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神戸発の若きロックバンド・黒猫チェルシーが
初のフルアルバム『NUDE+』をリリース!
6月には大阪、7月には神戸に向かう4人のインタビューが到着

 神戸に10代のスゴいロックバンドがいると騒がれたのを未だに覚えている。早いもので、そんな彼らも全員が20歳となり、初のフルアルバム『NUDE+』を5月25日に発表。ミニアルバム2枚をインディーズでリリースし、昨年メジャー移籍第1弾アイテム『猫Pack』をリリースしていたものの、フルアルバムをメジャーで制作するという体験は、またひと味違った感覚をバンドにもたらしたよう。メンバーで楽曲を持ち寄り吟味しながら、歴戦のプロデューサー・土屋昌巳と練り上げていった今作。大人への成長過程の意識も踏まえ、彼らの歩みを感じて欲しい。

――プロデューサーの土屋さんとの作業はいかがでした?
 

澤(g) 「ライブを最初観に来てもらって1ヵ月も経たない内に、もう作業を始めていましたね。でも最初は、どういう接し方をしたら良いのか正直戸惑ったりもしました。でも、一緒にスタジオで音を鳴らしてくれる中で、自然な感じで関係が出来ていきましたね。やっぱり僕らになかった発想があって刺激的でしたし、全然押し付けがましい人じゃなくて、ストレスが全くなかったです」
 

渡辺(vo)「音作りのこととか、言葉ひとつにしてもスゴく考えてはる人で、僕らがやりたいことも尊重してくれましたし」
 

宮田(b) 「“いい音”とは何か?っていうことに対して、とても勉強になりましたね」
 

 「土屋さんに入ってもらって、いろいろな話ができたのも単純に楽しかったですし」
 

渡辺「不思議と年上の感じがしなくて。何かこう…高校の先輩というか(笑)。“話聞かせてください!”みたいな」
 

岡本(ds)「本当にフランクでした。でも、冷静に考えたら“あの土屋昌巳やで~!”みたいな(笑)」
 

――土屋さんをはじめキャリアのあるミュージシャンと絡むことも本当に多くなってきてますよね。状況がどんどん変わっていくというか。
 

 「僕と渡辺は吉井和哉さんとイベントで共演させてもらう機会があって、それはめちゃくちゃ緊張しましたね。でも、そこで萎縮しても何にもならないし、誘ってもらったことに自信を持って、どんなとこにもぶつかっていくべきやと思いますね。思いっきりぶつかって楽しみたいんですよ」
 

渡辺「澤が今言ったのと同じようなことはいつも思ってますね。東京に出てから環境も変わって、自分のしたいことが出来る機会を貰えたりして、この2年間はちゃんと考えなきゃなと思うようになりました。そこが高校生の頃とは違うなと。フラフラしてちゃいけない。誘ってくれたり、出逢えた人に申し訳ないですから。ベストを尽くすために、本当に常に考えるようになりましたね」
 

――10代のバンドということでデビューしたときにスゴく騒がれたじゃないですか。でも、今の意見を聞いたら、ホントに大人の意見で。本人たちからしたらいたって普通のことだったんでしょうね。
 

 「本当にそうですね。ありがたいことだとは思っています。でも、20歳になったらなったで、20歳のバンドって言われるんだろうなとは思ってました(笑)」
 

渡辺「気にはしてないですね。やりたいことを早い段階でやれるのは、恵まれてるなと思うんで」
 

「今は10代のバンドって結構いるし、むしろ気になるのは結成何年でデビューしたかですね」
 

渡辺「それ、よく言ってるよね(笑)」
 

 「僕ら元々のバンドからで言ったら、結成10周年なんで」
 

――えっ! 20歳でキャリアが10年あるって、そっちの方がスゴい。
 

岡本  「(笑)。澤と僕は本当に小学校からバンドをやってますから。でも、運がいいなとは思いますよ」
 

「当時から“早くデビューしたい!”って、そればっか言ってましたね。デビューする前に高校時代が終わったらどうしよう…って、そればっか思ってました(笑)」
 

――スゴく高い意識…当時を観てみたかったですよ。
 

岡本 「澤が怒鳴りまくってましたね。若さ溢れるピリピリ感で、遅刻してきたら即“クビ!”って言われるんです(笑)。みんな常にハンコを持ち歩かされていて、何かあれば紙にハンコを押させられてましたよ」
 

――誓約書だ(笑)。スパルタバンドだな~。改めて今作の話に戻したいのですが、土屋さんとの作業以外での流れを教えてもらえますか?
 

 「去年の夏から制作は始まってたんですけど、曲出しをしていて何か違うなと。じゃあ、とりあえずそれぞれ個人的に曲を持ち寄って練ってみようということで、昨秋からプリプロを2ヵ月くらいやってたんです。ただ、色がバラバラな感じにはならないようにしたいなとは思っていました。でも、プリプロの時間が多く貰えたので、最終的にひとつのアルバムとして聴き応えのある、まとまりのあるアルバムになりましたね」
 

渡辺「今までの作品より時間をかけられましたね。(制作期間中だった)夏に“何か違うな…”と思ったのもあって、改めて言葉を意識して。より伝わりやすいというか…短い言葉で伝えたいなと。わかりやすくというよりは、ストレートに想いを出していきたいなと。みんなの意見も聞いたりして、いい方向に持っていけました。今までより聴きやすくなったし、まとまりは良くなりましたね」
 

宮田「ひとつひとつ良いメロディがあって…いいアルバムになったなと思います」
 

岡本 「それぞれが曲を持ち寄ったことで、個性のある曲たちができましたね。ただ、自分にはないアプローチを求められる曲があったり、最初は戸惑って悩みましたけど」
 

――結構、難産でしたか?
 

岡本 「みんなのデモテープは面白かったですけど、最初は本当にどうなるかわからなかったですね(笑)」
 

「最初はスタジオに4人で入ってうんうん唸ってたのでやり方を変えないといけないと思ったし、どうなるかは想像も付かなかったんです。でも、土屋さんにプロデュースで入ってもらって…そこからは何となく見えてきましたね。気持ちの面ではスムーズでした」
 

渡辺「各自で楽曲を持ち寄るというのは、ロマンを感じるというか…ワクワクする感じはありました。でも、不安も同時にあって…。僕が持ち寄る曲に関しては、“バンドでやりたいと思える曲を作れるかどうか”がポイントでしたね。みんなのデモテープを聴いてみたら、ひとりひとりのやりたいことは出ていましたね」
 

宮田「僕はまとまるとかバラバラになるとか、そこまでは考えてなくて。ただ、それぞれが持ってきた曲が活き活きしているなとは思っていましたね」
 

 「みんなで持ち寄った曲の中からリストアップしていって、どれから手を付けようかと話し合って。で、何となく絵が見える曲から手を付けていきましたね」
 

――この曲ができたことで、アルバムの全体像が見えてきたような曲ってありますか?
 

 「『夜更けのトリップ』(M-1)は渡辺に詞を書いてもらおうと思っていて、この曲がとっかかりになったかなと。僕が曲を書いて、渡辺が詞を書いたのは良かったですね。作詞作曲両方を誰かひとりがやるということにみんながこだわっていたら、こういうアルバムにはならなかったですから。分担したのは大きいです」
 

渡辺「この曲が出来たくらいでアルバムの全体像が見えてきて、他に必要な楽曲とかも出来てきたし」
 

宮田「『夜更けのトリップ』はバチッとハマッた感じですね」
 

岡本 「全部の楽曲に思い入れはあるんですけど、『Heyライダー』(M-8)は他の曲と比べて練る時間がなかったんですね。だから、アルバムに入れるかどうかも最後まで悩んでました。レコーディングするまで靄がかかっていたというか…でも、レコーディングをしたら化けていった曲ですね」
 

――そういう楽曲がライブで、また化けていく姿も楽しみです。今回アルバム発売前にプレツアーをしたのも面白いなと思ったんですけど。
 

 「“ライブで聴いた新曲が良かった!”ってまず思ってもらって、アルバムを手に取ってもらうのは嬉しいですし」
 

渡辺「やっぱりアルバムが楽しみになるようなライブをしないといけない。これからもライブではいろいろ変わっていくと思う」
 

――ライブで聴いて音源が楽しみになるのも、音源を聴いてライブを楽しみになるのも素敵ですよね。6月26日(日)の心斎橋クラブクアトロ、7月17日(日)の神戸 太陽と虎といい、とにかくライブで変わっていく姿を楽しみにしています!
 


Text by 鈴木淳史




(2011年5月25日更新)


Check

Release

若き血潮がほとばしるロックンロール
待望の1stフルアルバムが誕生!

Album
『NUDE+』
発売中 3200円
【初回生産限定盤】
※鋤田正義×黒猫チェルシー36Pフォトブック付、3面デジパック仕様
Sony Music Associated Records
AICL-2248

【通常盤】
発売中 2800円
AICL-2249

【アナログ盤(完全生産限定盤)】
6月8日(水)発売
2800円 
AIJL-5316

<収録曲>
01.夜更けのトリップ
02.ダイナマイトを握っているんだ
03.YOUNG BLUE
04.モーター
05.あらくれにっぽん
06.泥カーニバル
07.郷愁
08.Heyライダー
09.ヘビーローション
10.北京ベイベー
11.Pop Life
12.バンドマン

Profile

くろねこチェルシー……’07年3月(高1の春)に渡辺大知(vo)、澤竜次(g)、宮田岳(b)、岡本啓佑(ds)の4人で結成、神戸を中心にライブ活動を行なう。’09年春、高校卒業後拠点を東京に移し、1stミニアルバム『黒猫チェルシー』を全国リリース。夏フェスにも多数出演する中、渡辺が初出演にして初主演を務めた傑作青春映画『色即ぜねれいしょん』が全国公開される12月には2ndミニアルバム『All de Fashion』をリリース、一躍話題の新人バンドとして注目を集める。そして’10年2月には、初の全国ツアーを行い広くその名を轟かす。そして3月、『色即ぜねれいしょん』での演技が高く評価され、渡辺が日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。同時にメジャー移籍を発表し、5月に『猫Pack』でデビュー。2度目の全国ツアーを実施し、恵比寿リキッドルームにてツアーファイナル・ワンマンライブを行なった。’11年3月より初の海外ライブとなるアジア台湾・台北&高雄公演+アルバムプレツアーを敢行。5月25日(水)には待望の1stフルアルバム『NUDE+』をリリース。6月3日(金)より全国ワンマンツアーがスタートする。

黒猫チェルシー オフィシャルサイト
http://www.kuronekochelsea.jp/


Live

大阪でのワンマンライブに加え
神戸公演が追加発表!

 
全国ワンマンツアー『NUDE+ TOUR』
【大阪公演】
チケット発売中 Pコード135-948
▼6月26日(日) 18:00
心斎橋クラブクアトロ
スタンディング2800円
サウンドクリエーター■06(6357)4400
※小学生以上は有料、未就学児童は無料(大人1名につき、子供1名まで同時入場可)。

【神戸公演】
一般発売6月19日(日)
Pコード140-187
▼7月17日(日) 18:00
神戸 太陽と虎
スタンディング2800円
サウンドクリエーター■06(6357)4400
※小学生以上は有料、未就学児童は無料(大人1名につき、子供1名まで同時入場可)。