昨年12月にリリースされた『r e ( construction )』が、とにかく素晴らしかった。過去の自分たちの楽曲をリアレンジしたコンセプトアルバムではあったが、オリジナルアルバム級のすごみを持っていたこの作品。そして、今年1月に間髪入れずに発表された5thEP『これから/先生のススメ/good bye』。動き続ける…そんなパワーが嫌でも伝わってくる。江沼郁弥(vo&g)は『r e ( construction )』で何を感じ、『これから/先生のススメ/good bye』で何を活かそうとしたのか。そんなことを聞いている内に、話は中学時代からの友人で、江沼をバンドに誘い、plentyという屋号を作った新田紀彰(b)との関係性に触れられることになる。“沈黙の3年間”…この時間を経たことで、江沼は再びバンドとして切磋琢磨をしていくことを決意し、新田も全ての想いを素直に江沼ぶつけることで繋がりを確かめ合う。曝け出された内容になったが、ここに憂いはなく、希望しかない。とにかく、江沼は強い言葉を投げかけてくる。本気でしか、伝わらない。是非とも、このインタビューを読んでいただききたい。
面倒くささを感じるくらい、バンドに戻ろうと思ったんです
――まず、去年発表した『r e ( construction )』が素晴らしくて。今までの作品をリアレンジするコンセプトとは言え、確実に次へと向かっている気がして。完全にオリジナルアルバムの強さを感じたんです。
江沼「だから、『r e ( construction )』でアレンジに溺れたときも、何でなのかと改めて考えたら、全ては“歌のため”だったと気付いたんです。そこに込められた想いを聴いて欲しいから。気持ちよく歌えるアレンジにしようと思ってからは、手こずっていた作業がサクサク進みましたね。『r e ( construction )』に『理由』という曲が入っていて、高校の文化祭のときに作った曲なんですけど、当時は理由なんかなく作っていて。でも、今はいろいろと理由が付き纏うから歌うテンションが決まらなくて、収録出来ないと思ったんです。でも、“歌う理由”があると思って歌えばいいじゃないか、自分勝手でいいじゃないかと思ったら、自然に曲調もワルツに出来ましたね」
――『r e ( construction )』という作品が、どれだけバンドにとって大きかったか改めて分かりました。
江沼「俺は俺で自分の世界へ入ってますから…。でも、『r e ( construction )』を作って、振り返ったら、新田がいたんですよ。本当に喋らなくなった時期もあったんです、照れくさいみたいな感じもあったし。“怖い…目が血走ってる”とかも言われてたし(笑)。以前は仲良しこよしでも良かったんだけど、それでは済まないことも増えてきた。だからと言って、ギスギスした感じはヤメにしようと。面倒くささを感じるくらい、バンドに戻ろうと思ったんです」
Single 『これから/先生のススメ/good bye』 発売中 1000円 headphone music label XQFQ-1211
<収録曲> 01. これから 02. 先生のススメ 03. good bye
Profile
プレンティ…写真左より、江沼郁弥(vo&g)、’88年9月24日生まれ。新田紀彰(b)、’88年4月8日生まれ。’04年茨城にて結成。’08年末、『COUNTDOWN JAPAN 08/09』に一般公募枠で出演。’09年、1stミニアルバム『拝啓。皆さま』を、翌’10年には2ndミニアルバム『理想的なボクの世界』を発表。’11年は2枚のEP『人との距離のはかりかた/最近どうなの?/人間そっくり』『待ち合わせの途中/終わりない何処かへ/空が笑ってる』をリリース後、ドラマーが脱退。さらには楽曲からインスパイアされた映像作品をパックしたSound Film Track『あいという』と、ストイックに作品を発表し続けた。’12年には集大成とも言える1stフルアルバム『plenty』に加え、3rd EP『傾いた空/能天気日和/ひとつ、さよなら』4th EP『「ACTOR / DRIP / ETERNAL』を立て続けにリリース。’13年には2ndフルアルバム『this』、コンセプトアルバム『r e ( construction )』を発表し、次なるplentyを感じさせた。現在は、’14年1月29日にリリースした5thEP『これから/先生のススメ/good bye』を引っ提げ、『plenty 2014年 春 ワンマンツアー』を開催中。