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5年目の初期衝動をかき鳴らす黒猫チェルシー初のベスト盤
『Cans Of Freak Hits』最強説!
全国ワンマンツアー開幕を告げる
渡辺大知(vo)&澤竜次(g)インタビュー&動画コメント

 インディーズデビュー、そして上京から5年。神戸の山奥から出てきた黒猫チェルシーという少年たちも、今や立派な青年たちへと成長。そして、今なお血気盛んなこのロックンロールバンドはこの春、キャリア初のベストアルバム『Cans Of Freak Hits』をリリースするまでに至った。新曲『サニー』や奥田民生の名曲カバー『息子』を含む全19曲、’09~’14年の足跡がしっかりと刻まれた今作を引っ提げ、5月11日(日)地元神戸・太陽と虎より全国ツアーもスタート。彼らは今、自信満々である。と言うか、完全に突き抜けた。渡辺大知(vo)と澤竜次(g)の力強い言葉に耳を傾けて欲しい。

 
 
いちいち節目でした。もう5年経ったんやという感じかな
 
 
――このタイミングでのベスト盤、率直に如何ですか?
 
澤(g)「ちょうど東京に出てきて5年、結成から7年ですよね」
 
渡辺(vo)「何回も壊れては、何回も再生する…そんな感じでした」
 
「普通より長く感じましたね。18歳から23歳は初めてのひとり暮らしで、友達もメンバーしかいなかったし、いろんな刺激を受けました。20歳くらいはアイデンティティを築く時期だし、いちいち節目でしたし。4人でやってる意味もスゴく考えたし、他に何が勝るかも考えたし…もう5年経ったんやという感じかな」
 
渡辺「おもしろいこともたくさんあったし、この4人で何をしたらエエか、この4人やから出来るおもろいことをスゴい考えていた。僕らは毎回違うカラーのアルバムを出してきたけど、それでも一貫したものがあったし」
 
「毎回“違う録り方をしてみよう”がコンセプトで、前のアルバム『HARENTIC ZOO』(‘12)は今まで一番作り込んだ、ポップなアルバムだった。好きなメロディを徹底的に作った。ただ、今は“ライブで早くやりたい”と思える曲を作りたい。ギターもシンプルな感じでね」
 
 
ロックバンドをやっている限りは“カッコいい”と言わせたい
 
 
――ベスト盤と言えど、池松壮亮主演の青春映画『大人ドロップ』の主題歌で、新曲として収録された『サニー』(M-4)がまたいいですよね。
 
「“黒猫が一番最初にやった曲”、みたいな曲ですね。新しいことをやろうとかは今どうでもよくて、ライブが軸になってきたんですよね」
 
渡辺「今回のベスト盤の選曲も、今の俺らを出そうと思ったら=ライブのセットリストを決めるみたいな感じでしたね。『サニー』はアナログ一発録りで、生の空気そのままというか…ごまかしが効かない音作りですね。『HARENTIC ZOO』の曲は気に入ってるけど、デジタルで整理し過ぎたので角が取れた部分もあるというか。でも、別に懐古主義というわけじゃなく、今の自分らの感覚にしっくり合った音を選んだだけですね。手応えありますよ。『サニー』を基準に、他の楽曲の音も考えた感じですね」
 
「前のアルバムはいろんなことをやったし、エレクトロニカもありかなとか思ったし、結果いいアルバムやったとは思うんです。でも、“今までの黒猫とは違う”と思った人もいただろうし、ライブでやるときはアレンジも変わりますから。まぁ今は如何にライブと直結するかだし、ロックバンドをやっている限りは“カッコいい”と言わせたい。メンバー1人1人が、そこに気付けたと思うんです」
 
渡辺「黒猫がおもしろいのは、バンド組んだ頃より、今の方が初期衝動があるんですよ。前のめりだし、ワクワクするし、今の方が圧倒的に楽しい」
 
「メンバーの中には、僕に誘われたから何となく入った人間もいたけど(笑)、今はメンバーが一番黒猫を意識出来ている。だから、何をやるにしてもスムーズ」
 
渡辺「今回はベスト盤と言いつつも、新しいアルバムを出した感覚ですね。昔の曲もマスタリングし直したし、1つの塊になっていく作業をしたことが大きいです」
 
「単純に今シングルを出すにしても、カッコいい自信はある。でも、このベスト盤には新しい曲もあるし、入口になりやすいと思う。新曲と共に過去の曲も聴いてもらって、この5年を知ってもらえたら」
 
 
黒猫は今が一番いいんですよ
 
 
――インタビューの端々から、今作に対する自信がスゴく伝わってきますね。
 
渡辺「レコーディング中には何百回と聴くけど、完成するとだいたい聴かなくなる。でも、今回は気に入っていて完成してからもずっと聴いてますね。後半の流れがハンパないので、ダウンロードで1曲ずつ落とさずに、このベスト盤は聴いて欲しい。曲間も聴いて欲しいので。届けたい想いはヒリヒリする感じであったり、ドキドキする感じであったり。全体から醸し出されるものを味わって欲しいです。いいもんが出来たなって思うので」
 
「CDが売れていた90年代に活動していたら、枚数がもっと出ていたのかなとたまに思うんです。でも、どの時代でも生で観たい気持ちは変わらないし、そこを真剣にやって、直接人に見せるという本来は異様なことを、如何に自分らしくやるか。そこが評価に繋がるとも思うし」
 
渡辺「自分らしいことが一番大事。無理をせず、自分らにしか出来ないロックをやりたい。どれだけ夢を見せられるか、そこで勝負するしかない」
 
「現役高校生バンドとかもドンドン出てきますからね(笑)。僕らがバンドを早くから始めてよかったなと思うのは、20周年でも38歳だし、30周年でもまだ48歳なんです。それ以外は得に感じることはないですけど(笑)」
 
渡辺「18歳が俺らのデビュータイミングやっただけですよね。そのタイミングしかなかった。それに、やるべきことは何も変わらない」
 
「周りに“若くしてデビューして、迷ったりしないの?”とか聞かれて、“そんなんやったらバンドやってへんわ!”と思ってましたから。そんなんで翻弄されるバンドは続かない。とにかく今はバンドが向いている方向が同じ。(レッド・)ツェッペリンとかがアイコンタクトでアンサンブルを作っていく感じはスゴくカッコいいし、そういう風になっていきたいですよ。ギターソロのときに顔を歪めて弾くとか、そういう人間らしさ、隙間があるものが好きだし、興味があります」
 
渡辺「感情が如何に届けられているかに、興味がある。粗いとは違う意味で、ゴツゴツした人間の匂いがするものが僕はスゴく好きで、そこを大切にしていきたい」
 
「僕らが生まれた頃にはバブルがハジけてて、デビューした頃にはCDが売れない時期になってて。明るい時期なんて一度もなかったけど、この空気感がいいなぁって。」
 
渡辺「それはそれで僕らは楽しんでるから。そこで夢を見られることを作ろうと思ってるし、ロックでいくらでもやれることはあるから。『サニー』なんか何の型にもハマッてない曲だし。カッコよければ、何でもいい。黒猫は今が一番いいんですよ」
 
――いや~すばらしい。ツアーにも期待しています! 本日はありがとうございました!!
 
 
Text by 鈴木敦史



(2014年5月 8日更新)


Check

Movie Comment

くされ縁の名コンビ2人がアルバムに
ワンマンツアーにと語る動画コメント

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Release

フルボリュームで贈る黒猫ヒストリー
熱量高き初のベストアルバム!

Best Album
『Cans Of Freak Hits』
【初回生産限定盤DVD付】
発売中 3300円
Sony Music Labels
AICL-2457~8

【通常盤】
発売中 2300円
Sony Music Associated Records
AICL-2659

<収録曲>
01. ベリーゲリーギャング
02. 嘘とドイツ兵
03. アナグラ
04. サニー 
05. 恋はPEACH PUNK
06. ファンキーガール
07. 廃人のロックンロール
08. YOUNG BLUE
09. 東京
10. Heyライダー
11. 黒い奴ら
12. ダイナマイトを握っているんだ
13. ボリュームノブ
14. 夜更けのトリップ
15. 平成ストレンジャー
16. ロンリーローリン
Bonus Track
17. パール(THE YELLOW MONKEYカバー)
18. 負け犬(THE STALINカバー)
19. 息子(奥田民生カバー)

<DVD収録内容>
01. 嘘とドイツ兵(Music Video)
02. 廃人のロックンロール(Music Video)
03. ベリーゲリーギャング(Music Video)
04. YOUNG BLUE(Music Video)
05. アナグラ(Music Video)
06. 東京(Music Video)
07. ボリュームノブ(Music Video)
08. 恋はPEACH PUNK(Music Video)
09. サニー(Music Video)
10. 息子(Making of サニー)

Profile

くろねこ・チェルシー…写真左より、宮田岳(b)、澤竜次(g)、渡辺大知(vo)、岡本啓佑(ds)。’07年3月(高1の春)結成。地元神戸を中心にライブ活動を行なう。’09年春、高校卒業後に拠点を東京に移し、1stミニアルバム『黒猫チェルシー』をリリース。渡辺が映画初出演にして初主演を務めた映画『色即ぜねれいしょん』が全国公開される。同年12月には2ndミニアルバム『ALL de Fashion』をリリース。’10年にはメジャー第1弾アイテムとなる『猫Pack』をリリース。’11年6月には待望の1stアルバム『NUDE+』を、その半年後には1stシングル『アナグラ』を発表と、常にスピード感を保ちながら新しいことに挑戦。’12年3月には音源だけでなく映像も楽しめる2ndアイテム『猫pack 2』を、同10月には2ndアルバム『HARENTIC ZOO』をリリース。’14年4月2日には初のベスト盤『Cans Of Freak Hits』を発表、5月11日(日)より全国リリースツアーをスタート。

黒猫チェルシー オフィシャルサイト
http://www.kuronekochelsea.jp/

Live

ベスト盤に伴うワンマンツアーが
地元神戸から開幕! 後半には大阪も

Pick Up!!

【神戸公演】

『Cans Of Freak Hitsリリースツアー』
チケット発売中 Pコード224-317
▼5月11日(日)17:30
神戸 太陽と虎
オールスタンディング-3500円
サウンドクリエーター■06(6357)4400
※小学生以上は有料、未就学児童は無料(大人1名につき、子供1名まで同時入場可)。

チケットの購入はコチラ!
チケット情報はこちら

 
【千葉公演】
▼5月18日(日)千葉LOOK
【札幌公演】
▼5月25日(日)SPIRITUAL LOUNGE
【福岡公演】
▼5月31日(土)The Voodoo Lounge
【仙台公演】
▼6月7日(土)LIVE HOUSE enn 3rd

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード224-317
▼6月14日(土)18:00
LIVE SQUARE 2nd LINE
オールスタンディング-3500円
サウンドクリエーター■06(6357)4400
※小学生以上は有料、未就学児童は無料(大人1名につき、子供1名まで同時入場可)。

チケットの購入はコチラ!
チケット情報はこちら

 
【名古屋公演】
▼6月15日(日)HUCK FINN
【東京公演】
▼6月22日(日)LIVE HOUSE FEVER

Column

「ジャンルは、フォーク・ダブ・
ハードロック・アニソンです(笑)」
黒猫チェルシーが手に入れた
ポップなジャンキー・サウンド!
前作『HARENTIC ZOO』を語る

残りの過去インタビューはコチラ!

初の合宿レコーディングが生んだサウンド+映像+ビジュアルで魅せる実験的意欲作第2弾『猫Pack 2』を大いに語る!
特設ページはコチラから!

20歳の蒼き衝動を爆発させた1stアルバム『NUDE+』の初々しいインタビューを
プレイバック!
特設ページはコチラから!