インタビュー&レポート

ホーム > インタビュー&レポート > 《第15回大阪アジアン映画祭》が3月6日(金)に開幕!


《第15回大阪アジアン映画祭》が3月6日(金)に開幕! (3/3)


oaff2020-13.jpg

『ギャングとオスカー、そして生ける屍』

 

台湾版カメ止めから、ラブストーリー、LGBTQ映画、日本映画をまとめてご紹介!
 
<第15回大阪アジアン映画祭注目作紹介vol.3>
 
第15回大阪アジアン映画祭注目作紹介vol.3では、暉峻PD激推しの日本映画と、注目のコメディ、ラブストーリー、LGBTQ映画をまとめてご紹介したい。

 
1. 世界初上映の注目日本映画
 
【未来のポン・ジュノ的才能!写真を通して“他人から見られる自分”を顧みる】
『写真の女』<インディ・フォーラム部門>世界初上映!
 
時が止まったような父の残した写真店でリタッチをする女性恐怖症の男と、毎日インスタグラムに投稿するインフルエンサーの女。写真を題材に、本当の自分、他人に見られる自分との間で葛藤する姿を映し出す、美しく深遠なヒューマンドラマ。女優、ダンサーの大滝樹が、見事なダンスやポージングで魅せる、串田壮史監督の初長編作。
「あらゆるカットの構成が素晴らしく、将来ポン・ジュノになれるかと思うほど。串田さんの初長編劇映画だが、すごい才能を見つけたと感動しました」(暉峻PD)
 
 

【『性の劇薬』城定秀夫監督が高校演劇最優秀賞の戯曲を映画化した青春ストーリー】
『アルプススタンドのはしの方』<インディ・フォーラム部門>世界初上映!
 
2017年、兵庫県立東播磨高等学校が全国高等学校演劇大会で、その後劇団献身が上演した舞台を、ピンク映画に定評のある城定秀夫監督が映画化。
「城定監督は早撮りの天才で、一部のマニアの間では非常に評判が高い。以前から機会があれば映画祭で紹介したいと思っていたので、今回念願が叶いました。」(暉峻PD)
 
oaff2020-10.jpg
(C) 2020「On The Edge of Their Seats」Film Committee
 

【NHK朝ドラ「スカーレット」出演女優、福田麻由子主演作】
『グッドバイ』<インディ・フォーラム部門>世界初上映!

母娘二人暮らしの主人公が、転職先の保育所で保護者と接するうちに、長年会うことのなかった父への思いが募っていく…。早稲田大学で映像制作を学んだ宮崎彩監督の最新作。福田麻由子の繊細な演技に注目を!
「宮崎監督は、日常の観察力が優れている。ほんのちょっとした仕草の積み重ねでドラマを作っていく素晴らしい才能の持ち主」(暉峻PD)
 
oaff2020-8.jpg

2. エンタメ系からニューウェイブまで、ガツンと系作品、大集合!

【ロイ・チウ主演の“台湾版カメ止め”】
『ギャングとオスカー、そして生ける屍』特集企画《台湾:電影ルネッサンス2020》

昨年「オーサカ Asia スター★アワード」を受賞したロイ・チウ主演作は映画業界×黒社会ものの、予測不可なホラーコメディ!「ずばり、“予算に恵まれたカメ止め”」(暉峻PD)


 
【『SHIFT 恋よりも強いミカタ』イェン・コンスタンティーノ最新出演作!】
『愛について書く』<コンペティション部門>

『永遠なる瞬間』(OAFF2018)以来のイェン・コンスタンティーノ最新出演作は、ラブストーリーの脚本を書く主人公の物語と、脚本の内容が劇中劇で登場する二重構造のフィリピン発ラブストーリー。劇中劇でシンガー役のコンスタンティーノが歌うシーンも!
 
 

【キャラ立ちヒロインが新鮮!音楽にも注目のボンベイ発青春映画】
『オッズ』<コンペティション部門>

ボンベイを拠点に活動するラーマスワーミ監督の長編最新作は、ハイテンションのヒロインと巻き込まれる男子のユニークコンビによる青春音楽映画。「旧来のインド映画の典型ではない、新しいミュージカルシーンが超刺激的!」(暉峻PD)
 
oaff2020-6.jpg

【兄に依存する妹の心の揺らぎ】
『日光之下』<コンペティション部門>

ロウ・イエ監督作に出演経験のあるリャン・ミンの映画監督デビュー作は、インディペンデント色が濃い、兄妹間の微妙な感情と自立を鮮烈に描くヒューマンドラマ。
「ジャ・ジャンクー主宰の平遥国際映画祭で世界初披露された作品。OAFF2019の『美麗』同様、主演女優が魅力的で、彼女を追いかけているだけで、絵になります」(暉峻PD)
 


3. 多様な愛、性自認の形に迫る、ラブ&ヒューマンドラマ

【戒厳令解除の1987年から現在へ、男同士の恋の行方】
『君の心に刻んだ名前』<コンペティション部門>世界初上映!

「同性婚が合法化された台湾から誕生した、時代を象徴する作品。現地で大ヒットしたホラー映画『返校』主演ツェン・ジンホアが出演。現代パートの主人公役、レオン・ダイは中国のブラックリストに載り、不遇の時期が続きましたが、それを糧に素晴らしい俳優になったことを実感できるはず」(暉峻PD)
 

 
【ウォン・カーウァイ作品的ビジュアルで綴る、トランスジェンダーが辿る受難】
『ミス・アンディ』特集企画《ニューアクション! サウスイースト》|特集企画《台湾:電影ルネッサンス2020》世界初上映!

ウォン・カーウァイ作品のようなニュアンスのある映像で、偏見の中他人への優しさを忘れないトランスジェンダー、アンディの受難と家族との決別を描くヒューマンドラマ。
※3月12日に国立国際美術館講堂にてシンポジウム「人生は宝くじのように 台湾とマレーシアの間にある希望」(無料)を開催。

oaff2020-9.jpg

【寡黙な老人に秘められた愛の過去】
『ノーボディ』特集企画《台湾:電影ルネッサンス2020》世界初上映!

愛する女性の思い出が詰まった部屋で、寡黙に生きる老人。父の浮気の証拠をつかもうとする少女との出会いが、止まっていた老人の心の時計を動かす。多彩な登場人物の描写がリアルな滋味深いヒューマンドラマ。
 


【インターセックスをモチーフにした青春ドラマ】
『メタモルフォシス』特集企画《ニューアクション! サウスイースト》

フィリピンで初めて、生まれつき男女両方の身体的特徴を持つ人(インターセックス)を描いた映画。詩のように美しい映像と音楽で、思春期のアダムが直面する問題や、葛藤を瑞瑞しく描く。
 

取材・文:江口由美



(2020年2月21日更新)


Check

《第15回大阪アジアン映画祭》

会期:2020年3月6日(金)~15日(日)
会場:梅田ブルク7、ABCホール、シネ・リーブル梅田、国立国際美術館

[問]大阪アジアン映画祭 運営事務局
■06-4301-3092

チケット情報はこちら


公式サイト