしてて、そこで“じゃあちょっと1回やってみない?”みたいな話になって。でも、あの頃って今みたいに音源をメールで送るとかじゃないから、西船橋のサンっていうスタジオに集まって。でも、エンドウくんとユーヤンは、並行して音楽雑誌の『Player』にメンバー募集も出してて」
 
森山「当時っぽいなぁ(笑)。『Player』やったんですね。本格志向(笑)」
 
イマヤス「それで応募してきた人との待ち合わせの話とかを、俺の前で平気でしてたから」
 
(一同笑)
 
イマヤス「後で聞いたら、その『Player』で募集した人と電話でいい感じで喋ったはずなのに当日ドタキャンされて、じゃあもう1回出てくれる?って、2回3回とドンドン増えていって、いつの間にか自分のバンドも解散してて、こういう風に」
 
――じゃあその人が来ていたら、スキップカウズは生まれてなかったと。そんな中でも、エンドウさんがイマヤスさんを誘ったのは、いいなって思ったからですよね?
 
エンドウ「うちのバンドは昔からそうなんだけど、イマヤス以外は寡黙で誰もしゃべらなかったりするから。そこにイマヤスがポコッと来てね。このおしゃべりクソ野郎が」
 
(一同爆笑)
 
エンドウ「やっぱり場の空気が盛り上がるんですよね。それはすごくいいなと思って」
 
イマヤス「今はエンドウくん=おもしろい人って認知されてるけど、当時は全然しゃべらなかったんだから! でも、ユーヤンとだけはしゃべるの。だから、ホントはこっち(=ゲイ)なんじゃないかと思ってたの。同級生とかにも、“今手伝ってるバンドがあっていい人たちなんだけど、もしかしたらこっちかもしれない”って相談してたから」
 
(一同爆笑)
 
――それがもう25年ですかと(笑)。
 
イマヤス「しかも当時は、酒もあんまり呑まなくて、打ち上げだってファミレスに行ってたからね」
 
森山「それが今や通風ですから(笑)」
 
 
“スキップカウズとは、私の息子たちです!”
 
 
――高橋さん(HARISS/The Everything Breaks/DQS・ds)はそれこそスキップカウズとは少年俱楽部時代からの付き合いだと。PEALOUT時代ではなくて、さらに前ですか?
 
高橋「僕は当時マザーズっていうバンドをやってて」
 
イマヤス「これもね、すごくいいバンドで。デビュー直前まで行きましたよね?」
 
高橋「行きましたねぇ」
 
エンドウ「“お前ら絶対天下取れるから。RCサクセションは取ったでしょ?”って言われてね。RCの次か~!って。でも、そこから連絡が取れなくなっちゃってね(笑)」
 
(一同爆笑)
 
――何か音楽業界ってね、いきなり連絡が取れなくなるんですよね(笑)。
 
イマヤス「あれ不思議だよねぇ~」
 
森山「あと、“保留な”って言われたまま、その人がいなくなる」
 
高橋「あと、“今話詰めてますから”って言われて、詰める時間が2~3年ある」
 
イマヤス「俺たちも’97年のデビューより前に同じレーベルで1回そういう話があって流れちゃったりとか、他も引っかかるっちゃ引っかかるんだけど、何か上手くいかねぇみたいな。最終オーディションとかは質疑応答する様子をビデオに録るのよ。それでダメだったり。だから不細工なんだろうなぁと思って(笑)」
 
(一同笑)
 
イマヤス「最終的には初めにレコード会社が決まって、そこからいろいろプレゼンして事務所に入ることになって。これは何で決まったかって言うと、当時の事務所の社長とレコード会社の偉い人がゴルフ仲間だったから」
 
(一同爆笑)
 
森山「ものすっごい分かりやすい(笑)」
 
イマヤス「あと、その頃はうちの親父がタクシーの運転手をやってて、代々木近辺である男女3人組を乗っけたら、後ろでずーっとスキップカウズの話をしてて、親父は“おかしいな、スキップカウズってうちの息子だよな?”って思いながら。それで、怖そうな男の人がまず降りたの。それが後のマネージャーなんだけど(笑)。で、最後の人の目的地に着いたとき、親父がもう興奮してガバッ!と振り向いて、“スキップカウズとは、私の息子です!”って言おうと思ったのに、興奮してたんだろうね。“スキップカウズとは、私の息子たちです!”って言っちゃって」
 
(一同笑)
 
イマヤス「エンドウくんも息子みたいになっちゃって(笑)」
 
森山「“はぁ~!?”言うて降りたでしょうね(笑)」
 
――まぁ音楽業界が元気な時代でしたよね。
 
イマヤス「今の子たちはそういう意味ではちょっとかわいそうだよね。あとレコーディングも楽に出来ちゃうから、便利過ぎるのもどうなのかって。だって上手くならないでしょ、ああいうシステムだと。レコーディングでプロデューサーに泣かされるとかあったもんね」
 
高橋「スタジオに行くのも怖かったもんね」
 
エンドウ「でも、あの当時レコーディングは13:00に集合なんだけど、スタジオに入った途端に“じゃあ出前取ろう、蕎麦”って。必ずそれ」
 
森山「ほんならやっぱ2~3時間経つんですよね。“そろそろやりませんか?”って俺らが言ったもん(笑)」
 
イマヤス「1時間10万円とかするスタジオなのにね。まぁでもそこで学んだことはすごいあるなぁ。やっぱり悔しいから何とかしなきゃみたいなものがあって、だんだんみんな上手くなっていったよね。続くっていうことはこういうことなのかなぁみたいな」
 
 

 


(2014年12月 4日更新)


Check

Movie Comment

当日は来場者プレゼントもアリ!
12月7日(日)心斎橋AtlantiQsに向け
出演3バンドから動画コメント

 
スキップカウズ

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CURIO

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森山公一 the sokai

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Release

ユニコーンにレピッシュも参加した
25年目の本気と旨味を見せ付ける新作

Album
『フルムーン』
発売中 2000円(税別)
Line Drive Records
LDRT-014

<収録曲>
01. 下北沢にて DEMO 始
02. 僕は今更しなくていい途方に暮れる
03. さかあがり
04. 想い出ガソリン
05. 冬の怪獣
06. バンド☆エイド
07. 余計なお世話
08. 眠る君のあしもとで
09. むきだしの心臓
10. 下北沢にて DEMO 終

Profile

スキップカウズ…写真左より、直井茂雄(ds)、今泉泰幸(vo)、遠藤肇(g)、小川雄二(b)。'89年、前身バンド・少年倶楽部に今泉=イマヤスが加入。'94年に現編成となり、'97年にはシングル『赤い手』でメジャーデビュー。シンプルで骨太なロックサウンドと、イマヤスの気さくなキャラクターで人気を博す。以降もライブを軸に着実に活動し、'09年には結成20周年を迎え、漫画『クローズ WORST』の公式ソングとして『俺』『キリトリセン』を配信リリース。'10年にはバンド結成20周年記念ベスト『財宝 ~スキップカウズ結成20周年特別盤 非常に分かりやすい入門編~』をオーダーメイド方式で発表。’14年には結成25周年を迎え、『冬の怪獣』『余計なお世話』『僕は今更しなくていい途方に暮れる』の配信3部作に続き、10月1日にアルバム『フルムーン』をリリース。また、バンド活動と並行して、イマヤスはラジオDJとしても活躍中。

スキップカウズ オフィシャルサイト
http://www.skipcows.com/

Live

リリースツアーもいよいよ後半戦
大阪公演は来場者プレゼントも!

 
『スキップカウズ
「フルムーン」リリースツアー
“うし満月~25年目のフルムーン~”』

【東京公演】
▼11月16日(日)18:30
高円寺 HIGH
前売3500円
[共演]杉本恭一/サクラメリーメン
HIGH■03(5378)0382


【仙台公演】
▼11月21日(金)19:00
LIVE HOUSE enn 3rd
前売3500円
[共演]杉本恭一
LIVE HOUSE enn■022(212)2678


【青森公演】
▼11月23日(日・祝)18:30
Quarter
前売3500円
[共演]杉本恭一
Quarter■017(777)3337


【名古屋公演】
チケット発売中 Pコード241-086
▼12月6日(土)18:30
ell.SIZE
前売券3500円
[共演]CURIO/unQuail
ell.SIZE■052(211)3997

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Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード244-902
▼12月7日(日)18:30
AtlantiQs
オールスタンディング3500円
[共演]CURIO/森山公一 the sokai
AtlantiQs■06(6258)2525

★大阪公演の来場者には、スキップカウズ、CURIO、森山公一 the sokaiの各バンドのサイン入りグッズが当たる激レアプレゼント企画を実施! 詳しくは上記の動画コメントをチェック!!

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【東京公演】
チケット発売中 Pコード239-844
▼12月13日(土)18:30
TSUTAYA O-nest
スタンディング3500円
[共演]CURIO
TSUTAYA O-nest■03(3462)4420

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Column

22年目の新作『オープンエンド』
は盟友オセロケッツの森山公一が
全面プロデュース! 盟友2組が
過去も内情も過剰にぶっちゃける
抱腹絶倒のロングインタビュー(笑)