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アルカライダー、ircle、コンポラ、せっくす倶楽部(笑)、
チャランポ、ウソツキ、プププ、シナリオアート、夜ダン!
今年も熱闘&熱湯!? 音泉魂プレイベント
『OTODAMA'15~ヤングライオン編~』ライブレポート

 今年は9月5日(土)・6日(日)の2日間にわたり、大阪・泉大津でフェニックスで開催される夏の名物野外イベント『OTODAMA’15~音泉魂~』も、今年で何と11回目。その前哨戦となる『OTODAMA’15~ヤングライオン編~』が、2年連続大阪城野外音楽堂で開催された。“1126(いい風呂)”円というユーモアを感じる上にお得な値段設定もあり、今年も多くの若き観客が集まった。“桶洗い”こと清水音泉スタッフとピン芸人の中山女子短期大学による前説が最初に行われ、続々とヤングライオンたちが登場したアツ~い1日をレポート!

 

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 壱番風呂は、アルカラのメンバーにそっくり(!?)な正義のヒーロー4人と5人目のメンバーである“ブラックくだけねこ”によるアルカライダーが、その名も『アルカライダーのテーマ』に乗り、踊りながら登場! オリジナル曲『怪盗ミラクル少年ボーイ』を演奏した後は、「もう曲がないのでアルカラのカバーをやります!」と(笑)『ボーイスカウト8つの掟』などを熱唱。一瞬で場を陽気にし、最後は新曲『キャッチャ―を科学する』(!?)を! 関西初ライブだった彼らだが、そっくりさん(!?)のアルカラに負けず劣らずの熱いアクトを見せてくれた。
 

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 弐番風呂はircle。1stデモCDを出してからは14年も経っている、実はキャリアの長い大分出身の4人組。ボーカルの河内が「この一瞬をあんた方の脳天にぶち込みたくて、やってきました!」と初っ端から叫ぶ。1曲目の『呼吸を忘れて』から、骨太のロックンロールを聴かせ、『失敗作』では歌に入るまでのまるで独白のようなMCから、彼らの哀しみや怒りが切実に伝わってくる。爪痕を残そうという気迫がとにかく届いたライブだった。
 

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 参番風呂は、地元大阪の3ピースバンドであるコンテンポラリーな生活。1曲目の『死なない声を探す』から、そのタイトな演奏による疾走感が伝わる。ハイスピードにぶっ飛ばしていく中、ボーカルの朝日は何度も“逆転劇”という言葉を使い、野音のステージに立てたこと、ここから這い上がっていこうとする気迫を感じさせる。「僕らの逆転劇を観てくれ! 聴いてくれ!」と披露されたラストナンバーは、6月3日発売のシングル『ハスキーガール』。最後までソリッドなまま駆け抜けた。
 

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 四番風呂は、せっくす倶楽部。聞き覚えのある名前だが…そう彼らは神戸在住のセックスマシーンの変名バンド。1曲目の『君を失ってWOW』からモーリー(vo&key)は客席に乱入し、気が付くと会場全てを見渡せる後方に。「忘れるなよ、この景色!」と観客に叫ぶなど最初からフルスイングなのが気持ち良い。モーリー自ら鍵盤を操る『春への扉』をはじめ完全に場はセクマシ色に染められ、ラストは7月8日(水)発売のアルバム『響けよ我が声、と俺は言った』から『響けよ我が声』を披露。全てを出し切り、そして全員を泣き顔で笑顔にさせる…流石のステージだった。
 

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 伍番風呂の姉妹ユニット、チャラン・ポ・ランタンは、サポートドラマーと共に登場。アコーディオンの小春とドラムだけの演奏にボーカルのももが乗るだけで、圧倒的な存在感を見せ付ける。弱冠22歳のももは、何十年も昭和のキャバレーで歌ってきたような凄みを感じさせ、まるで小劇場にいる感覚にさせられる姉妹の演劇のようなやり取りは、誰にも真似出来ない世界だ。『Oppai Boogie』では見事なブギウギを披露し、最後は舞台から物販まで演奏しながら観客を引き連れ退場。
 

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 六番風呂はウソツキ。強烈な2組が続いた後だけに、正攻法で立ち向かう潔さを感じる。ボーカル竹田の伸びやかな歌声が、爽やかなメロディと共に空に吸い込まれていく。『金星人に恋をした』ではギターの音色がスペイシーさを感じさせる中、とにかく自分たちの色で真っ向勝負。観客がどんどん聴き入っていくことは、その背中を見ていても分かる。ギターで汽笛の音を鳴らしたラストの『新木場発、銀河鉄道』では、熱を帯びたエモーショナルな演奏が、観客を自然に躍らせていた。
 

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 七番風呂はプププランド。昭和フォークなSEで登場し、ボーカル西村の「よろしくお願いしますっ!!」という大きな声で観客をグッと掴む。1曲目はフォーキーな『おっぱい』。どこか懐かしいメロディと西村のしゃがれた声が心地良いのだろう、観客たちも楽しそうだ。同級生が教室でふざけているようなMCかと思えば、熱い気持ちも何気なく吐露していく。メンバーへの想いも込められた『バイ・バイ・バイ』も印象的で、ラストはカントリーを彷彿とさせる『メトロ』で。長丁場の1日に、ふとほっこりとさせてくれた素敵な30分だった。
 

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 八番風呂はシナリオアート。綺麗な衣装に身をまとう3人が、まるで野生児のように音を叩きこんでいく。その勢いに圧倒され、特に紅一点のハットリの気合のドラミングには、1曲目『スペイシー』から思わず目が奪われてしまった。プログラミングされた音と夕方の景色が相まって、とにかく心身共に沁みる。6月3日発売の1stアルバム『Happy Umbrella』からのラストナンバー『フユウ』は、優しいささやきを感じさせながらも、何か訴えかけるものがある強い楽曲。また観てみたい…そう確かに思えたライブだった。
 

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 いよいよラストは、九番風呂の夜の本気ダンス。ドラムの鈴鹿が煽りまくり、そのままの勢いでカウントが叩き込まれ『WHERE?』へ突入する。狂喜乱舞する観客たちの姿に、“夜ダン”の現状が分かる盛り上がりっぷり。一転して『You&I』では美しいメロディでじっくり聴かせ、じっくり踊らせる。『fuckin’ so tired』ではボーカルの米田が歌だけに集中し、ネクタイまで外し、ただただ踊り、ただただ躍らせる。『戦争』では観客全員を座らせサビではジャンプさせるなど、とにかく一体感を感じさせ、アンコールでは『Only Seventeen』を披露し、「またいつか『OTODAMA~音泉魂~』で会いましょう!」と締め括る。
 
 約8時間に及ぶ“ヤングライオン(一部にはアダルトライオンも!?)”たちの競演は、今年もこうして幕を閉じた。この熱は、9月5日(土)・6日(日)の『OTODAMA’15~音泉魂~』へと確かにつなげられた。
 
 
Text by 鈴木淳史
Photo by 河上良(bit Direction lab.)



(2015年6月 4日更新)


Check

Set List

今をときめくライブバンド9組が
ぶつかり合った灼熱の大阪野音!

 
『OTODAMA'15~ヤングライオン編~』
5月31日(日) at 大阪城音楽堂

【壱番風呂:アルカライダー】
1. アルカライダーのテーマ(SE)
2. 怪盗ミラクル少年ボーイ
3. ボーイスカウト8つの掟
4. 今日からあなたは市長さん
5. キャッチャーを科学する

【弐番風呂:ircle】
1. 呼吸を忘れて
2. バタフライ
3. ノーリタイア
4. 失敗作
5. 本当の事
6. セブンティーン

【参番風呂:コンテンポラリーな生活】
1. 死なない声を探す
2. ひとえの少女
3. 嫌々々々
4. 東京殺法
5. 鉄腕ナインティーン
6. ハスキーガール

【四番風呂:せっくす倶楽部】
1. 君を失ってWOW
2. 久しぶり!(新曲)
3. 春への扉
4. 頭の良くなるラブソング
5. 響けよ我が声(新曲)
6. WOW(1サビまで)

【伍番風呂:チャラン・ポ・ランタン】
1. 71億ピースのパズルゲーム
2. ムスタファ
3. サイテーな女
4. この先のシナリオはあなた次第
5. Oppai Boogie
6. ハバナギラ

【六番風呂:ウソツキ】
1. 時空間旅行代理時計
2. 旗揚げ運動
3. 金星人に恋をした
4. 春風と風鈴
5. ピースする
6. 新木場発、銀河鉄道

【七番風呂:プププランド】
1. おっぱい
2. ミスタームーンライト
3. ダンス・ダンス・ダンス
4. バイ・バイ・バイ
5. ヘイガール、涙を拭いて
6. メトロ

【八番風呂:シナリオアート】
1. スペイシー
2. ホワイトレインコートマン
3. トウキョウメランコリー
4. ナイトフライング
5. アオイコドク
6. フユウ

【九番風呂:夜の本気ダンス】
1. WHERE?
2. B!tch
3. Japanese Style
4. You&I
5. fuckin' so tired
6. 戦争

Live

今年は“闘魂編”、“俺達の時代編”と
コンセプトを分けた2DAYSで開催!

 
『OTODAMA'15~音泉魂~』
一般発売7月4日(土)
Pコード264-155(1日券)/
781-537(2日通し券) 
▼9月5日(土)11:30/6日(日)11:00
泉大津フェニックス
1日券(5日)6800円 1日券(6日)6000円
2日通し券11000円(組番号付)
【9/5出演】Analogfish/東京スカパラダイスオーケストラ/フィッシュマンズ/YOUR SONG IS GOOD/レキシ/他
【9/6出演】KEYTALK/キュウソネコカミ/クリープハイプ/四星球/フレデリック/モーモールルギャバン/他
清水音泉■06(6357)3666
※雨天決行・荒天中止。小学生以下は無料(入場券をお持ちの保護者の同伴が必要)。出演者変更に伴う払戻しは行いませんので、予めご了承ください。

~6/15(月)11:00までセブンイレブン先行受付中
チケット情報はこちら

 

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