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「お客さんも一緒にライブを作るイメージで参加してほしい」
初のライブDVD収録を行う9/19(水)ビルボードライブ大阪、
『キンキーブーツ』再演、デビュー10周年記念盤『Delight』etc…
JONTEが輝ける現在を語るインタビュー&動画コメント

 昨年、デビュー10周年を迎えた実力派ボーカリストJONTE。アニバーサリーイヤーとなった’17年は、10周年記念盤となる3枚目のオリジナルアルバム『Delight』をリリース。前作『Reboot』(‘16)に続き、CHEMISTRY、SMAP、中島美嘉、JUJUなどへの楽曲提供、プロデュースで知られる谷口尚久を迎え、JONTEの真骨頂でもあるバラードから、新たな挑戦となるポップチューンまで、多彩な表情が見える1枚に仕上がった。同夏の6日間連続9公演のアニバーサリーライブ以降も、11年目の今年に至るまで精力的にライブ活動を続け、包み込むような優しい歌声を届けてきたJONTE。9月19日(水)にはビルボードライブ大阪でライブを開催し、初のライブDVD収録も行うという。また、’19年4~5月にかけては、ブロードウェイ・ミュージカル『キンキーブーツ』日本版の再演にも出演が決定。歌手として、俳優として、活動の場を広げるJONTEに、ビルボードライブ大阪でのライブに向けてはもちろん、音楽への想い、これからの活動についてなど多岐にわたり語ってもらった。

 
 
時に投げ出したくなるようなことがあっても
10周年を迎えられたということは
そういうことも全部乗り越えることができたのかなと
 
 
――’17年にデビュー10周年を迎えて、去年1年は精力的に活動されていましたね。
 
「毎年夏にアニバーサリーライブをやらせていただいているんですが、昨年は丸10周年となる8月22日に向けて、17日から6日間連続ライブをやったんです。結構大変だったんですけど、10周年にふさわしい持っていき方ができたのかなと思いますね。ライブに関しても、体力的な面でも成長できたと思いますし、自分の中で新たな発見があったりもして、心身ともに強くなったと思えた1年でした。いくら歌が好きといっても、好きなことをずっと続けるのって大変だったりするじゃないですか? 時に投げ出したくなるようなことがあっても10周年を迎えられたということは、そういうことも全部乗り越えることができたのかなと」
 
――JONTEさんと言えども、大好きな歌がイヤになる瞬間があったんですね…。
 
「正直、ありましたね。“まだ自分は歌ってていいのかな”って、そんな変な感じ方をしてしまうこともありました。でも、まだまだやれていないことがあるし、6日間連続ライブの最中はずっとアドレナリンが出ているような状態でしたけど、いろいろと思うことがありながらもずっとつないでこれたことに大きな達成感がありましたし、改めてこの世界でやっていこうと思えたタイミングでした。10周年では、そうやって1本1本のライブを大切にすることで、さらに前向きになれたかもしれないですね。最近は今まで以上にライブが楽しくて、“歌いたい”という気持ちがさらに強くなっているような気がしています」
 
――『Delight』は、ライブで盛り上がれる曲をコンセプトに作られたとのことですが、実際の反応はどうでしたか?
 
「僕はお客さんを煽ることがそんなにできないタイプなので、聴いてくださる方々が自由にノッてもらえたらと思うんですけど、自分なりにそういうノリのいい曲をもっともっと発信していきたい気持ちになれた気がします。なかなか普段はやらなかったり、実は避けていた曲調も中にはあったんですけど、意外とそういう曲の反応がよかったこともあったので、あまり苦手意識を持たずに、いろんなことにチャレンジしてみたいなと」
 
――苦手なことって、やっぱりありますもんね。
 
「ニコニコしながら歌うのって、ちょっと苦手なんです。“10年以上もやってきて何を言ってるんだ?”っていう話ですけど(笑)、少しは殻を破れたかな? いろんなアーティストの方と一緒にセッションしたりする中でいろいろ感じる部分もありましたし、そういう新たな楽しさをまた発見できたことは、今後につながるのかなと思っています」
 
――『R.E.D.』(M-1)とか『Ride on Life』(M-2)は、煽らずとも自然とノレるような曲で。
 
「そうですね。自分も苦手意識が高い割には、イントロが流れるとちょっと身体を揺らしたりして、自然とノリノリになってしまうので(笑)。やっぱり音楽って素敵だなって思います(笑)」
 
――AORテイストの『Plastic Girl』(M-7)も新鮮で、アルバムを通して曲の流れがすごく気持ちいいなと感じました。『Delight』にはどんな想いを込めて作られたんですか?
 
「『Delight』は“喜び”という意味で、10年を迎えられた喜びを、常に寄り添ってくださった皆さんと一緒に分かち合えたらなという気持ちで作りました。苦労した部分もやっぱりあって、曲を通して乗り越えようとする喜びみたいなものも感じてもらえたらいいなって。バラードの『Yours forever』(M-4)が好きなんですけど、繊細に表現したいがためにいろいろと試行錯誤を重ねて、結構な時間ボーカル・ブースから出てこられなかった曲でもありました。本当に微妙なニュアンスですけど自分なりに挑戦できたし、ライブを通して変化している曲だったりもするのかなと」
 
――『溢れる』(M-6)なんかは、本当に曲から優しさやあたたかさが溢れていますよね。
 
「これは弟の結婚式に向けて作った曲なんです。表現の仕方も意識しましたし、実際、当日も歌ったんですが、この曲を歌うたびにその情景が浮かぶんですよ。そういう具体的な映像を思い浮かべながら歌えるのも面白いですね」
 
――素敵ですね。ちなみに弟さんからの感想は…?
 
「弟はお酒を注がれて結構酔っ払ってたので、“ありがとう!”ぐらいでしたけど(笑)」
 
 
『キンキーブーツ』に出会えて、その一員になれたことが本当に嬉しい
 
 
――いろんな舞台やライブから、曲を作るにあたってのインスピレーションを受けることはありますか?
 
「いろんな曲を聴くことも大事だと思いますし、ライブからインスピレーションを受けることは多いと思います。先日、玉置浩二さんのオーケストラライブを観に行ったんですけど、こんなにもすごいものを見せられると、このままじゃダメだと思って家に帰って曲を作ったり(笑)。そのときの感情をとりあえずメモしたり、レコーダーにメロディを吹き込んだりするんですけど、ライブに一番影響を受けるかもしれませんね。今年の8月に『TOKYO MUSIC CRUISE』というイベントに出させていただいたんですが、いろんなアーティストのパフォーマンスを観て、勉強することがたくさんありました。野宮真貴さんのMCだったり、さかいゆうさんの曲も素敵で」
 
――舞台で演じられているのと、ライブで自分を観せるのとはまた違いますか?
 
「僕はせっかく舞台もやらせていただいているので、その経験を踏まえていいところを歌に持っていきたいなと思いますけど、最近はそういう表現の違いはあまり意識していないかもしれません。それよりも、いかにお客さんに喜んでいただけるかを常に考えていますね。今は前よりもお客さんと近くなれたような、そんな感覚があったりします」
 
――JONTEさんは、ちゃんと1人1人の目を見て歌われますよね。
 
「イベンターの方にも、“人の目を見るバランスがちょうどいい”って言われたことがあります(笑)。特に意識はしていないんですが、“この人だけ”というのではなくて、満遍なくできていると。それも、もしかしたら舞台で自然と養われたものなのかなって。そういう意味でも、本当に舞台とライブの垣根みたいなものはなくなってきたのかなと」
 
――前回、インタビューさせていただいたのが『キンキーブーツ』の公演前だったんですが、『キンキーブーツ』から得たものや変化はありましたか?
 
「『キンキーブーツ』は、“自分は自分でしかない。自分らしくいることが一番大事”というメッセージが込められた作品でもあったんで、それを自分に置き換えて考えたときに、凝り固まった気持ちが解放されたというか…。ちょっと前までは、“誰々みたいな歌い手になりたい”とか思うこともありましたけど、あの作品を通じてそんな気持ちは自然となくなった気がします。作品だけでなく、そこで出会えた人たちにもいろんなことを教えてもらった、そんな大きなきっかけの作品でもありましたね」
 
――来春には再演も決まっていますが、JONTEさんも前回に続き出演されるということで。
 
「世界的にも有名な作品ですし、ご覧になられた方はすごく感動してくださったり、“考え方が変わった”と言っていただけるくらい、パワーがある作品です。『キンキーブーツ』に出会えて、その一員になれたことが本当に嬉しいです。次回も同じハリー役を務めさせていただきますが、前回と同じキャストが多いので、みんながどう変化しているのかも楽しみですね」
 
――初演がとても面白かったので楽しみです。あと、映画にも初出演されたそうで。
 
「そうなんです。まだ公開日は決まっていないんですが、映像の中での演技を初めてちゃんとやらせていただきました。舞台とは違ってカメラに向かって演じるのは、最初は違和感がありましたけど。サイコパスみたいな、人を殺めることを楽しむような役なんです(笑)」
 
――JONTEさんのイメージにないですね(笑)。
 
「実はそういう映画が結構好きで、ヒース・レジャーがジョーカーを演じた『ダークナイト』(‘08)とか、『SAW』(‘04)みたいな痛々しい映画を観たくなっちゃうところがあって。僕にもちょっと素養があるんですかね?(笑) 以前、そういうキレた役を演じたときも、演出家さんとか観に来てくださった方からも評判がよかったんで、またやってみたいなってずっと思ってたんですよね」
 
――コワモテの人が犯人でも驚かないですけど、優しそうな人にすごまれたときに怖さが出るというか。
 
「そうですよね。だから、リリー・フランキーさんとかでんでんさんの演技がすごく好きです。笑顔の裏に隠れた怖さというか、あのギャップにやられてしまいますよね。こういう機会をいただけるなら積極的にチャレンジしたいですし、そこからまた歌に戻ったときに変化を実感することがたくさんあるので、これからも表現の場を広げていきたいですね。最初はただステージに立って歌うくらいのことしかできなかったのが、いろんなものを観て、触れて、感じていく中で、自分でもだいぶ変わったと思うので」
 
 
せっかく初めてDVD収録をするので
記念すべき第1回目は自分の身体から湧き出たものを収めておきたい
 
 
――そして、今年はMCのない『NO MC ONLY MUSIC』や、カバー曲を中心にした『JONTE’s ROOM』などのコンセプトライブ、ミトカツユキさんとのユニット“ミトジョンテ”など、本当にたくさんライブをされていますね。
 
「去年までは舞台とかミュージカルに出演させていただいた関係でライブがそこまでできなかったので、今年はもっとライブ重視な1年にしたかったんです。この秋冬にもコンセプトライブをやったり、ファンクラブイベントが控えていたり、9月19日(水)にはビルボードライブ大阪でDVD収録用のスペシャルライブをやらせていただきますし、本当にライブ三昧の1年で、心の底から楽しいなというのが正直な気持ちですね。コンセプトライブで僕もまた新しい自分と出会えたし、まだまだいろんなやり方があるんだなって感じているところなので。これからも1本1本のライブを大切にしていきたいなと思います」
 
――ちなみに、自分の中での新しい発見というのは?
 
「今までは恋愛の曲が多かったんですが、もっと“LIFE”な感じの曲も取り込んでいけたらなと思ったり、ファンの方からは応援ソングのリクエストも多くて。そういうふうにテーマを絞り込むことで、いろんな自分を出せるのかなと思ったりもしていて。今後の曲作りにも落とし込めたらいいなと思っています」
 
――今、実際に取りかかっている新曲はあるんですか?
 
「ちょうど今作っている曲があるので、ビルボードでは披露しようかなと。まだアレンジは決めていないんですが、がっつりバラードにはならない程度にR&B色の強い曲にしたいなと思っています。ライブでどんな形になるのか、自分でも楽しみですね。それを経て、最終的なアレンジをどうするかを考えられたらと思っていて、そういうこともできるようになり始めたのは成長した面かなと思いますね。最近は、“自分からどんなメロディが出てくるんだろう?”と思いながら曲を作っていて。せっかく初めてDVD収録をするので、記念すべき第1回目は自分の身体から湧き出たものを収めておきたい想いはありますね」
 
――また、自分がまだ出会えていない自分に出会えるかもしれませんね。
 
「そうですね。できていなかったことがまだたくさんあるはずですし、それをしっかり見つめ直しながら、新しい自分を広げていけたらなと思っています。当日は、ドラマのテーマ曲になった曲とか、デビュー曲とか、自分にとって特別な曲も歌おうと思っていて。アニバーサリーライブでは初々しかった頃のバラード曲が多かったですが、ビルボードではしっかりしている自分も出したいなと(笑)」
 
――ビルボードのステージは、いつもと気持ちが変わりますか?
 
「こんな場所に立たせていただけるのが今でも信じられないくらいですけど、そんな素敵なステージに負けないように、もっと輝かせるために、しっかり準備していきたいなと思っています」
 
――10周年を経て、MCにも自信がつきました?(笑)
 
「前にやったMCなしのコンセプトライブがすごく楽で(笑)。ただ、会場がカフェで客席との距離が結構近かったので、お客さんからのツッコミも多くて、喋らせようという空気がヒシヒシと伝わってきました(笑)」
 
――今回はDVD収録があるので、スベったら残りますよね?(笑)
 
「しっかり台本を作ろうかな?(笑) でも、お客さんも一緒にライブを作るイメージで参加してほしいですね。後でDVDを買って観ることはできますが、そこに映らない想いもたくさん体感できるので、ぜひ足を運んでほしいです」
 
――今年は11周年のアニバーサリーライブも大阪でしたし、関西でライブ続きですね。
 
「なかなか地元に戻って来られるタイミングがなかったんで嬉しいですね。自分の地元の方にもっと認知してもらいたい気持ちは正直ありますし、そういう方々に喜んでいただけるのはありがたいです!」
 
――今後はどういった活動をしていきたいと思われていますか?
 
「ビルボードでも新曲を披露しますが、もっともっと自分の中から出てくるメロディとか音をたくさん形にしていきたいと思っています。もちろん、お芝居も幅広く活動していきたいですし、ミトカツユキさんと一緒にやっている“ミトジョンテ”でも新曲ができていて、出すタイミングを伺っている最中なんです。そういういろんな道筋が作れているので、うまく波に乗っていけるようにしていきたいなと思っています!」
 
 
Text by 黒石悦子



(2018年9月13日更新)


Check

Movie Comment

おうどん大好きJONTEが(笑)
ビルボードに向け語る動画コメント!

Release

様々なスタイルに挑んだデビュー
10周年記念盤となる3rdアルバム

Album
『Delight』
発売中 3000円(税別)
徳間ジャパンコミュニケーションズ
TKCA-74497

<収録曲>
01. R.E.D.
02. Ride on Life
03. It's too late
04. Yours forever
05. The Truth of Love
06. 溢れる
07. Plastic Girl
08. アナタがいるから
09. いつか…
10. 夢で逢おうよ

Profile

ジョンテ…’80年12月17日生まれ、大阪府出身。身長181cm、血液型B型。’07年、シングル『ゆれる』で日本・中国・韓国の3ヵ国同時デビュー。 デビューに先駆けて配信された楽曲は累計ダウンロード数 200万を超える。’06年に日本武道館で行われたEXILE新メンバーを募集した『EXILE Vocal Battle Audition 2006 ~ASIAN DREAM~』のファイナリストに選出。武道館で13000人を魅了したその表現力は、今も変わらず聴く人の心へ深く優しく沁み込んでいる。“歌で日韓、人と人の架け橋に”が信条。’09年からは舞台やテレビドラマにも活動の場を広げ、ブロードウェイミュージカルや地球ゴージャス公演にも参加。’17年4月26日にデビュー10周年の記念盤となる3枚目のオリジナルアルバム『Delight』をリリース。シンガーソングライターでキーボードプレイヤーでもあるミトカツユキと“ミトジョンテ”としても活動中。’19年4月16日(火)~5月12日(日)東急シアターオーブ、5月19日(日)~28日(火)オリックス劇場にて上演のブロードウェイ・ミュージカル『キンキーブーツ』日本版再演に出演。

JONTE オフィシャルサイト
http://jonte.official-web.jp/

Live

当日の模様がライブDVDになる!
大阪のみのスぺシャルライブが開催

 
【大阪公演】
『JONTE LIVE at Billboard Live OSAKA』
チケット発売中 Pコード124-632
▼9月19日(水)18:30/21:30
ビルボードライブ大阪
自由席6500円
ビルボードライブ大阪■06(6342)7722
※本チケットに整理番号はございません。ご希望の方は発券後、お問合せ先まで要連絡。当日は整理番号順でお席へご案内しておりますが、整理番号をお持ちでないお客様は開場時間の30分後のご案内となります。カジュアルエリアの取り扱いなし。未就学児童及び高校生同士の入場不可。18歳未満は成人の同伴が必要。

チケット情報はこちら


Column

「人生って結構楽しいもんなんだな
 と思えるようになってきた」
JONTEの輝ける再起動!
3年半ぶりのアルバム『Reboot』
ミュージカル『キンキーブーツ』
音楽×演劇のハイブリッドな
人生を語る前回インタビュー

Comment!!

ぴあ関西版WEB黒石悦子からの
オススメコメントはコチラ!

「’16年に前作『Reboot』のリリースライブをビルボードライブ大阪で開催したJONTEさん。ピンと背筋が伸びるような上質な空間に、JONTEさんの繊細かつ甘くソフトな歌声が心地よく広がっていたことが思い出されます。心の奥深くまで沁み入るようなその声に1曲目から引き込まれますし、まさに至福のひとときを過ごすことができます。見た目通りのスマートさはもちろん、MCでの照れながら話すチャーミングな姿にもキュンとくるはず(笑)。今回はDVD収録のためのライブということで、ご本人も相当気合いが入っている様子。ぜひ生で体感して記憶に残していただきつつ、DVDを観ながら思い返していただきたいです。そして来年は『キンキーブーツ』の再演にもご出演とのこと。自分の生き方、考え方を見直すきっかけになるような物語に、歌もダンスパフォーマンスも最高に楽しいステージです! 特に初演を未見の方は、ぜひ次はお見逃しなく」