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“NO SUPER BEAVER, NO LIFE”
人生を懸けたミュージック・ライフは、何処へ向かうのか――?
問答無用の歌力が覚醒したSUPER BEAVERの
傑作ミニアルバム『世界が目を覚ますのなら』インタビュー

 再生ボタンを押したら最後、突き上げる感動の連鎖が胸を揺さぶり続ける全6曲30分。SUPER BEAVERのミニアルバム『世界が目を覚ますのなら』は、’12年に自主レーベルI×L×P×RECORDS(アイ・ラブ・ポップミュージック)を設立以来、最高傑作を更新し続けるセオリーを順守。リード曲『それでも世界が目を覚ますのなら』(M-1)の壮大なスケールと愛、自らの故郷・東京を歌ったシンガロングの名曲『東京流星群』(M-2)をはじめ、上杉(b)&藤原(ds)の躍動するビートの上で、渋谷(vo)のボーカリストとしての類まれな存在感と覚悟、柳沢(g)のソングライターとしてのセンスと嗅覚を瑞々しく爆発させた1枚だ。そこで、現在同作に伴う全国ツアー中の彼らに、バンド崩壊の内幕からその復活劇を吐露し大反響を呼んだ前作『未来の始めかた』から、今作『世界が目を覚ますのなら』に至るまでの深化の道のりをインタビュー。ポップミュージックの可能性、必ずやってくる明日…D.I.Y.でバンドを運営する4人がシーンをサヴァイブする過程で見た景色は、彼らの人生に何を突きつけたのか? 渋谷&柳沢が新作を語る。

渋谷(vo)&柳沢(g)からのお肌つるつる動画コメント!

柳沢(g)前回のインタビューがスゴく反響があって。いろいろとちょっとエグイところまで喋ってたんで、お客さんも“そうだったんだ~!”みたいな(笑)」
 
――みんないろいろ聞きたいこともあっただろうし、“実際のところどうなってんだ?”っていうのも内心あっただろうしね(笑)。でも、その紆余曲折があっての前作『未来の始めかた』(‘12)だったと思うし、そのツアーを廻って現場感じることも多かったんじゃないかと。
 
柳沢「リリース自体も久々でこっちもワクワクはしてたんで、そういう意味では純粋に“今のSUPER BEAVERが大好きだ!”っていう人たちが集まってくれたし、各地の動員もまだまだ低いんですけど前回よりも増えてる実感は確かにあって。ようやくちゃんと批評というか選んでもらえるところまで、“どうぞ好き嫌い言ってください”って言える作品が出せたんだなって、改めて思えたツアーでしたね」
 
渋谷(vo)「前作を出すにあたっていろいろ覚悟はしてたし、ただ、その覚悟が重たくならないようにっていうのはスゴく意識してましたね。俺らの覚悟を感じて欲しいわけじゃなくて、それはあくまで背景にあるものなので。只々楽しんでもらいたかったし、来てくれた人のいろいろな感情を置いていけるような空間を作りたかった。今までのお客さんプラス初めて見る顔もスゴくあって、SUPER BEAVERが通ってきた道を、ちゃんと見直せたツアーになったなって」
 
――今はマネジメントもレーベルも自分たち=次に何をやるのか決めるのも自分たちなわけで。前作とそのツアーを経て、次のビジョンはあったんですか?
 
柳沢「そもそも前作を作ったとき、例えば音質だったりあらゆる意味でメジャーのときに持たせてもらってたクオリティを下げたくなかった。だからリリースのペースに関しても、単純に前作を出したことによって生まれた熱が熱い内に次の一歩を見せたかったんですね。ただ、先にアルバムだとかミニだとか言い放ってから作ると、一歩間違えたらそれこそ期限みたいなものを自分らで作っちゃって、出すことが目的になってしまうのは絶対に嫌だったんで、これからのSUPER BEAVERを提示出来る曲をガツッと2~3曲作って、今回はシングルとして出そうって。なんですけど、結局曲が結構出来たから全部入れちゃおうよっていう話になりました(笑)」
 
――嬉しい誤算じゃないけど、バンドの状況の良さがどの曲も収録すべきクオリティの楽曲を作らせたわけやね。
 
渋谷「自分らの芯がドンドンとハッキリしてくるにあたって、いろんなことをやるのが怖くなくなってきたんです。ポップでハッピーな曲をやっても、アコースティックな曲をやっても、今までみたいに熱量でぶつかる曲をやっても、どうしたって俺らなので。やりたいと思ったことは怖がらずにやってみて、尚且ついろんな色を見せられたらと思った結果、出来た曲を全部入れた方がオモシロいなって。現状の俺らを表現する上では、この6曲がなかったらダメだった」
 
――その自分たちの芯って、今改めていったい何だと?
 
渋谷「やっぱり歌っていうモノを真ん中にして、周りで歌を増幅させるであろう楽器のパワーがぶつかり合えることと、俺らの覚悟みたいなモノっていうか」
 
柳沢「最近ホントに思ったのは、このバンドを辞めたらやりたいことがない。それは消去法というよりも、結果そういうことであって、このバンドをずっと続けていたい。ただ、ダラダラ続けたいわけではなくて、俺、J-POPでちゃんと売れたいんですよ。それで自分たちでしっかり生きていきたいんですよ。飯を食っていきたいんですよ。覚悟っていうモノはそれであって、逆に言うと、SUPER BEAVERを自分たちの手で壊すことも終わらせることも出来るんですけど、それをやった時点で同時に僕らの人生にも大きな区切りが出来るんです。要はSUPER BEAVERっていうモノが知らず知らずに人生になってるっていうことを実感したんですよ。さっき渋谷が言った背景にある覚悟っていうのは、そういうことだと思うんですよね」
 
――“NO MUSIC, NO LIFE”とか言うけど、実はもう自分がそうなり始めてるっていう。
 
柳沢「“音楽=人生”とか“音楽は俺の全て”とか、全部嘘っぱちだと思ってたんですよ。俺にとって音楽はただ音楽で。そうだったんですけど…何なんですかね? SUPER BEAVERがもし終わったら、マジで何をしたらいいか…(笑)。別に音楽好きだからってレコード会社に勤務したいわけじゃないし、レコード店でCDを売りたいわけじゃない。じゃあ職業作家? いや、そういうことじゃなくってって」
 
――他のバンドで、誰かのバックでギターを弾くのか?って。
 
柳沢「それも何だかなぁって。単純にこの4人で、SUPER BEAVERという形をもっと築けば…ホントに人生と言っても過言じゃないと思うので。そういうことなんじゃないんですかね、覚悟って。そんな話はメンバー4人で集まってしたことはないんです。ないんですけど、楽曲だったりライブだったりの共通認識は、多分そこに向かってるんですよね」
 
 
どこで何をしようが、絶対にこのバンドにプラスに還元出来る
 
 
――さっき渋谷くんから“歌を真ん中に…”みたいな話があったけど、今回はホントに、歌がヤバい。前作もスゴいアルバムだったけど、それは4人でガーン!とぶつかるバンドのパワーというか。今回はやっぱり圧倒的に歌。俺、前回のインタビューとかも読み直して、“いやぁ~このバンド、ホントに辞めなくてよかったな~”って思ったもん(笑)。
 
(一同笑)
 
――辞めてたらここまで来れなかったわけだから。解散の危機が何度もあって、渋谷くんも辞めるだの何だのあったけど、この歌が歌えるようになるんだったら、やっぱり辞めなくてよかったんだって、スゲェ思いました。
 
渋谷「ホントですか!? うわ~めちゃめちゃ嬉しいですね」
 
――今作ではSUPER BEAVERのいろんな色を見せているはずなのに、返ってその中心にある歌の強さを思い知る。
 
渋谷「ホントにメンバーみんなが、歌を聴きながらプレイしてくれてる実感が強いんで、それにはやっぱり僕がしっかりしないと(笑)。みんなが“歌に合わせたい”って思うような歌を歌わないとって。僕も歌うこと、表現することに対して、少しずつですけど自信が出てきて。この作品も“せーの”で録ったんですけど、俺の歌の波に合わせてギター、ベース、ドラムがグルーヴを組んでくれて、真ん中に歌を置いてくれてる。そうなると僕もやっぱり歌ってて気持ちいいし、その結果がそう聴こえたんなら、僕はスゴく嬉しいですね」
 
柳沢「うちのドラムがポロッと言ってたんですよ。“分かった! 渋谷はレッドなんだ!”って、主役っぽい声してるんだって(笑)。確かにそういうことになってきてるんですよ。俺らがブルーだったりグリーンだったりで、レッドだけじゃダメですけど、結局決めるのはレッドであって。今は俺がブルーという配役を気に入ってるってことなんですよね。俺はレッドじゃなくていいって」
 
――“俺もレッドになりたい”。“いや、俺もレッドになりたい”って言い出したらやっぱりね(笑)。
 
渋谷「アハハ!(笑)」
 
柳沢「アイツがレッドで俺はブルーっていうこの関係性が実は気持ちいいっていうのが、多分メンバーの中でもあって。だからライブとかでも引っ張られるというか、そういう頼もしさみたいな感覚がスゴいあるんですよね」
 
――以前ライブを観て、渋谷くんを“いいボーカリストだなぁ~”って思ったのよね。でも今作を聴いて、“スゴいボーカリストだなぁ”って思った。“いい”じゃなくて、“スゲェ”って。
 
渋谷「めちゃめちゃ嬉しいですね」
 
――でもそれと同時に、柳沢くんのソングライターとしての高い能力も改めて再認識。これを聴いたときに。
 
柳沢「マジっすか!? ありがとうございます!」
 
――みんながSUPER BEAVERを良くしようとすることで、返ってそれぞれの良さが際立って分かってくるというか。だからスゴくいい関係。
 
柳沢「やっぱりこの4人が最高だとも思ってるんですけど、もし、その最高だと思うハードルが自分たちの中で下がってたら嫌だなぁって。最近は何曲か楽曲提供もさせてもらってるんですけど、俺がいいと思ったSUPER BEAVERでやれちゃう楽曲を人に渡して、いわゆる“売る”ということを目的にした人たちに真っ正面からぶつかったとき、通用するのかを見たかったんですよね。そしたらそれが採用された。これは戦えるぞって。そういう意味では結構自信にもなるし、メンバーもチャレンジを放任してくれてるっていうか」
 
渋谷「コイツ(柳沢)に至っては、何をしようとも絶対に最後はSUPER BEAVERに戻ってくる確信があるんで。コイツの書く曲が他の形でも世に出たら俺も嬉しいし、まあでも絶対うちの方がいいけどねっていう自信もあるし(笑)。あと僕も、アンダーグラウンドと呼ばれるジャンルの音楽が好きなんで、そこで遊びでベースとかもやってるんですよ。そこから見る景色とか考え方も一旦行ってみないと分からないことで、僕はそこにスゴく興味があったんで。でも、それも絶対にSUPER BEAVERにプラスになる自信があるからやれることで。みんながそれぞれにこのバンドに自信を持ってるから、どこで何をしようが、絶対にこのバンドにプラスに還元出来るんですよね」
 
柳沢「そこまで強固なモノになってたんですよ。自分たちにとってのSUPER BEAVERが」
 
――だからこそ、今回のアルバムには渋谷くんのソロ名義・澁谷逆太郎の『Goodbye』(M-3)も入ってきたりして、まさにボーダレスというか。聴いてるこっちも違和感がないから、それはスゴくオモシロいよね。
 
 
みんなで声に出して言ったとき、飛び越えられるモノがある気がして
 
 
――今回のリード曲『それでも世界が目を覚ますのなら』なんかは、ものスゴくメッセージ性があって、歌詞に思い知らされることが多くて。“終わりは始まり 本当にそうなの?”とかも、よく常套句で“終わりは始まり”と言うけど、それを否定するというよりはそういう考えがあってなお、“終わりは終わりで そういう世界だ だから愛しい”と歌える。自分がこう思うっていう考えがちゃんとある、あっていいんだって。まだ若いのに、とか思ったもん。
 
柳沢「極論を言ってると思うんですよね。でも、それって逆に言うと“若いから”かもしれなくて。先に極論を言っておかないと、絶対にこの極論通りには生きられないから。それくらいの覚悟を持っていかないと簡単に負けちゃうんですよ。本当は終わってしまったモノでも、“いや、またやれるっしょ”みたいな。もう絶対に同じモノにはならないのにそういうところに目をつむると、あとで何かのせいにしちゃうから。俺もそんなことばっか言い続けてきたので」
 
――自分に楔を打つじゃないけどね。前回のインタビューでもスゴく印象的だったのは、先を見るためには今をちゃんと見ないといけないって。今言ったこともまさにそうやなぁって。その先の自分の未来を考えたときに、今だから言っておかなければいけない。あと、今作ではコーラスも多くて。みんなで歌うってまた違うパワーを感じるよね。
 
柳沢「特に『東京流星群』とかは、単純にシンガロング出来る曲を作りたいっていうところから出来てたりするんですけど、みんなで声に出して言ったとき、飛び越えられるモノがある気がしていて。何かが違うし、何か分かる気もする。そういう想いをデカい声で歌ったときの根拠のない高揚感というか、そういうのって人と人との価値観の違いとかを飛び越える気がするんですよ。単純に“やったー!”とか“よかったー!”とか、例えば日本代表が勝って道頓堀に飛び込むのって多分それだと思うんですよ(笑)。みんな同じ気持ちになってる。そういう感覚って音楽にもあると思うんですよね。今回のアルバムでみんなで歌ってるところは、僕も個人的にいいなぁと思っていて。こういう曲がライブで、俺らも、お客さんも、みんなでその一節を“せーの”で歌ったときにあったらいいなって、ちょっと思ってましたね」
 
――そういうところもあって、『東京流星群』はアッパーやけどホント泣けるよなぁ。この曲は、みんなが東京に上京してくる中、SUPER BEAVERは元から東京出身でっていうところから始まったということだけど(笑)、自分たちにとっての故郷を歌いながら、みんなにもちゃんと共有出来る想いもありますね。
 
柳沢「それは歌いたかったところですね。この先も、俺の中の裏テーマに“東京ラブ”ってあると思うんですよ(笑)。東京出身を言い訳にしたくないんですよ、ホント。逆にされたくもないし、別に東京生まれだからって思ったほど優遇されるわけじゃねぇからって(笑)。“いいじゃん、最初から何もかもあって”っていうのはもちろん分かりますけど、どこにいようが何をしようが誰だって欲しいモノがあって、誰だって持ってないモノがある。一緒だと思うんですよね」
 
――東京出身だからヘンな話、もう辞めて田舎に帰ろうっていう区切りがないから、戦い続けなきゃいけない気もするね(笑)。次の人生を歩もうとする自分の田舎=東京に、戦い続けるみんなが見えるから。あと、『二人のこと』(M-5)は、ライブでやってたのをスゴい覚えてます。
 
渋谷「じゃあスゲェ貴重なやつを(笑)」
 
柳沢「全然やってないですからね(笑)」
 
――紙資料とかHPに、“ライブでも数回しかやったことがない曲”とか書いてて。でも俺は数回…(笑)。
 
渋谷「(笑)」
 
柳沢「その数回をジャストで観てた(笑)」
 
――そうそう(笑)。でもやっぱり記憶に残ってたから。覚えてるってなかなかないからね。
 
柳沢「この曲だけ、“僕らが好きなモノ”なんですよ。無理にひねり出したものじゃなくて、いわゆるこういうポップミュージックが好きなんです。ただ、今まで入れるタイミングがなくて」
 
渋谷「どうしても、浮いちゃってた」
 
柳沢「でも、今回のアルバムだったら全然イケんじゃねぇかって」
 
――前作のリード曲のアコースティックバージョン『歓びの明日に(Acoustic ver.)』(M-6)も、リアレンジで全然違う表情を見せてね。こっちもいいなぁって。
 
渋谷「嬉しい。それも見せたかったところですね。コイツが作ってくる曲がやっぱり僕らはスゴく好きで、その曲の持ってる力をシンプルに表現するには、アコースティックが一番手っ取り早くて、前作とのリンクっていうのもありやってみたんですけど。アコースティックも割と好きなんですよね」
 
柳沢「元々曲はアコギで作ってるんで、そっちに寄せられるんですよね。『東京流星群』だって作ってるときは弾き語りでザクザク弾いてるだけなんで、あの曲もゆっくりやったら割といい感じになるかも(笑)。今回このアコースティック・バージョンを入れたのはオマケっていうことではなくて、アコースティックあり、割とポップなキラキラしてる曲もあり、“あれ、SUPER BEAVERちょっと変わった?”“変わったんじゃなくて、見せ始めただけなんだよ”っていうことで。この曲入れることによって、一本筋が通ってるような感じはあると思いますね」
 
 
結局辞められなかったし、終わらせられなかった
そうこうしている間に思った以上に世界は淡々と進んでる
 
 
――そして、今回のタイトルは1曲目ともリンクしていますが、その『世界が目を覚ますのなら』はどこから?
 
柳沢「これは1曲目の『それでも世界が目を覚ますのなら』っていう曲名が先に浮かんで、この曲を軸に今作を作り始めたんですけど。僕が最初に思っていたのは、単純に“また明日が来るなら”っていうことなんですね。その最初の一節が出来たのが、あの大きな地震の2日後ぐらいだったんですよ。何も出来ない、何をしたらいいかも分からない。自分は実際に動いてもない。何を言っていいものか、言っちゃいけないものか。単純にいつ何が起きるか分かんないっていうことをまざまざと見せつけられたというか。そのときに、その頭の一節と『それでも世界が目を覚ますのなら』っていう言葉だけが出来て。そのときに思ったのは、“いつ明日がなくなるか分からないから、今日を一生懸命生きよう”だけじゃなくて、“もし今日また朝迎えられたんだったら、今日が来たんだったら、やってみれば?”っていうことだったんですよ。バンドだって終わらせることは出来るし、辞めようと思ったことも過去にはあった。でも、結局辞められなかったし、終わらせられなかった。そうこうしている間に思った以上に世界は淡々と進んで、僕らのそういう想いを置き去りにして朝が来る。でも朝が来てくれたんだったら、俺が今日もまた生きてるんだったら、とりあえずもう1回やってみようっていう気持ちというか。“ユメカラサメタクナイ”っていうフレーズも何となくではなくて、俺が今一番怖いのがSUPER BEAVERとして夢を追っかけなくなることで。夢からまだ醒めたくない。そこら辺が一気にリンクして出来た曲なんですよね。そこからタイトルにもして」
 
――そう考えたらここに至るまでの助走は長いね。
 
柳沢「(震災に関しては)ホントに端から見ることしか出来なかったし、今でもそうだと思うんですよ。でも、少なくともそういう気持ちが生まれていたのは事実で、それが自分たちのことを考え始めた時期と一緒だったし」
 
――やっぱり生きてりゃいろいろあって、ちゃんとでもつながってるね。自分がやってきたことがやっぱり今になるし、先になる。
 
柳沢「ホントっすねぇ」
 
渋谷「まあいろいろ腑に落ちなかったことも、ここにつながったなら良かったなぁと」
 
――それそれ! 前のインタビューで見出しになってるから!(笑) よっぽどだったんやね(笑)。
 
渋谷「アハハハ!(笑)」
 
柳沢「ホントだ!(笑) 同じこと言ってるね(笑)」
 
渋谷「恥ずかしいな(笑)。それも全部リンクして、自分らの経験となって、そういうことも実感出来た上で物事を発信出来てるのなら、あってよかったなぁって今なら思います(笑)」
 
――そういう経験がなかったら今の表現になってなかっただろうしね。今のこの音源が素晴らしいから、よかったじゃない。辞めないでよかった。ここに自分たちがたどり着けることを知らずに終わる方が不幸だったと思う。
 
柳沢「いやぁ、続けてよかったっスね、ホントに」
 
――そして、今作に伴うツアーもあって。それこそアンダーグラウンド/オーバーグラウンド、ジャンル入り乱れた対バンツアーを経て、東名阪ワンマンと。
 
渋谷「僕はJ-POPのド真ん中で歌を歌ってると思っていて、その中でオーバーグラウンドとアンダーグラウンドっていう言葉があること自体があんまりオモシロくなくて。ジャンルなんてせいぜいアプローチの仕方の違いだけであって、それに伴う想いだったり、音楽が好きってことだったり、お客さんを楽しませたいとか、強い気持ちを持ってやってる人たちの音楽は、どれもオモシロい。何となくカッコいいことを何となくやってても、どうしてもバレる。何か思うことがあって音楽をやってるなら、絶対に違ってくると思うんですよね。それを今回のツアーで見せられれば、シーンっていう概念を変えられる気がして」
 
柳沢「俺らが圧倒的にいいライブをすれば、人に歌ってる曲なので、人に届くと思ってるんですよね。“何でSUPER BEAVERそんなことになってんの?”みたいなオモシロさも見せたいし」
 
――いや~こりゃワンマンも楽しみですね。本日はありがとうございました!
 
渋谷&柳沢「ありがとうございました~!」
 
 
Text by 奥“ボウイ”昌史
 



(2013年6月28日更新)


Check

Release

最高傑作更新中! 圧倒的な歌力と
音楽の力に突き動かされる新作

Mini Album
『世界が目を覚ますのなら』
発売中 1500円
I×L×P× RECORDS
DQC-1040

<収録曲>
1. それでも世界が目を覚ますのなら
2. 東京流星群
3. Goodbye
4. 今
5. 二人のこと
6. 歓びの明日に(Acoustic ver.)

Profile

スーパー・ビーバー…写真左より、上杉研太(b)、渋谷龍太(vo)、藤原“25才”広明(ds)、柳沢亮太(g)。’05年結成、東京都出身。’07年に下北沢CLUB251にて初のワンマンライブを行いソールドアウト。’08年11月インディーズにてミニアルバム『心景』をリリース。初の全国ツアーファイナルの渋谷O-WESTワンマンもソールドアウトを果たす。’09年6月にシングル『深呼吸』でメジャーデビュー。同年11月に発売された3rdシングル『シアワセ』は魔法のiらんどとM−ON!の連動企画『ボクとキミ.com』で視聴回数100万回を超えるなど、そのメロディと歌詞の世界感は多くの共感を得る。同年11月には1stフルアルバム『幸福軌道』をリリース。ツアーファイナルの代官山UNITは大盛況の内終了。’10年10月に3rdミニアルバム『SUPER BEAVER』をリリース。映画『ソラニン』のプロデューサーの耳に止まり、劇中に登場するバンド“ロッチ”に『SUPER BEAVER』収録曲『ささやかな』を提供し話題に。’11年秋、所属レーベル&事務所を離れ、’12年には自主レーベルI×L×P× RECORDSを設立。4月にはシングル『歓びの明日に』を会場限定リリース、7月にはアルバム『未来の始めかた』を発表。’13年4月3日にはミニアルバム『世界が目を覚ますのなら』をリリースし、現在は同作に伴う全国ツアーを展開中。なお、柳沢は堤真一主演の映画『俺はまだ本気出してないだけ』主題歌となったSCANDALのニューシングル『会わないつもりの、元気でね』の作詞作曲を手がけるなど、ソングライターとしても活躍中。

SUPER BEAVER オフィシャルサイト
http://www.super-beaver.com/


Live

ツアーの最後を飾る東名阪ワンマン
大阪公演が間もなく開催!

Pick Up!!

『「世界が目を覚ますのなら」
 Release Tour 2013
~目覚める、ラクダ~』

【大阪公演】
チケット発売中 Pコード191-989
▼6月29日(土)18:00
LIVE SQUARE 2nd LINE
オールスタンディング2800円
GREENS■06(6882)1224

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【名古屋公演】
チケット発売中 Pコード192-244
▼7月7日(日)18:00
池下CLUB UPSET
スタンディング2800円
サンデーフォークプロモーション■052(320)9100
※未就学児童は入場不可。


【東京公演】
チケット発売中 Pコード193-314
▼7月13日(土)18:00
Shibuya WWW
オールスタンディング2800円
ディスクガレージ■050(5533)0888
※未就学児童は入場不可。

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Column

もう一度音楽を取り戻せ!
メジャー離脱、自主レーベル設立
起死回生の新作『未来の始めかた』
SUPER BEAVERがバンドの崩壊
とその復活劇を語る!
大反響を呼んだ前回インタビュー