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「幸せな顔をしてそこにいてくれるのが俺らにとっての幸せやから」
ラックライフが続いていく理由、つながり、喜び、願い…
感動の6月15日(土)大阪・BIGCAT
『GOOD LUCK 2024〜ONE MAN〜』ライブレポート!

 大阪・高槻出身のロックバンド、ラックライフ主催の毎年恒例のイベント『GOOD LUCK』。通算10回目となる今年は、6月15日(土)に『GOOD LUCK 2024〜ONE MAN〜』、翌16日(日)に『GOOD LUCK 2024〜V.A.「大阪の北側から。」vol.2〜』と題し、大阪・BIGCATで開催された。初日はラックライフのワンマンライブ、2日目は’13年に発表された大阪・北摂エリア拠点のアーティストによるコンピレーションアルバム『大阪の北側から。』及びそれに伴うライブの第2弾として、Self-Portrait、LOCAL CONNECT、アルコサイト、HEADLAMP、the paddles、バウンダリー、ヒグレノソラニ、Re:nameら8組のゲストを迎えて行われた。年に一度の『GOOD LUCK』、そして11年ぶりの『大阪の北側から。』への熱い思いが溢れ出した、初日のワンマンライブの模様を独占レポート!

lucklifereport_enjin.jpg SEとシンクロするかのように沸き立った手拍子に導かれたLOVE大石(ds)が、まずは気合の雄たけびを一発。続いて、たく(b)、ikoma(g)、PON(vo&g)と次々にステージへと現れ、「『GOOD LUCK 2024』、準備はいいですか? BIGACAT~!!」というPONの呼び掛けを合図に、現場で何度も磨き上げられた『風が吹く街』が、いきなり見る者の心臓をぶち抜く。『GOOD LUCK 2024』のDAY1はワンマンライブではあるが、年に一度の主催イベントの冠が掲げられたその日は背負っているものが違うとでも言わんばかりに、『ファンファーレ』でも2日間の指揮を執る心地良い責任と喜びを爆発させ、BIGCATを包囲するシンガロングをあっという間に発生させる。

lucklifereport_yubi.jpg 「今日は俺らがあなたを幸せにするから。拳を上げろ~!」(PON、以下同)と盛り上げた『サニーデイ』でも、軽快なリズムとギターのカッティングで身も心もフックアップ。かつては憧れ、今では慣れ親しんだ地元大阪の会場で、心底楽しそうに演奏する光景を見ていると、こっちまで幸せな気持ちになってしまう。

lucklifereport_yori.jpg「ありがたいことにソールドアウトです! ワンマンライブですからお互いに甘えて、甘やかされて、特別な一日にしたいと思ってます。俺らにとって『GOOD LUCK』は一年に一回開催してる、大切に大切にしてきたイベントです。今日はワンマンやけどその冠を乗せて、みんなと一緒に"うれしい"とか"楽しい"とか"頑張ろう"とか、プラスのエネルギーをたくさん作っていけたらいいなと。あなたの心に刺さって抜けない歌を歌いたいと思います!」

lucklifereport_ikoma.jpg メロウな躍動感×疾走感に胸が高鳴る『Naru』~『℃』の2連発で極楽気分を味わったところで、「11年前に『大阪の北側から。』というイベントを立ち上げて、それが進化して『GOOD LUCK』になった。あの頃からずっとずっと歌ってきた歌があります」と届けたのは、『その手とこの手』。当時、『大阪の北側から。』のコンピレーションCDのために書き下ろし、この11年を共に生き抜いた戦友のような曲が、時代を超えて鳴り響く。今でも変わらぬ自分で歌えているのか/聴けているのか? ラックライフの試金石とも言える曲が、そう心に問い掛けてくる。粒ぞろいのミドルチューンで構成されたゾーンを、瞬く照明とエッジィな『サーチライト』がドラマチックに締めくくる。

lucklifereport_taku.jpg 一転、緊張感皆無の...いや、リラックスしたMCでは(笑)、たくのベースのストラップと同色にコーディネートされた帽子を「おもろいのにかわいい」といじりつつ、とりとめもないトークで場を和ませまくる4人(さすが)。

「歌う人です、しゃべる人ではありません(笑)。人前で歌うのが好きで、どんどん世界が変わっていきました。16年前、高校一年生のときに大石と同じクラスで、出席番号が前後で。後ろにヤンキーが座ってるなと思って(笑)。その後、2人で軽音楽部に見に行って。そこで2つ上の先輩のピンキーショコライオンが、SHAKALABBITSのコピーバンドをやってるのを見て俺、バンドを始めようと思った。...ってあかん、楽し過ぎてしゃべり過ぎてしまうから、本格的に歌っていきます(笑)。皆さん、スイッチの切り替えはよろしいですか!?」

lucklifereport_loveoishi.jpg 後半戦は、力強いメッセージとコーラスワークに背中を押される『Believe』、ikomaの奏でるトリッキーなリフにテンション爆裂の『リフレイン』、静と動を行き来するメロディとエモーションがたまらない『Over』と、一気に畳み掛ける怒濤の展開! かと思えば、ひっそりとした暗闇に優しく響きわたるギターにいざなわれ、PONのしなやかなボーカルが天を貫いた『朝が来る前に』では、大石のスケールの大きなドラミングに息をのむオーディエンス...。

lucklifereport_crying.jpg「ありがとう。何か泣いちゃうな今の歌...。誰かに大丈夫って言われずに音楽をやれるほど強くないし、誰かに頑張れって言われないと頑張れない。だから頑張れって言いたいねん。力になるから。本気で頑張れって言ってくれた人のことって忘れへんから。別に...俺にそう言ってくれた人は死んだわけじゃないけど。何なら高槻で飲み屋始めたけど(笑)。でも、あのとき俺が救われたこと、あの言葉にあるパワーを何年経っても覚えてるし、何年経っても頑張れる。だから俺もそうなりたいねん。ステージからあなたに向かって頑張れって言ったことが、何年も何年も思い出せるように。今日のこの瞬間、この歌、この言葉、それをあなたにプレゼントしたい。あなたが頑張って素敵な人生を歩んで、幸せな顔をしてそこにいてくれるのが俺らにとっての幸せやから。全部そのため。だから...しんどいけど、消えそうやけど、そればっかりずっと16年歌ってる。きっとこれからも」

lucklifereport_red.jpg もうこの言葉の時点で涙腺は崩壊寸前。ばっくり開いたハートに注ぎ込まれる『軌跡』が、全身を生きる力で満たしていくこの感覚。ラックライフが16年続いてきた理由がここにある。だが、こんなにも感動的なシーンの後で、屈指のアンセム『君のこと』の歌詞を忘れる、それもPON(笑)。そんな"らしさ"を温かな空気が包み込む中、「いつもありがとう」と添えて始まった『Hand』も、まごうことなき代表曲。ラックライフは足早にキャリアを駆け上がっているバンドではないかもしれない。だが、彼らが着実に歩んできた道の途中で生まれてきた楽曲の数々は、時間と経験とともにその深みと説得力をどこまでも増していく。それはラックライフが、その場限りで消費されるインスタントな音楽を一曲たりとも作っていない証明でもある。

lucklifereport_hikari.jpg そして、ライブは残すところあと一曲に。

「『GOOD LUCK』は一年に一回、ラックライフが地元大阪で、同じ場所で育ったバンドたちと、全国で出会った猛者たちの力を借りて、大きなお祭りをやりたくて立ち上げました。今年はワンマンライブと、11年前にやった『大阪の北側から。』というイベントの現代版です。俺らの友達をみんなに見てほしいなと思って。好きな人に好きな人を紹介したいねん。好きが伝染してどんどん大きくなっていけばいいなって。その中で、人生を変えるような一言に、一曲に出会えたら...俺らがそうやったから、みんなにもそういう瞬間に立ち会ってほしいなと思って。俺らが通った高槻RASPBERRYみたいな、ライブハウスみたいなバンドになりたいとずっと思ってきた。ラックライフのライブに行ったら絶対に何かもらって帰れる、明日からまた頑張れる。そんなバンドになりたくて16年続けてきました。またここに帰って来てください、いつでも待ってるから。大切な歌ができたので、みんなに受け取ってほしいと思います。大阪、高槻、ラックライフでした」

 そんな願いと歩みを凝縮した新曲『Home』が、魂を揺さぶらないわけがない。見渡す限りの手が上がった満場のBIGCATが、そのことを如実に物語っていた。

lucklifereport_blue.jpg アンコールでは、約1カ月半ぶりというライブへの充実感を各々が口にし、PONがこう続ける。

「やっぱりワンマンライブでしか得られない何かががあって。自分が作ったものを"大好きや"って、いろんな場所から集まってくれる。そうやってそこにいてくれること、とてもとても幸せだなと思います。これがあるから頑張れるし、これがないと頑張れない。だって芸術家じゃないから。だからバンドマンなんかな...表現したいからやってるんじゃない。つながりたいから、元気になってほしいからやってるというか。どうか元気で、幸せで。またしょうもないことで笑い合える日を楽しみにしてます」

 最後に披露されたのは『名前を呼ぶよ』。今でもまるで色あせない名曲が、感動のピークをまたも更新していく。今後のラックライフは、各地のイベントやフェス出演、ドイツでのライブを経て、9月15日(日)よりLACCO TOWER、BRADIOとの東名阪スリーマンツアー『Me Three』、11月13日(水)より東名阪ワンマンツアー『ラックライフ QUATTRO TOUR 2024』を開催する。彼らが「またライブハウスで会いましょう!」と、最高の景色の中で交わした再会の約束、ぜひあなたの街で果たしてほしい。

Text by 奥"ボウイ"昌史
Photo by マッサン/桃子

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(2024年6月28日更新)


Check

Set List

毎年恒例の主催イベントDAY1は
気合みなぎる渾身のワンマン!

 
『GOOD LUCK 2024〜ONE MAN〜』

6月15日(土) at BIGCAT

01. 風が吹く街
02. ファンファーレ
03. サニーデイ
04. Naru
05. ℃
06. その手とこの手
07. サーチライト
08. Believe
09. リフレイン
10. Over
11. 朝が来る前に
12. 軌跡
13. 君のこと
14. Hand
15. Home
ENCORE
16. 名前を呼ぶよ

Release

新曲は配信&11年ぶりに実現した
大阪・北摂特化のコンピ第2弾に収録!

 
Digital Single
『Home』
発売中
FRIENDSHIP.

<収録曲>
01. Home

 
Compilation Album
『V.A.「大阪の北側から。」vol.2』
発売中 1320円
Hags Entertainment
Hags-002

<収録曲>
01. Home / ラックライフ
02. うちにしとけ / アルコサイト
03. Living Fool / Re:name
04. グッドラック / バウンダリー
05. 永遠になればいいのに! / the paddles
06. 願い / ヒグレノソラニ
07. ONE / LOCAL CONNECT
08. 眠りにつく前に / Self-Portrait
09. けれど確かに大人になって / HEADLAMP

名曲メジャーデビューシングルが
LPサイズ紙ジャケ仕様で限定復刻!

 
Single
『名前を呼ぶよ』 New!
【初回生産限定Lジャケ仕様】
発売中 2420円
ランティス
LACM-34582
※オリジナル盤発売日'16年5月11日

<収録曲>
01. 名前を呼ぶよ
02. ブレイバー
03. ストレンジマン

Link

ラックライフ オフィシャルサイト
http://luck-life.com/

Live

9月はスリーマン、11月はワンマンで
東名阪クアトロツアー開催!

 
『Me Three』

【愛知公演】
▼9月15日(日)名古屋クラブクアトロ

Pick Up!!

【大阪公演】

一般発売未定
▼9月16日(月・祝)17:45
梅田クラブクアトロ
オールスタンディング5000円
[出演]LACCO TOWER/BRADIO/
ラックライフ
サウンドクリエーター■06(6357)4400
(平日昼12:00〜15:00)
https://www.sound-c.co.jp/contact/
※3歳以上チケット必要、
 3歳未満入場不可。

【東京公演】
▼9月23日(月・祝)渋谷CLUB QUATTRO


『ラックライフ QUATTRO TOUR 2024』

【愛知公演】
▼11月13日(水)名古屋クラブクアトロ 
【東京公演】
▼11月18日(月)渋谷CLUB QUATTRO

Pick Up!!

【大阪公演】

一般発売9月14日(土)
Pコード271-114
▼11月21日(木)19:00
梅田クラブクアトロ
オールスタンディング5000円
サウンドクリエーター■06(6357)4400
(平日昼12:00〜15:00)
https://www.sound-c.co.jp/contact/
※4歳以上チケット必要。

 


Column1

「僕らのせいなんですよ、
 みんなが幸せになれなかったら」
ラックライフの12年と覚悟と
出会ってきた全ての顔が導いた
『Life is beautiful』な
音楽人生を語る!('17)

Column2

「ずっと夢やったし、目標だった」
100万枚売りたい訳じゃない
100万人の心に届けたい
ラックライフの意地と信念を宿した
感動のデビュー曲『名前を呼ぶよ』
インタビュー&動画コメント('16)

Column3

「自分たちの頑張ってきた成果を
 観せる場所」
2ndシングル『アイトユウ』
引っ提げ盟友集う主催イベントを
なんばHatchでいよいよ開催へ!
'15年の貴重な全員インタビュー

Column4

素晴らしき哉、バンド人生!
ピュアな衝動と乱反射する感情を
歌にした『正しい僕の作り方。』
ライブハウスで生まれ息づく
音楽の行き先とは?
'14年のインタビュー

Column5

『大阪の北側から。』しか
歌えない想いがある――
ラックライフを筆頭に、大阪は北摂
を代表するアーティストが集結!
前代未聞のオムニバスCDについて
若き8組が溢れる想いを
ぶっちゃけるインタビュー!!('13)