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ホーム > インタビュー&レポート > 「音楽という訳が分からないエネルギーを圧倒的に信じています」 キュウソネコカミの愛あるサプライズを超え 今が最強のWiennersが喜怒哀楽の感情をブーストした最狂の一夜! 『TREASURE TOUR 2022』9/3大阪BIGCATライブレポート


「音楽という訳が分からないエネルギーを圧倒的に信じています」
キュウソネコカミの愛あるサプライズを超え
今が最強のWiennersが喜怒哀楽の感情をブーストした最狂の一夜!
『TREASURE TOUR 2022』9/3大阪BIGCATライブレポート

 「音楽人生史上過去最高傑作が誕生してしまいました。極東の島国から鳴らす、独自の進化を遂げた最新型デジタルロックの到達点へWiennersがついに辿り着いた歴史的瞬間です。最高に「陽」のエネルギーとバイブスを放ちながら、今4人の頭の中にある全てのアイデアと妄想を録音しまくりました。全14曲、全90展開を40分で駆け抜ける、超高密度に凝縮された圧倒的情報量とヒューマンエナジー搭載の最新型マッドポップネス。世界の全ての皆様、どうかこの騒々しい宝物を思う存分耳にぶち込んでください」。約2年ぶりのアルバム『TREASURE』のリリースにWiennersの玉屋2060%(vo&g)が寄せた前のめりなコメントからも、今のバンドの状況がうかがえる。そんな自信作を携え開催中の全国20カ所を巡るツーマンツアー『TREASURE TOUR 2022』では、SPARK!!SOUND!!SHOW!!、KOTORI、Hump Back、ハルカミライ、the dadadadys、TOTALFAT、Dizzy Sunfist、眉村ちあき、ハンブレッダーズ、キュウソネコカミ、超能力戦士ドリアン、TENDOUJI、ヤバイTシャツ屋さん、でんぱ組.incと、ファイナルとなる9月30日(金)東京・Spotify O-EASTまで、ジャンルをまたいだ強豪14組と連夜、熱い対バンを繰り広げている。そこで、ぴあ関西版WEBでは、9月3日(土)大阪・BIGCATにて行われたWienners VS キュウソネコカミのツーマンライブをレポート。約10年前に出会い、シーンをサヴァイブし続けたライブバンド両雄のガチンコ対決は、失いかけていたあの情熱と興奮を取り戻すかのような、とてつもないエネルギーに満ちていた――!

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 まさに『TREASURE TOUR 2022』にふさわしい(!?)、人気アニメ『ONE PIECE』の初代オープニング曲としてもおなじみの『ウィーアー!』を背に、さっそうと現れたゲストバンドのキュウソネコカミ。「西宮から来たキュウソネコカミですー! さぁ1曲目、何からやろかな~? Wiennersの曲、やっちゃおうかなー!」とヤマサキ セイヤ(vo&g)がいきなりブチ上げ披露したのは、まさかの『蒼天ディライト』!! ライブですさまじい爆発力を発揮するWiennersの代表曲を逆手に取ったサプライズで、一瞬にして会場中が拳を突き上げ一心不乱に手を振る、まるでワンマンばりの光景を創出。対バンで先に出てほしくない典型的なライブバンドの様相で、立て続けに『ビビった』『推しのいる生活』とアンセムを投入するなど、冒頭から貪欲かつ徹底的なパフォーマンスの連続で一切容赦なし。『KENKO不KENKO』でもBIGCATを完全に掌握し、早くもピークな空気を作り出す。

 「緊張したー1曲目! しかもWiennersには内緒で、今日はリハでもやらずに。その方がロックバンドな感じがするかなって。でも、本当によく逃げずにコピーしましたね。いつもは絶対にやらないです(笑)」(ヤマサキ)、「Wiennersと俺たちって、昔は同じチームでくくられてる雰囲気があったけど全然違うよな。コピバンしたら分かる」(key&vo・ヨコタ シンノスケ)、「Wiennersは音楽ができ過ぎて、楽器がうま過ぎて力技みたいなところがあるやん? 俺らはただの力技です(笑)」(ヤマサキ)と、各々がWiennersについて触れながら、話題は新曲の話へ。

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 「コロナ禍になって外に出られず、お風呂場って何か防音されてるっぽいからアコギで弾き語ってたら、全棟に響きわたってたらしくて(笑)。何を言ってるか分からんと思いますけどこの曲、2番の頭で管理会社から電話かかってくるんですよ...」(ヤマサキ)との前振りから始まった『住環境』では、新曲とは思えない息の合ったコンビネーションをフロアと作り上げ、再びキラーチューン『ファントムヴァイブレーション』、レキシとのフィーチャリング曲『KMTR645』と、天井知らずの熱量で畳み掛ける!

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「Wiennersとは付き合いが長いんですよ。何度も対バンして、いろんなタイミングで勝負してきて。お互いライブバンドなんで、コロナ禍になって本当にキツかったと思います。いろんな壁とか波を乗り越えてきた中でキュウソネコカミを選んでくれて、ホームの関西で呼んでくれてこのステージを任せてくれたこと、本当にうれしく思います! ライブハウスは閉鎖空間と言いますか、コロナ前はそれが最高に幸せなことで、"三密"は死ぬほど楽しい言葉だったはずなんですけど、こういうところに来る方がコアな空気がある中で、みんなが安全にルールを守ってくれてるからこそ開催できてます。なので、今日をまた次につないでいくために、コロナ禍が終わったとき、本来の姿を取り戻してバコーンとやるために、今日も種をまいていきたいと思います!」(ヤマサキ)

 終盤戦もライブハウス愛を詰め込んだ『3minutes』を起爆剤に、「Wiennersの新譜も聴いた。今日のリハも見た。そして、盛り上がってくれてるみんなを見て完全に確信してるんですけど、Wiennersは今が一番カッコいい! 今、見届けないと!! 踊り尽くして帰ってください!」とヨコタが火を点けた『ハッピーポンコツ』、さらには『The band』をブチ込み完全燃焼! Wiennersへとアツアツのバトンを渡したキュウソネコカミだった。

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 そして、大きなクラップで迎えられたこの日の真打ちWiennersは、「ネズミの天敵、化け猫が現れたぜ~! 今日ここに集まった太陽の子どもたち、最後まで、溶けるまで、踊れ~!!」と玉屋2060%があおり倒せば、『SOLAR KIDS』で緩急自在のビートを見事に乗りこなすオーディエンスと共にトップスピードで駆け抜ける! アサミサエ(vo&key,Sampler)も目まぐるしく展開が変わっていく予測不能なグッドメロディの合間をぬってキュートにアジテート。最高傑作と自負する最新アルバム『TREASURE』の楽曲群を惜しみなく披露していく。

 「キュウソネコカミ、1曲目からやってくれたな~!(笑) 最高だね、ホントに。Wiennersが初めて東京以外でライブをやったのがここ大阪なの。そのときはこの近くのHOKAGE-火影-っていう100人も入らないような小っちゃいライブハウスで、ステージも客席もへったくれもないようなカオスな状態で(笑)。そこからずーとライブをやってきて鍛え上げられた筋肉で、ついにBIGCATにたどり着いたぜ~! すでに最高だぜ!!」(玉屋、以下同)

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 興奮冷めやらぬメンバーと全く同意の観客もろとも、ハイエナジー×ハイテンションなセットリストで大盛り上がり! かと思えば、テレビ東京系TVアニメ『ニンジャラ』エンディング主題歌『SHINOBI TOP SECRET』、クラシエフーズ『たべる図鑑 恐竜編』CMソング『ブライトライト』とタイアップ曲でも立て続けに魅せ、パフォーマーとしての確かな実力と同時に、期待に応え超えていく玉屋のソングライターとしての進化を堪能できるゾーンも。キュウソの言葉通り"今が最強"と言える脂の乗りっぷりで、向かうところ敵なしのハッピーがBIGCATを包囲する。

「キュウソネコカミとWienners、これ多分、コロナ禍で一番やっちゃいけないツーマンだと思うんだよね(笑)。それによくお越しくださいました皆さん! Wiennersを好きなヤツはキュウソも好きだし、キュウソを好きなヤツはWiennersも好きでしょ? まだまだ俺らの音楽に身を委ねられる!? さっきキュウソであれだけジャンプしてたから、だいぶ温まってるでしょ!」

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 そのMCを証明するような幸福な景色を生み出した、フジテレビ系TVアニメ『デジモンゴーストゲーム』オープニング主題歌『FACTION』を経由した後は、玉屋とアサミサエの2MCのスタイルでもBIGCATをハンズアップ。あらゆるジャンルを飲み込みとことんアゲていく。アサミサエの独壇場たるオリエンタルポップな『日本中 I WANT YOU』ではペンライトが舞う異空間へと瞬時にいざなうなど、相変わらず感情も音楽も起伏がエグいジェットコースターのようなライブ=Wiennersの真骨頂。人生を、音楽を楽しみ尽くす遊び心がたまらない。

「大阪はWiennersが初めて遠征に来て、初めてギターを折って帰った(笑)、それぐらい気合いの入れられる土地で。やっぱり今日は最高の夜です!」

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 後半戦は、ステップせずにはいられないダンスビートの嵐で再びBIGCATを沸点にまで一気に引き上げる! 流行りがどうとか、サブスク対策とか、さまざまな大人の事情を超越した音楽の根源的な喜び。結成から今に至るまで、Wiennersのライブから一度たりとも失われたことのない衝動を存分に味わいつつ、いよいよクライマックスへ!

「俺たちは未曽有のパンデミック状態のコロナ禍を全く無視したブチ上げアルバム(笑)、『TREASURE』を出しました。俺たちの果てしないエネルギーが詰まってるアルバムを引っ提げて、現在はツーマンツアー中です。どこも最高だけど、やっぱり大阪はおかしいよ(笑)。初めて来たときから分かってたけど、そんなあんたたちの狂った踊りを見るのが昨日の夜から楽しみで眠れませんでした。声が出せないとか、人と触れ合えないとか、ダイブができないとか、段ボールに乗っかって人の上に立てないとか(笑)、まぁいろいろありますけど、そんなの関係ないよね。俺らはこんなことで薄まるヤワな音楽をやってないから。そんなことでつぶれるヤワなロックバンドじゃないから。大丈夫だよ、俺たちがお前らの耳から脳みそに手を突っ込んで、喜怒哀楽をぐわんぐわんに揺らしてやるから。ライブハウスってそういう場所だからな。大阪、ラストスパート、圧倒的な未来へ連れていってやるよ!」

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 有言実行の強烈なエネルギーをBIGCATに絶え間なくぶっ放し、それをキャッチし突き上がった何百もの拳が、志を共有する同志の証のように頼もしく現場を彩っていく。これを"壮絶"と言わず何と言うという圧巻の風景が広がり、ライブはついにエンディング。

「俺たちはこの音楽という目に見えない、訳が分からないエネルギーを圧倒的に信じています。皆さんもどうか訳分かんない神様みたいなエネルギーを信じていてください。ありがとうございました、Wiennersでした!」

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 その歌で、音で、何度も何度も得体の知れないパワーを見る者にもたらしてくれたWiennersのライブ。アンコールでは今から約10年前、大阪・Shangri-Laでのキュウソとの初対バンを振り返り、「せっかくだからさ、ちょっと歌えるかなセイヤ!? 全くやる予定じゃなかったんだけど」と、大役を終え安心し切っていたヤマサキ セイヤを呼び込み、再び『蒼天ディライト』を急きょ演奏することに! 「焦る! 歌える設定なってるけど、思ってる以上に曲ムズいねん!!」と突然の出来事に困惑しきりのヤマサキを無理やり巻き込み、ツーマンライブならでは、この2組ならではのコラボが実現!! しっちゃかめっちゃかの熱狂のまま、最後の一秒まで消えることのない情熱とタフネスを感じさせたWienners。いつまでもダブルアンコールを求める拍手が鳴り止まない、余韻たっぷりの一夜となった。

 なお、今後のWiennersは、『TREASURE TOUR 2022』を9月15日(木)愛知・ボトムラインにヤバイTシャツ屋さん、30日(金)東京・Spotify O-EASTにでんぱ組.incをゲストに迎えて開催。その後は、和テイスト満載の"日本"をテーマにしたコンセプトワンマンツアー『春雷行脚』を、10月24日(月)愛知・TOKUZO、25日(火)京都・磔磔、29日(土)東京・新宿BLAZEにて開催する。


Text by 奥"ボウイ"昌史
Photo by かい(Wienners)/藤井拓(キュウソネコカミ)

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(2022年9月13日更新)


Check

Set List

Wienners VS キュウソネコカミ
カバーにコラボにガチンコで激突!

 
『TREASURE TOUR 2022』
9月3日(土) at BIGCAT

キュウソネコカミ
01. 蒼天ディライト(Wiennersカバー)
02. ビビった
03. 推しのいる生活
04. KENKO不KENKO
05. 住環境
06. ファントムヴァイブレーション
07. KMTR645
08. 3minutes
09. ハッピーポンコツ
10. The band

Wienners
01. SOLAR KIDS
02. GOD SAVE THE MUSIC
03. よろこびのうた
04. MONSTER
05. Magic Bullet Music
06. SHINOBI TOP SECRET
07. ブライトライト
08. FACTION
09. BIG BANG
1O. ASTRO BOY(Black Hole ver.)
11. 日本中 I WANT YOU
12. HORO NOVA AZIO
13. FAR EAST DISCO
14. LIFE IS MY LANGUAGE
15. BRAVES
16. UNITY
17. 真理の風
ENCORE
18. 蒼天ディライト
19. よろこびのうた

Release

強烈なエナジーを発する最高到達点
約2年ぶりのオリジナルアルバム!

 
Album
『TREASURE』
発売中 2750円
日本コロムビア
COCP-41825

<収録曲>
01. SOLAR KIDS
02. GOD SAVE THE MUSIC
03. MONSTER
04. ブライトライト
05. BIG BANG
06. Magic Bullet Music
07. HORO NOVA AZIO
08. FACTION
09. BRAVES
10. 日本中 I WANT YOU
11. SHINOBI TOP SECRET
12. よろこびのうた
13. LIFE IS MY LANGUAGE
14. 真理の風

Link

Wienners オフィシャルサイト
https://wienners.net/
 

Live

ツーマンツアーも残り2本!
10月は“日本”をテーマに東名阪ツアー

 
『TREASURE TOUR 2022』

【千葉公演】
▼7月26日(火)千葉LOOK
[ゲスト]SPARK!!SOUND!!SHOW!!
【静岡公演】
▼7月29日(金)静岡UMBER
[ゲスト]KOTORI
【東京公演】
▼7月30日(土)八王子Match Vox
[ゲスト]KOTORI
【兵庫公演】
▼8月4日(木)神戸 太陽と虎
[ゲスト]Hump Back
【京都公演】
▼8月5日(金)KYOTO MUSE
[ゲスト]Hump Back
【茨城公演】
▼8月9日(火)水戸ライトハウス
[ゲスト]ハルカミライ
【栃木公演】
▼8月10日(水)宇都宮HELLO DOLLY
[ゲスト]ハルカミライ
【宮城公演】
▼8月19日(金)仙台MACANA
[ゲスト]the dadadadys
【北海道公演】
▼8月21日(日)SPICE
[ゲスト]TOTALFAT
【新潟公演】
▼8月25日(木)GOLDEN PIGS RED STAGE
[ゲスト]Dizzy Sunfist
【石川公演】
▼8月26日(金)金沢vanvanV4
[ゲスト]Dizzy Sunfist
【高松公演】
▼8月28日(日)DIME
[ゲスト]眉村ちあき
【神奈川公演】
▼8月31日(水)F.A.D YOKOHAMA
[ゲスト]ハンブレッダーズ
【大阪公演】
▼9月3日(土)BIGCAT
[ゲスト]キュウソネコカミ
【広島公演】
▼9月4日(日)セカンド・クラッチ
[ゲスト]超能力戦士ドリアン
【山口公演】
▼9月6日(火)周南LIVE rise
[ゲスト]超能力戦士ドリアン
【福岡公演】
▼9月8日(木)LIVE HOUSE CB
[ゲスト]TENDOUJI
【熊本公演】
▼9月9日(金)熊本Django
[ゲスト]TENDOUJI


【愛知公演】
Thank you, Sold Out!!
▼9月15日(木)19:00
ボトムライン
スタンディング4000円
[ゲスト]ヤバイTシャツ屋さん
ジェイルハウス■052(936)6041

【東京公演】
チケット発売中
▼9月30日(金)19:00
Spotify O-EAST
スタンディング4000円
[ゲスト]でんぱ組.inc
エイティーフィールド■03(5712)5227

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『春雷行脚』

【愛知公演】
チケット発売中
※チケットは、インターネットでのみ販売。
▼10月24日(月)19:00
TOKUZO
全自由4000円
ジェイルハウス■052(936)6041
※本公演は5/17(火)の振替公演です。お手持ちのチケットは有効。未就学児童は入場不可。

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Pick Up!!

【京都公演】

チケット発売中
※販売期間中は、インターネット(PC・スマートフォン)のみで販売。
▼10月25日(火)19:00
磔磔
全自由4000円
GREENS■06(6882)1224
(https://www.greens-corp.co.jp/)
※5/16(月)の振替公演。未就学児童は入場不可。

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【東京公演】
チケット発売中
※チケットは、インターネットでのみ販売。
▼10月29日(土)19:00
新宿BLAZE
スタンディング4000円
エイティーフィールド■03(5712)5227
※未就学児童は入場不可。小学生以上はチケット必要。この公演は5/20(金)の振替公演です。チケットはそのまま有効。

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Column

「僕らの一貫したテーマは
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