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1stオンラインライブショー
『Puzzle Piece1 ~Piece of a Dream~』開催!
これまでの人生をダンスで表現した
パフォーマー・HICOの20年の物語

「ダンスが彼をつくったんだ」。そう思うしかない1時間半だった。わずか2歳半で本人が特に記憶にもないままお姉さんたちの影響で始めたダンスは、がむしゃらに踊っているうちに人生でなくてはならないものになった。「ダンスのない人生はストレスです」と開催前のインタビューの際、真剣な顔で言い切った若きパフォーマー・HICO。昨年12月のデビュー以降、観客の前で踊りたい・いろんな場所へ踊りに行きたいという願望は実現が難しい日々だったが、自身が20歳を迎える2021年7月7日にいよいよオンラインエンターテイメントLIVE SHOW『Puzzle Piece1 ~Piece of a Dream~』を開催! 本格的にショービズシーンへと、文字通り“躍り出た”。その模様をレポートしたい。

7月7日当日、朝からTwitterではすでにHICOのバースデーを祝うツイートがあふれていた。「#HappyHICOday_20th」「#世界へ羽ばたけハタチのHICO」「#祝1stLIVE_HICO」…開演までまだまだ時間があるにも関わらず、各地でダダ漏れしているHICOへの愛と期待高さが見て取れた。
 
20時、ついにショーの幕が上がる。
オープニングはなんとデビュー曲である「STRAWBERRY」でスタート。全身真っ白、まるでプリンスのようないでたちで弾けるように踊るHICO。この記念の曲はてっきり終盤で披露されるものと思っていたけれど、まさか1曲目とは。いきなりアクセルベタ踏みの展開に、今日のショーへの彼の思いが見えてくるようだ。

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1曲目が終わり、画面に映し出されたのはHICOが幼かった頃、ダンスで舞台に立っている時、コンテストの練習やダンス仲間、相方、先生…と彼の歴史を辿るような動画や写真の数々。そして写真の上に大きく表示された数字は「2021.7.7」。いつしかその数字はどんどん時を遡り、デビューした「2020.12.25」へ、そして活動開始を発表した「2020.7.7」に辿り着いた。…しかし数字はさらに時を遡る。再び動きを止めたのは「2010.7.7」、HICO 9歳のバースデーだった。
 
いよいよカメラはステージを捉えた映像に切り替わる。
映し出されたのは少年だ。ステージに置かれたキャップを拾い上げ、踊りだす。これは9歳の頃のHICOなのだろうか。感情のまま音に体を委ねて踊ってみても、どうも思い描くダンスの形にならないらしい。思い通りにならない動きをする体と自分自身にイラつく少年だけれど、衝動に任せて踊り出そうとする。そこに現れた成年のHICOが寄り添うように踊りながら少年を導いてくというストーリー。少年の体とシンクロするように踊るHICO。そのうち少年は思い通りになっていく体の動きを楽しむように踊り続ける。
先日のインタビューで「HICOが20年間のそれぞれの歳で感じてきたこと…小学生のとき、中学生や高校生のときに感じてきたもの、学生を卒業してこの世界に足を踏み入れて感じてきたものをダンスで表現したい」と話していた言葉通りのオープニングだ。

hico-live-2.jpg再び映像内の時が進み、ブレザー姿のHICOとダンサー7名によるチームでのショーへ移っていく。インタビューでは「ぜひ表情に注目してほしい」と言っていたHICOの恋物語だ。冒頭では淡い思いが通じたHICOと彼女の姿が描かれる。でもそれは学生時代のこと。友達に冷やかされたり、思いがうまく伝わらなかったり、一筋縄ではいかない幼い恋を、ダンスで表現していく。ダンサーが加わるとまるでミュージカルのように、ストーリーが鮮明に浮かび上がってくる。はやしたてる周りの友人たち、それに戸惑いながらも想いをなんとか伝えようと葛藤するHICOと彼女の姿。切ない表情までもしっかりと見ることができたのは、オンラインならではで、しっかりとカメラがフォーカスしてくれていたからだろう。
 
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そして画面では「HICO MEMORY」と題した映像へと再び切り替わり、HICOとたくさんの友人たちの2ショット写真が次々と現れる。HICOが本格的にエンターテインメントの世界に足を踏み入れることを決意してから出会った、大切な大切な仲間たちだ。
その映像が終わるとステージに立っていたHICOは、麦わら帽子にサスペンダーパンツという、彼ならではの「ザ  HICO スタイル」でそこにいた。ここから表現するのは、高校を卒業しエンターテインメントの道へと進んでいくことを決めたHICOの物語だ。音楽はショートスパンで切り替わり、照明も赤、青、ピンクなど色を多用しながら彼のダンスの幅の広さを見せていく。パフォーマーとしてのHICOの決意と覚醒を見せつけられた数分間だった。

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そして画面には一転、キャッチーで可愛い文字が現れる。
「ウチらの最強Style」
はて、何が始まるのかと思っていると…そこに登場したのはお揃いのパジャマに身を包んでベッドの上に座るHICOと、ORβITのSHUNYAだった。ところが話の雲行きが怪しい。ORβITのTOMOがタイプか否か、今ふたりが住んでいる家賃の価格について、バイトしなきゃの話、メイクについて…と、どうにも会話がギャル風味。ちらっと覗いてみたTwitterでは、このふたりの会話へのリアクションで湧いていた。
そして画面が切り替わり、ふたりのダンスが始まる!と襟を正したのだが、私もそしてこの画面の向こうにいた全ての人がズッコケたのではないだろうか。HICOとSHUNYAがピンクのギンガムチェックのスカートが可愛いメイド風コスチュームに生足+白ソックス+赤のエナメルヒールで現れたのだから。120%の笑顔でチアガール風ダンスをキメまくるふたり。一緒に考えたという歌詞は、ふたりの出会いのエピソードを盛り込んでいたのだが、みなさん頭に入ってきただろうか。私は正直に言うと、スカートを振り乱して踊るふたりのダンスのキレ具合が素晴らしく、生足が意外にも綺麗すぎて、歌詞にまで意識を飛ばす暇もなかったほどだった。ちなみにダンス終わりで繰り広げられたトークでは、このコラボレーションが決まったときに「とにかくヒールで踊ることだけはすぐに決まった」こと(ちなみにふたりともヒールで踊る経験は初めてだったそう)、そしてこの本番当日に限ってSHUNYAが大事な赤いヒールを忘れてくる大ボケぶりだったことが明かされた。
 
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再び画面は映像パートへ。HICOの相棒・COPPYが登場。この日ゲストで登場するグチェレスタケルが所属するBXWのリハーサルスタジオへ乱入! BXWのグチェレスタケル、北岡謙人、磨田寛大にダンスを教わる一幕も。その最後に語られたCOPPYの言葉が、今日のショーの根幹だったのではないだろうか。
「HICO総支配人が20年の歴史の中で出会った大切なお友達。辛くて泣いたときもお腹を抱えて笑ったときも、そばにいてくれた仲間たち。今はなかなか会えなくてもあのときの思い出は絶対に消えることはありません。大切な思い出のかけらを集めたパズルはまだまだ未完成。新たな夢のかけらはまだまだあちこちに散らばっています。さぁここからまた新たなピースを集めにいきましょう」
 
ここでステージに登場したのは、HICOと盟友・グチェレスタケル(BXW)。同い年で友情を温めてきたふたりだが、共演するのはこの日が初めてだという。とろりとした質感が大人っぽい雰囲気のシャツに身を包み、披露されたステージではとてもしなやかでシンメトリーな美しさのあるダンス。踊り終えたHICOが「“最高”以上の言葉をつくりたいです!」という言葉を放ったのが、この日の出来の良さを表していたと思う。この日ふたりのダンスのテーマとなったのは「出会い」。同じ夢を追っていたふたりが、それぞれ別の目標に出会い、その先で再会し、またお互いの夢へ向かっていく。最後はそれぞれの道を誠実に進んでいこうというメッセージが込められたそうで、ソロパートは「好きに踊って!」とグチェレスのイメージに委ねたのだという。とにかく同じ空間で同じ照明に照らされながら踊れたことがうれしいと語ったふたりの交流は、これからも新しいパズルのピースをたくさんつくっていくはずだ。
 
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そしてステージには新たにCOPPYが登場。このショーの告知映像(https://www.youtube.com/watch?v=xVgsc5vLucA)でファンは何度も耳にした曲で、HICOとCOPPYのコラボダンスを披露。まさにキラッキラで星を散りばめたようなポップな楽曲で楽しそうに踊るふたり。この日はこれまでHICOのダンススキルの高さや幅の広さが目立っていただけに、ここではキュートさが際立っていた(そして、まさかCOPPYが踊れていることに驚いたのも事実…)。

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その後は場面が一転、男性ダンサーと4人でのステージをつくりあげていく。軽快で都会的なファンクナンバーをバックに、しなやかに動く体の動きと程よく力の抜けた大人っぽい振り付けでグッと引き込んでいく。生きてきた20年間を見せたいと言っていたけれど、これが今の、ハタチになった彼の到達点かと思うと、さらなる期待と楽しみが広がっていく。
 
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そして曲が変わるとバックダンサーが入れ替わり、今度は女性ダンサーとのステージへと変化。BGMに先に踊り始めた女性ダンサーたちは女性らしさを散りばめた足や腰の動きで、曲のタイトル通りセクシーさを体現していく。そこにHICOが混ざって…この日一番驚いたのは、個人的にはこの場面だったと書きたい。表情も、体の動きや使い方も、この曲でのHICOは全くここまでのステージとは別人だった。動きは柔らかく女性的、なのにどこか男性的な強さも隠さない。
 
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ところが曲の終盤で男性ダンサーが合流して男女混合のダンスになった途端、HICOのダンスやしぐさ、表情までもがパワフルな方へと瞬間的に切り替わり、とても強い男の色気を放つものに。今のHICOはなんだったんだろうとあっけに取られている間に、次の曲へと切り替わっていく。正直頭が追いつかない。
そして続いたのはダンサーと8人で作り上げる、まさに一体化したステージ。どれだけの練習を重ねてここまで一体化される時間を作り出したのか測りかねるほど。中央で踊るHICOは、ダンサーであり、コレオグラファーであり、演出も手がけたわけで。“魅せる”ことをどの角度から見ても完璧に計算しつくされたような構成、ダンサーとの素晴らしいシンクロ率、体の動き、迫力、全てを兼ね備えたダンスを見せつけた。
 
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「たのしーい!」
ライブも残り1曲となったMCで、HICOが放つ。記念の日にオンラインショーができたこと、一緒に踊ってくれる・歌ってくれる仲間やスタッフがいることに感謝を述べた表情は、ずっと泣きそうに見えた。そんなHICOのMCの途中、急に流れ出したバースデーソング。
「なになに?泣かへんって決めてたのに!」と叫ぶ側からステージのスクリーンで流れ出したのは、同じエンターテインメントの世界を共に目指し、夢を追い続ける仲間たちからのサプライズおめでとうメッセージ。
20人を超えるメッセージに「ヤバ〜」「ヤバい!」「出たよ〜」を連発するHICO。そして映像の終了とともにケーキを抱えてバースデーソングを歌いながらステージにサプライズ登場したのは、ORβITのTOMOだ。
「ありがと〜!このショーは泣かへんって決めてたのに!」とうれしそうだ。TOMOは「俺が登場したからみなさんお気づきかもしれませんが、あの曲をやりましょうよ。僕も歌の力でHICOのライブに力を添えられたらと思うので」とデビュー曲である「STRAWBERRY」をTOMOとのフィーチャリングバージョンで披露。ダンスを少し抑え気味に、TOMOと歌うことを楽しみつつ、ゲスト出演したSHUNYAやグチェレスタケル、COPPYを招き入れ、この日の出演者がみんなで歌い踊る華やかなフィナーレとなった。

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「ダンスを辞めたいと思ったのは憧れのダンサーでもあるお姉ちゃんに、もっと練習しなよって怒られたあの時だけ」。それほど人生になくてはならないダンスで、ついに自分が主役のステージを成し遂げたHICO。
このステージをじっくりと見終えた今、ダンスが彼を夢中にさせ・ダンスが彼を真剣にさせ・ダンスが彼を苦悩させ・ダンスが彼に仲間や夢を示してきたということを、『Puzzle Piece1 ~Piece of a Dream~』を通して私たちが追体験したような1時間半ではなかっただろうか。
この日大人の階段をリアルに登ってハタチになった彼が、これから出会うひと、もの、ことを通してどんなダンスをするパフォーマーになっていくのか。また新たなショーを見せてくれる時を、楽しみに待ちたいと思う。

文:桃井麻依子
写真提供:DREAM PASSPORT inc.



(2021年7月 9日更新)


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Profile

HICO

2001年7月7日、大阪府出身。4人の姉の影響で2歳半からダンスを始める。これまで数々のコンテストでタイトルを獲得し ダンススクールのインストラクターも務めるなど精力的に活動。2020年12月25日にシングル「STRAWBERRY」で待望のデビューを果たした。

オフィシャルサイト
https://hicoland.com/

オフィシャルYouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCn8jrB85EJOAamB_ZJgo6EA


Live

【動画配信】
HICO ONLINE SHOW
「Puzzle Piece1 ~Piece of a Dream~」

チケット発売中 Pコード:782-127
▼7月13日(火) 23:59までアーカイブ配信中
Streaks視聴券-3850円
[ゲスト] SHUNYA(ORβIT)、グチェレスタケル(BXW) ほか
※アーカイブの内容は一部変更になる可能性がございます。あらかじめご了承ください。
公演内容に関する詳細は【視聴に関するお問い合わせ】LIVEWIREサポートセンターメール:livewire@linkst.jpまで。(平日10:00-18:00)
※チケットは、インターネットでのみ販売。店頭、電話での受付はなし。1人1枚まで。
[問]LIVEWIREサポートセンター:livewire@linkst.jp

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Column

2021年7月7日、20歳の誕生日に
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実現する、先輩であり友人でもある
SHUNYA(ORβIT)との
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HICO自身のYouTubeチャンネル
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今回のゲストはお互い17歳の時に
出会った盟友・グチェレスタケル(BXW)