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日本は変わる。『THE SOLAR BUDOKAN』の先にあるもの――
シアターブルックが2年半ぶりのアルバム『最近の革命』を引っ提げ
グリーン電力エネルギーを使ったツアーを間もなく開幕!
佐藤タイジ(vo&g)インタビュー&動画コメント

 昨年12月20日には、日本武道館で太陽光などの自然発電による電力だけを使用したライブイベント『THE SOLAR BUDOKAN』を成功させたシアターブルック。その開催の直前に発表された2年半ぶりとなるアルバム『最近の革命』でも、よりストレートさとロック色、そして3.11以降に対するメッセージを、代表曲『ありったけの愛』のセルフカバーも交えつつ痛快に表現。そして、今年も9月には、岐阜県の中津川で自然エネルギーだけを使用した野外イベント『中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2013』を初開催するという。6月21日(金)大阪・心斎橋JANUSよりその序章と言える全国ツアーをスタートさせる佐藤タイジ(vo&g)に、果敢なまでの“最近の革命”について語ってもらった。

タイジさんカッコよす! 世紀の発見とバンド愛を語る動画コメント

――昨年、TAIJI AT THE BONNETとしてのアルバムインタビューの際にも、すでにソーラー(=太陽光)発電の電気だけで武道館公演を年末にやると公言されていたわけですが。
 
「そうですね。やり切りましたね」
 
――昨年12月20日に日本武道館で行われた『THE SOLAR BUDOKAN』について、改めて話を聞かせてください。
 
「まず、ソーラーだけで出来るのだという事実が、これから結構効いてくると思うのよ。実際に去年1年間で再生可能エネルギーってやっぱりグイッと伸びていて、(横に置かれていた太陽光発電用パネルが付いた自分のリュックを指して)コレもソーラー・リュックやねんな。政府は原発を動かさないと経済が回らないみたいに言っているけれど、要は銀行などのお金のロジックなわけで、実際の人体に対するリスクとかの問題をすげ替えているわけやんか。でも、出来るねん。オレでもやれたんやから。『THE SOLAR BUDOKAN』に参加してくれた大物ミュージシャンも、今年の自分の武道館公演はソーラーでやりたいと言ってくれたり、もっと(大きな規模で)やれる人はいると思うし」
 
――武道館で出来れば、ほとんどの音楽公演はソーラーのみで可能でしょうね。
 
「『THE SOLAR BUDOKAN』をやるにあたって、使用電力がどれくらい要るのかを前段階で実験したんだけど、音響には鉛の電池を使ったんですよ。ソーラーで作った電気を鉛の電池に貯めてスタジオに持って行って、PAシステムとバンドの電源を全て電池で賄いながら必要な電力量のデータを取っていると…。そこで明らかになったんやけど、電池で鳴らした方が断然に音がええねん」
 
――お~。何よりもまず“電池の方が音がイイ”と。
 
「そう。でも、考えてみると電気は遠くにある発電所からここに来るまでに、いろんな送電線や配電所を通って、ノイズとかがバンバン乗った状態で届いているわけ。電気って波長やから、普段使っているものも結局はキレイな波長ではないのよ。それをソーラーで作って鉛の電池に貯めた電気を使って鳴らすと…サルでも分かるよ。明らかに低音がグッと増えて、高音の抜けもスカーン!といくわけ。あまりにもあからさまに違うし、原発どうこうを抜きにしても、ソーラーの方が音がイイのだから、ソーラーにすればイイのだという。それは『THE SOLAR BUDOKAN』の副産物だったけど、ものすごく大きな理由になったし、未来の道がピカッと照らされた感じやったね」
 
――ミュージシャンとして、音がイイからソーラーを選ぶというのは自然なことですよね。
 
「そう。だから、出演してくれた(奥田)民生ちゃんとかCharさんにも、なるべくデカいギターアンプを持ってきて、と頼んでね。デカい方が違いがクリアやから」
 
――もっとたくさんの方がそれに気付けば、とても大きな力になりますね。
 
「音がイイという理由であれば誰でも旗を振れるし、自ずと原発からは離れていけるわけで。音楽の持っている力がそこにあった。昔から、音響業界ではヨーロッパと日本の電圧の差が音に出ると言われてきたけど、実はポイントは電気の波形の美しさにあったというか。そういうことが“最近の革命”ということでね。3.11がきっかけで電池にしました、でいいと思うし、3.11以前と変わらないままでは、あのとき亡くなったたくさんの方も浮かばれへんから。今は3.11以前の状態に戻そうとする動きがとても強いけど、変わるための3.11やった、ということにせんと意味がないとオレは思っている」
 
――『THE SOLAR BUDOKAN』は、結果的に大きな1つのはじまりになったんですね。
 
「昨年の武道館公演を通していろんなソーラー屋さんと関わりも出来たから、今年はやりますよ、野外!」
(※9月21日(土)・22日(日)に岐阜県の中津川公園東美濃ふれあいセンターにて『中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2013』の開催が決定! 詳細は後日発表)
 
――6月21日(金)心斎橋JANUSでの大阪公演を皮切りに行われるシアターブルックの全国ツアーでは、秋の中津川に向けての新たな起点になると共に、全会場でえねぱそ(個人向けグリーン電力証書)』を1公演につき500KWずつ発行して、グリーン電力(=風力、太陽光、バイオマス(生物資源)、水力、地熱などの、自然エネルギーによって発電された電力)を使ってのツアーとなっている点もスタンスが一貫しています。
 
「今のところ個人でクリーン・エネルギーをプッシュする枠組みがこれしかないので。結局は従来の電気料金に上乗せという形にはなってしまうんですけど、もっとこういった制度が進んでエネルギーの地産地消が実現出来る世の中になっていって欲しいので。そうなれば、日本はもっとオリジナリティのあるカルチャーを発信出来る国になっていくと思うのよ。3.11をきっかけにエネルギーの地産地消が進んで、カルチャーが爆発するというか。最近よく思うのは、60年代後半にサンフランシスコとかで学生運動と反戦運動とロックが爆発して、80年代の後半にも英国のマンチェスターで“セカンド・サマー・オブ・ラヴ”という爆発があったけど、あれは英国のメディアの巧みさで。そういう爆発があったとしたことで、結果的に’10年のロンドン・オリンピックにも繋がっていくイギリスの復活という流れを作った。3.11以降の日本もそういうことが起こってもおかしくないわけで、政府は軍事費を上げようとしたりしているけど、そっちじゃなくて独自のカルチャーの爆発が起こる方向に持っていけたらそれこそ日本の復活だし、かつての日本のイヤなイメージと全く違う日本がアピール出来る。そっちに持っていきたいんよね、オレは」
 
――ツアータイトルも『SEASON REVOLUTION TOUR』ということで、最新作『最近の革命』と共に、シアターブルックがどこへ向かおうとしているのかを新旧のファンにライブで体感して欲しいですね。
 
「このタイトルは、加藤登紀子さんが“コレはね、革命の季節なの”と言ったことからきていて。同時期に起こった“中東の春”も結局は同じことで、種としてのサイクルとか地球としてのサイクルがあって、人間はそれには絶対に抗えない。革命の季節はもう来ているから、どっちに身を置くかよね。変わるのを目の前で見るのか、目を背けるのか。目を背けてしまえば革命はないし、変わったと実感することも出来ない。おトキさんが言っていたけど、“革命とは起こすものではなくて、起きていることを認めるものだ”って。経験に裏打ちされた言葉はスゴいよね」
 
 
Text by 吉本秀純



(2013年6月 4日更新)


Check

名曲『ありったけの愛』も再録!
無敵の4人の2年半ぶりの新作

Album
『最近の革命』
発売中 3150円
Mastard Records
LNCM-1016

<収録曲>
01. キミを見てる
02. 愛と死のミュゼット
  with 加藤登紀子
03. 最近の愛のブルース
04. 理想的サムライ
05. やめられないのさ
06. 愛の源
07. (最近の)ありったけの愛
08. 昨日よりちょっと
  Live ver.(2012.09.07@下北沢Garden)

<DVD収録内容> 
・(最近の)ありったけの愛Music Video
・メンバーインタビュー&メイキング映像

Profile

シアターブルック…現在のメンバーは、写真左より中條卓(b)、エマーソン北村(key)、佐藤タイジ(vo&g)、沼澤尚(ds)の4人。’95年にメジャーデビューを果たし、’07年より2年間の活動休止を経ながらも、’10年には復活第1弾シングル『裏切りの夕焼け』のスマッシュヒットともに揺るがぬ健在ぶりを広くアピール。昨年12月には、日本武道館にて奥田民生、吉川晃司、Char、斉藤和義らをゲストを迎えながら、太陽光などの自然発電による電力だけを使用したライブイベント『THE SOLAR BUDOKAN』を成功させた。

THEATRE BROOK オフィシャルサイト
http://www.theatrebrook.com/


Live

クリーン・エネルギーを用いた
革命的なツアーが間もなくスタート

Pick Up!!

【大阪公演】

『SEASON REVOLUTION TOUR』
チケット発売中 Pコード192-902
▼6月21日(金)19:30
心斎橋JANUS
オールスタンディング5250円
GREENS■06(6882)1224

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【名古屋公演】
チケット発売中 Pコード193-105
▼6月22日(土)19:00
TOKUZO
全自由5250円
[オープニングアクト]egoistic 4 leaves
ジェイルハウス■052(936)6041

【仙台公演】
チケット発売中 Pコード193-644
▼6月28日(金)19:30
仙台CLUB JUNK BOX
全自由5250円
G・I・P■022(222)9999

【札幌公演】
チケット発売中 Pコード193-266
▼6月30日(日)18:00
ペニーレーン24
オールスタンディング5250円
WESS■011(614)9999

【徳島公演】
チケット発売中 Pコード193-416
▼7月5日(金)19:00
club GRINDHOUSE
スタンディング5250円
デューク高松■087(822)2520

【福岡公演】
チケット発売中 Pコード192-659
▼7月7日(日)18:30
DRUM SON
オールスタンディング5250円
BEA■092(712)4221

【東京公演】
チケット発売中 Pコード193-179
▼7月15日(月・祝)18:00
duo MUSIC EXCHANGE
全自由5250円
[ゲスト]うつみようこ/多和田えみ/
Leyona/他
ホットスタッフ・プロモーション■03(5720)9999
※未就学児童は入場不可。

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