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注目の若きロックンロールバンド・黒猫チェルシーが
初の合宿レコーディングで生み出した
サウンド+映像+ビジュアルで魅せる実験的意欲作第二弾
『猫Pack 2』を大いに語る!

 10代で鳴物入りのデビューを飾った彼らも、昨年20歳を迎えた節目に1stアルバム『NUDE+』を発表。プロデューサーの土屋昌巳から学ぶことはやはり大きかったようで、半年後に発表されたシングル『アナグラ』では、よりそれぞれの個性を活かし始めていた。そして、2ndアルバムを前に3月21日にリリースされた『猫Pack 2』は、6曲収録のコンセプチュアルな作品。今までのような都会のスタジオでなく、山奥で合宿を行ないながらレコーディングされたという今作。レコーディング風景を収められたDVDでは、のびのびと自由に音を鳴らすことにだけ集中出来る環境で、とにかく楽しそうに作業する彼らの姿を観ることが出来る。大人になればなるほど無意識にまとまってしまうのは、どの表現者にも見られる傾向だ。そんな殻を打ち破り、ひたすら鳴らしたいがままに、音を鳴らす。過去のインタビューに何度かあった、何か模索する感じや慎重に言葉を選ぶような固い空気は、今回は一切なかった。間違いなく、一皮剥けた。今の黒猫チェルシーは、とてつもなくも解き放たれている。

メンバー勢揃いの動画コメントはコチラ!

――昨年5月に1stアルバム『NUDE+』が出て、半年後には1stシングル『アナグラ』。なので次はてっきりアルバムだと思っていたんですね。ですが今回は曲数的には6曲で、映像を合わせる形態での発表に至った経緯を改めて教えてもらいたいんですが。

 
渡辺(vo)「『アナグラ』を作っているときから、実はアルバムに向けて動いてはいたんです。それも自分たちを追求したいので、セルフプロデュースという形でやりたいなと」
 
――『NUDE+』で土屋昌巳さんをプロデューサーに迎えたことで、自分たちが見えたとも言っていましたもんね。
 
渡辺「そうですね。で、レコーディングのために面白い場所も探していたんですよ」
 
――今回の『猫Pack 2』は山奥で合宿して録ったんですよね?
 
渡辺「まず、山奥のログハウスで合宿しながらレコーディングするのは面白いなと思ったんです。その感じを映像にも録ってもらおうという話にもなって。こうやって音が出来上がってくるっていう様子が、聴いてくれる人にも伝わるのが大事だなと。それが伝われば、新しい聴き方にもなる。このコンセプトが出てきたことで、フルアルバムではなく、選曲もそれに合わせたものになったんです。バラエティ豊かな感じは次に置いておこうと。ライブで映える曲が選ばれたと思いますよ」
 
――その辺り、澤くんはいかがですか?
 
澤(g)「去年はライブをたくさんやって、いろいろ感じることもあって。だからこそ、音源はどういう録り方が良いかを話したんです。『NUDE+』で土屋さんと一緒にやったことで、今まで知らなかった音を知れた。そこから自分たちの音を追求していくにあたっては、今回の場所は凄い正解やったなと。時間も有効的に使えたし、寝る前に談話スペースで話したりとかも出来たし。集中力をしっかり保てた」
 
渡辺「朝から晩まで音楽のことだけ考えてたし。パラグライダー場とかもあって、良い場所だったよね(笑)」
 
岡本(ds)「(笑)。防音設備もなくて、都内ではあり得ない場所でしたね。吸音されないので独特の鳴りでしたし」
 
「その合宿所は地下に普通のスタジオがあるんですよ。でもいろいろ音を検証しながら試して、今回は普通の部屋のスペースを使って録音したんですね。だから、同じ合宿所でもまだいろいろな可能性があります」
 
渡辺「階段とかでも試したもんね(笑)」
 
――そういう考え方をしたら、いろいろとアイディアは広がるね。
 
宮田(b)「(インタビュー場所から窓の外を眺めながら)あそこらへん、良さそうな感じがする(笑)」
 
――でも、いわゆる普通のスタジオの概念に捕われず録音することが、本当に良いのかも知れない。今回の『猫Pack 2』からは、すごく楽しそうな雰囲気が伝わってくるから。
 
宮田「DIY精神を発見出来た。本来はどこで録っても良いはずなんですけど、今回の場所は僕らに合っていたんでしょうね。割とコンセプチュアルに作ったんですけど、まだまだいろいろやれちゃう感じもありました」
 
岡本「昔のロックバンドへの憧れもあったよね」
 
宮田「あと、今回はDVDが付いてますけど、楽しそうにレコーディングしてる姿を見せられるのは、一番良いところかもですね。とにかく、音が響くんですよ。ドラムとかは特に。だから、単純に面白い作業でした」
 
岡本「今回は、このやり方が合いましたよね」
 
「そうそう。でもフルアルバムだと、どうなるか分からない」
 
渡辺「今回は1週間レコーディングしたけど、2週間までかな? もう1週間は出来るけど、それ以上は分からない。すごい喧嘩とかになるかも(笑)」
 
「怒声をサンプリングしてみる?(笑)」
 
岡本「“おい、録るなよ!”とかいう声も入れてな(笑)」
 
渡辺「緊張感は必要やからね」
 
――都会の地下スタジオでの苛々からくる空気と違って、環境の良い山奥なら良い緊張感は生まれそうですね。
 
「そうですよね。空気も綺麗で、水もおいしいし」
 
渡辺「空気は、本当に良かった。“何か、腹立つ…”みたいなストレスはなかったし(笑)。がんばろう! 今日を生きよう!と思えた。啓ちゃん(岡本)の背中越しに富士山が見えて、山の神みたいだったし(笑)」
 
――さっき、空気と水の話が出たけど、僕はご飯もすごく重要だと思うんですよ。都会の地下スタジオで出前やコンビニ弁当ばっかり食べるのと、山奥で温かい食事を取るのとでは絶対違うから。
 
「それは、そうですね。食堂が付いてる場所だったんですけど、ご飯はめっちゃうまかった!」
 
渡辺「3日煮込んだカレーとかね! 確かに、ご飯はレコーディングにとって大きいかも」
 
――黒猫は今までもすごく恵まれた環境でやってこれたと思うんです。でも、今回の場所で制作したことで、自由さがすごく出てますよね。はっきりしたルーツがあるバンドじゃないですか。それが今回のびのび自由にやれたことで、ルーツを踏まえたうえでより明確に出来たのかなと。気が早いですけど次のアルバムが楽しみですよ(笑)。
 
渡辺「ネタの数はたくさんあって、いろいろ考えながらやれるかなと。今はバンドがすごく楽しいので、ひとつひとつ個性を出しながらやったら、今まで以上にのびのびしたアルバムになりそう。こだわりを明確にしていきたいし、それを伝えていきたい」
 
――アルバムレコーディングも合宿になるのかな?
 
渡辺「するかもですね。要は聴く人を、どうびっくりさせるか。合宿はアリです」
 
岡本「まだどうなるか分からないですけど、手段のひとつにはなったとは思いますね」
 
――あと、3月11日からはOKAMOTO’Sと横浜、名古屋、神戸、岡山を回るツアー(全公演Sold Out!!)もあって。『バトルオブスピリッツステゴロファイティングマッチマスターオブビースト』というツアー名はホンマええ意味でアホやなと思って。
 
(一同爆笑)
 
渡辺「啓ちゃんとかツアー名、間違えてたし(笑)。でも、こんなに打ち合わせを何回もするライブは初めて。がっちゃん(宮田)がグッズの絵を描いてくれてりしているし。今回のライブのためにも、曲を書いたし楽しみですね」
 
「とにかくええライブをしようと。お客さんもどっちのバンドも好きな人も多いと思うし、この2組が周りから意識されてることも分かってるし」
 
宮田「同い年で男4人組だし、判断材料になりますよね。盗めるものもあるし」
 
岡本「OKAMOTO’Sは意識の高いバンドなんで、そりゃ世に出てくるだけのことはあるなと思いますよ」
 
渡辺「出会う前は変に意識してたけど、今はいちバンドとして負けられない。盗むとこは盗みたい。向こうも同じことを思ってるやろうし」
 
「同い年で男4人組で同じ時期にデビューして、一緒にツアー回るのは凄い偶然やと思いますね」
 
――簡単に引き当てられる偶然じゃないしね。山奥での合宿レコーディングを経験したことで、黒猫は今とってものびのび自由なんで、すごくええ対決になると思います。そして、5月20日(日)OSAKA MUSEのワンマンも楽しみにしていますよ。
 
全員「はい! ありがとうございました!」
 
 
Text by 鈴木淳史



(2012年3月21日更新)


Check

Release

ローザ・ルクセンブルグのカバーを含む
バンドのムード絶好調な実験作第二弾

Mini Album
『猫Pack 2』
【初回生産限定盤】
発売中 2500円
Sony Music Associated Records
AICL-2364~5

<収録曲>
1. ボリュームノブ
2. 東京
3. まったくいかしたやつらだぜ
4. GOOD JOE
5. 風の又さぶろっく
6. マタタビ(アコーステックバージョン)

<DVD収録内容>
1. 『猫Pack 2』制作ドキュメンタリー
  ~山奥にて~
2. 東京 ~Music Clip~

【通常盤】
発売中 1800円
Sony Music Associated Records
AICL-2366

Profile

くろねこ・チェルシー…写真左より、宮田岳(b)、澤竜次(g)、渡辺大知(vo)、岡本啓佑(ds)。’07年3月(高1の春)結成。地元神戸を中心にライブ活動を行なう。’09年春、高校卒業後に拠点を東京に移し、1stミニアルバム『黒猫チェルシー』をリリース。渡辺が映画初出演にして初主演を務めた映画『色即ぜねれいしょん』が全国公開される。同年12月には2ndミニアルバム『ALL de Fashion』をリリース。’10年5月、メジャー第一弾アイテムとなる『猫Pack』をリリース。’11年6月には待望の1stアルバム『NUDE+』を、その半年後には1stシングル『アナグラ』を発表と、常にスピード感を保ちながら新しいことに挑戦し、成長し続ける若きロックンロールバンド。3月21日(水)には2ndアイテム『猫pack 2』をリリース。5月20日(日)には大阪・心斎橋のOSAKA MUSEにて『猫Pack 2』リリースワンマンを行う。

黒猫チェルシー オフィシャルサイト
http://www.kuronekochelsea.jp/


Live

今年初のワンマンライブにして
東京・大阪のみのリリースパーティ

『黒猫チェルシー「猫Pack2」
リリースライブパーティー East & West』
一般発売3月31日(土)
Pコード163-664
▼5月20日(日)17:30
OSAKA MUSE
スタンディング3000円
サウンドクリエーター■06(6357)4400
※小学生以上は有料、未就学児童は無料(大人1名につき、子供1名まで同時入場可)。

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Column

20歳の蒼き衝動を爆発させた1st
アルバム『NUDE+』の初々しい
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