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2021年7月7日、20歳の誕生日に
初のオンラインライブショーを開催する
パフォーマー・HICOの“今までとこれから”

19歳という若さでありながらすでに16年を超えるダンスキャリアを持ち、体を使って自らの思いを表現することが「単純に大好き!」と語るパフォーマー・HICO。2020年12月にデビュー配信シングルとなった「STRAWBERRY」以降、公式YouTubeチャンネル『HICOLAND』でコツコツとダンスパフォーマンスやトーク動画をアップし、発信を続けてきた。そんな彼が、2021年7月7日に20歳のバースデーを迎えるその日、ついに初のオンラインエンターテイメントLIVE SHOW『Puzzle Piece1 ~Piece of a Dream~』を開催する。開催まで数日と迫っていたこの取材日に、デビューまでの道のりや、コロナ禍でのデビューや活動について、そして自身初のライブショーへの意気込みなど、ハタチになることに胸を膨らませる若きパフォーマーにたっぷりと話を聞いた。

ダンスの上手い人はたくさんいるけれど
見てくれる人に笑顔や感動も与えられる人になりたい

 
――ダンスを始めたのはわずか2歳半の頃と伺ったのですが、その頃の記憶ってありますか?
 
はっきりとは覚えていないんですけど発表会のDVDに残っていたのは、スタジオのレッスンでは誰よりもキャピキャピ踊っていたのに、大きな音が出る本番のホールでは音にびっくりして泣きながら舞台を降りたっていう映像で。それがうっすら記憶にある感じですかね。
 
――そもそもダンスは自発的に始めたんですか。
 
お姉ちゃん4人が元々ダンスをしていて、自然の流れでお母さんが「ヒコもやるでしょ?」って始めた感じなので、本当に流れで。お姉ちゃんたちがダンスを始めた頃はモー娘。とか安室ちゃんが人気で、とにかくダンスが流行っていた頃みたいです。だからスタートはHICOの意志とは関係なくて、物心ついたときには踊っていたんですよね。とにかくがむしゃらに踊っていたけど、今思えばよく踊ってたな〜って思います。自分の意志じゃないのに(笑)。
 
――気づけばがむしゃらになれるほど、ダンスのどんなところが魅力的だったんでしょうか。
 
それはやっぱりお姉ちゃんたちがやっているからっていうのもあったし、一緒に頑張っている友達もいたし、その頃は夢もあったんです。
 
――夢?
 
小さい頃から教えてくれた先生みたいなダンスのインストラクターになりたいと思っていました。実はそれがその後現実になって、通っていたスタジオでインストラクターにならせてもらったんです。教え始めてからは自分のテリトリーだけで収まらずにもっと世界に飛び出したいなと思うようになって、エンターテインメントの世界に目が向きました。
 
――そこまでダンスに夢中になるほど、最初に影響を受けたお姉さんたちがかっこよかったんですね。
 
うん、絶対的にかっこよかったです。そして今も敵わないなと思います。ダンスが上手い人はいっぱいいるけど、HICOは技術的なことだけじゃなくて感動や笑顔を与えられる人が好きだから、そういうことができる人なんです。何度か一緒にショーに出たことがあるんですけどお姉ちゃんたちはすごく努力家で、スタンスが違いすぎて…。HICOの「ここまでしたらいいでしょう」っていうラインがあっても、お姉ちゃんたちは「もっと練習したい」「もっと練習しなよ」っていつも怒られていて、そのときだけはダンスを辞めたいと思っていました(笑)。
 
――憧れの人に叱られるっていう。
 
そうそう!それがしんどかった!

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――デビューまではインストラクターをしたり、コンテストで受賞をしていたということですけど、どういったコンテストに出られていたんですか?
 
コンテストに挑戦し始めたのは小学校6年生ぐらいからで、最初は全然賞が取れませんでした。所属していたチームの決まりでは自分たちで音源を探して、自分たちで振り付けをするっていうのがあったんです。一般的なダンススタジオだと、先生が振り付けをつくってそれを生徒に渡して表現するっていう感じなんですけど、自分たちはそのスタイルは嫌で。でもコンテストになれば小学6年生が作った振り付けと20代30代のプロのダンサーが作った振り付けが比べる対象になるわけで…。当時は「なんで負けたん?」って悔しくてしょうがなかったです。でもその後チームが変わったタイミングで入賞できるようになっていきました。感覚的に入賞できるダンスを、何か掴めた感じで。
 
――それは何かきっかけがあったんですか。
 
それが今もわからないんですけど、「これやな」って自分の中のベースができたんです。そこから高校生になって女の子とチームを組むことになって、入賞常連になったのはそこからかな。相方はアイドル活動をしていたから刺激をもらって、HICOもいつかダンスで歓声を浴びたいなぁって思うようになりました。その頃から本当にビッグウェーブ到来! みたいな感じで、コンテストに出たら優勝みたいなことが半年ぐらい続いたかな。
 
――大阪の高校生はよくなんばのOCATの大きな鏡の前で踊っていますよね。練習はそういうところで?

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主にはスタジオでした。もちろんOCATでも踊っていましたよ。相方とふたりで遊んでいて、ちょっとダンスしに行かへん?って。急に決まったから「じゃあOCATで練習しようよ」って。そのときに作品ができあがっちゃって、これを活かして何かに出ようよってコンテストに挑戦したんです。
 
――そうやって独自に活動を続ける中で、エンタメの世界へ進んでいくために、こうしていこうみたいなプランはありましたか?
 
元々アイドルとか芸能の知識がゼロで、推しの存在にも出会ったこともなかったんです。
 
――でもダンスをするうえで、興味のあるアーティストは…。
 
ジャスティン・ビーバーとかブルーノ・マーズ、クリスティーナ・アギレラを小学生の時にすごく聞いてました。あとNE-YOとかも。
 
――今挙げたアーティストはダンスも歌もっていうアーティストだと思うんですけど、自分自身が歌うことについては?
 
歌うことは正直嫌いでした。レコーディングブースに入るとなかなか声が出なかったし、なんで歌わなあかんの? 踊らせて!って。HICOの人生の中で音楽は踊るためのものだったから。歌うことで体力を消耗するのはどうしても避けられないから、100%で踊れないのは嫌だなあって。
 
――でも今は…。
 
歌いながら踊るってこんなにかっこいいんやって思うようになったし、気持ちよさそうに歌っている人を見るとこっちも気持ちいいってなるから、HICOも歌って踊れる人になりたいなって思うようになりました。
 
――それを圧倒的に気づかせてくれた人っていましたか?
 
いっぱいいますね。K-POPのアーティストとか。昔はBIGBANGしか知らなかったんですけどいろんな人に情報を聞いて調べていったら、たくさんのアーティストに出会ってなるほどーって。 K-POPはほぼ歌って踊るアーティストじゃないですか。こういう世界があるんや! って驚きましたね。
 

 
『Puzzle Piece1』はここから始まっていく
HICOのレギュラーダンスショーの幕開け!


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――デビューから半年ちょっと経ってみて、どんな毎日でしたか?
 
あっという間でしたね。なんか苦しい、コロナって嫌!って思ったことはなかったかな。「コロナがなかったらどうなってたんだろう」みたいな想像はするけど、その中でもできることだったり、ダンスを映像で少しずつあげていってましたし。
 
――意外とやれることはあったぞ、と。
 
うん、そんな感じ。今もだけど、どうにか模索してHICOだけにしか拓けない道を探したら、それは楽しい人生じゃないかなと思うんです。周りの人にも「HICOってこれだよね!」って思ってもらいたくて進んできたかな。まぁそもそもこの苦しい時期がスタートだから状況としては仕方ないし、これが終わったらそこから楽しむしかないですもんね。だからこそ苦しいとかは思ったことがないのかもしれないです。
 
――超前向き! そうそう、HICOさんってこういう記事で紹介するとき一瞬迷うんですよ。肩書きというか職業名がダンサーなのか、エンターテイナーなのかパフォーマーなのか、またはアーティストなのか。今自分の肩書きって何が一番しっくりきてますか?
 
HICOです!職業はHICOになりたいぐらいです。
 
――(笑)!唯一無二のという意味でも。
 
うん。夢はそれですね。職業「HICO」。
 
――職業・HICOの中身を説明するとしたらどんな感じでしょう。デビュー前にこんな活動をしていきたいみたいな未来も思い描いたと思うんですけど…。
 
うーん、もちろんダンスが軸でしたね。コロナがなければ毎月いろんな所に行ってダンスのショーを見せるっていうのが軸だったけどこの環境ではできないから、画面上で見せる感じでしたけど踊る環境を広げつつプラス歌うと。でも今HICOを紹介していただいている記事にはパフォーマーって書かれているような気がします。パフォーマーかエンターテイナーって紹介されるとうれしいですかね。
 
――パフォーマーであるからこそ、初めてのライブは「ショー」なんですね。
 
そうですね。

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――初めてのオンラインイベントを開催すると決まって、どうやって内容を組み立てていったんですか?
 
元々は有観客ショーのつもりで会場も決まっていて、有観客を想定していたときからずっと「パズル」というテーマで作ってはいたんです。でも結果的にオンラインに切り替わってからはオンラインでどう見せるかを考える感じでした。
 
――今回のショーの「パズル」というテーマはどこから?
 
HICO的にはこのショーはこれからずっと続けていくレギュラーイベントのイメージなんです。100回、200回、300回ってテーマはずっと一緒。だから公演数を足していくことでずっと続けられるタイトルにしたいと思っていた時に「パズル」はどうかなって。実はお姉ちゃんが趣味でパズルをしていて、見ていて閃いたんです。パズルのピースひとつひとつを毎回の公演に見立てたらずっと続けていけるよねって。
 
――とにかく「続けていきたい」と。
 
それが大前提です。堂本光一さんの『Endless SHOCK』みたいにロングラン上演したいです!
 
――とはいえ今回が記念の1回目ですよね。それをどういうものにしようと思っていますか。
 
今年は20歳になる節目の年だから、HICOの20年間の歴史を詰め込んだもの、HICOがそれぞれの歳で感じてきたこと…小学生のとき、中学生や高校生のときに感じてきたもの、学生を卒業してこの世界に足を踏み入れて感じてきたものをダンスで表現したいなと。
 
――スタッフの方にHICOさんのダンスの作り方が面白いと聞いたんです。その場でどんどん変わっていったりアイデアが溢れていて、元々頭の中にあることをつなげているのかその場で閃いたものを形にしているのか検討もつかないと。
 
それは両方ですね。もちろんダンサーと合わせるまでは頭の中で構成を考えています。こう見せたいなと考えながらひとりで練習して振り付けに落とし込むんです。それをダンサーのみんなに渡して踊ってもらって、全員で踊るとちょっと違うなと思ったら、その場で変えることもあります。
 
――今までもずっとそのやり方で?
 
ずっとこのやり方です。あ、でもその場で振りをつくることももちろんありますよ。やっぱこっちとか、手の角度こうしようとか。全員で手をつなぐ振りを作ったとして、8人分の動きをひとりでは想像できないんですよ。だから実際にメンバーが揃ってやってみて、違うなと思ったら「なし!」って。
 
――かなり直感的でもあるんですね。今はまさに開催直前になりましたが、心境としては…?
 
ドキドキしています。初生配信だし、どうなるんだろうと思ってます。早く無事終えてみんなでプレビューしたいですね。間違ってるやん!とか、見切れてる!とかみんなで笑って見たいかな。全然直前で振り付けが変わる可能性もあるんですよ。開演1時間前とかでも閃いたらやっちゃうタイプだから。だからダンサーはみんなヒヤヒヤしてるって言ってました(笑)。
 
――ダンサーのみなさんは「どうかこのままでやらせてくれ!」ですよねぇ…。ちなみにショーの中でもここを見て欲しいっていうポイントはありますか?
 
HICOと女の子ふたりのシーンがあるんですけど、そのふたりの表情にはぜひ注目してほしいと思います。あとはショーの最後の曲もじっくりと聞いてもらえたらうれしいです。最後の曲は今回の公演の中でダンスも一番手が込んだことをしていますので楽しんでいただけると思います!
 
――公演当日にはハタチのお誕生日を迎えますが、20歳の自分に期待していることはありますか?
 
えー、ハタチ…? 何が変わるんですかね? 大人って言われるようになるの嫌だなあ(笑)。大人の世界に飛び込むんだし、考え方は変わると思います。今までは似たような世代の人とたくさん関わってきたけど、やっぱり大人のみなさんと関わっていくことで広がる世界があると思うんです。とにかく20歳はいろんな人と関わりたいですね。そしていろんな地域に行って踊りたい、生で見てほしいなって。そういう新しい経験をダンスに反映させられたらいいですね。その過程でしんどいこともあると思いますけど。
 
――だってものづくりに終わりってないですもんね。
 
そうなんですよ! 終わりがないんです! 昨日も夜遅くまでやっていたんですけど、終わりがないから自分で「寝る!」って決断しないと一生踊っちゃう。今回よかったなって思うのは、普通はコレオグラファーがいて演出家がいて…なんですけど、今回は出演、振り付け、演出、監督的なことも全部HICOやっているんです。照明プランまで! 外部のスタッフに入ってもらっていたらやりたいことは貫けなかった気がするし、HICOがやりたい表現はHICOが一番わかってる。だからこそ全部自分で手がけてよかったなって思います。
 
――今後は活動を続けていくと人に任せる部分も出てくるかも…。
 
出てくるかもしれないけど、「パズル」の公演に関しては全部自分でやっちゃうかもしれないですね。
 
――とにかく1回目の公演は楽しみしかないですね。ハタチにもなるし。
 
ホント楽しみしかないです!終わったら、みんなで「かんぱーい!」ってしたいです。その日にハタチになるからこそ、公演後に祝杯があげられる。最高のショーの後に思いっきり祝杯をあげたいです!

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取材・文/桃井麻依子



(2021年7月 5日更新)


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Profile

HICO

2001年7月7日、大阪府出身。4人の姉の影響で2歳半からダンスを始める。これまで数々のコンテストでタイトルを獲得し ダンススクールのインストラクターも務めるなど精力的に活動。2020年12月25日にシングル「STRAWBERRY」で待望のデビューを果たした。

オフィシャルサイト
https://hicoland.com/

オフィシャルYouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCn8jrB85EJOAamB_ZJgo6EA


Live

【動画配信】
HICO ONLINE SHOW
「Puzzle Piece1
 ~Piece of a Dream~」

チケット発売中 Pコード:782-127
▼7月7日(水) 20:00 ※7月13日(火) 23:59までアーカイブ配信あり。
Streaks視聴券-3850円
[ゲスト] SHUNYA(OrβIT)、グチェレスタケル(BXW)
※アーカイブの内容は一部変更になる可能性がございます。あらかじめご了承ください。この公演はオンライン動画配信でのみご覧いただけます。配信時間は予定のため変更の可能性あり。公演内容に関する詳細は【視聴に関するお問い合わせ】LIVEWIREサポートセンターメール:livewire@linkst.jpまで。(平日10:00-18:00)公演日当日の問合せ対応は該当公演(土日祝含む)の終演後1時間程度で終了とさせていただきます。※チケットは、インターネットでのみ販売。店頭、電話での受付はなし。1人1枚まで。
[問]LIVEWIREサポートセンター:livewire@linkst.jp

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(from overseas)

Column

ダンサー・HICOがラブコール!
20歳のアニバーサリーライブで
実現する、先輩であり友人でもある
SHUNYA(ORβIT)との
スペシャルステージ

Column

新時代のエンターテイナー・
HICO自身のYouTubeチャンネル
『HICOLAND』で展開中のコラボトークを大公開!
今回のゲストはお互い17歳の時に
出会った盟友・グチェレスタケル(BXW)