ホーム > LOSTAGE 五味岳久の奈良からの手紙~LOVE LETTER form NARA~ > 第9回 OKAMOTO’S ハマ・オカモトさん



 

Profile

OKAMOTO'S ハマ・オカモト(写真右)
1991年、東京生まれ。ロックバンドOKAMOTO'Sのベーシスト。2010年にデビュー、国内は元よりアメリカ、オーストラリア、香港、台湾、ベトナムなど海外でのライヴも行いながら、現在までに5枚のアルバム、1枚のコラボミニアルバム、7枚のシングル、1枚のライヴDVDをリリース。2015年9月30日には待望の6thアルバム『OPERA』を発売予定。また、同年11月からは年をまたいで全国22箇所を回るツアー『OKAMOTO’S TOUR 2015-2016 “LIVE WITH YOU”』を敢行予定。他にも音楽誌のコラム連載やラジオパーソナリティとしても活躍中。

OKAMOTO'S HP
http://www.okamotos.net/


五味岳久(写真左)
ロックバンドLOSTAGEのボーカル&ベース。地方発信/地域密着をモットーに、地元奈良を拠点に独自の活動を展開中。メジャー/インディーを問わず、様々なジャンルのアーティストとの親交も深い。2011年、結成10年目の節目に自主レーベルTHROAT RECORDSを設立、ミニアルバム『CONTEXT』をリリース。2012年7月にはフルアルバム『ECHOES』を発表し、『FUJI ROCK FESTIVAL'12』に初出演も果たした。2014年、ニューアルバム『GUITAR』をリリース。4月18日のRECORD STORE DAYに合わせ、シンガーソングライター長谷川健一とのスプリット7inchをリリース。10月17日(土)・18日(日)には、茨城・スペースU 古河にて主宰イベント『LOSTAGE presents [生活 2015]』を開催する。

LOSTAGE HP
http://www.lostage.co/

五味岳久オフィシャルサイト
http://takahisagomi.com/

THROAT RECORDS
http://throatrecords.tumblr.com/

Release

【OKAMOTO'S】

『Dance With Me』
発売中

Dance With Me

初回生産限定盤
【CD+DVD/7inchジャケット仕様】
発売中
\1,389(税別)/BVCL656~7

Dance With Me

通常盤 【CD】
発売中
通常版\1,111(税別)/BVCL658

<収録曲>
01.Dance With Me
02.Dance With You
03.ZEROMAN(Single ver.)

DVD内容:「Dance With Me」レコーディング・ドキュメンタリー映像
01…岸田繁(くるり)プロデュース作品
02…「カップヌードル TVCM ソング」
03…映画「ジヌよさらば~かむろば村へ~」主題歌

 

【LOSTAGE】

長谷川健一×LOSTAGE
スプリット7インチ
発売中

\1,512(税込)/THR-009
長谷川健一「僕は今ここにいる」

 

LOSTAGE
『GUITAR』
発売中

GUITAR

\2,300(税込)/DDCZ-1968

<収録曲>
01. コンクリート / 記憶
02. Nowhere / どこでもない
03. いいこと / 離別
04. Guitar / アンテナ
05. 深夜放送 / Unknown
06. Flowers / 路傍の花
07. Boy / 交差点
08. Good Luck / 美しき敗北者達

Live

【OKAMOTO'S】

『OKAMOTO'S TOUR 2015-2016 “LIVE WITH YOU”』
全公演、9月5日(土)10:00~チケット一般発売
Pコード:272-124
▼11月1日(日)18:30
新宿LOFT(東京)
オールスタンディング-3800円
▼2016年1月30日(土)18:00
Zepp DiverCity(東京)
1F立見-3800円 2F指定-3800円
[問]ホットスタッフ・プロモーション
[TEL]03-5720-9999
チケット情報はこちら

Pコード:271-339
▼11月3日(火・祝)18:30
Live House 浜松 窓枠(静岡)
▼11月7日(土)18:30
yanagase ants(岐阜)
▼2016年1月24日(日)18:00
ボトムライン(愛知)
前売-3800円(別途ドリンク代必要)
[問]ジェイルハウス
[TEL]052-936-6041
チケット情報はこちら

Pコード:271-957
▼11月5日(木) 19:00
磔磔(京都)
オールスタンディング-3800円(整理番号付)
[オープニングアクト]ジェイクシマコウキ
▼12月3日(木)19:00
神戸VARIT. (兵庫)
オールスタンディング-3800円(整理番号付)
▼2016年1月23日(土)18:00
Zepp Namba(大阪)
1Fスタンディング-3800円(整理番号付)
2F指定席-3800円
※小学生以上は有料、未就学児童は入場不可。
※1/23(土)公演は、1Fスタンディングは小学生以上は有料、未就学児童は入場不可。2F指定席は小学生以上は有料、未就学児童は保護者1名につき2名まで無料。但し、お席が必要な場合は有料。
[問]清水音泉
[TEL]06-6357-3666
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Pコード:271-745
▼11月14日(土) 18:00
長野ライブハウスJ(長野)
▼11月15日(日) 18:00
GOLDEN PIGS RED STAGE(新潟)
▼11月8日(日) 18:30
金沢AZ
スタンディング-3800円(整理番号付)
※未就学児童は入場不可。
[問]キョードー北陸チケットセンター
[TEL]025-245-5100
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Pコード:271-248
▼11月21日(土)18:00
ペニーレーン24(北海道)
▼11月22日(日)18:00
CASINO DRIVE(北海道)
▼11月25日(水)19:00
club COCOA(北海道)
オールスタンディング-3800円(ドリンク代別途必要)
[問]マウントアライブ
[TEL]011-623-5555
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Pコード:271-670
※チケットは、店頭、電話にて受付。インターネットでの販売はなし。
▼11月28日(土)18:00
club change WAVE(岩手)
▼11月29日(日)18:00
仙台 darwin(宮城)
スタンディング-3800円
※6歳未満は入場不可。
[問]キョードー東北
[TEL]022-217-7788
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Pコード:271-516
▼12月5日(土)18:00
広島クラブクアトロ(広島)
オールスタンディング-3800円(整理番号付)
[問]夢番地広島
[TEL]082-249-3571
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Pコード:271-517
▼12月6日(日)18:00
CRAZYMAMA KINGDOM(岡山)
オールスタンディング-3800円(整理番号付)
[問]夢番地岡山
[TEL]086-231-3531
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Pコード:271-434
▼12月12日(土)18:00
高知X-pt.(高知)
オールスタンディング-3800円(整理番号付)
[問]デューク高知
[TEL]088-822-4488
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Pコード:271-435
▼12月13日(日)17:00
DIME(香川)
オールスタンディング-3800円(整理番号付)
[問]デューク高松
[TEL]087-822-2520
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Pコード:271-541
▼2016年1月10日(日)18:00
熊本B.9 V2(熊本)
スタンディング-3800円(整理番号付)
※6歳未満は入場不可。
[問]キョードー西日本
[TEL]092-714-0159
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※各公演、ドリンク代別途要。

Pコード:264-155
『OTODAMA'15~音泉魂~』
▼9月6日(日)11:00

泉大津フェニックス
1日券(6日)-6000円(整理番号付)
[出演]a flood of circle/夜の本気ダンス/
OKAMOTO’S/KEYTALK/キュウソネコカミ/
グッドモーニングアメリカ/クリープハイプ/
サンボマスター/四星球/ドレスコーズ/
ヒトリエ/フレデリック/モーモールルギャバン
/セックスマシーン(湯わかしアクト/SET YOU FREE テント)/水曜日のカンパネラ(湯の花アクト)/ピエール中野(湯あがりアクト)/
イヌガヨ(SET YOU FREE テント)/
ギャーギャーズ(SET YOU FREE テント)/
最終少女ひかさ(SET YOU FREE テント)/
THE BOYS&GIRLS(SET YOU FREE テント)
/Droog(SET YOU FREE テント)/
NOT WONK(SET YOU FREE テント)/
BAZRA(SET YOU FREE テント)/
ビレッジマンズストア(SET YOU FREE テント)/ベランパレード(SET YOU FREE テント)
/ガリガリガリクソン(入浴宣言)
※雨天決行・荒天中止。
※小学生以下は無料(入場券をお持ちの保護者の同伴が必要)。
※出演者変更に伴う払戻しは行いませんので、予めご了承下さい。
[問]清水音泉
[TEL]06-6357-3666
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Pコード:272-488
『さいたまスーパーアリーナ15周年 presents 肉ロックフェス』
▼9月12日(土) 12:30

さいたまスーパーアリーナ
1日券-7452円(1meat or 1ドリンク付(オフィシャルブースにて引換))
肉ロックフェススペシャルチケット-10584円(1日券+特典付)
[出演]ACIDMAN/電気グルーヴ/SPYAIR/
JUN SKY WALKER(S)/OKAMOTO'S/
PERSONZ/Silent Siren/他
※6歳以上チケット必要。未就学児童は保護者1名につき1名まで無料。
※「けやきひろば」にて行われる「肉フェス」9/10(木)~9/13(日)10:00~22:00(9/13(日)21:00まで)に入場可。詳細は公式HPまで。
※出演者変更に伴う払戻し不可。
[問]肉ロックフェス実行委員会
[TEL]03-6418-5786
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Pコード:267-846
『uP!!! presents MBS音祭2015
~MBS ANIME FES~』
▼10月10日(土) 16:00

大阪城ホール
指定席-9504円
注釈付指定-7020円
立見-7776円(整理番号付)
[出演]福山潤/櫻井孝宏/宮野真守/小野大輔/
豊永利行/村瀬歩/FLOW/OKAMOTO’S/他
※3歳以上は有料。注釈付指定は、映像及びメインステージでのパフォーマンスが見えない席です。
※出演者は変更になる可能性がございます。出演者変更によるチケット代・交通費等の払戻しは致しません。
※開場・開演・終演予定時間は変更になる可能性がございます。
※営利目的の転売禁止、転売チケット入場不可、オークションへの出品禁止。
[問]キョードーインフォメーション
[TEL]0570-200-888
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【LOSTAGE】

『F.A.D YOKOHAMA presents THE SUN ALSO RISES vol.14』
▼9月6日(日)18:30

F.A.D(神奈川)
前売-3000円
当日-3500円
[出演]LINK/LOSTAGE
[問]F.A.D

Pコード:270-954
『CLUB UPSET 10th ANNIVERSARY
[MONKEY BUSINESS]』
▼9月11日(金)18:30

池下CLUB UPSET(愛知)
スタンディング-2800円(整理番号付・別途ドリンク代必要)
[出演]LOSTAGE/tricot/bacho
[問]池下CLUB UPSET
[TEL]052-763-5439
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『[5b records presents
「Dream Violence vol.29」
Discharming man 10th anniversary]』
▼9月12日(土)19:00

LIVE HOUSE FEVER(東京)
前売-2800円
当日-3300円(いずれも要1drオーダー)
[出演]LOSTAGE/Discharming man/zarame
[問]FEVER

『TADZIO presents
「スーパー☆センキュー」』
▼9月20日(日)

下北沢 Three-Basement Bar(東京)
前売-3000円
当日-3500円(いずれも要1drオーダー)
[出演]LOSTAGE/TADZIO/黄倉未来/
クリトリック・リス/手ノ内嫁蔵/2much crew
/PIKA☆/久土'N‘茶谷
※シークレットゲスト1組追加あり
[LIVEコラージュ]河村康輔
[VJ]玉田伸太郎
[FOOD]吉祥寺PIWANG
[問]THREE

『MAGIC FEELING×GANGLION 共催
[異種格闘わがままツアー]』
▼9月23日(水)18:00

心斎橋DROP(大阪)
前売-2500円
当日-3000円
[出演]LOSTAGE/MAGIC FEELING/
GANGLION
[問]DROP

Pコード:270-684
『Live Bar FANDANGO presents
[解放宣言vol.25 ~FANDANGO 28th ANNIVERSARY EDITION~]』
▼10月4日(日)19:00

Fandango(大阪)
前売-2500円(整理番号付、ドリンク代別途要)
[出演]G-FREAK FACTORY/LOSTAGE/
MEANING
[問]Fandango
[TEL]06-6308-1621
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Pコード:271-499
『【DUMB RECORDS × STEREO RECORDS】10TH ANNIVERSARY』
▼10月10日(土)19:00

4.14(広島)
前売-2500円(整理番号付、ドリンク代別途要)
[出演]早朝ピストンズ/LOSTAGE
[DJ]STEREO RECORDS ALL STARS/
しくじるなよ、ルーディ/tHE CLUB ROCKS/
SPAROCKS/Atlas/POPLIFE
[問]4.14
[TEL]082-249-3024
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「Rock Country 10th anniversary Special Edition『盲目の秋』」
▼10月11日(日)18:00

岩国ロックカントリー(山口)
前売り-2500円
当日-3000円(いずれも要1drオーダー)
[出演]RADICAL FACE/e.t.c/ヌ・シャボンヌ
/めがほんず
[問]岩国ロックカントリー

9月5日(土)10:00~チケット一般発売
LOSTAGE presents [生活 2015]
▼10月17日(土)・18日(日) 13:00

スペースU 古河
1日券(スタンディング)-4700円
2日通し券(スタンディング)-8600円
[出演]LOSTAGE/GEZAN/HUSKING BEE/
KING BROTHERS/OGRE YOU ASSHOLE/
Ropes/Shortstraw/TADZIO/オオルタイチ/
快速東京/他
※6歳以上はチケット必要。出演者は都合により変更の可能性あり。出演者変更に伴う払戻し不可。
[問]エイティーフィールド
[TEL]03-5712-5227

LOSTAGE 五味岳久さんがインタビュアーとなり、“今、気になる人”と会い、それぞれの生活圏から見えている景色や、これから見たい光景を語り、考える、連載企画『奈良からの手紙』。第9回はOKAMOTO’Sのベーシスト、ハマ・オカモトさんがご登場。先日発売となったシングル『Dance With Me』のプロモーションでご来阪のハマさん、この日はお互いの作品交換から対談は始まりました。

 

「僕らの考え方というか、“バンドはカッコイイ衣裳を来て
ステージに出るんだ”っていう概念があって」(ハマ)

 

ハマ・オカモト
(以下、ハマ)

お店って、位置でいうとどこにあるんですか?

五味岳久
(以下、五味)

店はね、大仏とか奈良公園とかに歩いていけるところ。

ハマ

そうなんですか! なかなか行く機会がなくて、行けたら行きたいなと思ってたので、このタイミングでまさかお会いできるとは…。

五味

奈良でライブやったことあります?

ハマ

1回。ライブハウスではなくて、平城京にステージを立てて。

五味

じゃあ、あんまり街中の方には。

ハマ

そうなんですよ。そっちの方には行ったことなくて…。

五味

座りましょうか?(笑)

ハマ

よろしくお願いします!

(五味さんの取材ノートを見て)

ハマ

本当、インタビューって感じなんですね。

五味

そんな対談慣れしてないんで…、準備させてもらいました…(笑)。プロモーションで来てるんですか。

ハマ

今はそうです。

五味

広報担当になったとか。

ハマ

そうなんですよ。

五味

何でなんですか?

ハマ

基本的にはボーカルとギターが曲作りをしていて、プロモーションをするときは4人で稼動するので、その間に物理的に曲作りの時間が減るじゃないですか。そこで楽曲制作が止まってしまうので…。

五味

仕事している間は。

ハマ

そうです。今作のシングルがこれまでで一番の自信作になったので、次のアルバムに割く時間を多く作りたくて僕が担ったという感じです。僕がこれをやっている間に…。

五味

みんなはスタジオとかに。

ハマ

はい。

五味

ベースはいてなくても…?

ハマ

そうです、後から合流してからバンドで録るみたいな感じです。

五味

プロモーションのとき、曲のこととか聞かれたりするんじゃないですか?

ハマ

代行みたいな感じで、分からないことは分からないって言ってます(笑)。

五味

メンバーにも任されて、やっといてくださいと。

ハマ

そうですね。

五味

なんか…すみません。忙しい中…。

ハマ

いやいやいや(笑)、嬉しいです。こういうことあんまりないので。プロモーションの中での対談はこれまで経験ないですね。

五味

この対談のテーマみたいなのがあって、僕、地元が奈良なんですけど、メンバーも奈良にいて、地元を拠点にやってきたんですけど、途中、メジャーのレーベルからアルバムを出して、発信拠点がちょっと東京に寄ってた時期があったんです。そういうのを経て、今、また奈良に戻って。4年前ぐらい前にレーベルとかやり始めて、自分の拠点を完全に奈良に戻したというか。で、地元発信でやれることとか、自分のやっていることにフィードバックさせたいっていうのがあって。で、自分のホームというか、活動の軸になるもの、それは一体何なのかっていうことをテーマに対談をしようというのが、この企画の意図で。

ハマ

それは現在とか関係ないですか?

五味

今どうっていうのも大事ですけど、そこに至るまでの経緯とか、これからどういう感じにしていきたいとかも。僕はほんまに小規模なインディレーベルで、そう区切ってしまうと面白くないのでアレですけど、メジャーでやっている人の考え方ってあまり聞けなくて。だから、どういうふうに思いながらやってるのかなって思うんですけど、そもそもバンドを始めたのって何歳で、何でベースだったんですか?

ハマ

バンドメンバーとは中学、高校の同級生で。軽音楽部が中学にあって。

五味

中学にあったんですか。

ハマ

あったんですよ。しかも名前が「ジャムセッション研究部」。ジャムセッションひとつもないですけど、割とイケてる系の先輩がつけた名前で。その響きに惹かれてうちのギターとボーカルが先に入って。音楽を始める前から友達だったんですけど、部活始めた途端に二人がエリック・クラプトンの話しかしなくなって。

五味

ああ、音楽に目覚めた。

ハマ

音楽の話ばかりになって、ついていけないし、友達なくすなと思って。だから僕も入ろうと思って。

五味

あ、友達でい続けるために…。

ハマ

そうです、友達でいるために。僕も楽器を始めればそれなりに会話についていけるだろうなと思って。ギターは当時からギターで、ボーカルは元々ドラムを叩いてたんですよ。

五味

今のボーカルの。

ハマ

そうです。彼はドラムやっていて、冗談半分で“もし俺が入るんだったら、何が空いてる?”って話したら、“ベースがつまんないし、誰もやってない”って。僕、楽器に先入観がなかったので、いいなと思って。逆に人とかぶるのが嫌だったんですよ。競争しないといけなさそうで嫌だったので、“ああ、誰もやっていないんだったらよりいいな”と。それで始めた感じですね。中学に入ってすぐだったので、それを両親と祖父母に言って、中学祝いが最後かなあ、という感じでお祝いとして買ってもらえて。

五味

結構ピュアな理由から始めたんですね。

ハマ

そうです。バンドを見てカッコイイと思ったからじゃないんですよ。

五味

じゃあその時点では、そんなに音楽を…。

ハマ

何にも。スピッツをMDで聴いてましたね。

五味

今、レコードめっちゃ買ってますよね。

ハマ

そうですね、うちはみんなそうです。

五味

昔のソウルの7インチとか。僕も全然詳しくないんですけど…。

ハマ

そうです。僕はブラック寄りなんですけど…。

五味

めちゃくちゃ買ってるじゃないですか。そういうのは、どれくらいからそういう気配が…?

ハマ

ジャムセッション研究部が、部のルールとして明確にあったわけではないんですけど、一目瞭然で“邦楽をコピーしちゃいけない”と。

五味

ああ、洋楽志向。

ハマ

完全に洋楽志向だったんです。部長がもう、ロバート・プラントみたいな感じで。普通に股の線が見えてるローライズのGパンをはいて、すごく背が高い。

五味

中学生なんですよね?

ハマ

中学生なんですよ、ほんとに。しかもグルーピーみたいな女の子を左右に連れてるっていう最高の先輩だったんですけど(笑)。すごくカッコよくブラックロックなどをやっているんですよ、中学生で。そういう部活にいたおかげで、僕らは60年代のロックバンドを必然的に聴かされたし、やらされました。これしかやっちゃダメぐらいな感じで。そこがスタートだったので感覚が…。よく言われるんですよ、“90年代生まれなのに、なんで60年代に始まり、そういう古い音楽に詳しいのですか?”って。要は、漫画って最新刊から読まないじゃないですか。気になったら1巻から読みたいじゃないですか。そういう感覚で音楽を聴いていたんです。

五味

始まりから聞いていった。

ハマ

そうです。先輩にも何となく音楽の流れを聞いて、それこそ『ロック名盤100選』みたいなCDがあるじゃないですか。そういうものをみんな小遣いで買って回し聴きしたり。いっぱいは買えないので。そういうことをやっていくうちに自然にというか…。プリンスがどうとか言われているのも何か分かるし、“ああ、ジェームス・ブラウンがいたからこうなんだな”という感覚で分かっていくのが楽しかったのもあって。

五味

中学生で。

ハマ

はい。勉学に力を入れていない友達ばっかりだったので(笑)。

五味

周りの友達も、そういう聴き方というか。

ハマ

そうですね。でも、時代的にはエミネムなどもすごく流行ってましたし、バンドで言うとグッド・シャーロットや、オフスプリングだったりがMTVでたくさん露出していたので、僕らがやってることは本当にオタクがやっていることっていう解釈で。 “昔からそんな感じだったら、モテてたんじゃないですか”ってたまに言われるんですよ。それは真逆で。周りからは気持ち悪がられてました(笑)。ラッパーがイケてる対象だったんですよ、年代的に。

五味

ヒップホップ世代。

ハマ

そうです。ヒップホップが本当に最先端だし、みんなB-BOYだった中で、“『black dog』(レッド・ツェッペリン)全然入れないよね~、変拍子で”みたいなことを言ってたんで…。

五味

1991年生まれですよね?

ハマ

そうです。僕がメンバーの中では一番早生まれで24歳になりました。

五味

“ロックが!”という世代じゃない。

ハマ

ないですね。でも、そういう部活にいたおかげっていうのは大きくて。最初はみんなで同じ音楽を共有してたんですけど、自我が目覚めて好き嫌いが出てきて。うちのバンドは、ボーカルはブルースとジャズで、ギターはもうグラムロックと、最近ブラジル音楽。ドラムは完全にヒップホップ志向で。僕はブラックミュージックなので、趣味がバラバラですよね。

五味

あ~……おっさん…っぽいですよね? なんか、趣味が。

ハマ

買い物に行くとおっさんしかいないのは確かです、周りに(笑)。若い人はいないですね。

五味

確かにね。レコード屋のそのコーナーには。

ハマ

そのコーナーにはおっさんしかいないです。それは確かですね~。

五味

24でそっか…。学校のその部は今もあるんですか?

ハマ

今もあるんです。実は僕らが1年生のときに2年生がいなくて、3年生しかいなかったんですよ。

五味

部員が?

ハマ

はい。3年生がめっちゃイケていて。2年生がいないんで、3年生が卒業した途端に完全に僕らの縄張りみたいになって。結構やりたい放題やっていたのを下の学年が見て継承してくれて。今でも2、30人(新入部員が)来るらしいです。

五味

それこそOBがハマくんだから(部活に)入る人がいるんですよね。

ハマ

学校はTHE BAWDIESが7個上の先輩で。

五味

あ、THE BAWDIESも同じ学校なんや。

ハマ

はい。フリッパーズ・ギターも先輩なんですよ。一番上だとミッキー・カーチスさんが先輩です(笑)。

五味

そこまで行く (笑)。

ハマ

一応、代々に音楽をやってた勢がいて。あの部活自体は僕らが入るちょっと前ぐらいから創設されたんですけど。

五味

すごいですね。歴史のあるというか。で、学校を卒業して。

ハマ

高校はしました。

五味

高校を卒業してそのままデビューして。

ハマ

僕とボーカルとギターが大学に進学して。ボーカルはすぐ休学をして。ドラムははなから(大学には)行かなくて。僕は在学したはいいものの…。ちょっと僕の話になって申し訳ないですけど、僕、高校卒業したときはバンドで食べていこうとは全然思ってなくてですね、教員免許を取ろうと思って進学したんです。ただ、大学生生活開始一週間後にOKAOMTO'Sの前のベーシストがバンドを脱退しまして。“代わりに入ってくれない?”と誘われまして。でも(OKAMOTO'Sは)全然好きなバンドではなかったんですよ、正直。曲も全然知らないけどって言ったら、それでもいいからって言われて。そしたら次のライヴが名古屋だと告げられまして。おかしいなと思ったら、いわゆるマネジメント事務所との契約の話が進んでいたんです。

五味

知らずに。

ハマ

まず自分ではないメンバーでそういう話になっているのに、大丈夫なのかっていう話と、(僕がバンド加入すると)めんどくせえよって話して。僕は正直もういいけど、あなたたちがゴシップ的なことに巻き込まれていいの?って話になって。

五味

周りがごちゃごちゃ言うから。

ハマ

そうなんです、(周りから)いろいろと言われるからみたいな話をして。気づいたらバンド活動が本格的にスタートするタイミングでのまさかの加入だったので、僕も大学生やるつもりが授業にほとんど出られなくて、必然的に単位が取れなくて落ちてしまいました。

五味

ああ、それでやめざるを得なくなって。

ハマ

そうなんです。ただ、そんな中ギターはきちんと卒業したので…(笑)。なんの言い訳にもならないですけど。

五味

いや、まあ、やろうと思えば…。

ハマ

僕が二足のわらじをはけなかっただけでした。

五味

じゃあ結構、バンドにのめり込んで。

ハマ

大学生でいることにつまらなくなってしまいまして…。バンド活動を始めて、とにかく面白かったですね。

五味

その、ややこしくなるかもっていう話しですけど、その後、やってくうちに面倒くさくはならなかったんですか?

ハマ

いろんな節で面倒くさいことはありましたけど、中学校からの同級生で、たまたま同学年にそういう境遇の子が結構多かったんですよね。そのおかげもあってみんな何とも思っていないというか、麻痺しているところがあって。

五味

フラットに受け入れて。

ハマ

“知ってるけど、だから何?”ぐらいの感じでしたね。これでなんか、面白がってそういうところに触れてテレビ出演したり、なんだかんだってやり始めたら違いますけど、そうはならないっていうことをみんなで共有できていたので、バンドとしてはそういうふうに見られないようになって。あと、家族がどうだからと言って売れるわけではないですし、仕事が取れるわけではないじゃないですか。いい事務所だし、いいチームだったので、あんまり(面倒くさいことは)なかったです。

五味

居心地よくやれて?

ハマ

はい、きちんと僕が嫌だと思うことを尊重してくれたので。

五味

ああ、いいですね。

ハマ

それは本当に幸運だと思っています、今でも。

五味

僕の場合は、メジャーとかもちょっと経験をしたけど、自分でレーベルを立ち上げて、店とかやりながら自分のペースで自分の町から発信するっていうのが僕のやり方で。人によって違うと思うんですけど、その人の音楽がどういうところから来たかっていうのは、こういう親やからこういう音楽になるっていうのはもちろんないと思うんですけど、多少なりとも出てくるものがあると思うんですよね、音楽に。

ハマ

何か、家で聴いてきた音楽が、今、自分がやっているようなことに影響するとは思ってないですけど、音楽をやる、ステージに立つっていうことは、人にお金を払ってもらって観てもらうということをやらなくてはいけないじゃないですか。そういうことに関してのプライドと言うと変ですけど、人一倍きちんとやらなければいけないんだっていうところはありますね。バンド全体としてもそうですね、みんな同じレベルで思えてるので。ただ、ちょっと硬派というか、面倒くさいなって思わていれるバンドなんだろうなとは思うんですけどね…(笑)。去年、インタビューなどで“夏フェスとか、どうですか? 意気込みは”みたいなことを聞かれて、“いや、頑張りますよ、家から着てきたTシャツでステージには出ないです”みたいなことを言って、その年の夏にすごい敵対視されたり(笑)。そこは僕らの考え方というか、“バンドはカッコイイ衣裳を着てステージに立つんだ”っていう概念があるので。多分、個人的にもそういう想いが強いのと、幸いなことにあとの3人も同じ水準で考えているからなんだろうなと思います。音楽っていう言葉の中には、きちんとそういうことまで含めて考えなければいけないのではないかと思ってますね。バンドもみんな。

五味

音楽は仕事っていう意識が…。

ハマ

今の話をするとすごく仕事っぽく聞こえたかもしれないですけど、それでも趣味の延長です。学生のときにギャー!!と言いながらやっていたのを見つけてもらって、気づいたらマネジメントやレコード会社と契約をしてデビューして。最初は趣味の延長っていう気持ちが抜けなかったんですよ、悪い意味で。仕事だと思えなかったというか。

五味

最初って言っても二十歳くらい(笑)?

ハマ

そうですね、5年くらい前(笑)。今思い返すと、なあなあと言ったら違いますけど、どこかそういう気持ちでやっていたところはあって。きちんとやらないといけないという意味で「仕事」という言葉を選んでいるだけで、仕事だから音楽やってますっていうのではないんですけど…。同級生ノリが未だに消えないときがあるので、そこのスイッチングを大事にするために「音楽が仕事になった」という言い方をしてますね。

五味

僕らが普段やっているライブとかで知り合うハマくんぐらいの年の人は、そこまで考えてる感じしないんですけど、同世代に違和感を覚えることとかありませんでしたか?

ハマ

これは同年代のバンドみんなに言えるんですけど、僕は“2010年組”って呼んでるんですけど、デビューが2010年あたりは、18、19歳でデビューして、普通の人間の成長とは全然違う道をたどってるなと思います。みんな割と似ています、感覚が。違うレールを歩かなければいけなかったり、人一倍自覚を持ってやっていかないとって気づかされるのが早かった組だと思うんですよね。最初は、“10代なのに90年代のオルタナティブを昇華した”、“60年代のオールドロック”、“関西ローカルのパンクを”って取り沙汰されて、わーって盛り上げられたんですけどすぐに落とされて。結局、何もなかったんですよね。その後すぐに違うブームが来て。ちょっと古めかしいことをやってるっていう面白さだけで取り沙汰された後、結局何もなかったっていう“2010年組”なので。だから同世代の同業者はみんな、そういう感覚があるんじゃないかと。別に自分たちのことを鋭いとは思わないですけど、何かやっぱり違うというか、達観しているところがあるんでしょうね…。

五味

いや、そうでしょうね。僕が最初にUKプロジェクトっていうインディーズのところからミニアルバムを出したのが多分、今のハマくんの年ぐらいなんですけど、その時全くそういうことを考えてなかったです。結構最近すよ、僕(笑)。仕事とか、お金のことを考えるようになって。だからいきなりそこに行くんやなと思ったら…。前、tofubeatsくんと対談したときも、結構、衝撃的で。

ハマ

いや、tofuくんはすごいですね。やっぱり年代感っていうのはあるんだなと思いましたね。今、この国の音楽のマーケットが更に縮小していて。ジャンルを認知するリスナー側の懐の領域が、ものすごくピンポイントじゃないですか。横一列では見るんですけど、縦の関係や、いわゆる“探る”ということがあんまりなくて。そこにバッチリ当たってしまったわけですよね、僕らも。他の人たちがやってないような目線で、この年でこういうすごくいいことやれてるという自信があったんですけど、どうやらそうじゃないかもなっていうことを考えさせられて、必然的に様々なことを考えなければいけなくなったといいますか。音楽誌もほとんど読まなかったのに、しっかり読むようになって。今は、2、30年ぐらい前には考えなくてもよかったことをミュージシャンが自分で考えながらやらなきゃいけない時代になっていて、多分、その今一番若いとされる世代なんだろうなと思っているので。それもあって、宣伝担当をやっているんですよ。

五味

自分からやるって言ったんですか?

ハマ

2年前から言ってたんです。スタッフの会議に出たい、と。ただ、活動と伴わないというか、きちんと仕事としてやっているレコード会社の人にも失礼になるのかなと思っていたので。冗談半分ぐらいで言ってたんですけど、実はきちんとやりたくて。今回のプロモーションで再提案して、ぜひ一緒にやろうっていう感じです。

五味

バンドの中でも昔からそういうポジションですよね。

ハマ

もしかしたら、学生時代からそうなのかもしれないです。おしゃべりするのが好きだったり、ほっといたらよくしゃべるんです。だったらやった方がいいなと思って。ミュージシャンだからそういうことやりませんという態度は、もう古いんじゃないかなと思うので。バンドのみんなもしゃべりますけど、得意、不得意で言ったら得意な人がやったらいいよねという意向だったので。

五味

……すごいですよね。

ハマ

しゃべりまくっちゃって…。

五味

いやいやいや、面白いです。じゃあ、そんなにこう、ライブハウスみたいなところで、まあちまちまやってるって言ったら言い方が悪いですけど…。

 

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