ホーム > インタビュー&レポート > 結成22年目を迎えたスキップカウズの新作『オープンエンド』は 同期の桜・オセロケッツの森山公一が全面プロデュース! 盟友2組がバンドの過去も内情も過剰にぶっちゃける(笑) 抱腹絶倒のロングインタビュー&動画コメントが到着!
イマヤス「前作を出したときは(スキップカウズと)レーベルもいっしょだったんだよね。そこのスタッフにすごい天然がいてね。あと、本当のことをなかなか言わない(笑)」
森山「Gちゃんっていうね。本当のことの言わなさすごいですよね(笑)」
イマヤス「当時、電話で用事をいろいろと言ってたら、後ろでワンワン犬が吠えてて。だから、“あれ? Gちゃん、犬飼ってんの?”って聞いたら、“飼ってない”って(笑)」
森山「何なんその嘘!」
イマヤス「だって今鳴いてんじゃん!と(笑)。最後まで犬飼ってるって言わなかったね」
森山「俺、家に遊びに行ってそいつに噛まれてるからね(笑)」
――(笑)。その前作『Always』(‘07)から4年ぶりの、1stフルアルバム『The Ma’am』が6月にリリースされて。
森山「今回は岩手県・一関の蔵で録ったんです。一発録り」
――それはすごい。場所はどうやってセレクトしたんですか?
森山「ザ・バンドの『ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク』(‘68)あるやん? あれみたいに“昔の民家の中に機材を持ち込んで録音してみたいから、そういう音楽性のバンドはいないか?”って探してはった蔵があって」
――そんな蔵があるんですね。実際やってみてどうだったんですか?
森山「1回目は地元のエンジニアかなんかで、段取りが悪くて1日中待ち時間みたいな感じで全然録れずで。で、もう1回行かなあかんくなって、今度はエンジニアをこっちから連れて行かせてもらってね。でも、結果オーディオ誌に載りましたよ。まぁとにかくカントリーロックを、なんとか日本で、もうちょっと広めていかないといけないし」
――森山さんがThe Ma’amをやり始めたときにも思いましたけど、まぁこの世代では他にいないですよね。音楽を深く幅広く聴いててめっちゃ好きな人やとは思ってましたけど、カントリーを自分の音楽をアウトプットするメインのバンドにまで選ぶとは思ってなかった。冒頭に話したオセロケッツの話にもつながるところもあると思いますけど。
森山「いろんな理由があってね。オセロケッツのときは、“お前ら何(のジャンル)がやりたいねん”みたいに言われたことがよくあって。そら、全部やりたいでしょと。ビートルズにお前それ言えるんか?って(笑)。なんかそういう想いで悶々としてた時期があって、いずれ絶対ジャム仕事やったんねんってずっと思ってた。そんなときにオルタナ・カントリーとかを聴いてたんやけど、ロックのルーツになってるジャンルの1つなのに、ブルースとかソウルミュージックとかはちゃんとやってる人おるけど、カントリーは見事にないなと」
――アメリカではちゃんとしたシーンとして地位を確立してるのに、日本はホンマにないですもんね。
森山「だからちょっとやるべきかなと思ってね。まぁブルースとかだと曲の構成が決まってるから自由度が低いんだけど、カントリーってカントリー系の楽器が入ってたら実は何でもありなんで。曲作りのスタイルはそんなに変えんでいけるなと。で、これからはもうハットかぶりますって各方面に電話して(笑)」
――自分の今まで持っていた色というか、歌詞もメロディも歌も含めてカントリーと共生させるわけじゃないですか。それは2枚目にして自分の中で見えたものとかはありました?
森山「1枚目の『Always』のときは、オリジナルのカントリーロックをやるぞっていうだけやった。で、ここまでの4年間で、本当にカントリー小屋にちゃんと出だして。まぁオリジナルもちょっと織り交ぜるけど、クラシックカントリーを1日3ステージ、昔のカントリーから最近のアメリカーナって呼ばれる音楽までをカバーして、1回体に入れようと。まぁそれが嫌でギタリストが辞めたりしたけどね。1枚目を作ってたときはレコードでしか知識がなくて、なんとなく型に入って型に入れよう作戦やったから。そこからカントリーの素養が出来てきて、カントリーの素晴らしいプレイヤーたちといっしょに演奏が出来たりして、今回の『The Ma’am』は、それこそ曲作りにしても、演奏にしても、ロックとどこがどう違うのかをわかりながら作ったから。そこの差はあるかも」
――ミュージシャンとしてカントリーの素養が出来ていきながらも、それが自分のものになっているからなのか、音としてはむしろ聴きやすくなっているというか。The Ma’amを最初に聴くんやったら、こっちの方が入りやすいかもっていう感じもしましたね。
森山「今回はテーマ的にも、ドラムの松崎くんから“せっかくやしちょっとカントリーっぽく、濃いやつにしよう”っていう提案があって。もうちょっとアバンギャルドな曲とかもあるねんけど、聴きやすいカントリーを、いろんなスタイルで選ぼうっていう」
――森山さんはこのThe Ma’amがあって、今年はオセロケッツも動いて、今回のスキップカウズのようにプロデューサーもやってと、音楽に対する向き合い方がその都度違うわけじゃないですか。それは自分の中で何か住み分けがあるんですか?
森山「1本軸に絶対あるのは、“グッとくるかどうか”っていうジャッジだけやね。それは自分でやっててもそうやし、人のやつでもそう。そのテイクを選ぶっていうことだけはすごく考えてるな」
――でも、もうそれに尽きますよね。まぁ歳をとればとるほど思考はシンプルになってきますし、いろいろ思うけど結局はそこがあるかないかやろみたいな。
イマヤス「結局肝っていうのはね、単純なことなんだよね」
森山「もう根っこにそれがないのに、ラップをかぶせていってもね」
イマヤス「わかるわかる。それだと何も起こんないもんね」
――元はバンドマンでも続々と裏方に回っていったり、裏方も裏方でもうホンマにレコード会社の人になってたりという人が多かったりする中で、こうやってちゃんと音楽を発信する側の立場で続けてくれている先輩がいるっていうのは、すごく貴重な感じがしますね。ちゃんと現役感があるというか。もしくは逆にもうドカーンと売れちゃってる人になっちゃいますから。今でもホールツアーとかをやれる人は当然音楽を続けていけますけど、そうじゃなくてやっぱり、ライブハウス規模でも音楽にちゃんと携わって、発信していく。こういう層がもっといて欲しいなと思うんですよね。
森山「嬉しいなぁ」
イマヤス「いやホントそうだよね。続けてやんなきゃ出ない音っていうのがある。それを追求する奴らも、もっといていいと思うし。5年経って、10年経って、15年経って、20年経ったときにやっぱりまた音が変わるんだよね。だからスキップカウズが今度25周年を迎えたらどうなるんだろうって。そのときもう1回森山たちとやろうとか、ソロも出来るし。そういう考え方があってもいいと思うんだけどね」
――そうですよね。そしたらね、音楽を諦めたりしなくてもよくなると思うんですよね。
イマヤス「そうそうそうそう。そうなんだよね」
――別にね、会社みたいに“あんたクビ”って言われてるわけじゃないのに、自分から辞めちゃいますからね。
森山「そんなに音楽好きちゃうかったっけ? みたいなね」
――やっぱりやり続けないとわからないことがあるというか。そう考えたら、この時代にまた、いいアルバムが出来ましたよね。
森山「そう言って頂けて」
イマヤス「ありがたい話ですよ。今後の大阪のプロモーションは期待していいのかな?(笑)」
森山「そうそう。西にはエラいのがおるぞ~って(笑)」
――まぁでも僕もイマヤスさんにお会いするのは、某バンドのマネージャーをしてた頃以来ですからね。音楽業界で仕事を続けていたからこそ、こうやってまた会って取材する機会があったっていうね。
イマヤス「嬉しいよね、そういうの」
森山「次は居酒屋やね(笑)」
――レコーダーなしでね。
森山「持って来てもいいよ(笑)」
イマヤス「うちらとしてはね、持ってきてもらっても(笑)」
――またアルバムを作ったら、でお願いします(笑)。
イマヤス「アルバム作る作らないっていうか、プロモーション期間どうこうっていうよりも…気持ち? やっぱりなんかその…こちらとしては持ってきてもらっても構わない(笑)」
森山「文字起こしくらいは俺らがやるか(笑)」
――それしてくれたら楽ですけどね~。でも、絶対しないですよね?(笑) めっちゃ大変ですもん、今回の文字起こし(笑)。
イマヤス「それはそれでね(笑)」
森山「ごめん! ちょっともう1回だけトイレ行ってくる(笑)」
――じゃここで終了しましょう(笑)。もう十分いい話が聞けました。またの来阪をお待ちしています!
イマヤス&森山「ありがとうございました~!」
Text by 奥“ボウイ”昌史
(2011年8月 6日更新)
スキップカウズ…写真左より直井茂雄(ds)、今泉泰幸(vo)、遠藤肇(g)、小川雄二(b)。'89年、前身バンド・少年倶楽部に今泉泰幸=イマヤスが加入。'94年に現編成となり、'97年にはシングル『赤い手』でメジャーデビュー。シンプルで骨太なロックサウンドと、イマヤスの気さくなキャラクターで人気を博す。以降もライブを軸に着実に活動、'09年には結成20周年を迎え、漫画『クローズ WORST ( 高橋ヒロシ・作) 』の 公式ソングとして『俺』『キリトリセン』を配信リリース。'10年にはバンド結成20周年記念ベストアルバム『財宝 ~スキップカウズ結成20周年特別盤 非常に分かりやすい入門編~』をオーダーメイド方式で発表。現在は、同期のバンド同士で主催イベント『同期の桜』をコンスタントに開催。またバンド活動と並行して、イマヤスはラジオDJとしても活躍中。
Album
『オープンエンド』
発売中 3200円
Starman Records
DDCS-4035
<収録曲>
01. 冬の時代
02. 無理矢理君のモノ
03. 特別な人
04. けどでも
05. 号泣
06. イエス
07. 発展途上
08. キリトリセン
09. 俺
<DVD収録曲>
01. あすなろ
02. 犬の目
03. 裏切りの歌
04. 赤い手
05. 荒野の四人
06. 幸せな瞬間
07. 予定
08. スルメ男
09. チャック全開
10. タバコ
スキップカウズ presents
『イマフェス2011』
▼8月7日(日) 16:00
LIVE SQUARE 2nd LINE
オールスタンディング2500円
[出]スキップカウズ / Empty Black Box /
中尾諭介&ニックバッカーズ /
ワタナベフラワー / ザ・ビートシャワー /
ナショヲナル / ALOHA BANANA
※当日券その他問い合わせは…
LIVE SQUARE 2nd LINE■06(6453)1985
ザ・マーム…'06年にオセロケッツの森山公一の呼びかけにより結成された、真っ向勝負のカントリーロックバンド。メンバーは写真左より、稲葉健二(pedal steel)、国分広年(b)、松崎智浩(ds)、森山公一(vo&g)。'07年には田中和将(GRAPEVINE)、坂本サトル、浅田信一らも参加した1stミニアルバム『Always』を発表。都内のホンキートンク(ライブバー)を中心に精力的にライブ活動を続け、国内カントリー系フェスにも多数出演。海外アーティストとの共演も果たす。兎角誤解されがちなカントリー/アメリカーナ音楽を、いかしたオリジナル曲とテンガロンハットでこっそり伝道中の4人組。
Album
『The Ma'am』
発売中 2000円
gee up! / K&A CO.,LTD
GU-001
<収録曲>
01.Mrs.Country
02.代書屋2010(PC頼み)
03.サマックスバイオレット303
04.騎士と街の悪夢
05.派遣~覇権
06.biwako
07.あるご破算
08.せいだ
09.Get a bun on(Theme #1)
『ネバーエンディング冒険2011☆
~故郷に錦を~』
▼9月10日(土) 19:00
心斎橋・LIVE Bar 酔夏男
前売2000円(2D代別途要)
[出]Midnight Specials(森山公一&M.M.KING)
LIVE Bar酔夏男■06(6245)1198
『円山コンサート2011 カントリードリーム
All Japan Country Music Festival』
チケット発売中 Pコード140-305
▼10月9日(日)12:00
京都市円山公園音楽堂
一般-3000円
[出]永冨研二とテネシーファイブ/
ロビー・ファルクス/宮前ユキ/永井崇/
福原照晃とカウボーイ・ドリーマーズ/
The Ma'am/シン上田とトラッカーズ/
津田実とザ・カントリークラブ/
片山誠史/采野弘和/他
京都いつでもコール■075(661)3755
※雨天決行。中学生以下は無料。
スキップカウズ オフィシャルサイト
http://ccr.ne.jp/skipcows/
The Ma'am オフィシャルサイト
http://themaam.com/
オセロケッツ オフィシャルサイト
http://www.oserockets.com/