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ホーム > インタビュー&レポート > 「いろんな人がいろんなところで歌ってくれたり、 流してくれたから、いろんな人の心に届いた。 そんなことを実感してきた20年でしたね」(宮沢) リリースから20年の時を経て、再び世に送り出された THE BOOMの代表曲『島唄』への込められた思いとは?


「いろんな人がいろんなところで歌ってくれたり、
流してくれたから、いろんな人の心に届いた。
そんなことを実感してきた20年でしたね」(宮沢)
リリースから20年の時を経て、再び世に送り出された
THE BOOMの代表曲『島唄』への込められた思いとは? (2/2)

--来年はデビュー25周年ですが、今年はそのプレイヤーで。プレイヤー的な仕掛けなど、何かお考えですか?

山川:一昨年は『よっちゃばれ』というアルバムをリリースして、大阪でもライブをやりましたが、今年から来年にかけては新しい曲も混ぜつつ、今の新しいTHE BOOMを出そうと。ファンの人は常に、“THE BOOMは次、何をやってくれるだろう”って期待していると思いますし。25周年という大きい目標に向かって進んでいますが、今年は新しいTHE BOOMの形を見せて、来年の25周年につなげられたらと思いますね。“THE BOOMってやっぱりカッコイイな”って思ってもらえるような作品を作って、ライブができたらなぁって。

--“新しいTHE BOOM”、そのヒントをください!


p3.jpg山川:『島唄』のリリースもそうですけど、2012年にはMIYAが全国を1人で廻ったりして。そういう思いが新しい曲の中に散りばめられていて。日本中、どの都道府県の人が聴いても、みんながいいなって思ってくれるような歌が出来ているかな。

--楽しみですね。それを4月20日(土)から始まるコンサートツアー『24』で披露されると。CDをリリースしてツアーでお披露目というのが、一般的な流れだと思いますが、リリース前にライブで披露されるというのは、何か違うものがありますか?

宮沢:(新曲の)反応が見たいですね。CDに収録されている曲は、なんていうのかな、たまごぐらいなんですよ。まず僕らが演奏してCDに収めて、皆さんのものになって。そうやって歌が育っていって、歌の大きさが判明します。いつも歯がゆいのは、僕ら自身もまだ人前でやっていないから本当の姿というのが…。みんなと一体になったら、もっと大きい歌だったのかっていうことが多いんです。でも今度のツアーは逆なので、皆さんの反応が楽しみですね。面白いと思いますよ。CDになった時の聴こえ方も変わってくると思います。

--『24』ツアーですが、関西は4月26日(金)・27日(土)のZepp Namba 2DAYSと、5月12日(日)の奈良・かしはら万葉ホールとがありますが、私は勝手に、大阪はTHE BOOMにとって第二の故郷だと思っているのですが…。

宮沢:東京の小さいライブハウスで活動をスタートして、同時期に大阪もね?

山川:うん。

宮沢:三角公園とか、バーボン(ハウス)とかいろんなところで、東京と同じように成長してきましたから、僕らにとって親みたいな感じで。だから、ライブでは“久しぶりに帰ってきたよー!”という気持ちになりますね。関西は、素直で正直な人が多いですからね。いいものを見せれば“いい”と言ってくれるし、そこまでいかないとちゃんと厳しく見てくれるし、僕たちからしたらすごくやりがいがある。うまくいったら拍手をいっぱいくれるし、鍛えられてきましたね。

--この24年、改めて振り返ってみて、いかがですか?

山川:あっという間だなと思いますけど、振り返ると大阪でもいっぱいライブをやったし、本当に揉まれて育って大きくなったって感じですね。いいものを見せなきゃなって、常に思っています。すごく期待してくれているので、応えたいですし、それに応えられるようにいたいなと思います。

宮沢:うーん、そうですね、なかなか24年、続けられるバンドも少ないでしょうから、本当に稀だと思うし…。今、『島唄』をリリースしたのもそういう思いがあるので。20年前、俺はあんなに熱い思いで何かメッセージを伝えたいと思っていた。今はもっと伝えたい。もう一回、心の中を覗いて、謙虚に行きたいですね。

--伝えたいたという思いは年々、変化してきましたか?

p2.jpg宮沢:年を取ると、若い頃のように熱く怒りを覚えたり、一つのことに抗議したり、糾弾したりしていた気持ちが薄れてくるんですよ。若い頃はものを知らないし、何とかできると思ってしまって。もう毎日、怒ってたし、それが歌になっていたし。でもやっぱり、どうやっても無理なんだっていうことが見えてくるでしょう? 俺はでも、そこも通り超えて、やっぱりどうにかなると信じてきたんですよ。自然界もそうだけど、人間の手でおかしくなったものは人間の手で戻せって思うし。だからまだまだ。“何、子どもみたいなこと言ってんだよ”って思われるようなことでも、言っていきたいなと思いますね。人々のちょっとした気持ちの変化で大きく変わってくる力もあるんじゃないかと思うし。

--では、最後にお伺いします。ここまで続けてこられた原動力は何ですか?

山川:先輩とか見て“すごい!”っていう、その気持ちが今も、デビューの頃から全く変わらずあって。そこに届いた感もまだ、全くないんです。ところどころで充実はするんですけど、大きいところで言うとまだだなって。デビューする時も、プロになるっていうことより、上手くなりたいなっていう気持ちが強くて、それは今もずっと変わらず。で、今もせっかくこうやって音楽をやれる場所にいるのだから、あの頃の気持ちのまま、やれることをもっとやっていこうって。あと、若いミュージシャンもどんどん出てきて、彼らとの交流がまた刺激になったりとかね。THE BOOMを聴いて音楽を始めたっていう若い子たちもいて、そういう子たちと一緒にやったりすると、まだまだここで落ち着いちゃダメだろうと。

宮沢:前から思っていることですが、拍手ですね。ライブが終わって楽屋に帰る時も、拍手を聴きながら帰るんです。その拍手があるから、また次の日も幕が上がる。“そんなのもう、聴き慣れてるだろ?”って思うかもしれないけど、いくら聴いてもうれしいものです。“ありがとう!”っていう気持ちとか、“また来てね”っていう言葉の代わりに拍手があるわけじゃないですか。それを聴きながら楽屋に戻っていく。拍手がなかったら、きついです。

--お客さんはいろんな思いを込めて拍手をしていると思うのですが、その思いが伝わっていると…。

宮沢:もちろん。拍手があるから次の幕が開くという、その連続ですね。それが原動力です。アンコールの拍手もうれしいです。 “また出てきて!”っていう気持ちですから。その気持ちは、何度ライブを重ねてもうれしいですね。
 
(取材・文/岩本和子 撮影/矢橋恵一)
 



(2013年4月 5日更新)


Check

Release

Single
『島唄』
発売中 1000円(税込)
よしもとアール・アンド・シー
YRCN-90208

<収録曲>
01. 島唄
02. シンカヌチャー(THE BOOM ver.)
03. 島唄(Symphonic Orchestra ver.)
04. シンカヌチャー(太鼓抜きver.)
05. 島唄(カラオケ)
06. シンカヌチャー(カラオケ)

20周年バージョンのPVも必見です!

Profile

THE BOOM

ザ・ブーム…1989年、アルバム『A Peacetime Boom』でデビュー。メンバーは、宮沢和史(Vo)、小林孝至(Gtr)、山川浩正(Bs)、栃木孝夫(Drs)。2013年は、4月20日(土)の横浜BLITZ公演を皮切りに全国11カ所を巡るコンサートツアー『THE BOOM CONCERT TOUR 2013「24」』がスタート。2014年のデビュー25周年に向け、新たな旅に出発。そして6月19日にはニュー・アルバムの発売も控えている。

THE BOOMオフシャルサイト
http://www.theboom.jp/

Live

『THE BOOM CONCERT TOUR 2013「24」』

4月20日(土) 横浜BLITZ(神奈川県)
4月26日(金) Zepp Namba(大阪府)
4月27日(土) Zepp Namba(大阪府)
4月29日(月・祝) Zepp Fukuoka(福岡県)
5月1日(水) 添田町オークホール(福岡県田川郡)
5月4日(土・祝) Zepp Nagoya(愛知県)
5月6日(月・祝) 倉敷市芸文館(岡山県)
5月11日(土) 三木町文化交流プラザ(香川県)
5月12日(日) かしはら万葉ホール(奈良県)
5月16日(木) えずこホール仙南芸術文化センター(宮城県)
5月18日(土) Zepp Tokyo(東京都)
5月19日(日) 八千代市市民会館(千葉県)
5月25日(土) 読谷村文化センター鳳ホール(沖縄県)

<関西公演>
Pコード:192-427
▼4月26日(金)19:00/27日(土)16:00
Zepp Namba(OSAKA)
全席指定-6000円(ドリンク代別途要)
[問]キョードーインフォメーション
[TEL]06-7732-8888

Pコード:192-427
▼5月12日(日) 17:00
かしはら万葉ホール ロマントピアホール
全席指定-4800円
[問]かしはら万葉ホール
[TEL]0744-29-1300

※3歳以上は有料。3歳未満でも座席が必要な場合は有料。
※中学生までの方は割引有り。公演当日入場時(終演後無効)に証明書(学生証・保険証)を提示。大阪公演は3000円、奈良公演は2000円を返金。

前売チケット好評発売中!!
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