日々の遊び心と潤いを音に忍ばせ、祝・結成10周年！
京都発のインストバンドNabowaが最新アルバム『4』から
ソロワークス、まさかの解散の危機まで(!?)この10年を回顧する
メンバー全員アニバーサリーインタビュー&動画コメント
変幻自在のグルーヴ上を自由に駆け巡る歪んだギター、切なくも軽やかにメロディアスな旋律を奏でるバイオリン…京都発のグッドヴァイブなインストゥルメンタルバンドNabowaが、今年で結成10周年を迎えた。昨年、シンガーソングライター長澤知之の作品への参加、プレイヤーとしての現場や、メンバーそれぞれのソロワークスの始動と、新たな血と経験を手に入れた彼らは、前作に引き続き音の匠zAkを共同プロデュースに迎えた2年ぶりのアルバム『4』のリリースを皮切りに、自身のライブはもちろん、『FUJI ROCK FESTIVAL ‘14』をはじめとする野外フェスへの出演、10周年記念盤『Nabowa Meets Carlos Niño & Friends』の発表、アパレルとのコラボに台湾での初の海外公演、10周年を締めくくる東名阪福ワンマンツアーetcと、その動きはまだまだ留まることがない。大型タイアップで大展開されたわけでもない、大手音楽誌で“これは事件だ”ともてはやされたわけでもない(笑)。丹念に積み重ねられた音とつながりが起こした10年の軌跡＝奇跡を紐解くメンバー全員インタビュー。音は人を表し、人は音を表す。今さら聞けない名前の由来や(笑)、忘れられないあの景色、まさかの解散の危機(!?)と、ここでしか聞けない秘蔵エピソード満載で贈る笑いが絶えないインタビューと共に、彼らが歩んできたこの10年に想いを馳せる――。
1人1人の個性がしっかり出てきてるんで
誰かが指揮をとらなくても曲は出来てくる
――去年は長澤(知之)くんとのコラボもあり、それぞれのソロワークスもありだったものの、Nabowaの新作としては2年ぶりで。ここ最近は、合宿→プリプロ→zAkさんのスタジオでレコーディングみたいな定例の流れがあって。
堀川(b)「今回は手を抜くじゃないですけど(笑)、zAkさんに委ねられるところは僕らが噛まんでもええやろ、みたいなところはありましたね。例えば、以前はプリプロもガッチリ自分らでミックスしてたんですけど、もう全然はしょっても大丈夫やと。そういう無駄な労力を省いて、結構集中して作れたんじゃないかと思いますね」
山本(vl)「現地でドンドン変わっていくレコーディングのスタイルなんで、不確定要素をたくさん持ったままその場で作っていく感じでしたね。zAkさんも前回よりもいっぱい意見してくれはって、ためになるアドバイスもたくさんいただきましたね。前回よりも柔軟性を持てたんじゃないかな、という感じもします」
――Nabowaは結構作り込んでからレコーディングに入るみたいなところがあったけど、それこそ長澤くんのときしかり、フレキシブルになってきてますね。
山本「長澤くんとの経験はデカかったかもしれないですね。その場でドンドン作っていくスタイルで1曲録って仕上げるところまでいったのは初めてやったんで。そういう経験も活きてる気はしますね」
川上(ds)「僕は自分がどういうプレイをするかというよりは、全体を見て1つ１つの流れを上手く見積もって曲を作っていくのが好きやったんですけど、今回はいちプレイヤーとして、ドラマーだったりピアノだったり演奏にかなり力を注げたんで、取り組み方が今までとはちょっと違ったかなぁって。みんな大人になってきたというか(笑)、1人1人の個性がしっかり出てきてるんで、誰かが指揮をとらなくても曲は出来てくるなぁって」
――自分たち的にも、作っていて今までとは違う感覚はありました？
堀川「今までは(川上)優くんが最終的に“こっちはこの方が良い”みたいにバシバシ言うことも多かったんですけど、いろんなことに関してバランスは変わったと思いますね」
――それに関しては、去年から今年にかけて、それぞれのソロワークスとかアザーサイドの動きも多かったので、そういうことも関係してるのかなぁと。
景山(g)「めっちゃあると思います」
山本「実際、今までは技術的に優さんにしか出来ないことも多かったんですよ。レコーディングして1つの曲にまとめ上げるとか、データをいじくるだとか。それをみんなが出来るようになったのもありますし、それぞれがソロワークスとかいろいろ経験をしたことで、制作のスピード感がめちゃめちゃ上がったなぁって思いましたね」
いろいろと個人活動をするんやったら多分この時期なんかなぁって
――そのソロワークスにあたる、川上&堀川リズム隊によるWONDER HEADZ、景山ソロのTHE BED ROOM TAPEは、実際にやってみてどうでした？
景山「もうめっちゃ良かったと思いますね。最初はNabowaを必死で頑張ってるのに、ソロとか始めたらそっちに比重がいって、バンドに全力を注げへんようになったらイヤや、自分で作るの面倒くさいからイヤって言ってたんですけど(笑)。でも、いざやってみたら、全部自分で決めるわけなんで、全てのことを好きに出来るのと同時に、責任も生まれてくる。普通の社会人の方なら、大学を卒業した時点で会社に入って学ぶことだと思うんですけど、僕の場合は今ようやくちょっとは学べたかなぁって。人間的にもちょっと成長出来たような気もするし、外部の人との録音だったり演奏って、Nabowa以外ではほとんど経験したことがなかったんで。“あ、みんなこうやってんねや”とか、“こういう方法もあるんや”って、本とかで見ていても実際経験するのとは全然違うじゃないですか。それが出来たのがめちゃめちゃデカかった」
――そもそも“ソロやってみたら？”って言われてたんですか？
景山「そうです。“奏くんもそろそろ自立出来なあかんから、やった方がいいで”って事務所の社長に(笑)。最初は右から左へ聞き流してたんですけど、何回も言われるもんやからちょっと気になってきて。結果、ホンマにいい経験が出来たと思うし、これをいい思い出で終わらせるんじゃなくて、せっかくいいバランスが自分の中で生まれてきたんで、これからも続けていきたいなって、今はすごい思ってます」
――“うーわ、Nabowaよりこっちの方がおもろいやん。俺、めっちゃ面倒くさいヤツらとやってたんやな…”とか思っちゃったら怖いもんがありますね(笑)。
(一同爆笑)
堀川「あるでしょうねぇ(笑)」
景山「おいおい(笑)」
山本「でも、メンバーから見ても、景さんは絶対にソロをやった方がいいって話はあって。純粋に景さんが1人で作った曲を聴いてみたいのもありましたし、実際に聴いてみたらやっぱりすごくいい。いい方に作用してるなぁって」
――WONDER HEADZはどうですか？
堀川「奏くんがソロを出すとなって、(山本)啓くんはバイオリンでいろいろと参加したりして。そこでまぁ、パッと2人で顔を見合わせて、“あ、俺らどうしよ？”って(笑)。元々優くんがダンスミュージックをやりたかったみたいで、それに僕が参加したというか。彼が弦楽器が出来ないのもあって、僕に振ってくれた感じなんですけど」
川上「Nabowaではメインでドラムをやってますけど、それ以外の場所で勝負というか、自分を表現したかったのもあって。ダンスミュージック自体はNabowaをやる以前からずっと好きだったんで、そういうエレクトロと生音の融合したようなユニットを形にしたいなぁとずっと思ってたんですよ。今までは毎年毎年Nabowaの制作があったんで、なかなか同時にやるっていうのが僕の性格上出来ないなぁと思ってたんで。去年はNabowaの制作が止まってたんで、このタイミングかなぁと。自分のやりたいことを上手く落とし込めたかなぁと思いますけどね」
――最初から2013年はNabowaで作品は出さない、みたいな話やったん？
山本「リリースのペース的に、この年は空くだろうなぁみたいな感じやったんで。だから、いろいろと個人活動をするんやったら多分この時期なんかなぁっていうのは」
――その割には、昨年はリリースがなくても活発なイメージの年でしたね。
景山「そうっすね。結構ライブやりましたね」
川上「今年の方が少ないんちゃいますかね？(笑)」
山本「まぁ、去年の反省点としては“やり過ぎた”っていう(笑)。今年は10周年もあるんで、1本1本のステージで出来ることって、もっとたくさんあるんじゃないかと思って。PAさんに一緒に来てもらうとか、照明さんを指定してみたりとか、1本のステージの密度を濃くしていくって言うんですかね。その代わり本数を減らして、１本１本をもっともっといいものにしていこうって」
みんなの“らしさ”がめっちゃ尖ってる
バラバラなようでこれがNabowa
――今回『4』を作ろうとなって、再びみんなで集まったときに変化は感じました？
景山「前作よりも、本チャンのレコーディングまでの日数がとにかく少なかったんで、いつもより早いペースで作らなあかんっていうのがあって。短期間で集中して、凝縮して作るっていうのが、逆に新しい試みというか。今回が初めてちゃうかな？」
堀川「1人1人の作る曲ごとの色が、結構出てるんじゃないかなぁと。短期間でやるとなったら、イチからみんなで話し合ってると間に合わないので」
――自ずと元ネタを持ってきた人のイニシアチブが。
山本「ソロワークスを経たのもあって、個人個人みんなの“らしさ”がめっちゃ尖ってるというか。元々好みとかも全然似てないんで、それがまた上手いこと分かれて。Nabowaらしさってそこだと思うんですけど、聴き直してみても、バラバラなようでこれがNabowaなんだろうなって、ちょっと客観的に見られるようになった気はしますね」
川上「去年別々で動いていたのもあって、そういう気持ちが全員強かったかなぁと。全体を上手くまとめるというよりは、自分のしたいことをガッと凝縮させた感じ。今まではずーっとヤスリをかけてる感じだったんですけど、そういう作業を今回はしなかったんで、よりトゲトゲしいというか(笑)。一見、聴きにくいかもしれないですけど、かなり僕らの人間性が出てるんちゃうかなぁ。上っ面じゃないところで、もっと深いところで、僕らのバンドを表現出来たかなぁとは思ってますね」
――今回が一番変化を感じましたね。今言っていたことが音にちゃんと出てるなと。それでもNabowaブランドみたいなものがきっちり守られてるというか、多分勝手にそうなるんでしょうね。
山本「多分ですけど前作との大きな違いの中に、“音楽で食べていく”ということをしっかり考えるようになったのがあるんじゃないかな。生活における音楽のウェイトももちろんめちゃくちゃ高い。そういう意味でも変化はあっただろうし、そういうのも出てるんでしょうね、きっと」
――やっぱり、人が変われば音に出る。特にですけど、ギターの存在感がすごい増した感じがしましたね。
景山「zAkさんにも、“前回と人が変わったみたいやな”って言われました(笑)」
(一同笑)
景山「使ったギターも違うんですけど、意識的に変えようと思ったのは、前回はやっぱりすごく良いスタジオで、zAkさんも巨匠やから、“失敗したらアカン！”とか“めっちゃ丁寧に”とか思ってたんです。けど、もうそんなんじゃないのが分かったというか。zAkさんが啓くんが喋ってたときにええことを言ってて。“録音っていうのは作業じゃなくて、言わばライブなんだ”って。今回はそれを元に思いっきりやったろうと思って、ホンマにライブやと思ってやったんで。その変化は出たかなぁとは思ってましたね」
(一同笑)
山本「最高ですね(笑)。もうホンマにパブロフの犬状態ですよ。zAkさんのスタジオでレコーディングやから、とりあえず晩ご飯は美味しいもん食べれるわ、みたいな(笑)」
――レコーディング＝美味しいもん食べれるって、普通イコールちゃうから(笑)。
こんなに続けるつもりはなかったんですけどね(笑)
――今年でNabowaも結成10周年ということやけど、基本的なムードが穏やかやから、何か知らん間に10年みたいな。10年やってきて、どうですか？
川上「こんなに続けるつもりはなかったんですけどね(笑)」
(一同笑)
山本「10年続けるバンドの名前を付けようって、考えてもなかったですから」
――何でNabowaなん？
山本「ホンマに、とりあえず1人1人好きな“ひらがな”を言っただけです(笑)。最初は(堀川を除く)3人やったんで。そもそも名前を付けようっていう発想がなかったんで。ホームページを作ろうとか、ライブにお声をかけていただいたときに、僕たちのことを何て言ってもらおうかとか、つまり名前が必要になってきたんでとりあえず付けたら、それがそのまま浸透したというか」
――ちなみに誰が“Na”で、誰が“bo”で、誰が“wa”なん？(笑)
景山「Na」
川上「bo」
山本「wa(笑)」
(一同笑)
山本「でも、結果的に良かったなって思う部分がめっちゃあって。まずインターネットの検索で一発で引っかかるんですよ。あとは、濁音が入ってると覚えやすいんですって」
――よくもまぁ“bo”を入れてくれましたって感じやね。
(一同笑)
堀川「“ho”とかやったら締まらないですもんね」
山本「Nahowa(笑)」
川上「ひねくれてるんでね(笑)。濁音好きですね」
――この10年で解散の危機とかはあった？ あんまりケンカとかしなさそうよね。
景山「初期の頃に、俺が大学の単位が取れなくて、ちょっと休ませてもらったことがあります(笑)」
――アハハハハ！(笑)
川上「ようやく2年目に差しかかったときに休止になって(笑)。半年ぐらいは何もしてなかったです。まぁでもケンカはしますけどね」
山本「言い合いにはなるし、友達やからやれてるのもありますけど、最近…レコーディングのときに1回ありましたね。僕が気付いたことを全部言おうっていうチャンネルになって景さんにめっちゃ言いまくって、それでみんなが不機嫌になってちょっと良くないオーラになるっていう」
堀川「僕は前回の合宿のときに、優くんに顔の前でオナラをされて…」
(一同爆笑)
景山「ケンカした！(笑)」
堀川「本気でキレたよね」
景山「あれは…アカンよ」
――アハハハハ！(笑) 酔っ払ってたん？
川上「マジで!? そんなことあった？ 全っ然覚えてないわ(笑)」
堀川「めっちゃ笑ってたから、めっちゃムカついて」
(一同笑)
川上「何なんですかね…？ そんなことよくやってるから覚えてないんかな？(笑)」
景山「イビキでも1回キレたことあります(笑)。でも、キレてても暖簾に腕押しなんですよ！」
山本「俺の誕生日にみんな同じ部屋で寝てて。パッと目が覚めたらみんなめっちゃ怒ってるんですよ(笑)。こんなにキレた景さん見たことない、みたいな」
川上「車で寝てましたからね、その後。誕生日やのに(笑)」
(一同笑)
山本「それが結構トラウマになって、とりあえずみんなが寝るまで外を歩こうって…」
景山「善処してくれましたね(笑)」
――エピソード子供やん、ホンマ全部(笑)。イヤやな、何年後かに解散の理由＝“オナラ”とか(笑)。
(一同笑)
堀川「納得はしないでしょうね、ファンの人たちとかは」
――“Nabowaからの大切なお知らせ”。
山本「大切なお知らせ！(笑)」
堀川「そういうことで終わるのも良いかもしれないですね(笑)。新しくて」
――ナタリーに“Nabowa、オナラで解散”。
景山「結構アクセスしてもらえるかもしれない(笑)」
山本「まぁ疲れてたらみんなピリピリもしますしね。それもありますけど、基本的には仲は良いですよね(笑)」
Nabowaをやってなかったら出会えなかった人とか
Nabowaを通じて再会した人がいっぱいいる
――逆に10年やってきてよかったなとか、強烈に覚えてる思い出は？
川上「一緒にやり始めてすぐぐらい、7～8年ぐらい前ですかね。みんなで遊びで行ったことのある唯一のフェスが『朝霧JAM』なんですけど、僕はその前から何年か連続で行ってて。お客さんとして行って、ステージを観て、ここに立てるようになりたいねって話をして、2012年に遂に『朝霧JAM』に出たんです。昔とは逆の景色で、ステージから富士山を見ながらその場所に居られたのが一番感動しましたね。まぁ熱出てましたけど、僕は(笑)」
山本「アハハ！(笑) そうやったそうやった(笑)」
景山「めっちゃいろいろあるんですけど、山本精一(ROVO他)さんが昔から好きで、ホンマに生きる伝説みたいな方やから、最初はやっぱり怖くて。もうだいぶ前なんですけど、京都のTranq Roomで共演させてもらうことがあって。僕の目の前に精一さんが座って、ずっと目をつむって聴いてはったのがもう強烈過ぎて。その後、打ち上げでお話しさせていただいたんですけど、そのときは“バンカラ”にハマッてはる時期やったんだと思うんですけど、学ランのこととかを話してて(笑)。精一さん、全国の高校名全部言えるんですよ」
――えぇ!?
景山「この人はやっぱり、すごい宇宙の人なんやなぁって。それが強烈に(笑)」
山本「アハハハハ！(笑) 何かね、Nabowaをやってなかったら出会えなかった人とか、Nabowaを通じて再会した人がいっぱいいるんで、それはめちゃくちゃ大きな財産やなぁと思います。最近、自分が高校で陸上をやってたときの他の高校の後輩が、いきなりFacebookでメッセージをくれて。“何も知らんと聴いてたんですけど、Nabowaって啓さんやったんですね”って(笑)。すごいいろんなものを運んできてくれるなぁと思いますし」
堀川「この間、Nabowaのライブで出会ったお客さんの結婚式に呼んでもらって。音楽ってこういうことがあるんやなって。別に僕らがあの子とこの子をくっつけたろうと思ってやってるわけじゃないですけど(笑)、そういうのはやっぱりおもしろいなぁって思いますね」
――人の人生変えてますもんね。極論言えば、Nabowaがおらんかったら結婚してないですもんね、その2人。
堀川「“Nabowa好きやねん”、“あんたも好きなん？”みたいな感じで盛り上がった話も聞くし、そういうのって嬉しいって言ったらヘンですけど、すごいなぁって思います」
山本「人によったら、イヤやなと思ってた上司と喋ってみたら、Nabowa好き同士で分かり合えたみたいな(笑)。何か潤滑油なってるんやなって。嬉しいですね」
――何か通販の売り文句みたいになってきた(笑)。でも、それも10年ならではですね。インタビューとかで10周年組によく言うんですけど、“10年続くことは向いてる”と。何をしても人って10年続かないんですって。仕事もそうやし、友達関係もそうやし、趣味もそう。基本は10年も続かない。だから10年続くことには適正があるというか、縁があるというか。
山本「めっちゃいい話聞きましたね」
堀川「俺はあともう2年頑張らなアカンから(笑)」
(一同笑)
――後から加入やから(笑)。
山本「にしてもなるほど。すごい話ですね」
景山「ちょっといいこと聞いた」
これから20年30年と続けるにあたって、ドンドン変わっていきたい
――その10周年を飾るアルバムは『4』…何となく由来は分かるけど、まぁ一応聞こうかな(笑)。
(一同笑)
山本「一瞬で決まったよね、ホンマに」
川上「『4』ってどう？ あ、OKです！って(笑)」
――4枚目とも言えるし、4人とも言えるし。
景山「いやもう、おっしゃる通りで(笑)」
――今作はゲストもなく、ホントに4人で出した音で。このザラつきとか躍動感…見た目は温和な感じやけど、出音はドーン！っとくる。メロディは穏やかやけど、めちゃくちゃ密度の濃い音が鳴ってる。あんまり他のバンドでは感じない感覚の音なんですよ。ライブもすごいもんなぁ。
景山「嬉しいですね」
――そして、今年は10周年ということで企画も多くて。
山本「今までお世話になったブランドさんとコラボレーションしてグッズも作りましたし。それこそ自分たちが普通に買っていたブランドの人と一緒に仕事してるのが、すごい話やと思うんですよ。これも10周年ならではですし」
川上「master-pieceとのコラボでトートバッグを。あと、MERRELLとURBAN RESEARCH DOORSのトリプルネームで靴を」
山本「自分モデルの靴とか想像出来ないですよね？ 今日はちょっと履いてないですけど(笑)、めっちゃいいですよ」
――Nabowaはグッズもいつもいいもんなぁ。
景山「いつもご好評いただいております(笑)」
山本「ありがたいですね」
――そういうアパレルとのコラボもあって。10周年記念盤『Nabowa Meets Carlos Niño & Friends』もあると。
山本「カルロス・ニーニョさんという方に、今までのあらゆる楽曲の中から何曲かリミックスしていただいて。もうめちゃめちゃよかったですね。ストリングスとかもいて、自分以外の人たちが自分のメロディをバイオリンで弾いてるのなんて、ほとんど聴くことがなかったんで。リミックスで毎度のことながら思うんですけど、アレンジ的にもこういう風なことも考えられたんやなとか、めちゃめちゃおもしろかったですね」
――年末にはワンマンツアーもあって、今年はもう10周年もろもろのことをやってたら一気に終わりそうですね。
景山「1日早そうやなぁ。今年も終わるんかぁ…ってやる前から(笑)」
――決意の10周年ということで、最後にそれぞれコメントをもらって終わろうかなぁと。
川上「節目となるアルバムを完成させることが出来て、ホントに今までにない音を作れたんじゃないかなぁと。これから20年30年と続けるにあたって、ドンドン変わっていきたいと思うんです。その決意表明としてのアルバムを出せてよかったなぁと思ってます。これからもいろんな表情を見せられるバンドでありたし、意外性を持ってバンドを続けられたらなぁと。いい曲もおもしろい曲も作って、ずっと4人でやっていけたらいいなぁと思ってます」
山本「10周年って節目ではあるんですけど、最初の節目っていう気がするんで。まだまだ足りないことだらけやし、一生懸命目の前のことをやってきたことで、10年続けてこれた。多分、その“一生懸命目の前のことをやる”のがすごく大事なんかなって。1つの区切りで嬉しいことではあるんですけど、ホンマに通過点というか。まぁ誰かが死ぬまで、やっていきたいなぁと思います(笑)」
景山「さっき言ってましたけど、10年続くことはなかなかないっていうのは、確かに言えてるなぁって。俺、10年続いてることって多分、Nabowaぐらいしかないから。それがなくなったら、すごい社会不適合者に…(笑)」
(一同笑)
堀川「結構みんなが言ってくれはったんで、僕はあと2年頑張って、10年に追いつきたいと思います(笑)」
――Nabowaの名前に入ってないからね。まだ、Naでもboでもwaでもない(笑)。
景山「アハハハハ！(笑)」
――だから2年後には文字が増えるかも。10年経ったら好きな言葉を入れられる(笑)。
山本「バンド名が変わっちゃうっていう(笑)」
――今日はいい話が聞けました。ありがとうございました！ またツアーで！
全員「ありがとうございました～！」
Text by 奥“ボウイ”昌史
（2014年10月17日更新）
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